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表題作パブリックスクール -ツバメと殉教者-

スタン・ストーク
ウェリントン寮の監督生
桂人・ヴァンフィール
ウェリントン寮の監督生

あらすじ

エドと礼が通った、貴族の子弟が集う名門パブリックスクール──全寮制のリーストン校を舞台に描く、「パブリックスクール」シリーズ、待望のスピンオフ!!
イギリスの貴族社会の小さな縮図である学び舎に馴染めない青年たちの恋と葛藤を綴る、センシティブLOVE。

作品情報

作品名
パブリックスクール -ツバメと殉教者-
著者
樋口美沙緒 
イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
パブリックスクール
発売日
ISBN
9784198644185
4.5

(126)

(97)

萌々

(14)

(7)

中立

(3)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
15
得点
565
評価数
126
平均
4.5 / 5
神率
77%

レビュー投稿数15

非常に難しいテーマを扱った作品

前パブリックスクールシリーズと同様、予想と違う展開が繰り広げられました。評価が非常に難しい作品です。単純にBL萌えという意味では、そこが作品のメインテーマでないので、評価は低くなり、多分にBL要素を含んだ一般よりの小説として見ると評価は上がるように思いました。

今作はスタンと圭人が親の虐待という共通の過去と向き合い、乗り越えて、愛を深めていく事がテーマであるのかなーと単純に思っていたら、真相がメンベラーズによって仕組まれた次期のパブリックスクールの秩序をスタンと圭人にサブ的な立場で維持していってもらうための一芝居だった所が斬新でした。(この仕組みもメンベラーズが不器用なスタンとアルバートの兄弟を愛するが故の側面もありますが・・。)日本社会にいる者には、馴染みのない感覚でありますが、パブリックスクールが社会の縮図である事をこの作品から痛感しました。パブリックスクールでの立場がそのまま実社会まで続いてしまうという現実を海外映画で何本か見ましたが、特殊で閉塞的な環境だなーと思います。こういう環境で多感な思春期を過ごしていくのは、貴族なりの大変さがあるなーと実感しました。とても憧れでは終われないです。

yoco先生の表紙は表と裏ともに非常に素敵でした。装丁も凝っていて単行本も良いですね!スタンも強さも弱さも合わせ持つ非常に人間味のある魅力的なキャラで良かったです。ただ残念ながらメインのスタンと圭人のカップリングには萌えず、むしろスタンとアルバートの危うい兄弟関係の方に萌えました。二人ともよくもこういうギリギリの関係を長らくこじらせてきたなーと。反応する所、間違ってますか・・?個人的には、樋口先生は双子の関係性にかなり力を入れられて描かれているように思いました。全部読んでみて、アルバートとスタンとの今までの軌跡とこれから紡いでいく双子のそれぞれの未来の有り様を思い浮かべました。余り単純明解な作品でなく、読後感に何処か割り切れないような不思議な余韻を残す作品でありました。これも作家さんとしてのチャレンジなんでしょうね。

3

もだもだカップル

パブリックスクールシリーズは一巻から読んでいたのでハードサイズでこれがでて本当に嬉しかったです!今回はスタンが結構ヘタレ気味だと言うのは聞いていたのですが、それが後半にならないとわからないので、中盤までスタンが冷たいので心配しました。ケイトの、しっかりしてるけど中身は弱いところがすごく可愛いです。くっつくまで結構かかってもだもだする二人が可愛いし、他のキャラも素敵だし、表紙もえっちぃ感じで(笑)綺麗なので、ぜひ読んでください。

0

読んで損はなかった

 たくさんの素敵レビューがあるから今更の投稿を迷ったけれど、まだ読んでいない人に「ともかく読んでみて欲しい」と訴えたくて、僭越ながらレビューしている私。

 話題になっていた人気シリーズ作品のスピンオフは価格が高い単行本。パブリックスクールの話は特に好みって訳じゃなかったし、絵師さんが苦手だから、決して手に取ることはないだろうと思っていたのだけれど、書影を見た瞬間に心臓を鷲掴みにされてしまった。このフェロモンだだ漏れでセクシーな視線の表紙イラストの素晴らしさと言ったら~!何時間眺めていても飽きない。ウットリしながら絵師さんに土下座。そして「自分好みな攻キャラに違いない!」と強く確信して購入。
 
