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表題作愛罪アルファは恋にさまよう

ミケーレ,25歳~,彼方の姉の婚約者でαの名門家系
仁科彼方,21歳~,アジール・ヴィオレの教務官でΩ

その他の収録作品

  • 今宵の夢で逢いましょう
  • はじめてのよる
  • あとがき

あらすじ

姉の婚約者が自分の運命のアルファ=伴侶だったなんて。あなたは決して結ばれてはいけない人、なのに一夜の過ちを犯してしまい…!

作品情報

作品名
愛罪アルファは恋にさまよう
著者
ナツ之えだまめ 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
蜜惑オメガは恋を知らない
発売日
電子発売日
ISBN
9784344842366
3.6

(76)

(26)

萌々

(21)

(13)

中立

(12)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
12
得点
265
評価数
76
平均
3.6 / 5
神率
34.2%

レビュー投稿数12

変転バースシリーズ二作目

レビュー漏れ。

ナッツ之先生のオメガバースは、オリジナル・バース・ルール。
「はぐれΩ」と「変転バース」。
娯楽ものだけど、扱うテーマは意外と深くて寓話的、
読後、色々考えさせられました。

理性と本能、せめぎ合いの葛藤で、この作品の彼方は、理性で押さえようとする。
想像してみると、空腹時に置かれた御馳走をどれだけ我慢できるか、という犬の実験があったけど、飢えを耐え抜くって、過酷な忍耐地獄。
変転バースに関わる二人の行動を責めることは、できないと思う。
等々、大真面目に考えてしまった。ドラマチック。
--
[変転バースシリーズ]は、全 4 冊:これからまた増えるかも?
・・出会うとオメガに変転させる「運命の“伴侶”」がテーマ。
①蜜惑オメガは恋を知らない  2016年9月 弓削恒星x宇田川智

--カステリーニ家シリーズ--
⓶愛罪アルファは恋にさまよう 2018年5月 ミケーレx仁科彼方
③巡恋アルファは愛に焦がれる 2019年6月 ルカx椎名櫂人
④アルファ同士の恋はままならない 2020年8月 マッシモx祖父江芳明

--
彼方:β
「はぐれΩ」保護施設、アジーレ・ヴィオレの教務官。
姉の婚約者が、なんと運命の相手だった。とても悩むけれど、抗えない。

「蜜惑オメガは恋を知らない」にちょっとだけ彼方は登場している。
・・ということは、一作目から練っていたシリーズの構想。

ミケーレ:α
運命の相手に反応するセンサーが敏感な、イタリアの名門カステリーニ家出身。


ミケーレと彼方は、三作目でも、二人の仲はとても良好で、彼方が3人も子供を産んでいる。
特にマッシモは聡くて、とても可愛い良い子。
四作目では、その可愛いマッシモが成長して、恋人を見つけて攻めている。
ミケーレは「巡恋アルファは愛に焦がれる」に、ルカの相談相手として登場。

今作の粗筋を踏まえないと、三作目、四作目を存分に楽しめないので、
順を追って読むことをお薦め。

0

運命に翻弄されすぎ

前作で一番気になる存在だった彼方が主人公のシリーズ第2作です。
今回もα×転生Ωの組み合わせでとてもドラマチックなのですが、個人的に攻めがあまり好きじゃなかったです。
攻めは、イタリア人のミケーレ。
外国人が運命の相手……って、そこまでワールドワイドに運命って展開するのね;
世界の人口何人よ?出会えたらめちゃめちゃ奇跡じゃない?
そして、前作に引き続き『運命』に翻弄される2人を描いています。

もうね、運命が怖いですよ。
たった数日で燃え上がって、一生忘れられない存在になっちゃうって怖くないですか?
ほとんど知らない相手ですよ。で、知らないまま別れちゃうの。それなのに、こんなに盲目的な執愛を見せられると怖くなっちゃう。

