渋茶さんのレビュー一覧

花嫁は神の庭で愛される 小説

一文字鈴  古澤エノ 

まずは由弦の願いから

2020年刊。
実家の神社を守っていく宮司になりたい夢を持つ由弦と、その神社と繋がっている異世界の庭園の主・蓮との恋が成就するまでのほっこりした話だった。
今回の人外攻め・蓮の狐耳、尻尾四本の姿は多分神社の守り神の所縁からくるのだろう。
作中の青元神社が稲荷神社かどうかは分からないが、神社を切り盛りする家族仲は良く、常に身体の弱い由弦を気遣っている。


日々の生活から特に仲の良い弟に…

1

憑き物ごと愛してよ 小説

渡海奈穂  ミドリノエバ 

憑き物をどう扱う?

2021年刊。
実は数か月前に読んだ渡海さんのファンタジー作品が面白かった(*女の子が主人公の非BLですが)ので、今回の新刊は何気に期待を寄せていた。
今回はファンタジー、というよりも除霊ものだけどね。

しかし、
陸海 与志等(くがみ よしひと)、古久喜 温(こぐき ゆたか)、越阪部(おさかべ)、更に僅かしか顔出ししない脇役の東間(あずま)、志菜(ゆきな)と難しい名前のオンパレードだね…

4

アドリアン・イングリッシュ(3) 悪魔の聖餐 小説

ジョシュ・ラニヨン  草間さかえ 

アドリアンてば忍耐強い

2014年刊。
途中でやっと気付いたのだが、このシリーズの各巻の表紙ってジェイクとアドリアンの立ち位置で二人の距離感を示しているのだね。
てな訳でこの3巻目ではまさに表紙通りの展開、ですよ。

アドリアンは"クローゼットゲイと付き合うとこうなるぞ"と、どこかしら腹を括っていたのだろうか。
どうもね、内心深く落ち込んでいるのだろうが、乾いた笑い的な皮肉を飛ばして悲劇のヒ…

1

アドリアン・イングリッシュ(2) 死者の囁き 小説

ジョシュ・ラニヨン  草間さかえ 

因縁の歴史究明にどっぷり

2013年刊。
アドリアン・イングリッシュシリーズ2巻目。
表向きは行き詰まった執筆活動の気分転換、本音は煮え切らないジェイクと距離を置きたくて、祖母から受け継いだ田舎の牧場へと赴いたアドリアン。

ところが、着いた途端に"有り得ない形"で委託管理人と遭遇。
更にその委託管理人に勝手に大麻園を作られているわ大学の発掘チームに敷地を掘り起こされているわで、早々に長年の監…

1

アドリアン・イングリッシュ(1) 天使の影 小説

ジョシュ・ラニヨン  草間さかえ 

いかにもゲイを主人公に据えた海外ミステリー

2013年刊。
まずこのシリーズの1巻は、主人公・アドリアンが経営する書店の元従業員(*親友とは言いたくないらしい)の殺人事件に巻き込まれた事から端を発する。
彼自身も、店を荒らされ何者かにストーキングされるといった被害を被っているのに、警察には犯人と疑われてろくな目に遇っていない。
殺されたロバートも金と性にだらしないイメージだし、友人・クロードのヒステリーやロバートの元妻・タラのご機嫌を…

0

アシメトリー 小説

水原とほる  高緒拾 

コンプレックスの昇華

2006年刊、電子書籍にて購入、挿絵なし。
今回の主人公・香津美(かつみ)は子供の頃より睾丸が片方しかないというコンプレックスを抱えている。
やむを得ない事情で摘出せざるを得なかったとはいえ、この手のコンプレックスは若いうち程根深いと思う。
香津美は17歳の頃に初体験の相手にその事をバラされたせいで、人間不信レベルのトラウマを負ってしまった。

そんな香津美だが、通いのクラブの飲み仲間の…

2

恋知らずのラプンツェル 小説

松幸かほ  蓮川愛 

堅実な王子さまとお姫さまの恋

2020年刊。
松幸さんの作品は今回で2冊目になるが、この人の話って何だか分かり易いね。
攻め受けの背景にある家庭環境が過不足なく盛り込まれているので、すんなり頭に入り易い。

ただ、タイトルみたいなプリンセスストーリーになぞらえるには、王子さまもお姫さまも堅実な印象だった。
受け・眞幸をラプンツェルに例えるのにはちょっとピンとこない。
時計台から覗く麗しき人を見初めて…ってシチュエー…

0

悪食 小説

宮緒葵  みずかねりょう 

在らざる者を描く画家の卵

2019年刊。
なかなかオカルト味があり、この話で初めて『黄泉戸喫(よもちへぐい)』という言い伝えを知った。

あとがきで『初めて書くタイプのお話』と語られているが、確かにイロモノ度はなりを潜めている気がする。
その一方で、いつもの微かな仄暗さも漂っている気はしたが。
宮緒さんの作品の攻め受けは、二人だけ(又は三人だけ)の世界で結ばれた幸せを貪っていればいいって閉ざされた感に浸っているイ…

0

ケダモノアラシ-Hug me baby!- コミック

黒井モリー 

理想のイクメンと悩めるワーキングパートナー

2020年刊。
"試しにケダモノアラシだけ"のつもりが、宗吾と晶の間に生まれた赤ん坊(翔太)が可愛くてーKiss me baby!ーとーHug me baby!ーも一気買いしてしまった(^_^;)

ただ、この『しょーた可愛いっっ♡』って部分から入ったせいで、未だに宗吾と晶がくっつくに至る印象が弱い。
作中では、獣属の本能には流されたくないと主張していた晶と、優勢遺伝子…

4

後宮秘夜~覇帝と双花の寵妃~ 小説

藤森ちひろ  旭炬 

う~ん、身体の秘密設定はなくても良かったかな…

2017年刊。
この電子書籍版ではあとがきとガッシュ文庫恒例・レーターさんの巻末イラストも掲載されていた。

次々に周辺国を攻め落としていく中原の大国・耀の皇帝・貴奨(きしょう)と、彼に攻め落とされた華国の皇子・雪霞(せっか)。
貴奨に捕らえられた時、雪霞は亡き姉・春月の身代わりに女装していたのだが、貴奨の勘の鋭さから性別を偽っているのがばれてしまう。
更にひた隠しにしてきた性の秘密も暴…

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