水原とほるさんのレビュー一覧

夜夜の月 小説

水原とほる  町田九里 

坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとは限らない

 竹書房の日セールに合わせて作家買いしました。表紙や愛人契約という言葉に胸を踊らせながら読みました。

 絵を愛している亮と絵を愛せない澤との物語でしたが、絵を題材にしているだけあって絵画や画材の名前がいろいろ出てきます。
 本作で美術の知識が全然ないことが発覚した私は、日本画には岩絵の具が使われることやイーゼルという名称すら分かってなかったので、知らない用語が出てくるたびにネットで検索する…

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The Barber(2) The Cop -ザ・コップ- 小説

水原とほる  兼守美行 

きぬぎぬにはエッグベネディクトを

「ザ・バーバー」の続編です。

身なりを構わない一匹狼の刑事・正田に惹かれる高級理容室店主・ハル、だが。
前作の事件が解決した後連絡が無い。
ハル自身も正田とは恋人同士なのか、この関係性に名前が付けられない。
パトロンの陳の存在を超えるような相手はハルにとっても初めてで、自分でも心を持て余すハル…
…という前置きがあっての。
なんと正田の方にも離れ難く絡み合った複雑な絆を分かち合う男…

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The Barber ~ザ・バーバー~ 小説

水原とほる  兼守美行 

美形バーバーと無骨刑事

美しきバーバー(高級理容室)店主と無骨な刑事の出会いと恋の巻。
続編がありますので2巻揃えて一気読みするのがおすすめ。

主人公の如月雅春(ハル)はセレブな男性用トータルビューティーサロンを経営しているが、顧客の1人が殺され、刑事の正田が聞き込みにやってくる…
…と始まります。
正田ははじめハルを疑ってます。
ハルはハルで、正田の美しい骨格と孤独な雰囲気に惹かれるものを感じてる。
2…

0

女郎蜘蛛の牙 小説

水原とほる  高緒拾 

刑事×ヤクザ

あ、これは対決とかの意味の×でなくBL界の記号通り右が受けという意味です。受けは組長の元情人(イロ)で武闘派でなく頭脳派の美しきヤクザ、魔性の男です。BL界によくいらっしゃる大好きなパターンです。水原先生のスリリング物久しぶりに読みましたがやはり面白い。でもこれももう8年前の作品なのですね。

この話はヤクザより攻めの刑事・蓮見の方がヤバい奴です。危ない奴というか。刑事なのに奥泉に惹かれすぎて…

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涙の中を歩いてる 小説

水原とほる  梨とりこ 

世界観に入り込めなかった

BLは一話完結が主で、頁数の兼ね合いがあるからだと思うけど、経緯説明や心情描写が不十分だと思う。
水原さんの「痛いSMもの」を何冊か続けて読んだけれど、この作品は余り面白くない。

高林が歪んだ動機が不明だし、ユウが高林に執着する理由が幼い。
過激なSM場面を書きたいだけの構成だったんじゃないのかな?

心臓病の自分を執刀してくれた若い研修医。
その研修医と10年後に、なんと東京のゲ…

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青の疑惑 小説

水原とほる   

結末があっさり過ぎる

電子版は、挿絵無し。
巻末にほんの一場面のコミカライズが入っていた。
後書に「SMもの」と書いていたけど、外道な行為をしていたのは元恋人。

主人公の恭は、医大在学中に恋人に色々調教される。
SMプレイが沁みついて、恭はもう普通に戻れない
そんな恭に、榊原は教授の娘と交際するため、突然別れを告げる。
悪態をつく恭を打ち、転倒した恭は片目の視力を損なう。
恭は、希望していた脳外科医を…

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午前一時の純真 小説

水原とほる  小山田あみ 

不器用に純愛を注ぐ攻の気持ちに鈍感な受

古い作品のせいか、電子版には挿絵無し。

夏陰 -cain- 2003年
箍冬 -cotoh- 2004年

夏陰や箍冬とよく似たキャラと展開。
M気質の美青年が、たまたま助けた横暴な君主タイプの組長のお気に入りとなって、振り回されつつも愛していく。

夏陰より、攻の組長の気持ちがわかりやすいので、読んで楽だった。

だけど、受の鈍感さは、こちらの主人公のほうが上。
超鈍感。…

3

小夜時雨の宿 小説

水原とほる  夏珂 

弟の心情が丸わかりなのだが…

2008年刊。
生涯添い遂げようと思っていた相手からの一方的な別れを受け入れてしまい、くよくよした日々を過ごしている佳史。
しかしその相手、修司が余命幾ばくもないのを隠して別れを切り出したという真相を知ったのは、既に彼が亡くなってからとなる。
真実を知り悲しむ佳史に、佳史から勝手に別れたと誤解している弟・雄司は彼を責め立てた末に強引に組み敷くのだった。

今回の話は攻めキャラとなる佳史の…

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彼は優しい雨 小説

水原とほる  小山田あみ 

2人の仕事関係の描写がしっかりしている

水原とほる先生作品は初読でした。
1冊丸ごと表題作となっていますが、前半は2人が交際に至るまで、後半は受けが過去に付き合っていた男性が出てきて一悶着、と大雑把に分けることができます。

前半部分で受けが過去の恋愛でいろいろあったことを匂わせます(後半で詳細がわかります)。
そのこともあって受けは今回の恋愛はゆっくり進めようと思っているのですが、我慢できずに攻めを誘うような素振りを見せた場面…

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正体不明の紳士と歌姫 小説

水原とほる  yoco 

このお話をラブコメ路線で読んでみたい

単なる合唱団員なので「歌姫」という言葉から想像される華々しさはなく、非常にこじんまりとした感じでした。
だけど、田之倉(攻め)にとっては、唯一無二の歌姫なんだろうなぁと伝わってくるところが良かったです。

田之倉が「こんな俺だけど、嫌いにならないでほしい‥‥」と言ったところは、哀愁漂うヘタレワンコっぽさが感じられて、ワンコ攻め好きとしては妙にキュキューンとさせられました。
(田之倉はワンコ…

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