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読み切り短編が全部で5つ収録されています。
どの短編から読んでも楽しめますし、猫っ毛ファンなら満足すること間違いなしの一冊です。
個人的には、ポンちゃんおめでと!篇の【勝手にしやがれ】と、小樽篇の清水さん視点で描かれた【Welcome back home】が、とりわけいいなと思いました。
【たよりない手紙】
みいくんが小樽を離れて一年が過ぎた頃のお話です。
またたび荘の入居者第一号となった蛭間さん、そして火野さんやポンちゃんとの出会いが描かれています。
みいくんの涙がせつない……。
【アイドルを探せ】
ハルさまっぷりが全開です!
北原さんが海外出張のために一週間も一人で留守番することになったハルくん。
かなりご機嫌斜めだけど、あいつがいないうちに色々しちゃうもんねー!!と思うのだけど……。
この「色々」がかなりかわいい。
カップラーメンばっかり食べてやる!とか、服脱ぎっぱなしにしてやる!とか、そういう罪のないやつばかり。
でもやっぱり一人ではつまんなくて、久々にクラブ行ってナンパでもすっか!と出かけるも、やっぱり先生がいないとつまらない……。
壁際でふてくされているハルくんに、ファンを名乗る男が近づいて、催眠剤を飲まされちゃったハルくん。
ピンチ!かと思いきや、ハルさますごい〜。
そしてハルくんの口から「愛してるぜ」なんて言葉がっっっ!!
だけど翌日にはすっかり「いたらいたぜ うぜーな、ババアッ」と平常運転に戻ってしまって…(笑)
【勝手にしやがれ】
きゃーー!!
あの火野さんがっ!!
ついにネコったーーー!!!
神よっ!
ポンちゃん、とりあえず、おめでとっ!!
【Welcome back home】
小樽篇が清水さん視点で綴られているのだけど、これがマジ神。
そして、四巻の第31話「小樽に里帰りの朝」のエピソード絡みなので、四巻を手元に用意することをおすすめします!
清水さんから見たみいくん、そしてみいくんを通じて高校時代に付き合っていた彼・かずくんとの思い出が綴られています。
これを読むと四巻の第31話で「私はフラれたんだってようやく受け入れられます」と泣いていたあの姿と繋がって、涙、涙、涙……。
そして事故に出かける前の清水さんとの恵ちゃんとの会話、そして事故直前のお母さんと清水さんとの会話。
……涙
これをみいくんに聞かせてあげたかったよぉぉぉぉ。
あのエピソードが色んな視点から綴られていくことによって、更に見えてくるものがありました。
もう涙するしかないです。
【HAPPY HOLIDAY】
これだけ本誌の連載分で既読だったんですが、まさかのエロ展開にげ〜んなりしちゃって、この話だけ「しゅみじゃない」に近いんです、実を言うと。
このコミックス買うときも、あぁこれが収録されてるのかぁ……あれは読みたくないな…と思うほど。
時系列としては結婚式後のお話です。
謝恩会のくじで温泉旅館の宿泊券を当てた恵ちゃん。
みいくんは、新婚旅行気分でやり放題の旅のつもりのはずだったのに、ハルくんカプ、そしてまさかのおばあさままで……!!
すっかり意気消沈するみいくんと、孫との旅行が夢だったと語るおばあさまのあたりまではとてもいい感じなのですが、その先のエロ展開がマジで趣味じゃないの……。
寝たおばあさまを部屋において、ハルくん達の部屋へ向かった二人ですが、ハルくん達はエッチの真っ最中。
そこでみいくん達も空いてる片方のベッドでやっちゃうんですよ……。
恵ちゃんが恥ずかしがるからシーツを被ってるのだけど、先に終わったハルくんがシーツをひんむいて、騎乗位で感じてる恵ちゃんの姿をニヤニヤしながら観察しちゃうの……。
いやーーーー!!!
恵ちゃんを人前プレイとか、そっちの道に引き込まないで欲しい!!
みいくんと北原さんとハルくんはかつて爛れた関係だったから別にいーけど、恵ちゃんは別!!
恵ちゃんにそういうの、全っ然求めてない!!
ーー
巻頭カラーのみいくん、恵ちゃんの小学生編がめーーっちゃかわいいよ〜。
本編の方が日常スケッチという感じで進んでいますのであまり『番外編』を気にせず、お手にとっていただければ良いのではないかと思うのです。
そもそも、本編の方では、みいくんと恵ちゃんの『大きな物語』は一応の決着がついています(なんやかんやがまた始まるのでしょうが)。
またたび荘の住人やみいくん・恵ちゃんの周りの人達の人生が、それぞれ関係を持ちながら進んで行く、または、過去の関係が、まるで誰かの回想の様に描かれるこの形式は、いつもの『猫っ毛』と一緒じゃないかと。
しかし、この絵柄……
『新宿ラッキーホール』と同時発売なので、私、続けて読んだんですよ。
あちらが『情の濃さ』を表す様な色気満載の絵なのに比べて、こちらの『恋愛真っ盛りでラブラブなのだよ』といわんばかりの可愛らしさと言ったら!
