虹の球根

niji no kyukon

虹の球根
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神7
  • 萌×26
  • 萌4
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

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レビュー数
7
得点
71
評価数
18件
平均
4 / 5
神率
38.9%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
シリーズ
幻冬舎ルチル文庫(小説・幻冬舎コミックス)
発売日
価格
¥571(税抜)  ¥617(税込)
ISBN
9784344829794

あらすじ

己の絵の才能に見切りをつけた硅太郎は、生活能力も感情も未熟で無垢な才能だけを抱えた同級生・銀示と出会い惹かれてゆくが……?

美大に入ったものの己の限界に気付き、進路に迷う硅太郎。努力家ゆえ模写の技術と真贋を見分ける眼だけは無駄に磨かれた。ある日、校内で見かけた制作途中の絵から圧倒的な才能を感じ打ちのめされた硅太郎は、その作者、銀示の常軌を逸した行動と魅力的な容貌に惹かれてゆく。しかし銀示の生活能力の欠如には生い立ちが深く関係しているようで?

表題作虹の球根

浅見硅太郎・日本画専攻の美大二年生・20歳
瀬名銀示・油絵専攻の美大二年生・20歳

その他の収録作品

  • 質屋が知らない秘密
  • あとがき

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レビュー投稿数7

心に虹が生まれる素敵なお話

ひとり『玄上八絹』 祭り継続中!
読み始めたら次々読みたくなる不思議な作家さんです。

萌えのベクトルが似ているレビュアーさんがよかったとおっしゃっていたので読んでみました。

不思議な設定のお話でした。
トイチの男のスピンオフだったのを読み始めてから知り、慌てて数年前に読んだ本を再読しました。
本編はトイチの方を読まなくても問題ないですが、それから10数年後のショートストーリーの方はトイチを読んでいると、なるほとど思える作品です。

絵が好きで絵描きになりたいが幸か不幸か並外れた鑑定眼を持ったことから、自分の絵の凡庸さを知ってしまった美大生 硅太郎が出会った同じ大学の天才画家 銀示。
硅太郎が自分にない才能を羨み将来に迷いながら銀示の描く絵に惹かれていく心境が密に描かれています。やがて保護欲が芽生え恋愛感情が生まれてくる段階が自然で不思議と同性同士の恋愛への罪悪感や葛藤もなく、すべての揉め事や問題解決のめどだ立った時にするりとまとまっていく面白いカップルです。

銀示は考えられないような変わった生い立ちで、ある意味絵画の英才教育をされていたようなものかもしれ続きませんが、人としての生き方や社会生活をする術は身につけないまま生きてきたせいでとんでもなく常識外れな人なんです。
そんな天才画家と天才鑑定士は割れなべにとじぶた的なベストカップルだと思います。

本編の最後で、硅太郎が気まぐれに買って銀示に与えた球根が、虹が生えると信じさせてしまったことを嘘だと謝ろうとした時に銀示が言った言葉が心に残りました。
虹ではなく普通に花が咲くことを知っていてそれでも(この花が咲いたら)「俺の心に虹が生まれるんだ」だからこれは虹が生える球根だと言い切った銀示はすごいと思った。そういった発想やセンスが非凡な絵を書かせるんだなと思わされました。

『質屋が知らない秘密』
本編から10数年後、硅太郎と『トイチ~』の茅野が過去を回想しながらその後の話をしています。
硅太郎たちのその後がわかって安心しました。
未読の方はきっと『トイチ~』の方も読みたくなると思います。
是非合わせて読むと一層面白いのでオススメです。

1

受けは可愛く、攻めは包容系でベストカップル

こちらでお勧め頂いた玄上八絹さんの作品です。
同作家のワンコシリーズよりも文章の感じも読みやすく、初読みならばこちらのシリーズの方が良いかもしれません。
はっきり言って派手さは皆無、地味です。
地味ですが、ジワーッときました!
前作はまだ未読なのですが、だんぜん読みたくなりました。


攻めの硅太郎は美大生。
小器用だったがために、十代の内に自分の才能と向き合い見切りをつけることがでず後悔している、20歳の青年。

受けの銀示は17歳まで母と共に、父から外に出ることを禁じられて育った青年。
才能の神には好かれても現実には自分の価値も知らず孤独であり、それを理解もしていません。


