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『陰と日向のボーダーライン』
他人に優しさを差しのべられる清らかな柴村。
その柴村が憧れる丸山課長は、実は柴村を組み敷いて好き放題する妄想をして興奮している。
最近セッしていないから欲求不満もあるので、一夜限りの相手を適当に見繕ったら公園で青姦を求められて、萎えながらセッしていた。
しかし相手の喘ぎ声をうめき声だと思い、親切な柴村が大丈夫ですか!?と心配して声をかけてきて───あの丸山課長が男と青姦...!
でも柴村は幻滅なんてせず、自分も多分ゲイだと告白してきて。
認めるのも怖いし、田舎ですぐ噂が広まってしまうのもあり誰にも言わず抱えてきたという柴村を慰めて、お持ち帰りした丸山は、組み敷いた柴村の反応が妄想以上で付き合おうと言う。
晴れてお付き合いした2人。
青姦を萎えると言っていた丸山が、柴村相手では自分から提案してるのが恋は盲目だなと。
あと、ヤるだけとかヤってばっかりは柴村じゃなくても不安になるし不満にもなると思う。
モテるだろうしお付き合いも手馴れてそうなのに、感覚の違いなんだろうかと思ったけど、違うわ、丸山は柴村を試したいんだ。
そんなにまでして自分を受け入れてもらいたいのは、家庭環境や生育環境のこともあって...。
きっと心に穴があるんだろうな、それを埋めてくれるような相手を求めていて、柴村がそうだったんだろうな...だから試してしまったんだと。
これからも丸山は柴村を試してしまうんだろうけど、柴村のお陰でいつか安心できる日が来るんじゃないかなと思う。来ればいいな。
『街角のプロローグ』
イタリア人ロベルトの孤独で心地よい生活は、母親が勝手に語学留学している日本人のユースケを下宿させることを決めてしまったことで崩壊しようとしていた。
陽気でお喋りでルーズで女好き...イタリア人のイメージとは真逆に仕事熱心で女より1人で音楽や映画を楽しむのが好きなロベルト、一方日本人と言えば勤勉で静かなイメージなのにユースケは明るくて声がデカい。
アパートは親の持ち物で格安で借りている立場なので、ユースケが帰国するまでの半年間我慢するしかない。
嫌々だったけど、ユースケの一生懸命仲良くなろうとする姿勢に絆されて食事に行くように。
ユースケがイタリア語を学ぶ理由は映画で、2人とも趣味が被っているんだなぁと。
夜遅くまで勉強するユースケに、「さすがやっぱ日本人だな、勤勉で」と褒めると、ユースケは日本人だからじゃない、俺が頑張ってると訂正してきて。
怒ったんだろうか?と思うのだけど、なぜ怒ったのかロベルトには分からない。
話を聞いてみて、ロベルトは嫌われたのではないとホッとしている自分に気づく。
ユースケがロベルトのことを好きそうな描写があって、ロベルトもユースケに別れ際キスするので両思いじゃん!となるのだけど、イタリアでは別れの挨拶でも口にキスするのか?という問いに少し迷ってそうだけど?と返したので、それ以上発展することはなく。
しかしユースケが帰国したあと、快適だったはずの1人が落ち着かない。
メールしてねと言われたのに、1か月後にようやく「挨拶で口にキスなんてしない」とメールをしたあたりがロベルトらしい。
返信は来たのだけど、どんな内容が書かれているのか恐ろしくて読めずにいたのは振られたらと怖かったんじゃないかとなんだか愛らしくて。
今までは返さなかった日本語の挨拶を返すのも、最初の日本語が「オカエリ」だったことも、じわっと幸せな気持ちにさせてもらえた。
あの笑顔で「タダイマ」と言うユースケが素敵。
メールの返事の内容が想像出来た。
因みにエロはなかったです。
『雪の夜』
陰と日向のボーダーラインの描き下ろし。
丸山課長の雪解けの春は近い。
Kindle→修正なし(濡場はあるけど修正不要な描き方)
去年の10月に読破。
表題作は全編ギャグ封印シリアス路線、しかもちょいダーク系なので、かもめさんのギャグが大好きな私には合わないかと思い、買うつもりはありませんでした。
でも「恋ときどき、焼きサバ定食」よりもこちらの方が評価が高かったし、2日間限定半額セールだったのでポチリ。
下記2作品が収録されています。
①表題作、107ページ+描き下ろし:
リーマン同士「トラウマ持ち上司x健気ワンコ新人」(えrは他著作よりやや多め)
みなさんのレビューを読んで攻めはどんなひどい奴なんだと構えていましたが、全然大丈夫でした。
それに受けが本当にいい人!