 結果として、攻のスタンは予測通りに凄く好みなキャラだった。貴族のご子息であるスタンは、頭脳明晰・眉目秀麗・身体能力も高く音楽の才能も人徳もあるオールマイティーなタイプで、おまけにフェロモンだだ漏れのセクシー系で結構なヘタレ。一方、受の桂人は、賢くて芯が強くて男前な優等生。そして寂しがり屋さん。私的には桂人というキャラは微妙だった。何か可愛気に欠ける気がした。スタンを包み込んでしまうくらいの包容力を持っているところは良いのだけれど、芯が強すぎるところとか男前すぎるってところが好みじゃなかったのかな。
 
 内容的には、桂人視点で進んでいくから、スタンの感情の推移をもう少し詳細に知りたいな~、と少し不満を持ちつつ読んでいた。でも、チャリティイベントでの桂人の朗読シーンにきてボロ泣き。初読時にも再読時にもボロ泣き。たぶん、今後何度読み返してもこのシーンで泣くと思う。だって、ボロボロに傷つけられた寂しい少年・桂人が、実は「愛を乞う少年」ではなく「愛を与える少年」だったのだから。この辺のことは読んでもらえば分かる。というか読んでみて欲しい。
 
 同種類の虐待経験をもつスタンと桂人の未来は明るい。誰よりも深く理解し合えると思う。
 
 おっと、忘れてならないキャラがいた。メンベラーズ。彼は脇キャラながら凄く存在感がある。桂人のことを狙っているだけあって桂人の良き理解者だから、ここぞというシーンで桂人を慰め励まして、スタンをヤキモキさせている(笑)。曲者メンベラーズとヘタレなスタンの関係はなかなかに興味深く面白い。
 
 モノクロイラストは、やっぱり苦手だった。ファンの方には申し訳ない…

2

深くハマります

紙で購入しました。装丁が美しかったので、手元で楽しみたいと思い、書店で取り寄せました。これまでのシリーズが大好きだったので、スピンオフという情報で、あのキャラクターが!と妄想して興奮していましたが、その後の全く別の学生の話でした。主人公のケイトは日本人ハーフでレイと同じですが、レイのように聖女ではなく、社会の底辺を見たサバイバル経験のある子です。だけど、愛に恵まれず、レイプされてトラウマもある苦しい子です。本書は貴族優位、同性愛の他に性的虐待の要素が含まれます。一度読んでみて、健気で痛々しくて、でも強い子な主人公に複雑な感想で何日か置いてみたのですが、読見返したらもう、毎日読み返している始末です。打ちのめされる瞬間の感情の移り変わり、自分に言い聞かせる冷静な声、何度読んでも涙が出てしまいます。ただ、カバーイラストが抜群ですが、挿絵はまずまずでした。パブリックスクールの設定が好きだと、生徒のパターンで無限に楽しめるシリーズになると思うので、樋口先生にギルバート、ゴドウィンなど強者のスピンオフを書いてもらえたらと個人的に願っています。

3

パブリックスクールの世界観が再び!!歓喜!!

素晴らしかったです!

パブリックスクールの続編?になるのでしょうか??

今作のキャラクター達はどの子も輝いていて
エドとレイの時とは別の感動をもらえました(*´`)♡



スタンは器用な芸術家。詩的でユーモアを交えた会話運びからさぞ賢いのであろう!

序盤は得体の知れない怪しげな不良として登場しますが物語が進むにつれ弱者を見捨てられない優しい青年の顔が出てきます。

彼は優しい、しかし優しさと同時に弱さを持っていることが分かってきます。


受けのケイトはアジア系イギリス人で複雑な家庭に育ち愛を見失って生きています。美しく線が細い容姿に対して、なかなか根性が据わっていますw
そんな彼がスタンに自分の弱味をさらけ出すところから変わっていきます。

親の虐待という重いテーマ。

不幸な境遇を経験しているスタンとケイト。
そんな2人があっさりと普通の恋愛ができるのかな?
互いを愛していると認識したあとも、一悶着ありそうな気がする。


さらなる続編に期待してます!!



3

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