上海

shanghai

上海
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神17
  • 萌×24
  • 萌11
  • 中立3
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
13
得点
137
評価数
36件
平均
3.9 / 5
神率
47.2%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
シリーズ
幻冬舎ルチル文庫(小説・幻冬舎コミックス)
発売日
価格
¥571(税抜)  ¥617(税込)
ISBN
9784344818446

あらすじ

名門貴族の子息レイモンドに恋するエドワードは、幼馴染みとして、そして忠実な執事としてレイモンドの傍にいるが…。待望の文庫化。
(出版社より)

表題作上海

英国貴族で実業家の息子 レイモンド
伯爵家で使用人として育てられた エドワード

その他の収録作品

  • 歌姫
  • China Rose

評価・レビューする

レビュー投稿数13

健気な美しい執事

答えて姐さんの「涙腺崩壊、号泣」スレに紹介されていたので、読んでみました。

天涯孤独な身の上ながら英国貴族より英国名を与えられた中国人孤児のエドワード。英国貴族の子息レイモンドの気まぐれから、幼馴染みや兄弟のように過ごすことを許され、慎ましく忠実に仕えるようになります。
同性愛がイギリス本国では罪深いことであるとわかっていながらも、太陽のように快活なレイモンドへの思慕は募るばかりですが、その想いを一生胸に秘めておこうと誓います。
只々、慎ましくひかえめに主人を想うエドワードが健気で美しい!
エドワードの恋心は、本編の半分まで読み進めてもひっそりと静かにエドワードの心の中に秘められています。
この作品に際どい性描写はありません。よくある主人×執事ものにある陵辱されるような行為もありません。
あとがきでかわい有美子先生自身も「今回も、すごく朝チュン」とおっしゃっていますが、切なく密かな想いを秘め続けたエドワードは、このくらいで許してあげるのがいいなと思いました。


0

心の琴線が震えました

かわい有美子さん
初読みでした。
舞台は近代、第二次大戦前の上海の租界。
歴史もの、外国人が出てくるものは避けていたのでしたが。
もうきっと歴史の中でしか存在しない租界のノスタルジーと
主従関係でも結ばれたファンタジーとダブルで感動しました。
皆様が行っている通り戦火のなか、イギリスに帰ろうとするレイモンドだけどエドワードには旅券がない。どうしても二人で船に乗りたいのに、外国籍以外中国人エドワードが船に乗ったら撃ち殺すという日本軍。
レイモンドが一緒に残ったら捉えられて強制収容所行き。
ここで引き離されてしまう二人が切なくてキュンキュンしました。
どうしてもエドワードに生き延びてほしいと思ったレイモンドは、代々受け継がれた銀の指輪をエドワードに託します。
このあと、エドワードは死んじゃうんじゃないかと思った。
けど、さすがBLですね。生き抜いて、エドワードはイギリスのレイモンドにたどり着きます。
耐えて耐え抜いたけなげ受けです。
この作品に出会えてとても幸せです(^-^)
そしてこの可愛らしいお話に竹美家ららさんの挿絵がすごく合っているのです。とてもよかった続きです。

2

非常に健気でした。

上海の共同租界に住む貴族子息のレイモンドとわけあって天涯孤独となったその身を拾われたエドワードのお話。

ある日、置いていかれた駆け落ちした使用人の息子・エドワード。
エドワードは拾われた時点ではその名前さえ持っておらず(当時の中国人では珍しくなかったことらしい)中国人でありながら、レイモンドの父に「エドワード」という名を与えられる。
その時点では英語もわからなかったエドワードは教育を受けマナーを学び、1人前の使用人となるべく育っていく。
そんな中で出会ったのがレイモンド。
レイモンドは屋敷内に同年代の子供もいなかったため、エドワードを遊び相手とし、自分が先生となっていろいろなことを教えたりもした。
エドワードの中には自然と芽生えていく気持ちがあったけれど、レイモンドが英国のパブリックスクールに行くことになり離れることに。
数年後、再会を果たすが…。