基本、美大生とか芸能とか、大仰になりがちな題材は苦手です。
文章で表現することが難しいとも思いますし。
なので避けていたジャンルでした。
でもこちらは、『こんだけこの人はすごいのよ!』といった雰囲気がなくスルッと入っていけました。
最初の視点が硅太郎で、自分の才能に行き詰まっていたからかもしれません。
綺麗事でない様子が惹き込まれました。

とにかく印象深い銀示の親戚続き、清水。
こんな生活能力マイナスな銀示を口先で黙らせるのは簡単だったとは思うけれど、本当に腹立たしかったー。
ただその分硅太郎が銀示へ庇護欲と独占欲を発揮させていて、良いコントラストだったのかな?読者には。
ただふたりが、というか、硅太郎が銀示へ性的欲求をかきたてられるのが若干、突然きた!という風に感じました。
銀示にとっては初めて出来た友達で(あの時点ではふつうならばまだ友達じゃないんだけどね)、亡くなったママの肖像画の他に唯一できた心の拠り所だったので、なんだかわかるわあという感じではありますが。
このね!肖像画がね!もう泣かせます。
ママは何かわかっていたのかなあ…

主人公たちも良いですが、わたしは教授の小栗一押し!
受けだったら嫌ですが、小栗のお話読みたいなーと思わさせる大人キャラでした。
こんなに登場するんだから可能性はあるのかしらと、期待したくなります。
最後のSSは、前作を読んでいる方の方が楽しめると思いますが、ひじょうに短いのであまり気にしなくて大丈夫です。

3

想像しながら読んで

まさか『トイチの男』のスピンオフが出ているとは知らず、レビューを拝見して慌てて買いに走りました…
とはいえ、期待はしてました。玄上先生のHPで硅太郎と銀示のSSは読んでいたので。
一冊、馴れ初め話を読めてとっても嬉しい!

自分の才能の限界を知っていて苦しんでいる硅太郎(攻)と、あふれるほどの才能を持ちながらどう生きていけばいいのか分からない銀示(受)のお話です。

銀示は生まれと育ちが特殊で、他人が聞けば「可哀想に」という境遇だったのですが、本人は愛しているママとパパに囲まれて「幸せだった」と言う。
作中、何度も銀示の特殊な感性がこまかく描写されているのですが、この感性はこの閉じた世界があったからこそなのではと思わせられる。
銀示の色をとらえる感覚、光に対する欲求、おまけに、においや手触りなどという絵に関係しないようなものにも突出した感性をみせるのですが、それが世界を知らない子どもが無意識に、知りたい触れたいといろんなところにセンサーを張り巡らせているように感じられるのです(うまく言えない…)

とにかく銀示は世間のことをなにも知らないので、悪者にいいように騙され続きます。
硅太郎は銀示の才能にはじまり、銀示自身を愛してしまったのでそれを助けたい。
でも学生だからできることはなにもなくて…
これまでの二十年を捨てようと決意した硅太郎の気持ちを思うと、心が痛い。

まあ、結末などは実際に本を読んでいただくとしてー。
この本は、世の中にあふれるものが銀示の目にはどう映っているのか、ということを想像しながら読むといっそう楽しめると思います。
はっきり言って「どんなんだそれは!」と言いたくなるようなものもあるのですが、それは銀示にしか分からないのでしょう…

割と最後のほうまで閉塞感でいっぱいなのですが、正直なところ神いっこでは足りないくらい好きなお話です。神ボタンを10回くらい連打したい。

3

大満足の読み終わりの余韻

実はあとがきも何も見ないで読み始めて最後の書下ろし部分を読んで初めて
既刊「トイチの男」のスピンオフでトイチよりも10年以上前の内容だったことに
気がつくと言うお間抜け状態で読んだのですがこれが面白い!

