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鬼才の新人 初コミックス‼︎
オレとあたしと新世界というタイトルが好きです。
なぜかまだ読んでいなかった作品のひとつだったのですが、新刊発売を機に読んでみたところ…こ、こんなに面白いお話だったなんて…!
とにかく情報量は多いですし、画面も登場人物たちもかなり賑やかでクセが強めなので、慣れるまではちょっとだけ読みにくさを感じました。でもこれが良いんですよ。
なんだろうなあ。全体的にコミカルな雰囲気で読んでいて楽しいのだけれど、根っこの部分がとてもやさしいお話という印象です。誰も彼もがわざとらしくないやさしさを持っていて、なんだかこの世界に住んでみたいと思ってしまうようなあたたかさがありました。
ゲイバーで働くしのぶと土木作業員の誠の出会いから始まり、あたりを個性豊かな登場人物たちにがやがやと囲まれる中で、気が付けばあっという間にお話も2人の関係性も進んでいくのです。かなりのテンポの良さ。
笑えるような楽しさ、幸せからの急降下。怒涛の展開すぎて置いて行かれてしまうのかと思いきや、そんなことはなく…
むしろどんどん惹き込まれていくのが不思議で仕方がありませんでしたし、何より愛がすごい。
まだ始まったばかりのこの1冊に深い愛情がたっぷり詰まっていました。だからなのか、決して暗い空気のままにはならないんですよね。
誠の環境は変化していっても、しのぶへの想いだけは変わらない一途さに胸を思い切り掴まれました。
10年もの長すぎる歳月を経て、変化した者とそうではない者。
1巻では誠の新世界が。そして、果たして2巻ではしのぶの新世界がどんな景色に見えるのかを楽しみにしつつ、彼らの続きを追いたいです。
1-5巻、電子版で読了。
外観が日本人に見えないマコトは、ノンケ。
お人好しで濡れ衣を着せられても、言い訳や釈明が出来ず、黙って打たれる。
そんな不器用な建築現場で働く男、マコトと、
テンパると英語オンリーになるオネエのしのぶが出会って、
なんとなく一緒に暮らすようになる。
マコトにも、シノブにも、辛い生い立ちと寂しさがある。
しのぶは、恋人を包み込む母性的な包容力を持つ、優しい人。
シノブが昏睡したままになったり、
建築会社で働くマコトが沖縄に異動になったり、色々な事が起きる。
完結したら一気読みしようと思っていた作品だけど、
まだ完結していなかった。
かと思いきや、2話で早くも奈落に突き落とされた!?
嘘でしょ……まだ、既刊5巻の中の1巻目だょ……。
と、白目剥いた次第です。
冒頭の舞台はゲイバー。といっても、ゲイだけの為ではなく、ゲイ以外のお客さんも受け入れている観光ゲイバーです。そこの店員のしのぶが彼氏にフラれて傷心の時、ふらっと店に呑みに来た外国人のような風貌の若者・マコ。
しのぶの元カレの荷物を片付けるのをマコが手伝った事により、二人は友人に、そして恋人同士になります。
ところが、ある夏の日、ゲイバーの皆で毎年恒例の海遊びの帰り道、一行を乗せたバスが交通事故に巻き込まれてしまいます。
重軽傷を負った仲間たちの中で、しのぶだけが意識を取り戻さない。昏睡状態になった彼を、マコは支え続けます。
ゲイバーの人々の掛け合いが楽しいだけに、幸せが長くは続かなかった衝撃がすごい。いやいやまって、『タッチ』だってかっちゃんが死ぬまでもうちょっと長くあったでしょー。とか、嘆いている間もないくらい、しのぶさんが昏睡している間も店の皆がキャイキャイしてて面白いし、しのぶさんの母・百合子さんや、マコの勤め先の「外人部隊」の人達など、脇役が盛り上げてくれるので、そんなに悲愴感に打ちのめされる感じではなかったです。
でも、周りがにぎやかなだけに、ふとマコが独りきりでしのぶさんとの日々を回想してるシーンが切なかったです。
しのぶさんの担当理学療法士の東條さんがマコにアプローチして来た時には、これからしのぶさんが目覚めるまで長い間ドラマが展開していくのかなあ、と思ったらあっという間に約十年の月日が流れて、おおっ!? ってなりました。
目覚めてみたらすっかり大人になっていたマコに、どうするしのぶさん!
続きが気になるところで次巻に続く! となってしまいました。気になる……でもいいんだ、三巻までまとめて買ったから。
怒涛の1巻でしたが、読みごたえがありました。
1冊のうちにこんなに山あり谷ありな作品って少ないと思います。
割となんでもOKな雑食なので、ガチムチオネエも面白そうならドンと来い!と思いながら読んだあの日の衝撃。
あの頃はちるちるさんは見る専でだったので、今頃ですがそっとレビューしておきます。
画力が高いので、時間経過の重みが絵からのみでも伝わります。
骨太な内容で、愛しさがこみ上げる。
読み終わった瞬間、推しBLの中にズドン加わりました。
読後の衝撃と喜びが過ぎて快感を覚える本って稀にありますよね。
1巻は特に読んだ人に衝撃を与えると思います。
マコちゃんもしのぶも好きだけど、私はこの時点では分かりやすくしのぶに傾いてたんですよね。(過去形)
自分はこういうキャラに弱い!という傾向と癖を押しのける魅力を持ったキャラクターに出会える作品は傑作なことが多い気がします。
そういえば、この本を本屋さんで見て手に取った時に、なぜか少し懐かしさを感じたんですよね。
山田ユギ先生の推薦帯がついているのを見て、適任な人選…!成程これか……と思いました。同じ匂いがするというか。
私はユギ先生をデビュー時から読んできた人なのですが、通った人はハマるタイプの作家さんだろうと思います。
ユギ先生はオレあたが本当にお好きだろう…!というのが伝わってくる内容でした。
親近感を感じる熱量と質量をお持ちだと思った人は多いのでは。
ものすごーくテンポ良く進むお話です。
いきなりメインキャラが昏睡状態になってえーっ!となって。
その間に片方は別の男と付き合い始めてえーっ!となって。
別れたらもう片方が目覚めてえーっ!となって。
1巻で10年も時がすぎてるってびっくりだ~。
キャラもみんな賑やかだし展開も目まぐるしいんだけど、
時系列が一方向のみでまっすぐなので
淡々と進む日常も一緒に感じ取れる気がします。
恋人が10年も眠ったままなら
マコも東條にふらっといっちゃうの仕方ないとは思うんですが
しのぶが目覚めたからには、今後このことが影を落とすことになるのかなあと辛いです。
おまけの4コマのマコになんとなく癒されました。