運命の相手が、姉の婚約者だった……と、いうお話。
とても悲劇的で切ない。そして、彼方は賢明だったと思う。
ただ、ミケーレが短絡的過ぎた。
運命=愛、だから姉とは別れるって……
彼方の気持ちは?姉の紗栄子の気持ちは?
子どものマッシモの方が思慮深いってどうなのよ;

そして、紗栄子には同情しかない。
この人悪くないよね?そりゃ、妊娠したと嘘をついたところは悪いかもしれないけど、あとは悪くないと思う。
彼方にキツイのも、それは彼女の矜持だと思うし。
最後は幸せを掴んでくれたみたいでホッとしましたが。

運命に従うことをロマンチックだと思えれば楽しめるけど、振り回されてると考えてしまうと楽しめない。
むしろ、番外編の一充×類CPの方が気になりましたよ。
この続き読みたさに次のシリーズを読もうと思えるほどには。

4

本能と理性の狭間で




「蜜惑オメガは恋を知らない」のスピンオフ作品。
前作での受け様・智弘が中学時代に身を寄せていたオメガ収容施設アジール・ヴィオレの教務官が今回の受け様になります。前作で、回想中の智弘が高校へ進学するためアジールを出た後の話になるので、時系列的にはこちらの話のほうが先になります。前作未読でも十分読めるようになっています。が、前作がとても良かったのでぜひ両方読むことをお勧めします。
前作を読んだ時、伴侶であるにもかかわらず離れているこの二人のことがとても気になっていたので、二人のことが読めるのはすごくうれしいです。

すでにたくさんのレビューがついているので、感想だけ。

前作は理性的であることを望み、オメガとして生きることを拒否し続けた受け様の話でしたが、今作も、自分の伴侶が異母姉の婚約者であったことで、生い立ちのこともあり運命だから仕方がないと割り切ることができず、本能を封じ込めアジールに逃げ込んだオメガの話でした。

仁科彼方(受け)は突然変転しオメガになってしまいますが、その伴侶は異母姉・紗栄子の婚約者・ミケーレ(攻め)でした。本能はミケーレを求めますが、姉から婚約者を奪うことは許せず、伴侶と人生を共に歩むのを諦めたその日から抜け殻のように生きてきま
した。
自分の母がもとは愛人であり紗栄子の母から父を奪ったことに罪悪感を感じてい
た彼方。苦労の末、紗栄子が幸せを掴み家族で喜んでいたにもかかわらず、その幸せを奪うのがまたしても自分であることに絶望します。
アルファであるミケーレにとっては伴侶が見つかったことは喜び以外の何物でもなく、婚約解消をすることも仕方がないと最短距離で最適解へと動けるのですが、彼方はもともとはベータであるが故、ヒート時以外では理性が今まで自分たち母子が苦しめた姉の幸せを奪い取ることを許すことができません。

ミケーレ、彼方、紗栄子3人の視点(ちょっとだけミケーレの弟・ルカ視点)で読めるからこそ、それぞれの苦しみがや喜びがわかって、誰が悪いわけでもない、本当にただ運が悪かったとしか言いようがないのがすごく切なかったです。
ただ、一番割をくったのは紗栄子であることは確かで、母は愛人に父を奪われ、異母弟には自分の婚約者を奪われ、運命の残酷さをもろにかぶるこになり、とても気の毒でした。
伴侶と決めたオメガがいるアルファの気持ちが絶対に変わらないのですがら、ベータである紗栄子には理解できず、時がたてば自分ことを見てくれるかもしれないと思いながら、夫と彼方との息子を育てるのはつらいことだったでしょう。彼女も運命に逆らおうとした強い女性でした。
紗栄子がその後満ち足りた生活ができるようになったようなので、それは救いだと思いました。

運命の伴侶という強い結びつきに翻弄されたベータとしてもう一人・脳科学研究助手の玉木。
ベータ同士だったが故に、恋人の危機に気がつかなかったことをずっと悔やんでいる玉木。「至高の絆」という強い結びつきを知っていたがため、自分たちがアルファとオメガでさえあれば彼女を助けられたのにという思いにとらわれ過ぎておかしくなってしまった気の毒な人でした。彼がしたことは許せま
せんが、彼女を救えなかった自分のことを許せるようになるといいと思いました。