とにかくエドワードが健気でした。
ひたすらレイモンドに尽くす尽くす尽くす。
決して見返りを必要としているわけではなくて。
ただ慕っている。
そういう感じでした。
一方のレイモンドは、そんなエドワードの気持ち続きなどいざ知らず。
普通に女性と付き合い、女性に袖にされたからとエドワードを揶揄って遊んでみたり。
最初にエドワードも関係を持つ時も、エドワードの気持ちに気付いたから慈悲を与えるような感じにも見えて、アレ、この人どう思ってるんだろ?と思ってもみたり。
けれど、最初の頃から何かと気になっているふうな表現はされていて、ただ自覚がなかっただけなんだと思うんだけども。
抱いてみたらエドワードがかわいくて仕方なくなったといった感じ。
それからの甘やかしっぷりはなかなかでした。
ま、エドワードの方が自分の立場とか気にして辞退してしまうんですが。
この2人の主従関係がステキでした。

そして、時代背景。
この時代だからこその出会いで、この時代・境遇だからこその別れがあって。
人種の違いによる偏見だとか差別だとか。
戦争による影響だとか。
そういう大きな出来事が作用しているドラマティックな物語でした。

3

優しい気持ちになる素直なメロドラマ

歴史ものにはよく見る有りがちなストーリーなのは想像していた通りでした。
この時代の恋愛ものというと、だいたいがこんな感じではないでしょうか?
こんな事言うとアンチ?と思われるかも知れないですが決して違います。

あまりに多いこのネタを敢えて描かれたかわい先生の勇気に拍手を送りたいです。
かわい先生の筆の、登場人物達の性格や世界観がすんなりと読者に託される妙に、いつも安心と感心しているのです。
そして好きな時代もの、遅読で飽き性分な自分がいつもより大分早く読み終えました。

ラブ部分は、美貌の主従の王道ものです。
貴族の誇りとフロンティアスピリットを持ち合わせた寛容な主人と、中国人でありながら中国名も無い従には、主人が自分の全てで慎ましく健気、という強力チャームの持ち主同士のカップルです。
(淡白な説明ですみません)
まわりに翻弄されながらも、貫く主人への恋心・・・はぅ~
よくあるネタと言いつつ、やっぱり健気受けは好きなんだな~!

それと、
あとがきに少しずつ、この時代の選民意識や日本の鎖国からの対外急侵や挫折などの考えが記されていて、かわい先生の人となり続きが垣間見えるようで興味深かったです。
宣伝と関係者へのお礼のあとがきが多くて、そういうのは端折って読んでしまうけど、執筆中の苦労話や、参考文献の説明や時代批評(ある意味危険な)が載っていたりすると、作者の作品に対する思い入れが感じられて、もっと作品が好きになるんですね♪

2

上質のロマンス

萌萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
情景描写の巧さはやはり群を抜くかわいさん。
これぞロマンス。

租界が成立してからおよそ100年の間、美しく、妖しくその栄華を誇った上海。
あらゆるものが混沌とし、「魔都」の呼び名に相応しい蟲惑的なその都も、第二次世界大戦を前にして消滅します。
この話の舞台は、その消えゆく最後の数十年の上海。
イングランド貴族の嫡子であるレイモンドと、使用人の捨て子として屋敷で育った中国人執事のエドワードの、まさにこれぞロマンスと銘打ちたい身分違いの恋です。

幾度かの別れを経て求め合う二人の物語は、時代に翻弄される悲恋という以上に、ただただ一途に一人の人間を慕い続けた青年の想いを掬い上げた純愛モノとしての側面が強く、しっとりとした切なさを堪能できました。

人も国も変わりゆく中で、執事として仕えるエドワードのひっそりと捧げる愛情だけが不変であり続け、この物語を支えています。
決してその分際を越えず、主人の傍にあることだけを願いとし、私心を削ぎ落したその愛情は、まさに健気受けの極致。
その献身ぶりが、端正で静謐な文章によって淡々と淡々と綴続きられていて、静かに胸を打たれます。
そういう意味では、エドワードのためのお話と言えるのかも。
レイモンドが情の深い人間で良かった…ホント良かった。

物語背景と人物背景を丹念に書き込むことによって、ストーリーを浮かび上がらせるかわいさんの作風が、これでもかと発揮された1冊ではないでしょうか。
書き下ろしが読めて感慨深い。

