風揶
本当の意味で、このシリーズを理解できたのは表題作を読んだから。1作目より2作目の方が断然良かったけれど、3作目の「八年後の王と小鳥」はシリーズの核となる話で必読の書!!そして、涙なしには読めない。
エドが告げる言葉「―俺の血を抜いて」には、英国貴族にとっての血統の意味と重さと価値観などすべてのものが集約されている。それらを真に理解したとき、エドワード・グラームズという男の立ち位置と根本が理解…
1冊目の『パブリックスクール-檻の中の王-』より、この2冊目の方が断然面白かった。1冊目がイマイチだと思った人も、とりあえず2冊目まで読んでから判断して欲しいと思う。
キャラについて。
礼の成長ぶりは好ましかった。オーランドに背中を押されて狭く薄暗い世界から自分の足で飛び出して、日本に帰国してからは自立して、可愛いコマドリちゃんもそれなりに逞しくはなっているけれど、やっぱり好みじゃなかっ…
以前から選民意識を持つ貴族階級のイギリス人が嫌いで、そのせいでイギリスという国自体が好きじゃなくて、でも芸術や文化はまた別物だと思っているからイギリス映画やイギリス文学には親しみがあって・・・という私は、基本的にはパブリックスクールものにも興味が持てないため、この作品も避け続けてきた。
ところが!『パブリックスクール -ツバメと殉教者-』のスタンの表紙イラストに胸を撃ち抜かれて、読んでみたら…
たくさんの素敵レビューがあるから今更の投稿を迷ったけれど、まだ読んでいない人に「ともかく読んでみて欲しい」と訴えたくて、僭越ながらレビューしている私。
話題になっていた人気シリーズ作品のスピンオフは価格が高い単行本。パブリックスクールの話は特に好みって訳じゃなかったし、絵師さんが苦手だから、決して手に取ることはないだろうと思っていたのだけれど、書影を見た瞬間に心臓を鷲掴みにされてしまった…