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表題作ずっとここできみと

天田征矢、理玖の幼馴染み 高校三年生~大学生
雨宮理玖、両親を事故で亡くして一人暮らしの高校生~大学生

その他の収録作品

  • ずっとずっとずっと
  • あとがき

あらすじ

高校まで一緒だった幼馴染の理玖と征矢。
けれどもうすぐ征矢は理玖のそばからいなくなるはずで……?
惑う季節のエヴァーグリーン・ラブ♥

作品情報

作品名
ずっとここできみと
著者
月村奎 
イラスト
竹美家らら 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
ずっとここできみと
発売日
ISBN
9784403524400
4

(121)

(49)

萌々

(41)

(24)

中立

(5)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
16
得点
486
評価数
121
平均
4 / 5
神率
40.5%

レビュー投稿数16

幼馴染もの

スピンオフの晴樹の巻を先に読んで気になったので、こちらも読了。
月村先生お得意の幼馴染もの、この続きの構想もあるみたい。

あとがきが面白くて、・・頭痛、肩こり、首凝り対策募集とあった。
・・温泉で温まるのがいいのでは? 

------
北関東の公立進学校。二人の高校生から大学生までの日々。
スピンオフの主人公晴樹も登場。

●雨宮理玖:
二年前、高校入学前に両親が事故死。一人暮らし。
綺麗な顔だけどいつも不機嫌。
お世話になりっぱなしの天田家と征弥から自立して、
自分から解放しなければと、もがいて空回り。

●天田征弥:先天的イケメン スペックの無駄遣い
理玖の幼馴染。小5までは、理玖より背が小さく、泣き虫だった。中一で全て逆転。

●夏川晴樹:後天的イケメン センスが良い
文芸部部長、休眠中の部を復活、執筆作業場として活用。
この物語の中での晴樹は、会話上手でとても面白い。

こちらの巻のほうが、閨シーンが多かった。

0

萌え萌え(´∀`)

近々、この作品のスピンオフが刊行されるとのことで、予習も兼ねて読んでみました。

どぅわぁぁ〜!!
めちゃ好きなヤツでした。
高校生・幼馴染・爽やかイケメン執着攻め・ド溺愛。
これら要素がパンッパンに詰まってました。はいそうです、私の好き設定の爆盛りです(〃ω〃)爆盛りハンターの私でもお腹いっぱいになっちゃうよ…と思っていたけど杞憂でした。ペロリと完食(完読)。ごちそうさまでした!

幼馴染みのハイスペイケメンに、大溺愛されるストーリーが好きな方は好きだと思います^ ^


2部構成になってまして、前半は両想いになるまで。後半は親と友人にカミングアウト。
このラインナップだけで、ほわぁぁ〜!ってなりました。両想いのその先の道筋まで…しかも周囲の公認まで取り付けるエピソードまで盛り込んでくれるなんて、月村先生は神かっっ(拝)

あとがきでは、2人の友人・夏川エピソードを後半に入れるか迷ったと仰っていたんですが、まるまる一冊理玖&征矢の話にしたようです。
私は先生の思いを支持します^ ^

後半のカミングアウト編、2人が幸せに溢れていて本当に素敵な話だったから、これが収録されていないと思ったら悲しい…。しかも、意地っ張りで素直になれない理玖が、征矢のため、2人の未来のためにめちゃくちゃ頑張るんです。
征矢の理玖への溺愛が際立つ描写が多かったけど、理玖も征矢のことがすごく大好きなんだな、って分かって胸が熱くなりました。


高校時代ターンの甘酸っぱさは、青春ならでは。理玖の意地っ張りさに呆れてしまう時もありましたが、後半部で相殺しました(笑)友人の小説家・夏川も良い味出していて好きなキャラクターです。
夏川のスピンオフが出ると知ったら、これは買いに走るしかありません。めっちゃ嬉しい!


