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表題作獣人騎士と幸福の稀人

ブレッド=マクグレン、騎士団長で銀狼の獣人
有村遥斗、異世界に飛ばされた獣医、28

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

獣医の有村遥斗は愛犬のレオと散歩中、強烈な光に照らされ異世界に飛ばされた。遥斗がやってきたのはイガルタ王国という国で、驚くべきことに住民のすべてが狼の頭部と人間の身体を持つ半獣半人の生物だった。イガルタ王国では原因不明の病が蔓延しており、召喚されたレオがこの国を救ってくれる存在だという。獣人たちは神であるレオを手厚くもてなすが、遥斗は「異形の者」として忌み嫌われてしまう。そんな遥斗に唯一優しくしてくれたのは、レオを護るために任務についた騎士団長の銀狼・ブレットで――?

作品情報

作品名
獣人騎士と幸福の稀人
著者
月森あき 
イラスト
絵歩 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344844094
3.7

(14)

(3)

萌々

(8)

(0)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
50
評価数
14
平均
3.7 / 5
神率
21.4%

レビュー投稿数2

ポメちゃん

もふもふと思ったので購入。人姿は受け一人だけで、その他は皆さん獣人という世界。話すのと読むのは出来たので難易度下がりましたが、全編人姿にならないのは珍しい気がする・・・そして一緒にトリップしたポメラニアン(ただの愛玩犬w)が神となるのも驚き設定。攻め受けとも癖が無くて、ピンとくるものが無かったので申し訳ないです、中立にしました。二段組の本編250P弱+あとがき。

父が飼っていたポメラニアンのレオを引き取って一緒に生活している獣医師の遥斗。その日も勤務を終えて、帰宅後ダッシュで散歩に連れて行ったのですが、レオが父に似た背格好を見かけて飛び出してしまい、守ろうと遥斗も道路に飛び出して、気がついたら異世界。レオを見て「太陽のような毛並み!神じゃ!」となったのはいいものの、遥斗は「なんたる異形!!!」と排除されそうになり・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物(犬、狼、狐など)は
レオ(ポメ、しゃべりません)、異世界の王様ファミリー、攻めさんの友人、メイドさん、攻めさんの部下、ブレッドの弟、隣国の王様等々、結構多数。

**攻め受けについて

攻めさんは清く正しく騎士団長としてご立派で。受けさんは獣医師として、異世界で猛威を振るう「死の病」をなんとかせんと頑張るし。攻め受けとも善人さんなのですが、なんかクスっと笑うとか、つっこみを入れたくなるとか、強烈にせつないとか、そういう箇所が無くて、さらりんと読み終えてしまったので、ちょっと物足りなかったでした。耳しっぽ記載もあまり見かけなかったしな・・・

受けさん拉致されてという山場はあるのですが、なんだか個人的盛り上がりが少なかった1冊でした。

5

とてもあたたかくて素敵な作品でした(* ´ ▽ ` *)

異世界トリップ+獣人ものです。
初読みの作家さんになりますが、設定がどストライクと言う事で購入しました。

ところで、異世界トリップものと言うと、神子とか神聖な存在として召喚されるパターンと、それに巻き込まれるオマケパターンが存在すると思うんですけど。
今回はですね、そのオマケパターンでありながら、実は・・・と、ちょっとした捻りが加えてある、思わずニヤリとしちゃう作品でした。

また、ジレジレとした二人の甘酸っぱいスレ違いに、とてもあたたかくて優しいラスト。
単純な勧善懲悪ものも好きなんですけど、悪役がただただ断罪されるのでは無い、優しさに満ちたとても素敵なものでした。


