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この作品が雪代さんの初読みでした。
三部作のトップバッターで、一番好きでした。何度か悶えさせられました…や、シリアスなんですけどね。
櫻林館学院へ編入してきた受けの春実には、不幸な家庭環境と過去があります。
従兄弟の和馬だけが頼りだったのに、春実の過去が恥ずかしいから声かけるなと強く言い放たれてしまう典型的な薄幸少年。
王子様系攻めの朝水は学院の三年で、いわゆる生徒会執行部のような特権集団ソルトラムのメンバー。
下級生から絶大な人気を誇りいわゆる完璧な容姿に家柄を持つが、何に関しても興味や熱意が薄い。
春実は編入初日に和馬から暴言を吐かれるわけですが、それを朝水に聞かれたと慌て故意ではないにしろ怪我をさせてしまう。
そのお詫びとして毎朝寮の朝水の部屋へと通い世話をすることになるのですが、ポッと出の編入生が朝水の側をウロチョロすることに周りは嫉妬の嵐。
もちろん春実も和馬のことがあり目立ちたくないのですが、この騒動は朝水がうまーくまとめてくれます。
ここで悶絶…
ストーリーのきもは『子羊狩り』。
これは次代のソルトラムリーダーの生徒会長を決める秘密のゲームですが、この伝統…庶民には意味不明(汗
子羊と称される生徒(選抜方法はカードで引き当てた一人)のロザリオを奪った者が生徒会長に選ばれるというルールなのですが、奪う=身体を奪うということで信じがたい伝統です。
もちろん選ばれたのは春実(そうじゃないと進まない)。
和馬もなぜか(ここもそうじゃないと進まない)ソルトラムメンバーで、『子羊狩り』にも参加しています。
周りを蹴落とし従兄弟へ乱暴することもまったく厭わない、スーパー最低くんですよ。こういうのも当て馬って言うんでしょうかね?
春実の危機はもちろん王子様が救ってくれるのですが、それまでの朝水と春実のちょっとした触れ合いがもう!はー、血圧上がりそうです。
余談ですが、おまえは汚れていると和馬に罵られ噴水で体を狂ったように洗う春実へ、駆けつけた朝水が「こっちにおいで」と言っちゃうシーンが!きゃー!
「わたくしが行かせて頂きます!」と言いたい!
レビューを拝見すると、やはりこの「おいで」は壷の方が多いようで嬉しいです。
暗いストーリーなのに雄叫びを上げさせる朝水はやっぱり王子様でした。
舞台は全寮制の学園。
設定を噛み砕いて説明すると、「マリみて」と同じようなかんじ。
一人ずつロザリオを与えられており、それを交換することが恋人の証、なんてあたりがちょっと連想させてしまうけど…でも、よくよく読むとBLによくある寮設定のお話であることに間違いはない。
名門中の名門のこの学園にはいくつか特殊なルールがある。
まず、生徒の中から家柄や成績などで優秀な生徒を選び彼らをソルトラムと呼ぶ。ソルトラムは生徒の模範であり、憧れである。
そのソルトラムから生徒会長を選ぶのだが、選抜の仕方は冷酷。
「狩り」と呼ばれるゲームで決める。
ある選ばれた生徒を狩る(つまりやっちゃうってことね)のと、その生徒のロザリオを奪うことで生徒会長になれるというもの。
仮の恋人になるのも、暴力で従わせるのも自由。
この全寮制櫻林館学院シリーズでもゴシックはある意味一番痛々しいのかも。
受けの村生春実は過去にトラウマを抱えて編入してくるんだけど、もうかわいそうなぐらいどんどんやつれていって、最後の辺りはぼっこぼこに殴られたりして…逆に萌え!(え)夜の暗闇が怖いとか、従兄に脅迫されたりとかとにかく守ってあげたくなる!
一番好きなシーンは半狂乱になりながら夜の噴水で体を洗ってるのを朝水先輩が助けてくれるところvv自由人とトラウマ少年の組み合わせ、最高です!
