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表題作すみれ荘ファミリア

あらすじ

トイレ、風呂、台所共有、朝食夕食付きのおんぼろ下宿すみれ荘。大家代理兼管理人をしている一悟は、古株の青子、TV制作マンの隼人、OLの美寿々ら下宿人と家族のように暮らしていた。そこに、芥一二三と名乗る新しい入居者がやってきた。作家だという芥は、マイペースで歯に衣着せず、攻撃的ではないけれども思ったことを平気で口にする。そのせいか、平穏なすみれ荘の住人たちの今まで見えなかった顔が見えてきて―。一つ屋根の下の他人、そして家族の再生ものがたり。

作品情報

作品名
すみれ荘ファミリア
著者
凪良ゆう  ゆうこ 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
富士見L文庫【非BL】
発売日
ISBN
9784040727882
3.3

(11)

(4)

萌々

(1)

(2)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
33
評価数
11
平均
3.3 / 5
神率
36.4%

レビュー投稿数3

人の愛情とは何か?

グサグサえぐるお話ではありますが、さすが凪良作品。引き込まれてノンストップで読了。

主人公の和久井がお人好しで脳天気すぎる。
対比で弟の芥が意味深に不幸オーラを出しながら、話は思いもよらない方向へ展開していきます。

ラストも、うん、良かった。とはなりませんが
BLじゃないことで敬遠していて損しました。
早く読めばよかったな。
最後に表紙の絵を眺めると、秀逸。

2

一般小説として、だと…

『すみれ荘ファミリア』凪良ゆう先生 読了

すみれ荘という下宿で起きた一連の出来事が描かれている物語です。急に入居宣言した謎の男が現れてから、平穏で小さな下宿では化学反応のようにたくさんのことが起きている。

病弱な主人公、和久井の目線から物語が思わぬ展開へとなっていき、色々不穏な出来事もありましたが、最終的にそれらの問題を1個ずつ解け、和久井の生活は完全に変わったものの、今まで歪んでいたものを直すことができたという終わり方に収まっている。良き良き。

こういう話読んでいると、こんな感じの下宿住みたくなってきます。人間関係難しそうだろうけど。

ネタバレにはならない程度で少し中身に触れて感想を言うと、一番好きなシーンは終盤のところ芥くんが違うバージョンの子供の頃2人の思い出の話を告白するところです。

自分が信じ込んだものでも、違う人で違う立場から見たら完全に違ったものに見えてたかもしれませんね。

そもそも人はそれぞれなので、違う見方したって当然なのです。病弱な子供だった和久井にとっては幸せな兄弟の思い出であるものが、芥にとって、またはお母さんにとっては全然そうでもなかった。たまに本を読みながら思うんですが、この物語は違う目線で描かれていたらどんな話になるんでしょう。

凪良先生の前に出した一般向けの作品にもこのような話が出てきましたが(内容がパクリではなく、作品で伝えたいもののことです)、やはりこういうちょっと人間の内面的なものを描く作品は面白いなって思ったりしました。

ただし、私の評判基準が厳しいかもしれませんが、一般向けの書籍としては「可もなく不可もなし」くらいかな。
このレーベルさんはライトノベルを多く出しているようですが、この作品を読んで個人的にどっちかというと一般小説かと思っています。

なので一般小説として評価させていただくと、やはり今まで読んだ一般小説の中では「中」くらいになります。少々厳しくなってしまいまして、偉そうで申し訳ありません。

0

表紙はかわいいが

凪良先生おっかけで購入。表紙みためがかわいかったので、青春群像話かと思ったのですが・・・青春という年齢よりは大人な方々複数でした。そして可愛いお話ともあまり感じられず、ちょっとキツかったので中立です。

おんぼろアパートでまかない付き下宿屋を営む和久井(♂)が、ちょっときちんとした格好で、頑張って1年に1回のイベント(女の子用のおもちゃを買う)をこなした後、自転車で歩行者(♂)とぶつかってしまうシーンからお話は始まります。そのぶつかってしまった人の右目の下には変わった形のほくろがあり・・・と続きます。

登場人物は、みんなキャラありエピソードあります。
和久井:33歳。いわゆる虚弱体質。母の始めたアパート経営業務を引き継いでいる。
芥:29歳。和久井が自転車でぶつかったために右手の甲にひびが入る。ラノベ作家。
美寿々:下宿人、26歳。ぽんぽん物を言う。ひどいPMSに長年悩まされている。
青子:下宿人、36歳。すみれ荘の古株。皆のお母さん的存在。
隼人:下宿人、27歳。テレビ番組制作会社勤務。
和久井の母:バツイチだったが60代にして、いい人ができ、今は三上と同居中。
三上:和久井の母を見初めた隣町のご隠居さん。

*********以下はより内容に触れる感想


大人な皆さん、何かしら抱えて生きているのは普通だと思うのですが、もっとも手酷くイタく人生に響いてくる年齢というか時期があると思います。ちょうど20代後半ってそういう時期なんじゃないかな。そういうイタい話が続くので、きつかった。最後は救いが見えたのですが、そこにいたるまでの皆さんの心情が重く厚く川底の泥のようにもったりのしかかり、読後感はやや重めになってしまいました。
夢いっぱいハピハピ話ではないということは間違いないと思いますが、読む人のバックグラウンドによってこの本の印象ってとても変わる気がします。
私は美寿々ちゃんのエピソードが好きだったかな。この子、ぶちキレてるけどたくましい。

凪良先生の本が気になる方でしたら、ちょっと腰据えて読むぞと思って、ぜひ。

2

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