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愛されたいから、愛したい―――
ゲイである事を真正面から受け止めて、社会に溶け込んで生きていく為にどんな思いをしてるんだろうか。とか、センシティブに震え上がって、気付かないふりや入れこまないように深入りしないようにと心にストップをかけてしまう姿はなんて痛々しいんだろうか。 とか。色々考えさせられました。とっても上質で最高な作品に出会えたと思います。
自分に自信を持てないで、臆病でビビりな駿斗と央倫。過去の苦悩や家族の不理解から、もう傷付きたくないと思いながらも、やっぱり誰かを本気で愛したいし、愛されたいと願う2人。
人は誰しも愛されたいですよね。なので二人が想いを合わせたシーンは本当に優しくて美しかったです。そのままの自分を受け入れてくれる人に出逢えてよかったです。
そして2人ともなんといっても美しいんです!特にお着物のシーン!!本当に美しい〜!見惚れます。絶対にanotherstoryも読むことをおすすめします!読むと二人がなお一層好きになります!!
先生の作品はほとんど拝読していますが、本作が一番好きな作品。何度も読み返しています。
番外編2が電子で発売されて、再読したのでレビューします。
央倫(ひろみち)と駿斗(はやと)は、出会って3ヶ月で週2日は会うセフレ同士。
お互い名前しか知らなかったが、駿斗の務める呉服店に、央倫が見合い相手と偶然訪れたことにより、二人の関係が変化し始めて…というお話。
お話が進むに連れ、二人とも孤独を感じ、心に傷を持つ者同士ということが明らかになっていきます。
徐々に互いのことを知っていくうちに、多くを語らずとも、相手を思いやり寄り添っていく二人に、何度もキュンとさせられます。
駿斗の「誰かに愛されたい、…愛したい」というモノローグ。
央倫の「お前と一緒にいたいだけだ」というセリフ。
「本当にずっと居るか?」と不安を隠せない駿斗に、央倫が力強く言うあのセリフ。
本作には心にグッとくるモノローグやセリフがたくさん散りばめられていて、読んでいて何度も胸が締めつけられます。
本当に素晴らしい作品。大島先生の最高傑作と思います。
ぜひ多くの方に読んでもらいたい名作です。
電子の番外編「チキンハートセレナーデ another story」「チキンハートセレナーデ another story2」も、短いながら素晴らしい続編ですので、ぜひあわせて読んでいただきたいと思います。
何度読んでも素晴らしさの色褪せない、私にとって大切な作品です。
紙本 濡れ場は修正不要な描き方
リアルな描写に胸がザワつきました。
ハッピーエンドに辿り着くゲイのカップルってどれくらいいるんでしょう。性の多様性が認知されていない国や地域だと少ないだろうし、日本も最近は認められつつありますが、まだまだ成熟した社会とは言えません。
学校や職場や家族といった特定のコミュニティの中で、自分の性的指向を隠し生きていくことは悔しいことだけど自分や家族を守るためには仕方ないことかも知れない。カミングアウトがもらたす影響が、プラスかマイナスか…どちらに振れるかは分からないことですよね。
そういうジレンマが1つの軸となる物語がこの作品です。セフレ関係にある松根と倉橋のリアル描写が光る大人の恋愛ストーリーは、とても繊細で複雑で胸に沁みました。
2人の恋愛は、松根の建前の結婚願望によって"ナシ"の方向で始まっています。このことが2人の関係を前進させるストッパーになっていて、特別な感情を抱いたとしても、心を縛りつける制約になっているのが非常に切なかったです。
結婚に動きだしている松根と倉橋が過ごす金曜日の夜の逢瀬は、唯一自分らしくいられるひととき。2人にとっては幸せな時間だと思うのに、先がないと分かっている関係だからかだいぶしょっぱいテイストです。自分の感情より周囲の環境や期待…気持ちを抑えなければいけない状況にやるせない気持ちになりました。