挿絵もとっても良かった。
ふんわりとした絵柄が可愛くてキュンとなりました。キャラもストーリーも設定も、全部が私のツボ。読んでる最中から萌え度メーターが振り切ってました(^ ^)
お気に入りの作品がまた増えて満足感でいっぱいです。


6

幼馴染もの 

小説ディアプラス2021年秋号・溺愛特集で、「ずっと〜」のスピンオフが掲載されていて、スピン元のこちらを積んでいたことに気づいたので読んでみました。

幼馴染同士という大好物なネタのはずなのに、読んでてダレてしまいました……。
なんでかなー。

攻めは、高校生にして溺愛攻めとしてほぼ完成形なんだけど、その出来過ぎ具合があまりにもリアリティなさすぎて、こんな高校生いないわ……と思ってしまった……。
(溺愛攻め大好きなのに)
10代は、未完成なほうが好きだからかなぁ。

あとは、受けの後ろ向きぐるぐる思考が月村作品あるあるとはわかっているし、両親を亡くしてしまっている&まだ10代だからしゃーないとは思うものの、ツンツン具合があまり好みではなかった……。

あと、なんかエロが多かったような気がします。
月村作品にエロは求めていないので(すみません)、またエロってる……と早送りぎみに……。

晴樹は完全にノンケというか、この人のお話も読んでみたい!と思うようなキャラじゃなかったな……。
(小説ディアプラスのほうはまだ未読)

3

竹美家先生のイラストがぴったりのお話

月村先生の作品でふんわりしたイラストが似合うと思います。木下けい子先生との相性がぴったりですよね。
でも今回は竹美家先生のイラストがとてもぴったり。高校生の初々しさや相手を想う気持ちなんかが伝わってきます。
今回も主人公は天涯孤独でしたね。月村先生の受けちゃんは天涯孤独率が高い(笑)でも今回は周りのサポートもあり、友達もいて貧乏でもなく食事にも困ってない感じで良かった(笑)
あと月村先生は攻めがイケメン、受けは普通?率も高いと思う。受けが一般的にめちゃくちゃ美人とか可愛いという表現はあまりないような。もちろん攻めから観たらめちゃくちゃ可愛いですけどね。

今回の攻めくんは頭も良いし顔も良いし背も高いし優しいし。高校生なのにスパダリですね。受けくんは顔はカワイイ系どけどいつも不機嫌そうな表情。
恋人になるまでは、そんなに意地を張らなくても、とか思ってしまう場面が。でも男子高校生って不器用だけどプライドがあって、相手の好意を素直に受け止められない時期なのかも。
ポロッと告白してしまったのには思わず微笑んでしまいました。可愛いなぁ。

続編のお話は理玖が前に進んだ話でちょっと感激しました。相手の家族は受け入れてくれるだろうと思ったけど、思わず大歓迎で良かったな。その後のえっちが幸せそうで本当に良かった。
部活のお友達、晴樹の電話相手や気になる所がいっぱいあるんですけど、スピンオフ作品はいつ出るんでしょうか?期待しまくりです。

4

幼馴染みのじれじれきゅん(⌒‐⌒)

『小説Dear+アキ』にて、こちらのお話のスピンオフが掲載されていて、復習です。
月村奎先生と竹美家らら先生のタッグ。
めっちゃかわいいの〜(///∇///)


受け様と理玖と攻め様の征矢は生まれてから高校までずっと一緒に過ごしてきた幼馴染み。

理玖の両親が突然の事故で亡くなった時、茫然自失の理玖に征矢はずっとつきっきりで隣にいて支えてくれて、今も変わらず隣にいてくれる。

大学進学を目前に控え、イケメンで成績優秀な征矢の枷になりたくないと距離を置こうとする理玖の態度が、イマイチ幼稚というか、頑なというか。
あんまり好きになれなくて、受け様大事の私としては、珍しくう~ん、のりきれない( ̄~ ̄;)

でも、書き下ろしの後半、盛り返しました!
征矢の家族に征矢とのことを認めてほしい、と話をしに行く理玖が、とっても良かった(///ω///)♪
いろんな辛いことから理玖を守りたいって征矢の気持ちもわかるんだけど、やはりここは誠意や覚悟の程を見せるとこだよ。
もう、何度も読み返してはにやにやしています。

