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味噌屋の若旦那が主人公だから
死者の情念が時を経て熟成された怨念や情念を 今生きる人に伝える、拗れをほどく、ということが出来るのかな。
明治か大正辺りの、日本が一番綺麗だった頃の時代背景。
登場人物は、みんな綺麗。背景も綺麗。
御伽草子と思って読むと、味わい深くて好きな作品。
この作品を昨今のBL作品と同じBLに分類してしまっていいのかと思うくらいエロは一切ありません。
でもその無いことが色気を醸し出したり想像をかきたてます。
エロがない分、ストーリーは重厚な今市子ワールドでLOVEではなく人間味のある物語が多いです。
人間の作り込みが深く、人物がはなしを盛り上げて行きます。
ところどころに散りばめられた言葉や物語も面白い・・・というより美しいです。
そこまで時代背景を調べてないとあとがきで書いてあったりしますが、それを感じさせない完成度です(多分専門的な人から見たらつっこみどころはあるんでしょうが・・・)
超絶好きです。
レビューや評価を見る限り大衆向きではないのかもしれないけど、どうしようもなく自分の好みでした。
ネタバレにならない限りで刺さったポイントを箇条書きにすると
・隠れた色気のある男芸者(※ただしウリではない)っていうのが最高
・何だかんだいってバカ旦那はとてつもなくいい男
・たまーーに、ごくたまーー垣間見れる与三郎のデレ(?)に殺される
・客(上)と芸者(下)の関係で話が進んでいく
からたまに忘れがちになるけど、ふとした瞬間に「これは歳下攻め」ということを思い出すと堪らない気持ちになる
etc
という感じですかね。
たしかに直接的な"love"描写は余りにも少ないですが、私は行間のloveを読む作業が大好きなのでとても楽しめました。
質の高いBL萌えを随所で提供してくれるホラーコメディ(一般向け作品)とした臨んだ方が楽しめるのかもしれません。
ホラーと推理小説は全く守備範囲外で、前々から知ってはいたけど機会があったら読んでみようかなぁ~くらいの気持ちでいた作品だったのですが、偶然、連載が載っている雑誌を購入し何の気なしに読んだのですが、もしかして面白い…!?
この二人、熟年カップルのような安定感もあるようで、プラトニックなような雰囲気もあって、なんだか気になってしまい購入。
少し懐かしい感じのする絵がすごく私好みでよかったのですが、BLばっかり読んでるせいか和服姿の女性の見分けがつかなかったり(笑)読解力が無いせいか話がストンと落ちてこなくて何度も立ち返ってしまったりと気になる点はあったのですが、それを踏まえても話自体しっかり練られているし、メインの二人だけでなく、まわりも一筋縄ではいかなそうな魅力的なキャラで固められているので話として面白かったし、やっぱり読んでよかったです!
スバダリだけど中身は残念と思われている昼行灯の升一郎が時折見せる鋭い観察力に、本来の彼ってどんななのってドキッとしちゃうし、さらに幇間の与三郎のことも口でこそ「俺の情人」とか、いいのは「身体」とか言ってはいるものの、飄々とした人柄のため周囲の期待を欺くために利用しているだけで本当に想いがあるのか掴みづらくて、その反面、焼きもち焼いたり、むりやりキスしたりと、やっぱり本気?と思わせるところもあって裏の顔のあるキャラに弱い私としてはすごく気になる…。
一方の与三郎の方はお座敷に呼ばれるのはありがたいけど、カラダを求められるのは迷惑千万とばかりに拒否しまくっていながらも、ちょっとずつ升一郎にほだされている様子に期待大(笑)
皆さまのレビューからなかなか一線は越えてくれない(泣)のはわかっていながらも、焦らされながらも二人の行く末をのんびり見守っていきたいと思わせる作品でした。
今さんのBLなんですが…これはBL?(苦笑
『百鬼夜行抄』とかなり雰囲気が似ています。
わざわざこの題材を別に描くのはかなりハテナ?です。
そんなことなら『百鬼〜』の方で描いてくれれば良いのにというエピソードがいっぱいです。
攻めは老舗高級味噌屋(なぜ味噌屋…今さん流石だ)の若旦那、升一郎。
外見に反して、中身は残念。
受けは吉原で幇間(太鼓持ち)を生業とする与三郎です。
今回そういうシーンはキスくらいしかありませんし、たぶんこっちが攻めだろう的なものです。
ただ与三郎の方は他の女性はもちろん、男性との行為も仄めかされています。
ストーリーの大部分は升一郎が巻き込まれ、そこに与三郎が関わるような怪談めいた事件が中心です。
直接的な色気はほぼ皆無なので、少しのセリフや表情に妄想を働かすことが出来る人はお好きかもしれません。
わたしも幸いにして妄想族なので裏を読んだりが楽しいのですが、もうちょいサービス欲しいなというのが正直なところです。
続刊は購入するか悩み中…