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表題作青の疑惑

藤森陽介,32歳,ヤクザの跡取り
青山恭,29歳,整体師

同時収録作品青の疑惑

九鬼尚道,36歳,刑事
青山恭,29歳,整体師

あらすじ

捜査に手段を選ばない一匹オオカミの刑事・九鬼と、笑顔の下に酷薄さを隠し持つヤクザの跡取り・陽介ー。
正反対だが共に危険な匂いを纏う二人に好かれてしまった整体師の恭。
危ないと知りつつ拒絶できずにいた恭だったが、ある朝医院の前で不審な死体を発見!!事件に巻き込まれた恭は組織に狙われてしまい・・・!?アウトサイダーな男たちが火花を散らすトライアングルLOVE!
(出版社より)

作品情報

作品名
青の疑惑
著者
水原とほる 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199004636
3.6

(43)

(11)

萌々

(12)

(14)

中立

(4)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
17
得点
149
評価数
43
平均
3.6 / 5
神率
25.6%

レビュー投稿数17

ここまでくると清々しいスポーツのようなSM

普通SMというと、淫靡なエロエロを想像しますが、この作品はMもSも真正の半端じゃない人達なので、スポーツでいうと世界最高峰登山のような、F1の様な、死と隣あわせながら極めた時の達成感さえ感じるプレイです。
なんちゃってSMは、変に恥じらったり嫌がったりするからエロくなっちゃうんですよね。
そういう意味でこれは清々しいSMです。

医師を目指しながらも片目を傷つけたことで断念し、現在は叔父の整体院で働いている恭。
彼を気に入ってちょっかいをかける刑事の九鬼と、ヤクザの跡継ぎながらバーを経営している陽介。
巷で問題になっている麻薬を恭が拾った事から、ヤクザに狙われてそれを九鬼と陽介が助ける話です。

この話の見どころ(?)は恭が真正のMであること。
死の一歩手前までするとは半端でないですよ、そして片目の怪我はそのせいだったのですから。
そして陽介も半端ないSです。
あれやこれや、本格的お道具が出てきて、恭も感じているけれど相性よさそうなんですよね。
九鬼もSでした。(やっぱり)
恭が囚われてAV撮らされる時に、男優として潜り込んできた九鬼とプレイをするんですが、彼はムチが達人のようで、あと陽介とはまた違うタイプのいたぶるタイプのSなんですね。
恭もこんな二人に囲まれて、それぞれに特徴があるからMが満たされて幸せですよね。
3Pあったら・・とか願望だったのですが、どうもこの二人に責められたら恭は多分また生死の境をさまよっちゃいそうなので、許しましょう。

SMスキーの為、何だかSMについて熱く語ってしまいましたが、それについて真摯に取り組まれた作品ということで、しかも中途半端でなくて、淡々とつづっているところが、ストーリーの結末の甘さは置いておいて、すごく評価されます。
この3人のキャラクターも、ものすごく好みです。

彩さんのイラストもすっごく雰囲気があって、実はこの作品ですごく好きになった絵師さんです。

14

SMの良さが分かった。

SM物ってさほど好きではないのですが、好み抜きにしてもとても面白かったです。
痛々しいけど、深い愛情が見てとれたので嫌な気持ちになりません。
受けの恭がエロ方向でチートに見えてなんだか頼もしかった。(笑)
背徳感とエロをきっちりと堪能できました。

敏腕刑事とヤクザの跡目から言い寄られる美人受けという三角関係です。
結論的なネタばれはしないようにしますが、こういうBLの形もあるんだなと凄く新鮮でした。
ただ、読む人によってはモヤモヤするかも?

そして登場人物が魅力的です。
恭は叔父から整体院を受け継ぎ、誠実にお客と向きあう素晴らしい子です。
そしてどうやら過去の恋愛でとても深い傷を負っている様子…
読み始めは、健気に頑張る良い子なんだなーと思っていました。
ところがどっこい、それだけでの子ではありませんでした。素晴らしい!