その後の炊飯器やら征矢のお兄さんのツッコミやら、ここでかましてくる!?
月村先生にやられました。

それにしても、家族に心配されるレベルの執着ぶりって、征矢ってばどんだけだよ。
まぁ、そんな執着ぶり、嫌いじゃないってか、むしろ好きだけど。


竹美家先生のイラストは、かわいいしかない。
口絵の理玖のいじけてるような表情がとってもかわいい。
理玖を抱きしめてる征矢のイラストも、ほんわかしてて大好きです。




5

後編の方が好きだった

生まれた時から隣り同士で両片想いの2人。受けは高校生で両親を事故で失い孤独と闘いながら一軒家に一人暮らししている可哀想すぎる設定。しかし世話焼きすぎなスパダリっぽい攻めに対して意地っ張りを通り過ぎて意固地と言ってもいいくらい素直になれない受け。周りの友人関係でもちょっと浮いているような子で心配になりました。

しかし両想い後の後編は受けが素直になってツンとデレの割合がようやく少しまともになってきたので安心しました。後編のテーマは親しい人へのカミングアウト。お互いがお互いを思いやりすぎてぐるぐるする2人の様子は良かったです。

それと他のレビュアーさん達も仰るように月村先生にしてはエロ濃いめなのも嬉しい驚き。前編と違って後編では受けがすっかりエロ可愛い子になっています。攻めの兄とか共通の友人にまで受けのエロさがダダ漏れになっているのって萌える。

あとがきによると友人・春樹の恋愛の構想もあったみたいだけど続編まだないのかな。彼はノンケっぽかったのでBLで続きとは意外でした。受け攻めどっちだろう?私のBL読みの勘だけに頼るとなんとなく受けなんだけど…違うかな?

3

範疇外だったはずなのに

2017年発売作。先生の過去作追いかけ中です。高校生カプは避けていたんですが、可愛くってオッケー!と思いました・・雑誌掲載分110Pほど+その続き104Pほど+あとがき。こそばゆいぽかぽか恋愛もたまにはいいもんだ。

高校入学直前に両親を事故で無くした理玖(りく)。保育園からずっと一緒で近所に住む幼馴染、征矢(まさや)の家族に支えてもらいながら、なんとか高校に通っています。征矢は成績優秀なので、多分征矢の大学は東京、理玖は地元の大学で、離れることになるだろうな・・・と考え、征矢に依存しっぱなしの自分をなんとかしようとあがきはじめ・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
晴樹(同級生、ラノベ作家として活躍中)、帆乃香(同級生、♀)、攻めの両親+兄ぐらい。攻めのお母さんがええ人でええ人で、泣ける。

++好きだったところ

色んな人に見守ってもらってはいるけれど、高校入学直前に両親と突然死別してしまうのはかなりの試練だと思うのです。それを幼馴染である征矢が、寄り添い、見守り、大切にしているところが嬉しかったな。

理玖も「何とか自分の力で歩いて行かなきゃ」ともがくところも好ましかったです。まだまだ高校生、お子様なはずの二人なのに、作中で少しずつ大人になって。

最後、攻めの両親+お兄ちゃんにカミングアウトするところは、幸せで幸せで。お母さんにしてみたら、もう一人息子が出来た!という感じでしかないんでしょうね・・・本当に嬉しかったです。攻めが想定以上に壊れたところのあるタイプだったのもナイスでした。

月村先生安定路線だと思いますが、高校生~大学生のお話なので、私には優しく見守る感が強い一冊でした・・・理玖、幸せになろうね!
サブキャラの晴希も気になったんですけど、この方スピンオフ出てるのかな・・・?あのハンカチは何だったんだろう?