そして、ミケーレの異母弟のルカ。今まで出てきたアルファが相手を間違えたことがないことを考えても、彼の気になる人は伴侶なのではないかと思うのですが、うまくいったのかちょっと気になりました。

アルファの生きる意味となっているオメガ。オメガのくれるものはすべて喜びだという深い愛によって、長らく交差することのなかった運命が再び同じ刻をきざむことができるようになってよかったです。
女性視点もあるので苦手というか地雷の人もおられるかもしれませんがこの話に限り彼女視点もあったからこそなりたった話だったと思います。




電子特典SS
今作の特典は前作のSSのその後になります。
本編で彼方が教務官をしていたアジールで、イベント大好きだった料理人の類。伴侶を見つけアジールを出た後、出会う前のヒート時のことを嫉妬した伴侶が素直になれず、すれ違ってばかりいた二人ですが類が妊娠したことに喜び、やっと二人の想いが同じになるまでが前回。
今回は、悪阻に苦しむ類は伴侶に子供を諦めろと言われてしまいます。
激怒した類は智弘たちのところに転がり込むのですが・・・
弱っていく伴侶を見ていられず、子供より伴侶を大事にしたい類の伴侶の言葉足らずなせいで相変わらずすれ違う困った二人の話。前回の妊娠騒ぎで懲りたんじゃないのかと思うのですが、今回も智弘たちに間に入ってもらいお互いの考えを言い合い仲直りするまで。
言葉足らずな伴侶に喧嘩っ早い類、この2人はこうやって喧嘩しながら行きていくんでしょうね。ほかのカップルと違って、オメガが気の強い人なので、こういう相手がちょうど良いのかもしれません。

1

子どもの存在は難しい

イラストが金ひかるさんなら問答無用で買うシリーズ。
同じ世界観で、違うイラストレーターさんの前作があったようだけど、前作を未読でも大丈夫です。
オメガバースは作者さん毎に、それぞれ色々な世界観の元に物語が展開するわけですが、まあ、その世界観が、必ずしも好みに合うかどうかは読んでみないとわからないわけで、、、
運命の番に出会ってしまったために、ベータからオメガ変成して発情して妊娠、そして出産した子供はそのまま取り上げられて(里子に出されて)、余生のようにひっそりとオメガ専用の施設で暮らす主人公。
ある意味、オメガバースの「運命のつがい」っていう設定を徹底して活かした、オメガバースだからこそ成立する物語。
今時、超お金持ちの外国の貴族の攻めとか、オメガバ設定でもないとなかなか登場させにくいし、そういった意味でも、オメガバースならではなお話。
でもなぁ、出産はねぇ、オメガバースだから出産アリなのそれはそれでいいとしても、個人的な好みとしては、割と普段からBLに子供が登場する話は微妙に感じることが多いのよ。
とりあえず、大きな犬と小さな犬のイラストにオマケして萌で。

4

恋に落ちるって理不尽なことだと思う

電子書籍で読了。挿絵なし。あとがきあり。電子限定のおまけ『類的ラプソディ』が付いていました。

『蜜惑オメガは恋を知らない』は読んでいて「どうしてこっちはレビューの数も多いのにあまり評価が上がらないんだろう?』と不思議に思っていたのですが、読んで納得。姉の婚約者が『伴侶』だったのですね。おまけに、姉の母が存命中に主人公が腹違いの弟として生まれているという、結構、ガッツリとした『不倫もの』でした。攻め受けの二人だけではなく、姉、母の心情も丁寧に描写されていますので、苦手な方は避けた方が良いと思われます。