そして攻めの2人、九鬼(警察官)と陽介(ヤクザ)は有能な上に一筋縄ではいかない人達です。
普段は飄々としているけど思いやりがあって優しい。でも実はドSってちょっと怖すぎです(笑)
でも九鬼って真正のドSなのかな?
彼の本質的な部分が、S要素ではなく情に厚くて優しそうに見えたので、真正なのかそうでないのか最後までよく分かりませんでした。
恭も、九鬼はアブノーマルなセックスから遠い存在と思ってたみたいだし。
いざとなったら簡単にドSになれてしまいそうな人に見えるから、余計疑わしく思いました。
個人的に九鬼のほうがギャップと鬼畜度が高く感じて大変萌えます。

物語的には凄くハラハラしました。
受けがピンチになる展開って、先が読めすぎるので逆に緊張感がなくなってしまうのですが今回は「大丈夫なの?!」と焦りました。
三角関係の着地点もどうなるか分からないし、この作者さんは読ませるお方だなと思います。

でも3人の関係がどうこうよりも、主人公の恭が過去と決別して力強く一歩を踏み出せたことが一番良かったと思います。
BL抜きにして、人との出会いって素晴らしいなと思いました。
そして人との出会いを繰り返していく以上「この人とじゃなきゃ絶対に駄目」ということはないのだと思いました。

9

複数攻×受が読みたくて

この3人の関係 恭ちゃんを中心にした「やじろべい」みたい 子供っぽい単語を使ってしまいましたがそんな印象でした
この陽介と九鬼はどっちも本命 対等です バランス取れてます
恭ちゃん BLのお約束で美形ではありますが ただ守られているお姫さまじゃない 流されないところがポイント高いです

「水原作品は痛い」との評判でしたので凄惨なストーリーかと身構えていたのですが それほどでも・・・?
事件解決まではスリルとサスペンスとSM満載でした
最後の陽介と恭が九鬼のお見舞いに行くシーンで その緊張をといてくれたような そんな印象です

5

こんなSM関係なら読める!!

2007年刊。
電子書籍版は挿絵はないが、巻末に作中の一シーンが漫画化されたものが7ページ分掲載されている。
(*過去の小説Charaの"一部分のみマンガ化"って企画の再録らしい)

初期の水原さん作品の中では痛さを引きずらず、飄々とした雰囲気ってのが珍しい。
まぁ、受け・恭の過去は、昔の男と二人でのめり込んでいったという過激な行為の羅列だったが。
同じく初期の水原さん作品で恒例となってしまっている攻めDV、輪姦が無い代わりに、何と攻めと受け合意のSMですよ!!えすえむ!!

強気な恭がドロドロになって性欲が満たされても、一晩経てばいつものようにクールに取り澄まして攻め二人を惑わす存在に戻るってのが堪らない。
まさにツンデレ。
そんな恭を恋人にしたいと火花を飛ばす攻め二人。
九鬼は捜査一課のアウトロー刑事、陽介はいずれ実家のヤクザの跡目を継ぐ予定と、正反対の立場にいる。
ライバル同士のはずなのに何でそこまで息が合うの!?
おまけにSッ気の性癖まで被っちゃって(笑)

事件に巻き込まれて修羅場から抜け出そうにも、行き当たりばったりで潜り込んで恭を助け出そうとした九鬼と痴話喧嘩、開き直った末に犯人達の面前でSMプレイもガッツリ堪能しちゃってまぁ…

恭も過去の失恋、希望していた進路を断たれての苦い過去を抱えているのに、九鬼も陽介もどこかしら胡散臭そうな一面があるのに、何故だか妙な愛着が湧いてくる。
自分でもヘビーなシーンにツッコミたくなるなんて意外だったが、各キャラの性格や背景、話の展開が練られているからこそいい意味で楽しめたし、面白かった!!

