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芥先生デビュー作。
「イノセント ベル」が読みたくて、シリーズの祖から。
身寄りがなく進学を諦め、住み込みの使用人として住む場所と着る物と食べる物を与えてくれるご主人様に仕えて、これからとにかく一生懸命に働くんだ…
そんな不憫で健気な15才・双葉が主人公。
年齢的にも体格的にもまだ第二性の性別がつかず、性別不明として生粋のα名家・天宮家の別邸で天宮快晴(α)のお世話係となるが…
…と始まります。
はじめは、気難しい快晴にクソガキと怒鳴られドツかれ、コミカル系?とも思えるような出だしなんだけど。
でも結局は正統的なオメガバース。
人を寄せ付けないα男は愛を知り、哀しいΩ少年は愛を得る。定型的ではあります。
なら陳腐なのか?というと全くそんな事はなく、「ザ・オメガバース」的な美点に漏れはない。
大事にしたい思いと、押し寄せる本能。奪うαに震えるΩ。アノ快晴様が双葉にはこうなる?という萌え。
Ωのフェロモンに惑わされるだけでは決して無く、双葉の15才としての時間をちゃんと考えてくれる快晴。
ストーリーの起承転結、オメガバースの基本、その上でスピンオフの芽もきっちり入っていて、かなり巧みな作品だと思います。
恐らく私の既読作品の中で最高に可愛い受けです。
オメガバースの設定はストーリーの重要部分ではありますが、二人の恋愛というか関係には性別は無関係です。こんなこ(受け)ほっとけないよ!
「ハイドランジア ケージ」からきました。こちらの方が可愛らしい印象のオメガバースです。
受くんなんと15歳!若い!でもショタっこ感はそこまで強くないので苦手な方もいけるかな?
育ての親であるおばあちゃんに先立たれ、行くところを失ったコエダくん(ご主人様がつけたあだな)。性別不明者限定の住み込み求人に応募し、お屋敷で働くことに。そこで出会ったカイセイさまは、αβΩ全てを嫌う引きこもり(家で仕事してる系引きこもり。見た目はイケメン)で、コエダくんとも必要最低限の接触しかしようとせず…というはじまり。
ハイドランジアのヨヒラくん同じく、頑張り屋で健気、こちらはそれに加えてウブで可愛いです。彼の明るくて頑張り屋な性格が、カイセイの心を少しずつ溶かしていきます。
アルファがオメガを救うオメガバースはよくあるけど、精神的にお互いが支えられている、大きな影響を与え合う(遊び人⇨一途以外で)オメガバースもなかなか良いです。続きがあれば読みたい!
色々あって性別に後ろ向きな攻めと、天涯孤独な受け。主従モノという点でも王道で万人受けする設定なのではないでしょうか?(オメガバースなので入り口は限られてるかもしれませんが)
内容は非常に満足なのですが満足が故にページ数の問題か少々早足だったのが残念です。2巻くらいの分量で読みたかったな....笑 ページ数に関しては作者様がどうこうできる問題ではなかったでしょうしおまけ程度でいいのでもっとイチャイチャしてるふたりが見たいなぁ....
祖母を亡くして天涯孤独になった15歳がお金持ちの家に住み込みで働くことになる。
その条件が性別不明だということ。
というオメガバースの話。
頑なな攻めの心が徐々に受けにだけ打ち解けていく姿が良かった。攻めの兄は思ったほど悪人ではなくて、読んでいて嫌な気持ちにならないオメガバです。最後はハピエンで、この先もっと幸せになりそう。
もうちょっと一波乱ふた波乱ありそうな感じだったけど、ページの都合なのかな。もうちょっとお兄ちゃんやヨヒラとも絡んだ話が読みたかったな。
あと、お兄ちゃんカプの話も気になるし。
いつかスピンオフとして続きが読みたいです。