『蜜惑~』もそうだったのですけれど、このシリーズの攻め様方はとにかく『待つ』ことに長けていますねぇ。相手の心情を思い図って待っているのでしょうけれど、むしろそれが意気地のなさから来ているような気もします。
また、主人公の彼方は姉を二度も(一度目は姉の母が亡くなったことで、母が父の籍に入った時ですね)傷つけることに強い罪悪感を覚えて運命の相手から逃げ続ける訳ですが、姉の婚約者で攻めのミケ―レは、彼方と比べると姉に対する罪悪感が薄い様に感じるのも、このお話に乗り切れない姐さま方が多い理由かもしれません。

こういう場所で書くのも何ですが、個人的には「恋って一人で勝手にするものなんじゃないかなぁ」と思っています。一人と一人がたまたまお互いを思い合っていたという奇跡があってこその両思いなので、片方がどんなに思っていても、相手がそれに応える気がなければそれでおしまい。倫理感とかとは全くもって別物で理屈じゃないですから、とても理不尽で、残酷なものだと思うのです。
だから巡り合わせが悪いと、恋っていうものは現実を激しくぶっ壊します。
そういう部分を、実に丁寧に、ある意味『ねちっこく』書いたお話なんじゃないかと。
なのである意味、とても現実的です。
ナツ之さんの理性を感じましたです。

オメガバースなので「二人は末永く幸せに暮らしました」という『お約束』で終わっていますが、中身はなかなか毒(って言うほどでもないかもしれませんが)があるお話。
甘々を求める気分の時に読むと腹が立つかもしれません。
でも、頭が冴えている時には、色々考えられて興味深い一冊だと思います。

7

女性が当て馬のオメガバースもの

アルファ ミケーレ×オメガ 彼方
ミケーレは、彼方の姉の婚約者。2人は出会って、3日間で惹かれ合い、過ちを犯します。元々、関係がぎくしゃくしていた義理の姉弟。結婚を機に和らいだと思った矢先の出来事でした。当然、姉は怒り、彼方は身を引くが…それから長い年月を経た後、再び運命は動きだし…。


運命の番である2人に巻き込まれてしまった姉が可哀想で、素直に楽しめませんでした。話の中で姉にスポットライトが多くあたっていることもあり、姉のことを考えると、複雑な気持ちになってしまいました…。いくら運命でも婚約者はあかん…
2人の子どもであるマッシモが可愛いかったです。

3

スピンオフですがこれだけでも問題ないです

あとがきを読むまでスピンオフと気付かなかったです。そういえば前作が似たタイトルだったなという程度です。前作は読んでいませんがこれだけでも問題なかったです。

あらすじからも一筋縄ではいかないなと思っていましたが、かなり複雑というか面倒な人間模様でした。
姉の紗栄子の婚約者であるミケーレといる時に彼方はオメガへと変転しヒートを起こした事もあり、ミケーレと体を繋げてその1度の出来事で妊娠してしまいます。しかし紗栄子の婚約者だし、彼女も妊娠していると言います。
彼方は負い目からもミケーレとは一緒にならず、アジール・ヴィオレという伴侶のいないオメガの為の施設へと行ってしまいます。また、身籠った子も養子に出してしまいます。

ミケーレとの一緒に居たのが3日間です。それでも運命だからと紗栄子との関係を終わられて彼方と一緒にいる事を選ぼうとします。しかし彼方や周りからの言葉もあり紗栄子と結婚します。紗栄子の子どもとして出てきたマッシモですが、この子は結構早い段階で養子に出した彼方の子だよなと思います。じゃあ紗栄子の子どもは?と疑問に思いますが、その魅せ方はなるほどと思いました。

彼方とマッシモが一緒にいるのはほのぼのしたし、8年も想い続けていたミケーレの執着も凄いです。
でも、紗栄子の人生を思うとどうもただ幸せで良かったねとはならないです。父は別の女を選び、婚約者は弟にとられ、更にその弟の子どもを育てていて、その子どもにも気を使われているという状態です。彼女にも幸せが訪れてはいるようですが、ただ良かったねとは思わないです。父親がほぼ空気でフォローも何もしなくてただのクズなんじゃないかと思ってしまいました。または、好きなのは彼方の母親だけで他はどうでも良いのかなと感じました。

