電子限定かきおろし付
「俺はついてない…」
オーディションに落ちてばかりの駆け出しの俳優である涼介は、不注意から高級車に傷をつけてしまう。
車の持ち主は有名な俳優の雅人のもので、修理代と代車の費用あわせて高額を請求され、到底払えず弱り切ったところに所属事務所の社長から仕事があると声を掛けられる、というところから始まるお話。
連作短編集で7本収録。そのうち最初の3本が雑誌掲載作で、残りの4本は書き下ろしのようです。贅沢ですね。
ハル先生の初コミックスとのこと。肩の力を抜いて楽しめる芸能ものでした。
タイトルのアクマは、強引で傲岸不遜な攻めの雅人のことを表しており、表し方は独特ですが雅人は主人公の涼介のことをとても気に入っています。気に入ってるだけでなく、自分の付き人にして、ほうぼうに顔つなぎして、仕事のチャンスもくれて、ある意味王子なんですが、キスを迫ったり添い寝したり特に最初の数本はセクハラめいていてちょっとアレでした。最初は特に恋愛の要素を感じられなかったこともあって、餌を与えて身体を奪う風に読めてしまったので、途中から考えるのをやめ、普通にラブコメとして楽しみました。
「アクマの誕生日」がとても好きです。お話の落とし方も幸せでよかったです。
続きが出たので久しぶりに再読。
芸能界ものBLが好きでたくさん読んでいますが、好きの上位に入っている作品です。
キャラクターも物語も絵柄もどれをとっても素晴らしいです。
タイトルになっているアクマ、人気俳優の小島雅人の傍若無人ぶりが心地良いです。
本当にかなりひどい傍若無人なのに、嫌な感じがちっともしないのがすごいです。
うっかり小島の高級車に傷をつけてしまったことから、高額な修理費を払うはめになってしまった新人俳優の加藤涼介の純真無垢ぶりに感動します。
彼もまた、驚くほど純真無垢なのに、嘘っぽい感じがちっともしないのがすごいです。
悪徳事務所の悪の計画から救い出され小島の付き人として24時間つきっきりで奉仕することになった涼介はたくさん苦労もしますが、小島の采配で俳優への道が開かれていく様子は、かなり胸が熱くなりました。
小島に溺愛されているのに涼介が気づいていないというのもかわいいです。
社長が涼介の唇の荒れ具合で小島が涼介に何をしているか気づいて注意するのは、溺愛の深さが身内にだけは伝わっていることを表していて、萌えるし笑えます。
そうして大事に大事にしてきた涼介のレイプ未遂事件により、小島のタガが外れてしまい、ひどいことをされている涼介もかわいそうでしたが、加害者になった小島もとてもかわいそうでした。
ハッピーエンドになる前のきっかけとはいえ、2人が悲しくなり苦しい思いをするところは正直、見たくなかったです。ここは好みの問題だと思いますが、自分は嫌でした。
そういうとても苦しい事件を乗り越えてのハッピーエンドには心からほっとして、おめでとうという気持ちになりました。
涼介の無垢さと強さが物語を暗くなりすぎないようにしたと思います。
初めましての作者さんです。
と思ってたら、4月の東京はの作者さんだったんですね!こんな感じだったっけ?
アクマのお話?と思ったらある意味アクマと契約なお話でした。
う〜ん、なんというか、ザ!クラッシックBLですね?
絵もちょっと時代を感じて設定も展開もザ!王道といいますか。
憧れの大人気俳優になぜか意地悪されちょっかいを出され、キスとかそれ以上とか…、なんでこんなことするんだよぅ!な受け。
傍から見ると攻めから寵愛を受けて顔を売ってくれて身元も引き受け至れり尽くせりなんですがね。
嫉妬→お仕置きパターンも何度もあったり。なぜなのか言わない攻め、あるある。
というか、俳優を大人気作家とか他の職業にしたら、あれ?こういうのあったような…?な感じがして。
才能があって頑張り屋さんなのに恵まれない受けのどこをそんなに好きになったのかな?ずばりそこ?それかいじめたくなるところ?可愛いところ?
めちゃめちゃよかったです
小島さんがすごくカッコ良かった
加藤くんがすごく可愛かった
すごく素敵な二人です
加藤くんのお目目がキラキラしててすごく可愛らしい
一生懸命で擦れてなくてホントにいい子
小島さんはホントにアクマでした
けど、カッコいいし狡いね
なんでも持ってる人なんだろうけど、それでも自分が初めて欲しくなったものは怖くて掴めないのにきゅんとしました
独占欲丸出しなのに、不器用なのが人間くさくて好き
社長さんのキャラも好き
終始、ドS攻めの王道といった雰囲気でした。芸能界でもトップクラスの俳優と、その付き人になってしまう駆け出し俳優という組み合わせも王道。涼介が小島に早い段階から手を出されたり、悪徳な大人達に危うく貞操を奪われそうな目に逢ったりするところも王道です。ここまで王道な要素を揃えたなら、もうこの勢いのまま突っ走って欲しいですね。涼介の素直さは下心だらけの芸能界では誰の目にも眩しく映るでしょうから、大人の汚さになんとか染まらずに、芽吹いてもらいたいと願います。少女漫画的展開が苦手な人にはオススメしませんが、王道な展開が好きな方にはハマると思います。