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奴隷王サガンが魅力的でとても良かった。ストーリーは三部作の二作目で、スッキリしないまま終わる。それにしても山場のインパクトが強すぎて、いろいろ吹っ飛びそう。シリアスな雰囲気ではあったけど、あれは笑っちゃダメなのかな……。
海賊船の船長と記憶喪失の少年の出会いから始まるお話。一作目を読んでからなので、ナギの正体を分かったうえで見ているわけで、それがとても面白い。何よりサガンの信条に惹かれるものがあり、ナギに共感しやすい。
ナギが自国に戻ってからは、胸糞展開の連続。これだけマイナス感情を引き出すなら、同じくらいプラス感情を引き起こす、ハッピーかスカっとできるエピソードが欲しい。だがBL的なハピエンだけで国の問題は何も解決せず終わってしまった。
それにしても、海の宮ごと流れてパカっと開いて真珠がこんにちはって、何ソノどんぶらこっこ……。思い返せば感動の再会シーンだった気がしなくもないが、ギャグなのか真剣なのか、どう読めば良いか分からずぽかんとしてしまった。
ナギとサガンは二人の間の繋がりは強くなったけど、今後どう過ごしていくかは見えないままだったので、もう少しだけ先まで見て二人のその後に安心感が欲しかった。安定した立場がない状態で、話をブツ切りされてしまった感。
一作目も二作目もキリイの醜悪さに気持ち悪くなったまま読み終わってしまい、三作目を読むのをためらってしまう。全てが綺麗に回収されると良いな。
満点です‼️
1作目は長男シキ、こちらは末っ子神子のナギのお話。
途中途中、何度も涙を堪えましたよ…
ふたりの恋愛に加えて海賊の仲間愛。
末っ子だしもっとぽやぽやしているのかと思ったけど、意外と根性見せるナギ。
いつしか海賊たちにも仲間と認められて居場所を見つけていく。
攻めの奴隷王(奴隷をいっぱい従えているのかと思いきや、奴隷を救っている方だった!)サガンは海賊あるあるか娼館通いが常で、豊満な女性を侍らせている度にナギならずともムムムとなりましたが。
意外な展開でしたがサガンは船を降り、ナギと共に生きていくことに。
3巻目にも登場してふたりのその後も見てみたい♡
ちゃんと三兄弟夫々立場に合った考え方の違いをキャラに割り振られていて、面白かった。
チョイ役で終わりそうだった、海賊のサガンは、ずっとワダツミ国に居る事になりそう。
この2話の主人公は末っ子の神子のナギ。
甘えん坊で正義感強いまっすぐな性格。
だから次男が行った事が許せない。
でも長男のシキの考えを聴いて、素直に従うのは末っ子だからなのだと思う。
次男のキリイは、戦のどさくさに紛れて、弟を絞殺しようと企んでいた。
窮地を救った海神によって、仮死状態で海底に匿い、人間界へ出して回復を待つ事にしていたのだ、分かる。
次巻は、キリイの心の闇との対決。
花鱗を生まれつき多分持っていないキリイの、無理な偽装を兄と弟はどう処遇するのかな?
前作では名前しか出てこず、彼はいずこ?状態だった末弟ナギが主人公。
記憶を無くしたナギは元奴隷ばかりを集めた海賊船のキャプテン・サガンに拾われて、割と早い段階でお互いに良い雰囲気になるし、彼らが目指す処女海域が、ナギの祖国である事は読んでてわかるので、何とか辿り着いて、ナギも記憶を戻してめでたしめでたしでしょ?と読んでたら、なまっちょろい予想を嘲笑うがごとく、途中から怒涛の展開に……
海神から愛された神子であるナギと通じ合ったサガンが、海神から間男認定されてしまうわ、サガンの命と引き換えにナギが別離を決意するわ…
そして、キナ臭い動きを見せる例の鳥族と、キリィの謎も散りばめてあって、読後の素直な感想としては「予想以上にあれこれ詰まってた」です。
でも決してごった煮感はないところがすごい。
そして自由を渇望していた元奴隷のサガンと、キリィに幽閉されてサガンの元へ戻りたいと自由を願うナギの姿が重なったところに、うまいなーと思いました。
だけど白蝶貝の登場には、ちょいシュールなギャグっぽさも感じてしまった……。
サガンがどこかキラキラした生命力みたいなのを感じられるキャラで、そこが良かったです。
そして、海神様。
二人の仲を許すも、まさかの鏡プレイにはお主やりよるな…!と。
そして私は思った。
海神様が更なる変態じゃなくて良かったなぁって。
海神様が変幻させる水の縄。
あれってまさに触手よね。
作品中では、ナギを抱くサガンを威嚇するかのごとく窓を打ちつけたり、足に絡まったりする程度だったけれど、もし海神様が触手プレイを存じ上げていたら、緊縛、3P なんでもございになってしまい、とんでも方向になっていた予感……。
まず最初に、
奈良画伯のイラストが素晴らしい!
このお話には水の描写が随分出てくるのですけれど、透明感が半端ないです。
表紙絵の小さなポスターがおまけで付いてきましたが、これ、宝物です。
お話も前作「帝は獣王に降嫁する」の少し重苦しい様な感じを残しつつ、前作よりも爽やかな雰囲気に感じました。主人公が前は『責任感溢れた長兄』でしたけれど今回は『無垢な末っ子』な所為でしょうかね?それとも、このお話が『海賊もの』だからでしょうかね?
沙野さんのお話を読んでいると、よく『運命』などという単語が頭に浮かんできます(『うんめい』と読むより『さだめ』っていう方がイメージが近いかも)。ナギも決められたルールみたいなものに縛られているところから抜け出そうとして一生懸命考える、行動する。それにつれて周りが変わってくる。
文章が熱いタイプではない(と、思うんですね)からこそ、そういう登場人物達がすごくいじらしくて、どんどん感情移入してしまいます。
読後、かなりスッキリします。
何となくどんよりしている時とか、鬱々としている時とかに読むと(私は仕事がメチャメチャ忙しくてストレスが溜まりつつある時に読みましたが)晴れ晴れとした気持ちになれる一冊ではないかと思いました。
ワダツミ国物語は三部作になるのですね。
色々と謎が多い次男、キリィのお話は一体どんな風になるのでしょうか。とても楽しみです。