8年という長い期間がミケーレと彼方には必要だったのかとは思いますが、周りを巻き込んでまでというのを考えると長いなと思います。マッシモだって小さい時こそ一緒にいたかったのではないかと思います。

伴侶のいないオメガは子どもを産んでも別のアルファになびいていってしまうなど、この作品ならではのオリジナルな部分もあり、運命の2人には周りを掻きまわすくらい強い繋がりをもたらすのにそうでないオメガはただの子どもを産むための道具のような扱いの感じがしてそこが好きになれませんでした。

良い部分も多かったのですが、オメガバースならではと思いながらも割り切れない部分もあり萌えきれなかったです。物語としてはどうなるのとどんどんページを捲らせてくれるので素晴らしいです。前作も気になってしまいました。

7

運命の番は・・・

あとがきを読んで前作があるのを知りました~。
でもこれだけでわかるようになっているので読んで無くても問題はないです。
(前作に出てくる登場人物のその後なようなので読んでた方がより良いかもですが)

姉の婚約者、ミケーレ。
ミケと彼方の母から呼ばれてるワンコなスパダリ。
二人は出逢うべくして出逢い、番ってしまうのですが、義理の姉だった事からさらに複雑になって罪の意識に苛まれてしまいます。
なので、スパダリワンコな攻にもなかなか素直になれず・・・な展開でヤキモキさせられました。
その義理の姉の存在が彼らというか彼方にとって足枷になってなかなか素直になれないため、かなり姉もお話に絡んできて登場しますので苦手な方はご注意を!

こどものマッシモがとっても可愛いので、姉よりももっと登場して絡んでくれたら~と、子供好きなので思ってしまいました。
同時収録の掌編「はじめてのよる」はとっても可愛いその後の3人の生活の一場面が描かれてました。
このあたりをもっと読みたいです!

そして金ひかる先生のイラスト、とっても可愛い。
まず表紙にキュンっです。この表紙で迷わず手に取ったので!
口絵カラーも可愛いかったです~( *´艸`)

