イラスト付
愛しています、樹里さま。 私はあなたが欲しい──
ぐぬぬ〜…
この「騎士」ストーリーは「少年神」の続編ではなく、あくまで「アナザー」な物語であると頭ではよーくわかっているんです。
でも、でも!
私は「少年神」での高潔で潔癖で清冽なランスロットが好きだった…
樹里を身悶えするほど愛し求めていても、体を手に入れて欲しくはなかった。しかも圧倒的な体格差・体力差を盾にして、抵抗を塞いで、嫌がって泣く樹里を…
ただの手籠めじゃないですか。
あー…
アーサーは死んでしまっている。だから誠実に愛を伝えてくるランスロットを選んでもいいのだ。いや、ここはランスロットx樹里でこそのシリーズなのだ。
…という解釈はもちろんわかっているのだけれど。
私の心は軋んでいる。
前半にまた無理やりに体を繋げ、私のランスロット像が壊れていく…
ただ、一度は樹里が毅然さを取り戻してランスロットに見返りのない忠誠を求めるシーンがあったのにはホッとした。
このままいけばよかったのに。
なのに〜。
ラストに今度は樹里がランスロットを求めてのセックスシーンか…
ハラを括った、と見れば「騎士」シリーズにおいてはやむなしなのか。
グィネヴィアは可哀想だったけど、そもそも私は「BLに女はイラネ」派なんで。
さて、本作は実は大きな動きがあって、未知の人物が登場しています。
その名は「トリスタン」。
一応味方的ですが、その真意は全く見えません。
彼の持つ魔術の助けでジュリを仮死状態にした樹里たちですが、さてどうやってモルガンに立ち向かい勝つのか。
アーサーは蘇るのか。
アーサーと樹里の子供はどうなるのか。
その時ランスロットはどうするのか。
全ては次巻に続く………
ここにきて、まさかの新キャラ!
トリスタン……魅力的です。
頼りになる存在だけど、何か裏があるのもわかる。
さて、どうなるのか?
とはいえ、ランスロットの気持ちを樹里が受け入れるという展開にドキドキしました♡
よかったね〜っていうね^^
でも、確かにランスロットといても爆笑したり突っ込み合ったりする会話にはならなさそう……
楽しいのかどうかっていうと……うーん(笑)
ただ、心穏やかで暮らせそうではある。
さてら次巻で完結です。
大切に読まなくては!
王都に戻った樹里の決意とランスロットの誓いのシーンがものすっっっごく良かった。
王都に戻った樹里。
久しぶりにアーサーの寝室に入ると自然と涙が溢れて来ます。
これまでアーサーの死に実感が湧かず泣くに泣けなかったのですね…ひとしきり泣くとふと、アーサーなら樹里に何をして欲しいかに思い至ります。
子供の事、王国の事、逃げることばかりに囚われていたけど、王妃として国を守るのが使命かもしれない、と樹里の気持ちに前向きな変化が 。
(子どもも、おれの子なのになんで人任せにしようと思ってたんだろう?)
ここー!回収してくれて良かった。妊娠した事自体が非現実的とはいえ、あまりに樹里が子供に対してアッサリしてるの気になってたんです。
樹里の王妃としての自覚と共にきちんと回収してくれて流石!スッキリ!
そして自分の変化を一番最初に告げたいと見つめる先にはランスロットが…
まず謝ります、ランスロットごめんなさい。ランスロットが前作でブチ切れたのは樹里が王国を捨てて帰ろうとしたから…っつうのは建前で自分のドロドロとした欲望だろって正直思ってた。
でも違うんだね。
樹里に「アーサーが大好きだった、子供の成長、国の復興を見届ける迄この国で生きる、お前にも手助けしてほしい…お前の気持ちに応えられなくても」
と告げられても
『…あなたの心が私のものにならなくてもキャメロットの騎士として忠誠を誓います』(声を震わせながら)
樹里は自分に執着する事で妖精の剣を抜けなくなってしまったランスロットの思いを断ち切るためさらにダメ押しで「おれは子供をこの手で育て、次期国王にする。おれと子供を必ず守ってくれ。なんの見返りもなく、出来るか?」
鬼ーーー樹里の鬼ーー!でもかっこいいよー!