物凄く大きなアップダウンがある訳ではないのですが、
受けになる銀示の独特な感性にとても惹かれました。
もっともその銀示の育った特殊で傍から見れば残酷な境遇なのですが、
本人にしてみればそれは疑うことなく幸福だったのだと思えるのも切ない気がします。
生まれた時から軟禁生活、両親以外に人と接する事も外に出る事も無く
両親がある日突然亡くなるまで狭い世界で幸せに暮らしていた銀示が
突然周りから良かったねと、これで自由になれると言われて戸惑う姿が目に浮かぶような
そんな設定なのです。

傍から見れば浮世離れして見えるし、そこに絵を描く圧倒的な才能があれば
育った背景なんか知らなくても芸術家だからそんなもんだと済ませられる。
でも銀示本人にしたらいつまでも迷子の子供みたいで、硅太郎に出会ったことが
本当に神の導きのように思えて、読みながら良かったと思ってしまう。続き

銀示のおかしさ違和感に硅太郎が気づく、初めは圧倒的な才能に、次にその才能からは
想像も出来ない世慣れなさに、ハーフの見た目に初めは海外育ちだから何も解らないと
思っていたけれどそんなレベルよりも危ない気がして銀示に保護欲を感じ
次第に銀示を取り巻く状況が見えて、それと同時に愛しさも育っていく。

タイトルのもなっている二人で初めて育てた虹の球根。
何色の花が咲くか解らないけれど、銀示の心の中に虹が生まれると言うセリフが
銀示の硅太郎への思いと、二人の幸せな心が感じられる気がしてステキでした。
描き下ろしで、ああ、あの質屋さんの話であの時の夫夫だったのねと気がつき、
益々面白いと感じてしまうお話でした。
未読なら2冊同時に読んだらますます面白いと感じる作品だと思いました。

7

球根は虹

『トイチの男』のスピンにあたる、そこに登場した男夫夫の話しだったとは全く気が付かず、作中に質屋の”瑠璃や”の名前が登場してアレ?
そこで初めてそうだったのか!!と気が付いたほど、忘れてました(汗)
しかし、1冊読み終わって、もちろん単独でも大丈夫なのですが、トイチと合わせて1冊の本になるんじゃないか、って思いました。
お話の雰囲気やトーンも、非常に似ていて(話が似ているというわけではない)シリーズとしての統一感がある気がするからです。
読みながら、うろ覚えになっていたトイチをぼんやり思いだし、硅太郎と銀示の絆にはこんなことが、、と新たな作品への関心を引き出しました。


小器用すぎて自分の絵の限界に苦しむ硅太郎が、偶然出会った外人のような外見の不思議な男子。
彼が、賞を色々と取り硅太郎が見惚れるほどの才能を持つ油絵科の瀬名銀示だったのです。

独自の絵には限界があっても、模写や目利きの才能がある硅太郎。
彼はその才能で欲しいモノの為に金を稼ぎだし、その欲しいモノを預かってもらっている質屋の瑠璃やの主と懇意にしている(これがトイチの悠のおじいさんですね)

銀示続きには、その産まれと育ちに特殊な環境があり、親に自宅に幽閉のようにされて、言葉・常識その他諸々の生きていく上での大切なものが欠如した状態で育ち、親が亡くなった為に放り出され、それでも絵の才能があるということで美術大学に入れられ一人で暮らしているという、とてもとてもここで全てを述べられるほどに容易でないモノを背負っている人。
言葉が不自由なこともあり、教授に特別扱いされて在籍しているために、人との交わりがない人なのです。

そんな彼等の出会いは偶然であったのですが、銀示の絵を見て衝撃を受けた硅太郎。
彼は目利きですから、その点で銀示に興味を示すに充分たりえたのだと思います。
そして、彼を知るうちに芽生えてくる心。
銀示も、何色の花が咲くかわからないという球根をくれた硅太郎が頼れる人になっていく。
何も知らないのをいいことに、叔父だという清水に金を取られていた顛末がクライマックスへと、彼等の将来を決定づける出来事になっていくのは、実に運命的としかいいようがない。

何となく、目利きの硅太郎が唯一無二の宝物を見つけてそれを育てるパトロンになったような(w)
いえ、銀示は硅太郎にもらった球根から虹が咲くと言いい、それは心に虹を与えてくれたと言う意味だったようですが、
銀示は硅太郎にとっての虹だったのではと思えるのですよ。
それを繋いだのがヒヤシンスの球根。
題名の意味が腑に落ちた瞬間でした。

【質屋が知らない秘密】
はトイチの主人公・悠の恋人・茅野が硅次郎から本編である彼等のなれそめをきかされた反応というお話。
皆幸せでいいじゃないか。

キャラクターに萌えはもよおさなかったけど、お話はとてもよかったのです!