1

運命に抗う事は出来るのか

今回は姉の夫で受様の運命の相手であると伯爵と
攻様のためにオメガ変転した教務官のお話です。

攻様との出会いから受様が運命を受け入れるまでと
本編の裏自称的な逸話と
親子3人での「はじめて」を描いたSSを収録。

この世界に男と女という性別の他に
アルファとベータ、オメガというバース性が
表立って現れてから数十年が過ぎた現代。

一般的に
アルファは君臨し、ベータは生活し、
オメガはアルファの子を身ごもるものと
言い表されています。

ベータは最も多く、
いわゆる「一般」の人になりますが、

アルファはそのカリスマ性で
政治や芸術、スポーツの分野で
活躍しています。

そして男女に関係なく
オメガを懐妊させる能力を有し
アルファはアルファとオメガからのみ
生まれる性になります。

またオメガ性も特殊で
オメガはベータからの変転にて顕現し
彼らはベータには戻れません。

オメガ変転した多くのベータは
20前後での突然オメガ変転した後は
特定の相手を持たずにアルファと番う
はぐれオメガとなりますが

ただ一人のアルファを運命の相手として
オメガ変転してそのアルファと
至高の一対となるオメガもいます。

本作の受様は運命の相手と出会い
オメガ変転を果たしますが
運命のアルファである攻様とは
姉の婚約者として出会うのです。

受様は資産家の父の愛人だった
母の息子として誕生しますが
正妻の死によって父の家に入ったため
正妻の娘は受様親子を長く疎んじ
家族と認めませんでした。

姉の怒りと悲しみは強く
高校から渡米し米国内で就職し
更に距離を置かれます。

そんな彼女が婚約したと帰国し
落ち着いた彼女と受様親子は
初めて家族としての時間を過ごします。

受様は彼女の幸せをとても喜びますが
攻様が日本出張に合わせて
婚約者の家族に会いにきたことから
未来は大きく変わってしまうのです。

受様は姉の頼みで攻様の観光旅行に
案内役として同行したのですが
旅先でオメガ変転してしまうのです。

それは攻様を運命の相手とする変転で
2人はお互いを貪欲に欲する一夜を
過ごしてしまいます。

流された波から抜け出した受様は
姉の婚約者から逃れる為に
オメガ専用の入居施設に入ります。

受様は情熱の一夜の結果、
攻様の子を妊娠、出産しますが
その子は里子に出され
今では長野の施設で教務官として
若いオメガの世話をしています。

しかし、
父が倒れたという母の呼び出して
受様が8年ぶりに実家に戻った事で
運命の歯車は再び回り始め
受様は攻様と再会します。

今でも受様を諦めていない攻様ですが
攻様の隣には一児の母となった姉がいて…

受様が攻様の手を取る日は来るのか!?

ナツ之先生の初オメガバース
『蜜惑オメガは恋を知らない』の
スピンオフで前作の受様の教務官が
本作の受様になります。

とは言っても既刊の受様は
本作の受様の回想に登場するだけで
本筋で絡むことはありません。

前作では運命の相手がいながら
オメガ施設に入っている教務官として
気になるキャラでしたので
本作の発売がとても楽しみでした♪

ワクワク読み始めまして
思っていた以上に複雑に絡み合った
キャラ達が見事に書き分けられていて

文句なく「神」評価つけたい
とっても素敵なお話でした (^O^)/

但し、前作で受様の恋の背景は
既に決まっていますので
不倫、略奪愛、受様の妊娠&出産等、
地雷がある方は注意がいるかな。

誰もが幸せを願うのに
それぞれが関わり合う中で
深く傷つき、悩み、悲しみます。

受様は自分が引く(逃げる)事で
攻様や姉の幸福を願いますが

それこそが間違いだったと
攻様を欲しいと告げる場面が
とても印象的でした。

本作の鍵となる存在のは
攻様の一人息子です。

彼の存在は
攻様の希望だっただけではなく
受様の姉にとっても救いであり

彼の存在があったからこそ
受様の姉も攻様と受様の絆を認め、
彼らを許し、自分自身を解放しよう
と決意できたのかなと思いました。

本作中で受様は
2人目の子供を懐妊していますが
コミコミ特典では
なんと4人の子持ちなのですよ♪

本シリーズの受様の弟や
施設をでたオメガ達の恋物語も
とても気になります。

もっとシリーズとして
続いてくれると嬉しいです♡

本作は1冊でも読めますがぜひ
リンク作であるナツ乃先生の前作
『蜜惑オメガは恋を知らない』を
合わせて読んで頂きたいです!!
オメガバース初心者の方にも
おすすめな良作です。

9

苦手な設定でした

ナツ之先生と金先生だったのでオメガバースと思いつつ購入。評価下げてしまって申し訳ありませんが苦手なシチュエーション(人間関係どろどろと感じる部分)があったので中立です。スピンオフだったんですね。前作の方が受けさんの回想という形で出てきますが、そんなに問題なく読めるのではと思います。本編280Pほど+本編後日談20Pほど+もう一つ本編後日談4P+ナツ之先生のあとがき+金先生のキャララフです。

お話は、はぐれオメガの保護施設アジーレ・ヴィオレで教務官を務める彼方のモバイルに、唯一連絡を取れる母からのメールが届くところから始まります。そのメールには「父倒れる、連絡乞う」とあり、やむを得ず8年ぶりに実家に帰ることになり・・・とお話は続きます。

攻め受け以外の登場人物は
攻めの異母弟、受けの父母、攻めの嫁・子(6歳、アルファ)等。この子は可愛いんだけどなー。

挿絵話。カラー口絵が本編内1シーンで、攻め受け、子の3人でホラーを見ているのですが、びびりの二人の表情がめちゃくちゃ可愛く可笑しい。なんだけどこんなほほえましい、可愛いお話に思えないんだよな。末尾のサブキャラのラフもめちゃカッコいい、爽やかで、こんな感じのお話だったらよかったのにーと少し思いました。