1

美しくて、純愛で、切なくて温かい気持ちになります。

執事、使用人の階級についても結構細かく書かれてます。
いわずもがなかわいさんは本当に文章が綺麗なので、この作品もはやBL小説というより、メロドラマ。
人間模様中心で、しかも恋愛という言葉では言い表せない、まさに「人生」そのもの。二人の間には大きな壁があり、それは性別しかり、身分だったり、戦争であったり・・・
スケールが大きい上に時間の流れも人一人の半生程の長さ。
1冊でよくおさめたよなぁ・・・という印象。かわいさんなら前編後編で2冊くらいに分けて書いてくれてもよかったんじゃないかとも思いますが、でも逆にスケール大きいし小難しい情勢を入れながらもテンポ良く読めたのでこれはこれで、すごいこと。実はあえてのなんだろうかとも思ったり。
初版にはなかった、「歌姫」という章は二人が再会するまでの数年間のエドワードの体験を書いたもので、ご本人も独特な雰囲気が気に入ってるとおっしゃっているだけあって、舞台は香港登場人物も中国人のみ、たしかに今までのブリティッシュさは皆無で、作品の中で良いアクセントになっているのでは。
その次の二人の再会後の。「China Rose」はこれまたとてもお洒落な続き印象。
キャラ萌えは特になく、生々しいエロや美味しいシーンも特にあるわけでもない。
テーマや舞台が大きいのに、それを自分の作品のなかでうまく盛り込んでて、重みもある。
終わり方もすごく綺麗で珍しく番外編がなくても消化できた作品でした。

2

何もかも、たまらんです

三回泣きました。
最初の別れ。
二度目の別れ。
そして、巡り会えたとき。

かわい有美子さんの歴史に対するアプローチの仕方、かなり好きです。
ここまで丹念に調べ、それを極めてナチュラルな視線でもって背景を描くことができる作家さんなんて、めったにお目にかかれない。
読みながら、唸らされるような描写がいっぱいでした。
魔都上海。今はなき魅惑的な街です。
その街を舞台に、イギリス人の主人と中国人執事の切ないラブストーリーが繰り広げられます。
主従ものではあるけど、執事萌えを狙った作品じゃないのもいい。
ひたすら主人だけを想いつづけるう執事は、健気受けの鏡だと思いました。
はやく気づいてあげてって、心の底から祈りました。
涙がいっぱいこぼれたけど、お涙頂戴なコテコテ感はまったくないのも良かった。
別れの場面も描写そのものはあっさりしてます。
そのあっさりさに余計に泣かされる感じ。

ラストは悲劇オチでも良かったかも。
なんらかの形で指輪だけ届く、みたいな。
こんなこと考える私はとことん鬼畜なのかもw
や、もちろん二人が幸せであるこのハッピーエンドに、何の不満もないんですけど!

間違いなく名作続きです。

6

ノスタルジーネオロマン

 英国貴族子息レイモンド(攻)×執事エドワード(受)
 第一次世界大戦から第二次世界大戦までの混沌とした上海を中心に描かれてます。
 ちょっと切なくてとてもかわいらしい話です。
 英国貴族の館でメイドとして働いていた中国人の母親に捨てられたエドワード。
 その英国貴族(レイモンドの父親)がエドワードを引き取り、屋敷の仕事をさせながらも子息のエドワードの遊び相手として月日を過ごし、やがて、レイモンドは主として、エドワードは執事としての主従関係となり、幸せな日々を過ごします。
 しかし、時代の混乱とともに2人は離ればなれに・・・。

 ひたすらレイモンドだけを想い気遣うエドワードの純粋な一途さがちょっとうるっとさせられました。
 久々にピュアなこころに触れた感じです。
レイモンドもエドワードの想いにきちんと向き合うようになってからは、本当にエドワードが愛しくてたまらない感じも良かった。
 お互いがあんなに思っているのになかなか出会うことができなかった2人。エドワードがやっとの思いで英国まで渡り、2人がやっと出会え「こんなにも恋しい、こんなにも愛しい。おまえさえ、そばにい続きてくれれば、それだけでいいんだ。十分なんだ」とレイモンドがエドワードをしっかり抱きしめるシーンはじーんとしてしまいました。
 その後、2人は英国で、主と主専属の執事兼近侍として幸せに暮らします。