友達もやさしくていい友達ができるので後半はちょっと涙ぐみました(/_;)
久しぶりに歯ごたえのあるBLを読みました。
雪代さんのほかの作品もいくつか読みましたけど、古い作品のほうがしっかり話が練られているのかも(;・∀・)
もっと早く読んでおけはよかったって思うくらい楽しめました。
古風なしきたりのミッション系スクール、転校生、子羊とか生贄とか、ある意味でベターながらも好みがぎゅっとつまっていました。
主人公は訳ありな転校生。毎年学園で密かに行われる「ゲーム」の今年の「子羊」に選ばれれるのですが、子羊とは何のことか、というのがラスト付近まで明かされないのもよかったです。
裕福層でプライドが高い少年たちが寄ってたかって転校生をイジメるお話だったらやだなあと思ったのですが、懸念したようなお話でもなく・・・主人公は不幸体質だし、最初は同級生たちとひと悶着ありますがそこまでドロドロに酷い目にあうという事もなくて安心して読めました。
このお話のいいとろは、主人公・春実のルームメイトがとても良い子達な事と、絶対の見方になってくれる人が1人いることでしょうか。
生徒会長の先輩方も割りと公平で良識のある人たちです。
(前にルームメイトも先輩も周りが皆敵のどろどろのイジメものを読んで軽くトラウマになっていたので、この設定には救われました^^;)
この見方になってくれる先輩・朝水が本当に絶対的「信頼」を持てるカッコイイ人間です。たった1人でも、いるのといないのでは全然違う。
助けて欲しいときに駆け込める「相手」がいるという事で、「ゲーム」に巻き込まれていく春実をそこまでビクビクしないで見守れるし、この先輩→後輩の庇護と絆が非常に萌えます。
でも逆を言えばもう少し「ゲーム」に重点を置いて無茶に走ったお話でもよかった気がします。散々伏線をはっておいて意外と「ゲーム」の終焉はあっさり…という印象も否めない。
雪代さんの書かれる健気で不幸体質な主人公、不謹慎ながら非常に萌えツボです。お相手に人気者で男前な先輩というのがとてもしっくり来る。
好きなシーンは、朝水が制服の着こなしに慣れていない春実の胸元に手をやるシーン。
リボンが曲がってて綺麗に結びなおしてくれるのか?と思ったら、「リボンの結び目は大きいほうがいい」って、それはあなたの好みじゃん!て場面が可愛いです。
先輩・後輩のリボンの結び合い、ロザリオの交換など、ミッション系スクールならではの萌えネタがふんだんで楽しませて頂きました。
古くからあるキリスト教系の全寮制の学校が舞台
主人公の春実〔受〕は雪代さんお得意の健気で不幸系。
春実は過去に叔父に性的悪戯を受けていたものの地元には居られなくなり、この学園へと送り込まれます。
先に従兄弟の和馬というのが学園生活をおくっており、ソルトラムという名家、金持ちの集まっている生徒達の中で更に優れた人々が入るというソルトラムの一員でもあります。
まあ何故に和馬がソルトラムに入れたのかっていう疑問がありますが……成績ですかね、やっぱり。
人間的には春実にも冷たく嫌な奴です。
あるきっかけで春実は、先輩で更にソルトラムの憧れの君でもある朝水〔攻〕に怪我をさせてしまう。
その腕のフォローをする為に春実は朝水の朝の着替え等の手伝いをする事になります。
地味で人目に付かずに生きて生きたいと願う春実の考えは、朝水によって失敗してしまうのですが同室のメンバーとも仲良くなりそれなりに学園に馴染んできます。
そんな折に次の生徒会長を決める為のゲームが始まります。
それは子羊と決めた生徒のロザリオを奪い、屠る、つまりセックスをするという事。
よりによって何でそんな決め方をしたんだって気もしますが、平穏な学園生活は春実がその子羊に決定した事で一変します。
結果的には和馬がロザリオを奪う形になるんですが、あんなヤツが生徒会長でよかったんですかねー、
そこは和馬ザマァでよかった気がします。
ゴシック→ルネサンス→ロマネスクとシリーズもんです。
シリーズの中でいえば、この作品が一番好きかな。
ゲームが受け入れれなかったんですが、シリアスなとこもあり、
ありえないけど面白い世界観でした。