**********以下は自分がダメだった部分

姉の婚約者が「伴侶」だった と分かって、3日間一緒にいた間にオメガに転換して妊娠してしまうという、なんだその人生は!!!!!!という驚愕設定。苦悩するのは当たり前だと思うのに、攻めが姉に「結婚できない」「君が伴侶だから」と伝えたとぬかす!!!!!オメガバース設定で運命的な番、伴侶などという設定はまだ耐えられたとしても。誰かを傷つけることを伴うなら、せめて苦悩してくれーーーーーーと思ってしまいました。受けの両親、姉の気持ちはどうなるの!と怒ってしまって、攻めの欧米的な考え方?伴侶なんだから当然というような様子?についていけませんでした。その姉もなかなか不思議な方で、各種心情にどうしてもついていけず、でもナツ之先生は容赦なく淡々と心情描写を重ねていって、なかなか読むのがツライお話でした。怒りながらも「どうなるの!」と気になってしょうがなく一気に読みましたけど。そしてレビュー書くためにもう一度読んで、やっぱり怒るw

最後の短編二つは可愛い癒し話になって、ちょっと救われた感ありますが、オメガバース設定は自分にはやっぱり地雷あるなーと気付いた本でした。はあ。

15

前作「蜜惑」と 光と陰のように

本能と理性と激しく揺れる感情と。なつの先生は正面からオメガバースの大命題を持ってきたな というのが一番の印象です。
彼、彼方はまだ成人してないだろうし、恋もこれからというのにまさに青天の霹靂、大津波に襲われるのだ。たった数日、たった一夜の出来事が彼に混乱と絶望とをもたらす様子が 本当に痛々しい。
現れたアルファ、突然の変転、本来なら時間をかけて心を通わせ「伴侶?」の人となりや互いの愛情を育む時間さえなかったのだ。
「運命の伴侶だから」というアルファの言葉を 姉への裏切り罪悪感に苛まれる彼がどうして信じられようか。突然すぎて、余りにも突然に降りかかった事柄に 彼の心が追いつくはずもない。
彼の思いや行動が後ろ向きだと非難できようか?彼の混乱が治り自分の心に落とし所を見つけられるよう 癒され成長する時間が必要だったろう。あのアジールで。
一方、行間に浮かぶ彼の母親の 物事を見据えて静かに行動する姿に感動したし、またマッシモという「かすがい」の存在の心強さでありました。彼らの存在が二人を結びつけ、 十年かかったけれどやっと伴侶ミケーレの気持ちに彼方が追いつけた物語でありました。

さて、読み終わってから前作「蜜惑オメガは恋を知らない」を再読してみると 今作と対になっている作品だと思えて仕方ないのです。心が追いつかない、情熱と本能の狂熱で走るオメガとアルファの関係性、それ故のオメガの悲しみ、アルファの悲しみは共通して語られておりますが、前作アルファの恒星とミケーレは実は表裏一体、もしかしたら恒星に「ありえたかもしれない」ことだと思えたのです。だから恒星がどうして智宏から一時離れたか などが陰のように浮かび上がってくるように見えるのです。

えだまめ先生の描いたオメガバースは人間(ひと)の思いと身体の欲するものの差を丹念に描かれており、とても人間らしい愛の讃歌、また生の歓びを謳うような特別なオメガバース作品だと思います。
前作から待ち遠しかった一作でした。

5

出逢えた全てに感謝

出逢った事により得たものが、例え苦しみや哀しみしか無くても。
それでも出逢えた運命に心から感謝するー。

と言った二人の愛に泣きました。
離れた場所から息を潜めるようにして、互いの気配を探り合う二人がもう切なくて切なくて( ノω-、)
また、タイトルがホント秀逸です。読み終えた後は、タイトルにもグッと来たりして・・・。
ずいぶん遠回りしちゃった二人の、愛の形にぜひ感動して下さい!