 同時収録の「歌姫」では、2人が離れていたときのエドワードの様子が描かれたエドワード視点のお話です。
 レイモンド会いたさに一途に働くエドワードが切なくかわいいです。
 また、「China Rose」はその後の2人を描いたもので、2人の幸せぶりがうかがえ、思わず笑みがこぼれます。

3

上海だけどノーブル

いくつかかわいさんの作品は読ませていただいてますが、その中でも一番好きかもしれない。
かわいさんの文は、状況自体は激しいものでも一冊通して読むと、時が穏やかに流れていくような情緒があるのが素敵です。



レイモンドもエドワードも想い人に対して、とても一途に大切にしているなというのが、ひしひし伝わってきてます。
初めから2人の線が繋がるわけではないけれど、状況が変わるうちに2人の関係も無理なく変わっていくのが上手いなぁ。

一貫して一途な2人と、主従関係のあり方がリアルに書かれている。
ノーブル・オブリゲーション/高貴なる義務
なるほどなぁ、という感じが致します。
主を助けるための従であるのはもちろんのこと、従を守るための主のあり方。
そのことがよく伝わってきます。


それにしても埠頭シーン。
ぼろ泣きでした。
一緒にいてよー!と叫びたくなりましたが、それをしてたら萌以下の評価となるはずです。笑
それ以降の展開で、みなさんが仰るとおり、ん?と思う処もありましたが、
書き下ろしによって、結果オーライ。
これでいいんです。満足満足。


単館続き映画にありそうな情緒溢れる雰囲気でした。
ららさんの絵が余計それを増していて、いいなー。

2

極上のメロドラマ

舞台は阿片戦争後にイギリス領となった上海。
天涯孤独の身の上をイギリス貴族・レノックス家に拾われ、
使用人として働くエドワード(中国人)。
そんな彼が思いを寄せるのは、レノックス家の子息・レイモンド。

幼い頃は兄弟のように育った二人でしたが、
大人になればそれぞれの立場を弁えた付き合いになり。
昔の思い出を懐かしみ、二人の身分差、そして同性である事に胸を痛め、
ひっそりと傷つくエドワードが健気で泣けます。

とにかく完璧なノンケであるレイモンドがエドワードを
恋愛対象として全く見ておらず、気の強い美少女とイイ感じの
ラブロマンスまで繰り広げて。
このままエドワードは報われないままで終わるのでは……!?と。
中盤まではハラハラやきもきしながら読みました。

しかし窮地に陥ったレイモンドを真摯な愛情で支えたエドワードに、
レイモンドも彼への愛へ目覚めます。
目覚めたレイモンドはエドワードにラブラブ。
おお!やっと二人が幸せになれるのかと思ったら、
神様はまたもや意地悪な試練を二人に与えます。

上海に日本軍が侵攻。
イギリス人であるレイモンド続きは強制退去。
レイモンドは何とかしてエドワードと共に英国への帰国を試みますが。
それは果たせず……。
迫りくる戦火の中、上海の埠頭で、離れ離れになることに。

この埠頭での別れがドラマチックで、泣けて、泣けて。
戦争が始まります。
ここで別れたら、もう二度と会えないだろうと、
お互いがそう思っています。
それでも諦めきれない、もう一度会いたいと切望する二人。

レイモンドがありったけのお金をエドワードに渡すところでウルっとなり、
レノックス家の大事な指輪を託すところで涙がボロボロ。
しかし愛し合う二人を、船の汽笛が無情に切り裂くのです!

埠頭での別れがあまりにも悲しく、そして素晴らしかったので。
ラストの奇跡の再会は、ぶっちゃけ微妙でした。
エドワードの生死が分からないままで終わった方が、
余韻があって良かったのにと、思ったのですが。

エドワードが英国へ渡るまでを描いた収録作品「歌姫」を読んで、
先の考えがまるっと変わりました。
ハッピーエンド万歳!二人が再会できてよかった!

上質のメロドラマで、古いハリウッド映画の名作を見ているような
素敵な作品でした。

6

藤棚

>ハイ爺さん

わ~!ハイ爺さんだ!こんにちは~
本編だけでは安易なハッピーエンドだなと思ったのですが(汗)
『歌姫』がいいんですよね!!
これがあるからこそ、あの奇跡の再会に納得できて。
同意して頂いて嬉しいです♪

甘・切ない方のかわいさん

第2次世界大戦前後の、上海を舞台にした、英国人貴族と、中国人の健気な執事との、ピュア・ラブストーリー。
繊細で、きれいな物を、そっと大事に差し出されたような、
そんな、甘くて、切ないお話でした。

純粋な思慕の情景がたっぷりの作品。
この本が、年末の発売されたのは、コレで心を浄化して、新しい年を清らかな心で迎えましょう、っていう、ことかしら? 