自覚があるのかないのか、攻めよりも一枚上手で、結局は攻めをうまく手のひらで転がしてめでたし。
毒親のせいでトラウマを抱えた攻めの凍り付いた心を、描き下ろし最後のページで受けの「俺が溶かす」。
これがすーーごく良かった。
②短編:「イタリア人x日本人留学生」(えrなし)
私もたまたまこういう「マンマミーア!」って絶対言わなさそうな(というか言わないw)物静かで真面目なイタリア人(しかもイケメン)が友人にいるので、すごく親近感わきました。
かもめさんの絵柄は白人さんに合う!
語学あるあるも日本人あるあるも「そうそう」と頷きながら、たっぷりと堪能できました。
てゆーかDVDが進撃ー!ww
<こんな方にオススメ>
・かもめさんのギャグ封印シリアス作品にご興味ある方
・年上攻めお好きな方
「陰と日向のボーダーライン」
いかにも愛されて来たであろう明るく正しい柴村。そんな柴村から憧れられている課長の丸山。柴村を試す気持ちはわかるけど…。
まあ憎んだりひがんだりよりはまだいいか?
こんな丸山を受け止めて真剣に考えて守ろうとしてくれて。良かったね、丸山!
ちなみに試す系の攻めは苦手です。
どこかで読んだのですがビートたけしさんが、30過ぎても親のせいにする?親を恨むのはバカだ。みたいなことを言ったそうで、それ以来自分に何度も言い聞かせてます。
30も超えたら自力で人生を建て直さないと。
「街角のプロローグ」
ユースケ偉い!差別に折れず前向きで努力して明るくふるまって。
ロベルトは生き辛そうですね。共感しかない。許せないんだよね…。
ユースケとの暮らしが楽しくて良かった。
最後も良かった!
◾️影と日向の〜
『最後まで手放せないものになりたかった』
表題作は、重めの社内恋愛
一見完璧だけど、相手を試して愛を確認しないと安心できない上司と、明るくて人好きのする部下(自分はゲイかもしれないと悩む)。憧れの上司には暗い過去があり、今は今で実の母親に金を無心されている
一応ハッピーエンド?だけど、最後の最後まで仄暗い。そもそもメンヘラ系のキャラクターが得意でないので、ちょっと好みとは違いました
◾️街角のプロローグ
イタリアの真面目リーマンと、イタリアに語学留学に来た大学生(?)がルームシェア(というか居候)する話
日本人だからではなくて俺だから、イタリア人だからじゃなくてあなただから
カタコトのイタリア語で一生懸命に話しているのがこちらにも伝わってきて、思わず脳内変換しながら読んだ(伊語はわからないので英語で)
真面目なイタリア人のメールが可愛い
表題作
クールな丸山課長がいい。
幼少期の親からの仕打ちでのトラウマの描写が辛かったけど。
素直な部下・柴村のカミングアウトを受け止めたの、自分がそうしてもらいたかったことをしてあげたのかなと。
丸山は柴村を試すようなことをしてしまうのわかる。
柴村は戸惑って一時、距離をとったけど、丸山に応えてハピエンになってよかった。
柴村が丸山の母親へ、丸山のことをもう傷つけないでと言ったのが、ただのいい人ではなく、ほんとに誠実な人で丸山を大切に思っているとわかった。
それも、丸山も過去、ゲイだと隠さなければならなかった辛さがあったり、辛い人の気持ちがわかる人だからなんだろうなと。
丸山はそんな柴山と出会えて、お互い必要で、必要だと思ってもらえてよかったなと思った。
描き下ろし「雪の夜」で
きっと課長(この人)は凍えたままだった
俺が溶かす
の柴村の独白がかっこいいもんね。
「街角のプロローグ」
イタリア人と日本人留学生の話。
イタリア人気質ではなく、マジメで無愛想で実はシャイなロベルトかいい。
日本人は勤勉と言われたユースケが「俺が 頑張ってる」と言ったのもよかった。
最初はユースケが下宿するのを嫌がっていたロベルトが、ユースケ帰国後、孤独に耐えられない姿がかわいい。
送ったメールもよかったし、返信のメールを怖くて読めないのもどんだけー!とw
ラストもよかった。