4

受けにイライラ

高評価が多いですが、そこまで夢中になれませんでした。
主人公の理玖が意地っ張り過ぎて、前半読むのがしんどくなったからかもしれません。その癖ギリギリになると急に頑張るのです。当て馬も大きな出来事も無いので、理玖が征矢にそうなった想いを語っても唐突に感じてしまいました。

執着攻めは大好きなので征矢の視点からも読めたなら良かったと思います。

征矢の家族に告白するシーンですが、父親が母親の心配を語るシーンがクスッとなって面白かったです。

出来ればその後の2人の大学生生活が読みたかったです。モテモテ征矢が告白されまくるけど、当て馬達を視界にも入れずに振りまくるのが見たかったです。

3

唯一無二の存在

お互いを大事に思うあまりにすれ違いが続く、キュンなお話でした…!

受の理玖は、なかなかに不遇な環境にいることもあってか、一見だけではただの天の邪鬼のようで、実のところは甘え下手で素直になれない気遣いやさんでとっても可愛いです。こんなこと言ったら理玖の幼馴染の攻・征矢に理玖の前から消されそう(笑)なほど、征矢は昔から理玖を思っています。

BLってカミングアウトが一つの山になることが多いと思いますが、この作品については、後編で2人の考え方に違いが出て来ます。すれ違いから和解にかけて、とっても優しいのですが、それぞれがお互いを心から大事にしたい気持ちがよく伝わって、お母さんのような心で見守ってしまいました。だから、作中のような形で収まって個人的には涙ものです。

話が進み、2人の中が深まるにつれて露見する、征矢の賢さと共にある健やかな執着が小気味よかったです。包み込む力より、丸め込む力の強い頭脳パワープレイヤーの印象が残りました。笑

切なさと甘さに飢えた時にはぜひこちらをご一読ください!

5

幼馴染萌え!

幼馴染同士の、もだもだ切なくてキュンとくる話が読みたいな〜しかも高校生のやつ。大人になってからがメインじゃなくて。……というワガママに応えてくれる作品を探してたどり着いた本でした。
読んでよかった!願った通りのお話でした。
こういうのが読みたい!という時に、その通りの作品を読めるってなんて幸せなんだろう。

本作は、つらいときも悲しいときもそばで支えてくれた幼馴染を大切に思っている受けが、しかし色々考えて距離を置いてみたりした結果自分の想いを自覚し、さらに距離を置こうとして……という、王道といえばこの上なく王道なストーリー。
しかし王道だからこそ、丁寧に描かれた心理描写に集中できる!
一つ一つ、拾うようにして読みました。
受けの気持ちもとても共感できたし、ちょいちょい垣間見える攻めの気持ちを想像するのも楽しかった。
よく、攻めの気持ちが垣間見えてしまうと、それに気づかない受けがアホの子のように思えたりする作品もありますが、そこはさすが月村先生、そんなふうには感じませんでした。
根は真面目な受けが可愛いと思う。
そして、ラスト近くの場面では受けの男気に感動しました。
男前受け、ってさほど好きでも嫌いでもないのですが、この作品の受けの男気はかっこいい。
そして炊飯器に笑いました。攻めのお兄さんもいい味出してるな、と。

攻めも嫌味なくかっこよく、可愛げがあっていいです。
二人の部活仲間もいいキャラだし、攻めの両親もいい人だし、本作に出てくる人はみんないい人ばっかりだなと思いました。

劇的なストーリー展開はないけれど、でもだからこそゆっくり丁寧に読める良作だと思います。
あとがきで月村先生も書いてらっしゃいますが、ずっと一緒にいるのに飽きることがない幼馴染というのは、「恋愛感情の賞味期限は三年」なんていう一般論を覆すドリーム感があってイイ!
まさにこれに尽きるなと思いました。