まずこちら、「蜜惑オメガは恋を知らない」のスピンオフになります。
前作にも出て来た、アジール・ヴィオレの教務官・仁科彼方が主役になりますが、完全にお話としては独立しているので単品で問題無く読めます。

内容としては、オメガバースもの。
オメガはアルファと出会う事により変転してなるものー。
また、運命の相手である「伴侶」に出会わず変転したオメガは「はぐれオメガ」になると言う事以外は通常のオメガバース設定と同じになります。
この設定がとても生かされておりまして、平凡なベータとして生きてきた彼方が、異母姉の婚約者と出会いオメガ変転してしまうー。
罪とどうしようも無い恋情の間でもがき苦しむ三人の、8年にも及ぶ壮大な愛の物語になります。

で、実は前作の「蜜惑オメガは恋を知らない」も大好きなのですが、脇キャラとして出て来た仁科もとても気になってたんですよね。
今回その仁科編が読めたワケですが、前作よりシリアス度も切なさ度もかなり増してます。
また、人間ドラマが面白い。
ある日いきなり、愛人とその息子(彼方)から自分の居場所を奪われてしまった紗栄子ー。
彼女はですね、特別イヤな女じゃ無く、また特別デキた女性でも無いのです。ホント等身大の自立して生きていこうとする女性。
彼女視点でもストーリーは書かれている為、皆が皆苦悩してるのが良く分かるんですね。
運命の伴侶に去られてしまい、その伴侶の気配を感じる事だけでも幸せとして生きているミケーレ。
たった3日で運命が激変し、妊娠・出産-。悔恨の中、贖罪のように生きる彼方。
弟に全てを奪われ、自分を決して振り向かない夫に疲れ果てている紗栄子。
「愛罪」となってますが、愛とはこれほどに罪深いものなのかとおののいたりして・・・。

また、二人が惹かれ合い愛を確かめ合ったのは、8年も前のたった「三日間」の事です。
その後はひたすら忘れようとしたり、またせめてもと相手の近くの場所に滞在し、気配だけでも感じ取ろうとするようなささやか過ぎる交流しか持って無い二人。
このあたりの二人の心理描写がホント秀逸でして。
「愛し合う二人が離れ離れなんて、間違ってるよ!!」と切なくて切なくて仕方ない・・・!!

ミケーレがとてもいい男なんですね。
常に紳士的に生きようと努力してきた彼は、彼方と出逢った事により、自身の全てがひっくり返ります。
それでも、自分の気持ちに正直に生きようとする。
そして、これほどの苦悩を与える事となった彼方との出逢いを、「幸福」だと言い切る-。
彼の内に秘めた激しい想いには、深く心を打たれました。

と、かなり切なく痛い部分が多い作品ですが、ミケーレと彼方、そしてマッシモ(甥っ子)の3人で過ごす、つかの間の軽井沢での別荘暮らしはほのぼのしました。
ミケーレとマッシモが、大きいワンコと小さいワンコみたいで。
甥っ子になってるマッシモですが、伏線がしっかり張ってあるため、早々にその正体に気付く方が多いのでは無いでしょうか。
今回、作者さん独自のオメガバース設定もですが、あちこちに小さな、けれど重要な伏線や「仕掛け」が張り巡らせてあります。
一つ一つ暴かれる度に、上手いなぁと唸らされました。

すごくすごく遠回りしてしまった彼方。
ただ、彼にとってはこの「8年」と言う歳月は必要なものだったんだろうと、読み終えたあとは感慨深く思います。
ちょっと涙がでちゃうような、幸せなラストにもグッときました。

あと、前作の主役である智宏は出て来ません。
彼方の回想にちょろっと出演するぐらい。智宏組も大好きなので、それだけがちょっぴり残念・・・。
ミケーレの弟であるルカもなかなか複雑な恋愛をしてそうなので、そちらもぜひスピンオフをお願いしたいです。

12

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