木原音瀬さんのレビュー一覧

美しいこと 上 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

恋とは。幻想である。そして、するものでは無く、落ちてしまうもの。

これが、「美しいこと」なのかどうか。私には分からない。
タイトルに込めた、作者の意図も解らない。
扉絵の、傘を差しかけた寛末を見上げる松岡が子供に見えて。
それほど、女の子に見えるほどに華奢なのだと、確信する。

この日まで、松岡が女装を続けていたのは、何故かは解らない。
毎日の厳しい営業ノルマに疲れて。発散したかっただけなのに。
女装をしていて、男の欲望を煽り、『暴力の対象になると…

4

男の花道 Don't Worry mamaシリーズ 小説

木原音瀬  志水ゆき 

すっごく笑えた

ある日、立ち寄った書店で万引き騒動に巻き込まれたオタクの松尾を助けたところ、
「俺の兄貴になって、男らしさを教えて欲しい」と懇願される羽目になった友晴。

友晴は見かけこそマッチョだけど、天蓋付きベッドなどロマンティックで美しいものを愛する筋金入りのオネエ。
男らしさの指南なんて私には無理!と思いつつも、涙目で懇願する松尾に根負けして、お友達になることから始めます。
ゲイでオネエな事は隠…

3

FRAGILE 小説

木原音瀬  高緒拾 

ファンタジーBLに飽きた時に読みたい!

美しいことがそこまで好きにはなれず、木原作品に消極的でしたが、レビューをみて再チャレンジ!
結果、最高に面白かったです!!!

木原さんってリアリストだなーと思ったのが第一の感想。みなさんが言うほど攻めも受けもゲスいとは思わなくて、おるなー、こういう人。BLは人格者多すぎすぎ、スパダリが多すぎるだけで、現実の人間ってこんなもんやんなーと思いました。

BLってある意味ファンタジーで、書き…

8

こどもの瞳 小説

木原音瀬  街子マドカ 

兄(体は大人、頭脳は子供)×弟(シングルファザー)

幼い頃父方の祖父に預けられて今まで絶縁状態だったエリートの兄が、体は大人、頭脳が6歳くらいの子供になって子持ち主人公(弟)の元にやってきた……というお話です。

兄×弟と禁断を含んだ設定ですが、びっくりするぐらいサラッと読めます。

書き下ろしのほうは、ショ…ショタコン……! と申し訳ありませんが若干引きながら読み、でも最後まで読むととても切ないお話だと思いました。個人的に、現実を描いてく…

2

FRAGILE 小説

木原音瀬  高緒拾 

出会ってしまったが運の尽き。

多様な感想があるこの作品ですが、自分は読み終わった後、面白かったなぁ! と素直に思いました。木原先生の作品を読み始めて、いろいろ酷い?カップル達に慣れてきたせいかもしれませんが……。

大河内が青池に対してやってきたことは、普通にパワハラで、しかも会社に居られないように徹底的にやる! って感じで、最初は大河内という人間に全く好感が得られませんでした。

けれど青池の奇行を見ていくうちに、だ…

4

Don't Worry Mama(新装版) 小説

木原音瀬  志水ゆき 

デブは無理?そんなこと言わずに読んでみて

タイトルの通りです笑。デブは嫌と思っている方、性格悪い受は嫌と思っている方、ご安心ください。大丈夫ですから。可愛く従順で健気な受が好きな方、かなーり萌えます!


読んでみたかった木原先生。痛いの苦手だしどうしようと思っていたら、この作品が痛くないと、答姐のコメントを見て、読んでみました。最初、デブとあるので恐る恐る読みましたが、大変面白かったです。


数多くの方がレビューされてます…

0

洋澄観光ガイドー犢鼻褌(たふさぎ)祭り特集ー(合同誌) 小説

和泉桂  木原音瀬  水壬楓子 

ふんどし、好きになりました

「ふんどし祭り」を観光の目玉にする架空の地方都市・洋澄市を舞台にした三つの物語。

木原さん目当てで初めて合同誌を買いました。実はふんどしにはあまり興味がなかったのですが、ふんどしから生まれる物語の可笑しみとバリエーションがとても楽しかったです。ふんどし、好きになりました。
それぞれの物語の主人公たちは別々の町に住んでいますが、行き来があり、別の物語ではわき役で登場しています。三つの作品を通…

2

嫌な奴 小説

木原音瀬  坂井久仁江 

胸が苦しくなる

BL小説を読んだのは木原音瀬さんが初めてです。

箱の中から読んで、この作品に辿り着きましたが、BL作品を読んでいてこんなにも陰鬱とした気持ちなるのは初めてな気がします。

語り手である杉本和也は、とにかく粗雑な三浦のことが嫌いで、嫌いだけどあっち行けと突っぱねられないまま、友人関係を続けて、引っ越しをしたことでせっかく縁が切れたのに故郷に戻ってきてまた三浦に捕まって家にまで居座られて、本…

2

ディアプラス文庫 「20th Anniversary Book」 特典

嬉し楽しい小冊子。

 好きな雑誌の20th記念冊子。
コミコミスタジオ様でディアプラス文庫3冊購入で頂ける、ということで、予約開始の日にぽちっとさせて頂きました。

 11人の作家さんが5,6ページ程度のショートストーリーを書かれていました。
だいたい既読の本の番外編だったので、楽しく読むことができました。


 まずは安西リカ先生の「バースデー」のその後のお話「愛を注ぐ」。
滝本と百合原が「三希」と…

2

箱の中(文庫版) 小説

木原音瀬 

頭の中を苛められる感覚

木原音瀬先生の作品はいくつか読んでいますが、ちょっとでもM気質がないと楽しめない書き方をされるな、と感じます。
読んでいてやっぱり衝撃を受けたので、備忘的に、めちゃくちゃではありますが感想を書きたいと想います。

物語の前半部分、主に『箱の中』での展開は非常に生々しい。
知られざる世界についての描写が、丁寧かつ立体的で本当に面白いです。参考文献の欄にあった本全て気になってしまいます。
絶…

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