7

受けに一途な執着攻め

月村さんの新作がかなり良かったのでこちらを再読。

完璧イケメン中身良しな攻めが一途に受けを思い続ける、もう萌えツボに嵌まりまくりの作品でした。こういう攻めに弱くて弱くて。好き。受けが意地っ張りでなかなか報われない攻めを全力応援しながら読みました。この攻めの世話焼きっぷりもその真意を思えば可愛らしく健気に思えます。
ストーリーはあまり起伏がない感じなのですが、ただの帰り道でお互いに振り返って笑い合ったりと、きゅんきゅんするシーンが散りばめられています。
要所要所で入ってくる受けの怒涛のような心理描写も良かったです。特に初えっち中の描写にぶわっと心に入ってくるフレーズがあって、やっぱり月村先生好きだなあと思ってしまいました。

最近、ディアプラスレーベルはエロ方面に力を入れている印象。こちらも今までの月村作品に比べるとかなり濃いように思えました。えっち中の攻めのセリフもなんか激しくて萌え。

7

生まれたときからずっと一緒


表題作+「ずっとずっとずっと」の2本立て
幼馴染の二人の両片想いの話と恋人になり無事大学生になってからずっと一緒にいるために家族にカムアウトするかどうか悩む話。

高校3年の理玖(受け)と征矢(攻め)は生まれたときから一緒の幼馴染。親同士も仲が良く家族のように一緒にいました。高校入学前に理玖の両親が事故で亡くなった時は放心する理玖を征矢がずっとそばにいてくれました。今まで征矢に世話を焼いてもらうばかりだったけど、大学受験が近づき、さすがに離れるときがくるのだと覚悟するようになります。
成績優秀な征矢は東京の大学に行くと思っていたのに理玖の傍にいたいからと地元の大学に行くというのを聞いて、離れなくていいことがうれしい反面、同情されていることにプライドが傷つき、かたくなな態度をとってしまいます。

二人は文芸部に所属していて、同級生の部長の晴樹・征矢・帆乃香の4人で他愛ない話をするのが、一人の家に帰りたくない理玖には癒しになっています。彼らがいることで征矢への気持ちいに気づき、ぎくしゃくしてしまう二人の閉塞感のある空間が穏やかになります。きっと彼らはずっと友達でいるんだろうなと感じさせる仲間でした。

両想いになり大学生になってからは、一生一緒にいたいと思うからこそ周りの人に変な目で見られるのが怖くて誰にもばれないようにと思う理玖と、両親や理玖の後見人にきちんとカミングアウトしたいという征矢がすれ違います。
認めてもらえなかったらと思うと怖くて仕方ない理玖ですが、何があっても別れるという選択肢が一切ないのがとてもうれしかったです。カムアウトした時もいかに自分が征矢を大事に思っているかと征矢の家族に宣言するところは、読んでいてにやにやしたり感動したり、重くならないように気遣ってくれた征矢の家族の優しい気持ちにジーンとしたりと気持ちが忙しかったです。守りたい征矢に守られるだけじゃなく自分も守りたいと思う気持ちが男前でかっこよかったし、征矢に守られるのも自分にとっての甲斐性だと開き直るところも潔かったです。
相手を思うあまりすれ違っても、二人の気持ちが全くブレないというのが読んでいて本当に心地よかったです。

大きな事件が起こるのではなく、穏やかな学生生活の中で二人が恋人同士になり、さらに先へと思いをはせるお話で、いじわるな人や引っ掻き回す人もおらず、とても気持ちよく読めました。最後の方で開き直るまでは理玖はちょっとツンデレっぽくて、もう少し素直になればいいのにと読んでいてじれったく思ったりもしましたが、ほっておくとどこまでも甘やかそうとする征矢にはぴったりだったように思います。

気になったのが、二人の話に挟まった晴樹の謎の行動にオチがなかったことです。もともと書き下ろしは晴樹の話にしようと思っていたとあとがきにあったので、書きたかった話をちょっと混ぜてみた感じかな思ったのですが、この話だけでは結局好きな人と何かあったのかなと想像するだけでよくわからずちょっともやっとしたし、あとがきを読むまでは晴樹に何があったのかと気になってしまいました。晴樹が帰省したことは話の流れとして必要だったとは思いますが、理玖と征矢の話なのだから次回作にこのシーンを使うにしてもうちょっとさらったしてもよかったんじゃないかなーと思いました。