1

映画のワンシーンのような

1900年代初頭の上海、共同租界、南京路といえば、BLはおろか“やおい”という言葉もまだ違う意味で使われていた頃の“耽美”なシチュエーションとして多くの作品に登場している、美しく、退廃的で、独特の雰囲気が漂うアイテムです。

幼馴染みではあるものの、イギリス人貴族の息子と親に捨てられた中国人使用人である二人、レイモンドとエドワードのお話。
無邪気な子供の頃から、一旦離れ離れになり、再会した後は主従関係がはっきりし、戦火に巻き込まれ再び離れ・・・
激動の時代に翻弄されながらも、レイモンドを愛し続けたエドワードのお話といってもいいかもしれません。

父親から「高貴なる義務―ノーブル・オブリゲーション」をしっかりと教育されたレイモンドは、剛毅で奔放だけれど使用人も大切にする心の広さを持っており、執事から使用人としての節度を教育されたエドワードは、才能溢れるものの、分をわきまえ自分を律することのできる青年になりました。

レイモンドは、家のため国のために立派な仕事をしたいと頑張り、エドワードは執事としてレイモンドを思いやります。
終始エドワードがレイモンドに思いを寄せているの続きは変わらないのですが、仕事や家の事情、世界の情勢という背景が彼らを翻弄します。
レイモンドがエドワードの気持ちに気付き、幸せな時を過ごしたのもつかの間、戦争というどうにもならない事情で離れてしまった時は、まるで映画のワンシーンのようでした。

長い時間レイモンドを思い続けたエドワードのいたいけな気持ちはもちろんですが、エドワードを思いやるレイモンドの言動も大変包容力があり、恋するということのせつなさやうれしさを感じささてくれるお話でした。

3

純粋一途の王道主従ストーリーです

竹美家ららさんの淡い雰囲気の絵がぴったりのピュアな雰囲気のお話でした。
話の軸はズバリ主従!
たまには、こんな純粋なお話もよいものですね。

第二次世界大戦前夜、上海のイギリス租界にいる伯爵家では、美人のメイドと伯爵の運転手が駆け落ちします。
後にのこされたのは、5歳になる名前も解らないメイドの息子。
親切な伯爵夫妻のおかげで、下働き見習いとして伯爵家に置いてもらえる事になります。
その男の子がエドワード。
伯爵家には9歳になる息子レイモンドがいるのですが、エドワードはまだ小さいので、下働きの他にレイモンドの遊び相手になることになります。
失踪したメイドが好きだったレイモンドは、メイドに良く似たエドワードが気に入るのです。
そして、レイモンドが本国の学校へ入る為の別れがあり、10年後の再会。
持ち前の聡明さで、執事をこなすほどになったエドワードですが、レイモンドの婚約、事業の失敗など、二人に試練を与えながら、とうとう恋人になる日が来るのですが、歴史は二人をまたもや引き裂きます。
国籍を持たない中国人のエドワードはイギリスへ行くことかなわず、戦争により生き別れ、そ続きして戦後の奇跡の再会。

別れと出会いを繰り返して、深まっていく二人の想いが貫かれていてこれは、プラトニックに近いものもあるかもしれない、主従の強い結びつきの上にたった愛だと思います。
なので、あくまでもレイモンドは主人としてもしくは庇護者としての愛をエドワードに持っていますし、
エドワードは忠節を尽くす相手としてレイモンドに対しての愛情と尊敬の念をいつもわすれません。
下世話な言い方をすれば、エドワードは ”嫁” です。

戦争という歴史を挟んだ30年近くに渡る物語になるので、どうしても時間的に踏み込んでという部分で濃さは薄まってしまうと思いますが、王道主従物語としては、充分に萌えを提供してくれるストーリーでありました。

3

この作品が収納されている本棚

PAGE TOP
  • 電子書籍
  • レビューを見る
  • 評価レビューする
  • 関連作品
  • 攻受データ