内容ですが、異世界の騎士団長で銀狼の獣人・ブレッド×愛犬レオと共に異世界に飛ばされた獣医・遥斗による、異世界トリップもので救国ものになります。

獣医である遥斗が、愛犬レオと共に異世界に召喚された所からお話はスタート。
獣人達しか存在しない世界で、レオは「神」と崇められ、逆に遥斗は「異形の者」と冷遇されるんですね。
そんな遥斗が自身の医学的知識を駆使し、蔓延している「死の病」に立ち向かう様。
並行して、遥斗の護衛として寄り添うブレッドとの、ジレジレと甘酸っぱい両片想いが語られます。

まずこちら、遥斗が思いやりがあり芯の強い青年。
ブレッドが生真面目で不器用ながら、愛情深いタイプになります。

で、見所ですが、二人の甘酸っぱい両片想いでしょうか。
こちら、終始遥斗の視点で進むのですが、ブレッドが彼にベタ惚れなのが丸分かりの仕様になっておりまして!!

遥斗ですが、最初はかなり冷遇されるんですよね。
それこそ異形の者として捕らえられそうになるのですが、「神」であるレオが必死で吠えて守った事、そして騎士団長であるブレッドが「神のお気に入りの従者のようです」と庇った事から、なんとか従者として安全を保証された・・・。
とは言え、寝るのは石の床。
レオが毛布の中に潜り込んで来て一緒に寝ようものなら、「なんと畏れ多い事を!!」と引き立てられそうになる。

とても痛々しいのです。
痛々しいのですが、だからこそ、常に味方になってくれるブレッドが格好良いと言うか。

彼は遥斗に触れないよう、さりげなく距離をとっています。
すると、言わないだけで自分の異相が気持ち悪いんだろうと傷つく遥斗。
ブレッドはブレッドで、自分の爪や牙が恐ろしいだろうと、怖がらせ無いように距離を置いている・・・。
しつこいですが、ブレッドが遥斗ベタ惚れなのは、読者には丸分かりなのです。
悪友に過去の恋愛遍歴をバラされようものなら、「もう何も無い、誤解しないで欲しい」と必死で弁明。
しかし、ブレッドに好きな相手がいるんだと、思い込んでいる遥斗。
自分の想いは通じ無くても、ブレッドに幸せになって欲しいと「好きな人に想いが通じるといいですね」と無理に微笑む。
もうこの二人、何やってんだーーーー!!

また、こちら、ワンコ好きにとってはとても心を打たれるお話でして。
レオは当然、ただのワンコです。
でも、超賢くて飼い主思いの優しい子なのです。
小型犬(ポメラニアン)なのに、自身の身体を張って飼い主である遥斗を守ろうとする。
そして、周囲から冷たい態度を取られて傷つく遥斗に「クゥ~ン・・・」と寄り添う。
遥斗とレオとセットで、愛おしくて仕方ないんですけど。

あと、こちら、そんな恋愛部分だけでなく、ストーリーとしてもとても面白くて。
実は遥斗達が召喚された理由ですが、国に蔓延する「死の病」から救ってもらう為です。
自身の医学知識を駆使し、患者を助けようと真摯に立ち向かう遥斗。
そんな遥斗の姿に、周囲が警戒心を解いて受け入れられて行くのが素敵なのです。
人と人って、ちゃんと分かり合えるんだよ~と。
そしてレオが「神」とされちゃいましたが、死の病から救う為、真実神が使わしたのは・・・みたいな。

この後も実は、まだ一波乱が訪れます。
ただ、ここのオチが大変素敵でして。
ただただ悪役をスパッとやっちゃうのでは無く、それぞれ正義があって、また守りたいものがある・・・。
そこがしっかり書き込まれているのが、とても素敵でした。
こういうオチって、甘いし綺麗事と言われちゃう気もするんですけど。
でも個人的には、とてもあたたかくて素敵だと思います。

最後になっちゃいましたが、エロも超甘いです。
夢中になって爪で遥斗の肌を(ちょびっとだけ)傷付けてしまうブレッド。
「大切にすると誓ったのに・・・」と、しょぼくれてるのにニヤニヤしちゃいました。
大きな図体で、可愛いな!!

8

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