イラストはふんわりしたお話にぴったりなかわいい絵でした。特に、各話の表紙にあたるちょっとギャグっぽくした挿絵。表題作は文芸部4人がきっとこんな感じでクラブ活動してたんだろうなと感じさせるほのぼのした感じが良かったし。「ずっとずっとずっと」の理玖が征矢に指輪を渡していると思しき絵はきっと近い将来理玖がやってくれるんだろうなって、楽しみな気持ちになりました。できればそのシーンも読みたかった。

絡みは私が読んだ月村さんのお話の中では一番多かったし濃かったように思います。いつものものもちろんいいですが、とってもよかったです。

7

月村さんらしい作品

征矢と理玖は幼馴染みの高校3年生です。この二人が織りなす物語で、2話構成になっています。

征矢は友達でありながら理玖の面倒をみています。みるというよりは甘やかす?結構な世話焼きっぷりです。征矢は完璧なイケメンタイプ。

それとは逆に理玖は、征矢の世話焼きに対して強い態度に出ます。でも、自立を考えながら彼から離れられない自分をちゃんと分かっています。理玖のトラウマは結構重くて、読んでいると苦しくなります。

2話目の1年後では、さらに視点が深くなってお互いが思い合い、真剣に愛し合っているのが分かります。征矢の理玖に対する愛情がもう真っ直ぐで素晴らしい。

纏めると、凄く、凄く、月村さんらしい作品です。淡々と進む日常。お話に特にこれといった起伏はないのかもしれません。でも、水彩画のような淡いタッチで描かれた作品です。だからこそ微妙な感情の変化や起伏がビビッドに浮き上がって見える。美しい文章と深い人物描写に感嘆してしまいます。

今回は官能シーンも多めで楽しめます。それが凄く意外でしたが読んでいてほっこりドキドキしました。二人ともかわいい。本音はちょっとびっくりしながら読んでましたが(笑)月村先生もとうとうこういうの書くようになったかと。嬉しい誤算でした。応援したい。静かなのにエロいというか、どうしてか余計にエロく感じました。

受けの理玖が本当に可愛いので、それもぜひ楽しんで頂きたいです。竹美家らら先生の絵も驚くほどぴったり。二人のイメージと雰囲気そのままでした。淡々とした色合いにピュア感が出てる。

CD化されるといいな。

12

月村さんは優しい人だと再認識しました

最近の月村さん作品は「初恋大パニック」「恋は甘くない」と、動きの多いコメディものを読んで来たので、今回のお話は「ああ、月村さんの本だ」とものすごく思いました。
別にコメディが「月村さんらしくない」という訳ではないです。コミカルな本も沢山書いておられますし、好きなお話も多いです。ただ、特別な大事件が起きる訳ではなく(理玖の身の上に過去起きたことは大事件なのですが)青春の日常を丁寧な心象描写で描くのは、月村作品の醍醐味の一つではないかと思うのです。
日常はそれほど波瀾万丈なものではありません。でも、日常を暮らす中で産み出される感情は、それ自体がとてもドラマチックです。登場人物の千々に乱れる気持ちを、暖かく見守ってくれる月村さんの視点が感じられることが、とても気持ちの良いお話だと思いました。

ところで、
エッチシーンがねちっこくてエロいよぅ~っ!私の中では未だ「朝チュンの女王」のイメージが払拭出来ずにいるのに……(誉めています)。
去っていった年月を思わざるをえませんでした。

7

温かい。

作家買い。
挿絵をされている竹美家さん、最近一穂作品でお見掛けすることが多かったので、月村さんとのタッグはどうかなあ、なんて思いつつ読み始めました。

ネタバレ含んでいます。ご注意を。






生まれた病院も同じ、家も近所、親同士も仲がいい。
そんな征矢と理玖のお話。

両親が事故で急逝し、以降征矢の両親や離れた場所で暮らす伯父にも助けられながら、両親亡きあと孤独と闘いながらも懸命に生きている、そんな理玖の視点で描かれています。

今まで庇護し愛情を注いでてくれていた両親の急死。
男同士であり、いずれは離れ離れになるであろう征矢への恋心。
将来への不安や、雑務に追われる毎日。

まだ高校生でありながら両親を亡くすという悲劇こそあるものの、基本的にはごく普通の、穏やかな日常。月村さんらしいというのかドラマティックな演出はないものの、理玖の目を通して「日常」が丁寧な描写で綴られています。