何を考えているか分からない松根の静かな感情が結構じわじわきます。割り切っているようで割り切れていないような嫉妬心に、彼の熱い性格が見え隠れしますね。明るい性格の倉橋と真逆なタイプっぽいけど、いざその時!となったときの行動力は頼もしい限りです。
自分を偽って生きていくより自分に正直に、好きな人のために生きていく人生を選択した彼の思いが、派手さはないけど実にドラマチック。
静かに湧き上がる感動に酔いしれました。
同性が性の対象となる男たちの葛藤がありありと描かれた作品だと思います。女性とセックスできてホッとした…と吐露するセリフとかね、どれだけの思いを抱えてきたのかと想像すると胸が痛かった…。
BLはファンタジーだと言われるし、実際そうなんだと思いますが、この作品は現実の世界に限りなく近い世界線のお話の感覚で読めると思います。全体的にしっとりめで大人感漂う暗めのテイストが雰囲気あって好きです。
番外編も出ていて、その後の2人が読めるのも嬉しい配慮。
切なめだけど読後感は最高です^ ^
もう3~4回読んでいます。
黒髪受けか~~いいねえ~と思いながら購入を決めた本作品(男っぽい黒髪が受けてるの性癖な人)。それ以外にもツボポイントがありすぎて、毎回読むたびジーンと萌えています。
ストーリーは、ゲイバーで会った攻め・ヒロミチさんと受け・ハヤトさんが、一夜をともにしてそのまま体の関係が続いていたところ、ハヤトさんの仕事の顧客のところにヒロミチさんが居て、なんといいところのお嬢様と縁談を進めようとしているようで、あれヒロミチさんゲイのはずなのに?と聞くとヒロミチさんは一度ゲイばれして大騒ぎになったことがあって……というようなお話。
ハヤトさんの方はお兄ちゃんが本当に大好きで、家族愛よりも恋人に向けるタイプの愛情をお兄ちゃんに持ってしまっているんですよね。そしてお兄ちゃんは結婚して家族を他に持っているから、疎外感に苛まれているという。
ヒロミチさんの方は、男を好きという自分の心に従うよりも周りと平和にやり過ごせるほうを選んでしまうというチキン、ハヤトさんの方は愛されたいけど終わりを考えると耐えられないというチキン。大人らしく先々を見通したチキンハートな振る舞いが描かれていて、「なんと切ないチキンハート……」と思いながら読んでいました。
ですがハピエン厨の私を喜ばせてくださいました本作品、チキンハートに従って寂しく終わることはありません。ヒロミチさん、自分の心に従ってハヤトさんを選びます。
ハヤトさん、ほんとにうれしかったんだろうなあ。ヒロミチさんが来たとき、ちょっと行動バグっちゃうみたいになってたもんね……
その後、ヒロミチさんを信じきれないハヤトさんですが、二人でハヤトさんのお兄さんに会いに行って、ヒロミチさんが一緒にいるよって口にしたから安心できたのでしょうね。
よかったです。幸せそうで何よりTT
大人になればなるほど、周囲のこととかしがらみで雁字搦めになってしまうけども、それでも自分の心に従って生きていくという、BLらしいお話を読ませていただきました。
情事シーンを含め、文字を多用してないところがいいですよね。表情と絵で訴えられる心情とか、場面の静かさとか。
情事シーンも、その絵に見入っちゃうから逆にアダルティなエロみを感じたりして……(ありがとうございます!!)
物語の進行と一緒に読者にゆっくり、しかし確実に切なさと喜びを与えてくれる本作、非常に楽しみました。ありがとうございました。
セフレで始まる二人の間には確実に「特別」があるんだろう。
そう思わせる始まり。
大島先生らしい大人な色気男子の愛のお話。
恋愛というより愛し合う事に視点をおいたものに感じました。
お互いの足りない寂しい部分にお互いが必要不可欠。
こんなにピッタリハマるパズルのピースようなカップリング中々ないなと思いながら読んでいました。
ノンケになろうとする攻め(真面目)・孤独を嫌う受け(明るい)。
二人には二人しかいないし最後は泣いてしまいました。
心からずっと幸せでいてほしいカップルです。