同じ絵なんですけれどねぇ。
でも、絵が語っている雰囲気がガラリと違うのは、これぞコミックの醍醐味だと思うのですよね。
それぞれ堪能した後、2冊並べて読んでいただければ、雲田さんの表現の凄さが味わえるという、大変美味しい企画ものなんじゃないかと思いました。
出版社は違うけど、その辺を意識してのコラボだとしたら「やるな!」という感じです。
みいくん・恵ちゃん、ハルくん・北原さん、ポンちゃん・火野さんのお話で5編ともキュンとなったり、クスッと笑ったり、ちょっとだけ寂しくなったりと、どれも素敵でしたが、私が一番「好きだなー」と思ったのは、巻頭カラー6ページのみいくん・恵ちゃんの子ども時代のお話です。
みいくんがどれだけ恵ちゃんを好きだったか、恵ちゃんがその気持ちをどんな風に真っ直ぐ受け取っていたか、このプロローグ的な短編で、スコーンと解る。
また、みいくんのお父さんの『子どものこと、解ってる』感じが良いんですよ。
このお父さんがいなくなってしまったことが、どれだけみいくんの持つ寂しさ、寄る辺なさに影響をもたらしたかを考えると、胸がギューッとなっちゃって……
あとがきによれば「猫っ毛は一生描き続けようと思います」とのこと。
これは大層嬉しい。
だって、彼らはもう私の『知っている人』になっちゃっていますもの。
彼らが今もどこかにいると思える様な世界を、急がなくとも良いですから、今後も是非描き続けてていただきたいと、心から願っています。
「いとしの猫っ毛」の番外編。内容はすでに書いてくださっているので感想を。
タイトル通り、番外編です。
なんていうのかな。本編の補足みたいな感じ、って言えばいいのかな。
全部で5話収録されているのですが、別々のエピソード、のように見えて、全部繋がっている。
かつてみいくんと恵ちゃんが遠恋していた時の話が、みいくんの今は亡き両親との思い出とか、清水さんとの過去のストーリーとかに繋がっている。
みいくんが、なぜそういう事をしたのか。
遠恋をしていた時、恵ちゃんもまた、寂しかったんだな、とか。
本編で描かれていたエピソードの補足をし、そして隙間を埋めていく。
そんな作品集でした。
他にも、普段ツンツンなハルくんですが、北原さんのことがちゃんと大好きなんだな、ってわかるお話や、ポンちゃんの恋が成就(って言って良いよね…?)したエピソード。
などなど、内容も盛りだくさんでめっちゃ満足度の高い1冊でした。
「またたび荘」の面々が出てくるのも嬉しかった。
特にポンちゃん。
良い人だ…!
ドSな火野さんがそんなポンちゃんにおとされるさまは読んでいて痛快です。
あと、個人的にドツボだったのが、清水さんの過去のお話。
かつて、みいくんに「いろいろな」ことを教えてくれた清水さん。
みいくんが精神的に追いつけられていた時に救ってくれた清水さん。
彼の過去の切ない話に、ちょびっとウルっとしました。
既に恋人同士になってしまったCPのお話は、得てしてワンパターン化してしまうというか中弛みしがちな気がしますが、「いとしの猫っ毛」に至ってはいつも新鮮。いつも癒される。そして萌える。
魅力のあるキャラクターたちと、雲はる先生が紡ぐ温かなストーリー。
この作品の持つ世界観が非常に魅力的だから、だと思うのです。
雲はる先生があとがきでも書いていらっしゃいますが、最終回はずーっと来なくていいです。
いつまでも彼らを見守っていたい。
ハルくんはアメリカに行っちゃうし、火野さんの息子くんも登場したし。
まだまだ彼らの今後のお話を読みたいです。
序盤にカラーで小学生だった時のみいくんと恵ちゃんの小話が収録されていますが、
めっちゃ可愛い…。
悶える。
マジで悶える。
猫っ毛ファンの腐姐さまにはぜひとも手に取っていただきたい神作品でした。
あ、そうそう。
カバー下もお忘れなく。
ランドセルを背負ったみいくんと恵ちゃんのイラストに、これまた悶絶させられました。
前作の結婚式でまさかの最終回?と思いましたが、まだまだ続くみたいで安心。
雲田先生があとがきにも書かれてましたが、最終回がない漫画にぜひなってほしいです。
番外編ではありますが、みーくんと恵ちゃんもちゃんと出てきますし、また1巻から読み返したくなりました。
特に、清水さんのお話は涙無くして見られない。
清水さんとみーくんママの車内での会話は号泣です。
猫っ毛は脇役まで素敵な人たちばかり。
みーくんも恵ちゃんもそんな人々に囲まれて、楽しい毎日を過ごしてるんだなーとほっこりしました。
ぜひ、読んでいただきたい、素敵なあったかい一冊です。
もうのっけから、可愛いミイくんとけいちゃんにノックアウトされちゃって、ニヤニヤ。久しぶりに買ってよかった〜って叫んでいました。2人が初めての人も楽しめる短編集だけど、もちろんシリーズを全部読んでほしいですね!
優しい絵柄とほっこりするんだけど(ストーリーを知っているからこその切なさも感じ)、温かさが沢山詰まっていますので、読んでて心の違うところが震えてしまうんです。何なの〜これは〜。猫っ毛の小樽篇に続く名作の予感ですね!