両親こそいないものの金銭的に困窮するといった描写はなく、基本的には「征矢への恋心」がメインに据えられている。

途中、お互いの勘違いや遠慮があってすれ違う彼らですが、読者には征矢も理玖にべタ惚れなんだろうなというのは透けて読み取れるので安心して読み進めることができます。

恋は成就した後は、自分たちの関係を家族や友人にカミングアウトするのか否か、という点を軸に進む。相手が大切だからこそカムアウトを躊躇する理玖ではありますが、彼らを取り巻く周囲の人たちも優しく温かい人たちばかりで、読後ほっこり優しい気持ちになれました。

月村作品にしてはエロ多めな印象。
若い恋人たちだからかな?
穏やかな恋人たちを応援する保護者の気持ちになって読み進めたので(征矢のお母さんがナイスすぎて彼女目線になって読んでしまった…)ドカーンと出てくるエロ描写にちょっと照れてしまった☆

切なさもありますが、どちらかというとお互いを想い合う恋人たちのお話、といったほうに重きが置かれている作品なので、最後まで優しいお話でした。

竹美家さんの挿絵が、この優しいお話にぴったり合っていて、萌え度も確実に上がりました。

8

最高でした‼\(^o^)/

良く言えば「しっとり」、悪く言えば「地味」な月村作品。
今回は甘くてカワイイ同級生ものですが、やっぱりイマイチ地味と言うか、派手さはないです。しかし、その地味で落ち着いた作風がたまらなくいいのです!私は月村作品をこよなく愛しています!!
そんなワケで、鼻息も荒くレビューです。

内容ですが、幼馴染み二人の、両片思いものです。
2章に分かれており、二人がくっつく高校生編に、くっついた後のイチャイチャ大学生編。進路と言う岐路に立たされた二人のすれ違いを経て、比較的早い段階で二人はくっつきます。

先ほども書いたとおり、特に派手な出来事や事件なんかは無く、未熟なカップルだからこその不安だったり、甘酸っぱいワクワク感だったり、ほろ苦さだったり。そんな日常が丁寧に描写されてます。
それだけのシンプルなお話ながら、これがとにかく甘いです。特に大学生編は、胸ヤケする程の甘さです。意地っぱりな理玖と、包容力があってスパダリな征矢。この二人のイチャイチャがかわいすぎて悶えます。
なんでしょうね・・・。いちいち日常のエピソードが甘酸っぱいのです!布団を敷くのに、「くっつけて敷くのはなんか恥ずかしい」と悩んだ挙げ句、微妙な距離を開けて敷く理玖に対して、「布団は一枚で充分なんだけど」と、あっさり自然にくっつける征矢みたいな。この「キャッ♡」とキちゃう感じがお分かりいただけるでしょうか?

あとですね、私は月村先生のエロシーンがとても好きなのです。初々しい童貞受けが、意外とムッツリな攻めに、いいように丸め込まれて色々されてしまう。なのに、月村作品ではいつも大体エロは控え目。
しかし、しかしですね、今回はエロ多めです!
もう1回書きます。(普段より)エロ多めです!!
もうホント最高だわ~と、萌え転がりました。

イヤな奴も出て来ず、家族にはあたたかく二人の関係を認められと、全体を通して優しい作品でもあります。そんなアッサリ認めちゃっていいの?と、若干腑に落ちない気もしますが。まぁしかし、こんな甘い作品もいいじゃないかと言う、幸せな読後感です。とっても楽しく読めました!

23

この作品が収納されている本棚

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