5

ラブ甘夫婦の馴れ初め篇☆

『トイチの男』スピンオフ。
前作受の師匠にあたる、画商CPの馴れ初め篇です。
これ単独でも読めますが、前作を読んでいた方が
「あのおしどり夫婦に、こんな初々しい過去が…!」的な感動を味わえるかと☆


美大の二年生・硅太郎は
自分に絵の才能がないと薄々気づいているが、
芸術の世界への未練を捨てきれない。
そんなとき、浮世離れした美貌の同級生・銀示と出会う。
その圧倒的な才能に打ちのめされるとともに、
あまりにモノを知らない銀示を放っておけず
なにかと世話を焼くように…という話。


銀示がモノを知らないのは、ワケあって17歳まで父親に自宅に幽閉されていたため。
ピュアすぎる銀示を愛しく思い、
力になろうとする硅太郎もまた、まっすぐで優しい人物です。

とてもほのぼのした二人なので、
そこからキスやHに至る流れが、やや唐突な感じもしました。
でも、美しい絵画や骨董品を愛するのと同じような気持ちで
互いを好きになり、自然と触れ合うように…って展開は
共に非凡な才能をもつ二人に、すごく相応しいとも思えます。
(硅太郎は、絵の才能はないけど、当時続きから目利きなのです)

前半は、二人の交流や芸術の雑学メインでゆるゆる進みますが
後半、銀示の後見人(死んだ父の従兄弟)が夜逃げし、銀示が借金を負わされたことで、展開にスリルが生まれます。

硅太郎は、銀示に絵を続けてほしい一心で
両親に金を借り、かわりに父の会社を継ぐ約束をする。
銀示は、硅太郎と一緒にいたくて、母の形見の絵を質に入れる決心をする。
互いが互いのため自分の大切なモノを捨てる覚悟をしたことで
とても爽快で、心温まるクライマックスが待っています。
(ただ、二人とも結局、家柄や血筋に助けられているので
 やや他力本願な感じも…;)

そして、エピローグ【質屋が知らない秘密】は現在篇。
二人の馴れ初めを聞いた、茅野(前作攻)視点の話です。
本編で渋い働きをしていた質屋の主人の血が、悠に継承されていると思うと、とても感慨深いです。


幸せな大団円にじ~んときますが、
ちょっと綺麗にまとまり過ぎな感もあります。
設定の重さのわりに、深刻さがないというか。
深刻になりそうな場面は、スキップされているというか。

夜逃げした後見人は、あれから見つかったのか?
硅太郎の両親は、あまりに気前よく金を貸しすぎでは?
硅太郎は、自分の将来について両親とどんな話をしたのか?
・・・などなど、浮世の煩わしい(しかし生きていく上で関わっていかなければならない)アレコレをぼかしたまま爽やかに終わるラストに、若干モヤッとしました;


それから、おしどり夫婦になった現在の二人の話をもっと読みたかったですw
前作で、二人がとても仲が良いことは描かれていましたが
エロはなかったので、本書に期待していたのですが…。
学生時代の二人の初Hが、ラスト間際にちょろっとあるだけでした(泣)
まあ…そのへんはルチルの全サ小冊子に期待しておきますv

6

思わず【トイチの男】読み返しちゃいました!

銀示、硅太郎のカップル。こんな出会いと、しがらみが……。それを抜け出て今に納まってるのが素敵です!…キラキラ視点の銀示、硅太郎が居なければちゃんと生き延びられなかったでしょう。硅太郎ガンバレ~!世界を又にかけ、お姫様な銀示を幸せにしてあげてね♪…そして自分も幸せに…♡
玄上八絹先生のお話しは、ホント最後まで何が起きるか分からない!ひとつ置いただけで盤上が一瞬で違う色に変わって行く…。唖然、愕然とする、抜ける様な爽快感あります!!
ホント大好きな作者様です♪ヽ(^0^)ノ

2

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