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表題作花喰いの獣 (2)

篠塚朋光・組の解散でラーメン屋店主となった元ヤクザ
多和田恒一・米国留学経験が有る心理カウンセラー

同時収録作品花喰いの獣(2)

尾崎一雅・強面な元ヤクザの組長で現不動産会社社長
如月巳・親の死に起因し感情起伏が少ないバーテンダー

その他の収録作品

  • 悪くないトラブル

あらすじ

高嶺の花――そう思っていた心理カウンセラーの多和田と恋人同士になった、元極道でラーメン屋店主の篠塚。だが、相変わらず何かと一歩引いた態度を取ってしまう篠塚に、多和田がある日同居話を持ち出してくる。元とはいえ極道の自分と住めばどんな危険が身に降りかかるかもわからず、篠塚は当然その話を断るが、そのことで諍いになった後日、多和田から突然別れを告げられ――。

書き下ろしSS収録。

(出版社より)

作品情報

作品名
花喰いの獣 (2)
著者
火崎勇 
イラスト
亜樹良のりかず 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
シリーズ
ただ一人の男
発売日
ISBN
9784778113629
3.6

(12)

(2)

萌々

(5)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
43
評価数
12
平均
3.6 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数3

大切だからこそ

今回は組の解散でラーメン屋店主となる元ヤクザと
攻様に好意を持っている精神カウンセラーの続刊になります。

受様に別れを切り出されてスッタモンダする本編と
その後のある日を描いた後日談を収録。

攻様は
組の解散でラーメン屋を始めますが
今でも組長を「若」と呼び
彼を世界の中心に据えている男です。

そんな攻様でしたが
組長のツレである青年の主治医をしている
精神カウンセラーである受様と知り合い
彼と恋人として付合う事になります。

しかしながら
受様は頭も良くて礼儀正しくて育ちも良くて
極道の世界に生きてきた攻様には
出会った時から高嶺の花過ぎてどうしても
自分からは積極的に関われません(笑)

受様の前ではどこまでもヘタレな攻様です♪

対して
攻様が元極道である事を知りながら
攻様を欲しいと言いきる男前な受様は
そんな攻様の心情も判っていて
押せ押せで迫るのですが

受様の持ちかけた同居話にも
全くきく耳を持たず
温厚な受様を怒らせてしまいます。

臆病なのはいつもあなただ。
俺との恋に罪悪感を感じているのも。

去り際の受様の言葉は
攻様の痛いところを突きまくりで
反省した攻様は
自分から歩み寄ろうとしますが

受様に別れを切り出されてしまうのです!!

あなたにとって
組長が一番な事は揺るがない。
彼を捨てて俺を選んでくれますか?

果たして受様の真意はどこに?!

『ただ一人の男』のスピンオフ
元ヤクザ×カウンセラーカプの続編になります。

攻様は
気骨もあって男前な受様を神聖視していて
ヤクザにまでなった自分の荒さを
受様に向けてしまう事を恐れています。

壊したら一大事!!ってことだと思われますが
受様だって攻様と同じ男なので
そんな攻様の態度を歯がゆく思っていて
ぶつかっていくのですが

良くも悪くも頑固な攻様は
なかなか自分の意思を曲げません(笑)

けっこう受様も策士さんなので
負けずに次の作を繰り出すだろうと思ったら
あっさり別れを切り出された上

受様の友人で元恋人だと言う男まで出てきて
攻様は失恋決定!!とクダまいちゃうのですよ。

まぁ、コレだけだったら
攻様は単なるヘタレ親父で終わるとこですが
2人の仲を心配した組長カプの一喝で
受様の話の矛盾に気づきます。

そして受様がなぜ別れを切りだしたのか
その真相に迫っていくと

前巻で攻様が見せたヤクザな本質も
存分に堪能できる展開になっていき
受様の真意が判って丸く収まるまで
たいへん楽しく読めました。

最初にヘタレた分攻様の本質が
より際立った感じでした。
そのギッャプにもけっこう萌えた~!!