ランスロットは逡巡しつつも
『騎士に二言はありません』
と淀みなく答えるのです。ここ、ランスロットは樹里の決意の表情にアーサーを重ねた、って後に言ってるんです(電子限定s/s)。立派な騎士だよー、よう言った!
あと、作者様〜泣と思ったのが、
騎士の誓いを言葉にするたびランスロットの体や瞳に力が戻ったと描写してくれた事。
樹里への思いを断ち切られた事はツライ、だがそれ以前にランスロットは高潔な騎士なのだ、もう心の闇に支配される事はない、と明確に示してくれたようで感動しました。
そして樹里もまたランスロットへの思いを断ち切った事に胸を痛めているような?(ラブの予感キター。)
これでようやく2人はスタートラインに立てました。私としても前作のモヤモヤが晴れてようやく2人の恋を応援する態勢が整いました。
序盤で個人的にクライマックスに匹敵する神展開が来ちゃったので、その後ストーリーに集中するの大変でした笑。
妖精王の啓示通りに現れたトリスタンという異国の青年とグィネヴィアちゃんがキーパーソンかな。
(…トリスタンはどう考えてもルーサーだよね。妖精王の庭園で育ち過ぎたルーサーなんだろ?だってアーサーと樹里の良い所と妖精王の良い所のハイブリッド型みたいに完璧なんだもの。)
トリスタンは周囲を明るくするようなキャラなので、彼のおかげで私の好きな明るい少年神シリーズに戻ったような。ピンチに現れては大活躍してくれてるし頼もしい息子(決めつけ)!
グィネヴィアちゃんはストーリー的にも、樹里とランスロットの当て馬的(不憫)にも無くてはならない存在でした。
そう、色々あって樹里がランスロットに「グィネヴィアの気持ちに応えろ」と命じた所から、紆余曲折あったけど2人が結ばれるんです!やったー!
樹里がようやくランスロットを受け入れるシーンは本当は詳細に書かなければいけない程素敵なシーンですが、序盤で力を出し切ったので割愛します。
ただ、思いが通じてのラブは良い!っていうのとランスロットの精力はやはり底無しだった!とだけ言っておきます笑。
モルガン問題は残ってるけど、妖精の剣も抜けるようになったし、ジュリは仮死状態だし、かなりいい感じのエンドで最終巻へ続く、でした。
電子版の配信が少しでも早い事を願います!
事態は悪化の一途を辿り明るい兆しは全く見えずキャメロット国の滅亡しかないのか!?というのは本編の後半と同様で、なんとかしたいという思いで戦うのに何もできない焦燥感や悲痛な叫びに重苦しくなるばかりです。
あんなにアーサーラブだった樹里があっさりとは言わないけれど結局はしつこく言い寄ってくるランスロットを受け入れてしまったのにはちょっとがっかりです。
今生では会えないかもしれないとあきらめの境地に立ってはいても、だからと言って体から絆されてしまっているようでそんなんでいいのかと叱りたい気分ではあります。
新キャラ登場が唯一の明るい話題ですね。
どこからか遣わされた謎の多いやたらと強くて調子のいいイケメンです。
金髪に青い目の樹里好みのお兄さんです。
窮地に助けてくれるけど、何者?敵?味方?何を画策しているのかわからないだらけの人物です。
今後のキーマンであることは間違いなさそうです。
その正体をいろいろ妄想しつつ次巻のお楽しみですね。
前作を読んでハラハラしてしょうがなかったし、今回も樹里の葛藤が切なくてランスロットは頑固なくらい一途で、もしかしてまたしんどくて耐えられない展開になるんじゃないかと途中で投げ出しそうになりました。
ちゃんと全部読んで良かったです(*^^*)
あと新キャラが好み過ぎて……何者なのか推測はできますが、まぁこれからへのお楽しみですね笑
名前からもいろいろ考えられて楽しい♪
神の子本編よりもこちらのアナザーストーリーのほうが、原作というか元になっているアーサー王物語を知る人も楽しめると思います。