この時期ってまだ三つ巴ラブってのが定着していなかったせいだろうか?
三人ともいい関係なのに、今更ながら続編もなくこの一冊で終わったのが惜しすぎる。

3

本格SM大歓迎!

※SMが好きな方が読むことを前提にレビューも書いてます。興味ない方は楽しめません。

本格的なSM作品って、実はほとんどないんですが、この作品はSM度75%くらいでそこそこ楽しめました(`・ω・´)
また、逆に本格的なSM作品ほどエロス重視でストーリーがおざなりになりがちなのですが、その点、キャラ文庫なだけあって、まずはストーリーありきな骨組みで構成されていたので、読み応えもばっちりです!

しっかりしたシチュ設定やキャラのバックボーンなどがあって初めて、SMというスパイスが活きるわけです!ヽ(・ω・○)

また、キャラクターもMっぽくないM一人に、SっぽくないS二人、という斬新さで、
作家さんの攻め攻めな姿勢が非常に好感持てました!

新しい角度から本格SM書いてやるぜ~!
みたいな意気込みが伺えます!

さて、前置きはこのへんにして、中身について!

舞台は神奈川県のようです。
元カレに開発されたM体質を隠しながら働く整体医と、彼にホレた男二人のトライアングルラヴです。
ちなみに、恋の火花を散らすのは、
現役刑事 vs ヤクザの跡取り
という職業的にも犬猿の仲のコンビ。

美男子で合気道の有段者でもある整体医は、言い寄る男のあしらいにも長けており、なかなかのクールビューティーっぷりです。
決して、ひ弱な守られるべき存在ではありません。

一方、肉体派の刑事は、そこそこスケベだが包容力と忍耐力のある頼りになる男だし、一見紳士なヤクザの跡取りは、部下の信頼も厚いやり手のイケメンで、自立した大人のイイ男が盛りだくさんって感じですヽ(・´∀`・)ノワホイ

しかも、三人とも弁が立つので、漫才のような会話の応酬も楽しいです!
ああ言えばこう言う、みたいなテンポのいい会話をたくさん楽しめるのが小説の醍醐味ですからね~☆

途中までは、男同士ということを除けばSもMも感じさせない、いたってノーマルなストーリー展開で進みます。
しかし、ある事件がきっかけで整体医に危険が迫った際に、二人の男がそれぞれの立場から彼に手を貸すこととなり、距離がグッと縮まっていく…という流れです。

SMプレイについて。

予めいっておきますが、残念ながら3Pはありません。(チョット期待シテタノニ…笑)
ボールギャグ、コックハーネス、ローター、目隠しバンド、足枷、手錠、バラ鞭、一本鞭、肛門鏡、縄、催淫剤、アナルパール、…使用アイテムはこんな感じです。
濡れ場シーンも、キャラ文庫にしてはがんばったな、と思う程度には具体的な描写になってるかと思います。
スカや蝋燭はナシ。一般的に汚い印象のプレイはないので、その点では読みやすいかと。

個人的な印象としては、ヤクザ相手の方がSM度が高かったかな…
刑事相手のときは、ストーリー上、強制的なAV撮影という状況下での絡みとなっており、催淫剤を使用しての乳首責めなどで、SMというよりはちょっとばかしハードなプレイって感じでした。

全体を通して、難点を1つ上げるとするなら、刑事とヤクザが整体師に惚れ込んでいる理由が伺えるエピソードがもう少し具体的にほしかったって感じですかね…(o’ω’o)
結局、一目惚れみたいなノリで整体師を口説いているので、もう少し、彼自身にこだわる理由とかあれば、深みが増すとおもいました。

でも、Mらしくない高飛車なMがみれてよかったです。Mキャラ自身に今まであんま興味なかったけど、このMは好きでした(*・∀・*)
あと、大好きな彩さんの挿絵がほんと美しいので、そこも見所です!

《個人的 好感度》
★★★★・ :ストーリー
★★★★・ :エロス
★★★★・ :キャラ
★★★・・ :設定/シチュ
★★★・・ :構成

11

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