今回の書き下ろしは
店で目を怪我した攻様を
受様がお世話する話になります。

けっこうほのぼの系かなと思ったら
攻様ったら介助してくれている受様を
ガッツリ頂いてしまうのですよ(笑)

本編がけっこうハードというか重めなので
コレくらいで良いのかもですね♪

初版鋏み込みのペーパーは
本編でも話題になった同居問題に
決着がつく後日談になります。

ここでも男前なのは受様♪
このカプにはこのスタンスがBESTなのかな。

今回は本作の攻様とは違った意味ですが
ヘタレ攻で一作清白ミユキさんの
『月夜の子守唄』をご紹介作とします。

1

確かな絆を手に入れた二人

シリーズ続編、「ただ一人の男」スピンオフ、精神カウンセラーの受け様と元ヤクザで
ラーメン店主との2作目になります。
前作では受け様からの熱い思いを受け入れ、高嶺の花と諦めていた攻め様が受け様の
気持ちに答える形で恋人同士になっての展開でしたが、それでも攻め様がやっぱり
受け様に何処か遠慮している雰囲気がありましたよね。
今回は、やはり未だに恋人である受け様を先生やさん付けで呼んで、受け様を神聖化
しているのではないかと思える雰囲気から始まります。

攻め様にとって受け様は手に入れる事が奇跡的な相手だと言う思いがあって、
恋人になっても恋人らしい感じになっていない、受け様から逢いにいかなければ
攻め様から受け様の元へ連絡する事も行く事もない、それは受け様の迷惑になるのを
恐れているからと言う事で、受け様を好きだからなんですよね。

未だに遠慮がある二人が、受け様が攻め様と一緒に暮らしたいと言った事から
すれ違い、別れるところまで行ってしまう展開です。
受け様の一緒に暮らしたいと言う希望を、受け様を大事に思うゆえに拒絶して、
受け様を怒らせてしまう。
しばらく時間を置いて、謝れば許して機嫌も直るのではないかと思っていたが、
受け様からの連絡が途絶え、尾崎の恋人で、受け様の元患者で共通の友人の如月から
受け様の別れると言う伝言を受ける事になってしまう。
納得出来なかった攻め様は受け様の元へ出向くが、未だにヤクザであり、尾崎が1番で
自分を1番にしてくれない攻め様とは未来が見えないから別れると言われ、
受け様の希望の言葉を言えない攻め様は、受け様からの別れ話を受け入れようとする。

そんな時に尾崎から受け様の事を諦めるのかとはっぱをかけられ、何か見落としている
事に気が付き、受け様の真意を確かめる為に受け様の身辺を調べ始める。
そして、受け様が別れを口にした本当の理由が見えてくる。

そうなんですよ、もともと全てを承知で、攻め様の事をしっかり理解して、攻め様が
誰の為に動くかも何を優先するかも全て知り尽くして攻め様を選んだ先生だから
一緒に暮らせないから別れなんて言う事事態が不自然なんです。
攻め様は受け様を高嶺の花状態に見ていて、自分とは違う世界の人だからと思う事から
受け様の言葉をうのみにしてしまったのです。
でも、冷静に考えれば何かがおかしいと思えるのです。

今作では、本当の意味で二人が心身ともに深く繋がりあうような展開で、
攻め様がきっちり受け様を手に入れるストーリーになっていてヘタレ返上です。
互いに相手を守りたい、愛したい、好きだからすれ違ってしまう展開ですが、
続編で本当のラブラブになります。
書下ろしはそんな甘い二人の攻め様ドジをしちゃうの巻ですが、やっぱり受け様に
最後は振り回されている攻め様も男の可愛さを感じさせる感じで良かったです。

3

大人って面倒くさい

お互いの事を思いやりすぎるとこじれるんだよね、という二人のお話。
1巻の方は篠塚(攻)が多和田(受)を思いやりすぎた故にいろいろこじれましたが、
2巻の方はその逆パターン。

今回のお話は、篠塚が多和田に振られるあたりからがメインですね。
そして今回も篠塚はヘタレています!
多和田に振られたと思ったら酒に逃げてヘロヘロです。
尾崎から活を入れられるシーン、好きです。
多和田を取り戻すために決意をしたところ。

情報を得るために篠塚がしたことは、仕方無いとは言え完全に犯罪行為なんですがw
なんせ多和田は嘘が上手なので、こうでもしないと情報は得られませんものね。
得た情報を検分して多和田を守るための作戦を練るところ、しびれました。
そして助け出した後の話し合いのシーン!
なんだか亭主関白っぽくて、「これは誰だ!?」なんて思ってしまってゴメンナサイ……

でもこれでようやく、二人の垣根が消えたというか、やっと本当の恋人同士になれたというか、
恋人になってからも面倒くさいことを経た二人ですが、ようやく落ち着きました。
こちらもどんどんお話が展開していけば嬉しいなぁ。

0

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