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表題作恋の傷あと

橋口修司、未知也の恋人恭平が妊娠させた女性の元夫
安藤未知也、フリーのプログラマー&ウェブデザイナー

その他の収録作品

  • 恋が効く
  • あとがき

あらすじ

同棲していた恋人・恭平に逃げられた未知也のもとに、
恭平が原因で妻と離婚したという強面の男・橋口が乗り込んできて……?

作品情報

作品名
恋の傷あと
著者
安西リカ 
イラスト
高久尚子 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403524080
3.8

(124)

(32)

萌々

(61)

(19)

中立

(4)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
15
得点
465
評価数
124
平均
3.8 / 5
神率
25.8%

レビュー投稿数15

同棲していた恋人噂を辿る話

独りでいることが嫌いな主人公が、
深い詮索をせず家に引き込んだ相手が、突然失踪。

相手が登場しない噂話形式の「みなとのヨーコ」スタイルのまま終わるのかと思ったら、オチがちゃんとついた結末だった。

未知也:独りで居たくない寂しがり。
  自宅で株取引等で稼いでいる。

恭平:未知也が同棲していた男。 突然蒸発。
  本命の女の為に、嘘を吐いて金を稼ぎ歩いていた。

原口:或る日乗り込んできて、恭平を出せと、詰め寄る。
恭平は、別れた妻を妊娠させ且つ妻名義の借金を勝手に作り、失踪している

原口と二人、噂を辿って、恭平を探す物語。
恭平と同棲していたけれど、何一つ知らなかったので、事実を知る都度に驚く未知也。
未知也は、きみょうな縁で知り合った原口と一緒に暮らすことになる。
しかも、原口の前妻と友人になる。 
何とも奇妙な話。

0

クズ男より誠実な男

同棲していた彼氏が出張から帰ってきたらいなくなってた!?
未知也は人恋しい寂しがりやでいつもクズ男に引っ掛かってしまう。なまじ稼ぎがあるのでヒモ男が寄ってくる。
そんな未知也の前にある男が訪ねてくるのですが、出ていった彼氏が付き合っていた女の元夫だという。変な関係はここから始まります。。。

クズ男(恭平)を殴ってやりたいと二人で探すのですが、橋口と名乗るその男はノンケ。ゲイの未知也と探す場所はゲイバーだったりして仰天する橋口。さらにややこしい男たちがうろついているからとしばらく橋口のマンションに避難して同居することに。
未知也は一緒に過ごす間に橋口に惹かれてしまう。
相手はノンケ、恭平は見つからないままだが、もう諦めよう、そうしたら同居の理由も無くなる。最後の夜に思わず橋口に欲情をぶつけてしまう。
酔った上での出来事としようと思っていたのに、今度は橋口から「抱きたい」と。

もうね、橋口がいい男なんですよ。服の趣味は悪いけど(苦笑)
なんか、ストーリーとしてはノンケの攻めが受けにだけ惹かれて付き合う、的なパターンなんですけど、読んでて「あぁいいな、この二人」って思えるエピソードもあり、読後感は良かったです。
後日談の一緒にマンションを買って、、、は橋口視点なんですが、結構最初の方から好意を持ってたんですね。不器用というか鈍感な攻めですが、未知也相手だからか肝になる部分はちゃんと伝えられるところが良いんですよ。。
イラストの攻めもストーリーと合ってて、素敵でした。

0

ウブな攻めがかわいいです

受の恋人に妻を寝取られた男×恋人に逃げられた男
とかいうトンデモ設定
これがまたおもしろいのなんの…

恋人探し一緒に始めて受自宅が危険だから
攻自宅で同居はじめて週末は2人で探しに出て…って
テンポ感よくて飽きずに読める

そして攻がまたかっこいいんですよコレが…
顔よし体格よし柔道経験者であまり物怖じしなくて
怒気を含んだら迫力がすごい頼れる男感やばい
なのに性方面にはウブでゲイバ-とかアダルトショップで
いちいち固まるし男同士の知識皆無で質問も顔を
赤らめながらおずおず聞いてくる…かわいい…

恋心を自覚した受の感情の変化もいい!
あまり書くとネタバレになってしまうので
ただただ可愛かったことのみお伝えします
健気受けが好きな方は是非!

3

クズ男に振り回された攻と受

寂しがり屋のほだされ受が、付き合ってたクズ男にとんでもない捨てられ方をして、それが縁で知り合った超堅物の真面目男に恋しちゃう話です。
もう読みながら受の付き合ってた男のあまりのクズっぷりにイライラ。
なんでこんなマダ男に引っかかってんの、アホじゃないのと悪態をつきながらページを捲る手もイライラ。
そしてそのマダ男に元妻を寝取られた間抜けな攻の無骨さを唯一の癒しに、ふたりで逃げたマダ男を追うという何ともドタバタした話にイライラしつつも引き込まれました。

受はとにかく寂しい人間なので、こうやってダメな男に引っかかるのは仕方がないのかもしれないと思いましたが、でもやっぱこの逃げた男はないわー。
そしてその逃げ男と対極に位置するような堅物攻と一緒に行動するうちに、徐々に惹かれていくのも無理ないわー、と。
堅物だけど優しくて、良い人で、はやくくっついちゃいなよ、と途中からはニヤニヤしながら見守ってました。

終盤まで結構楽しく読めていたのですが、残念な事に告白シーンに引っかかって急に冷めてしまいました。安西さんは好きな作家さんなのですが、どの作品も告白のパターンが同じだなと気付き、今回もまたコレか……と思うと、今まで盛り上がっていた気持ちがすーっと落ちてしまい……。
好きな作家さんなので今後も買うと思いますが、この「実は俺もお前のことが好きで告白しようと思ってたんだ!」「え、ほんと!? 夢じゃないの? 嬉しい!」展開以外でお願いしたいです。

0

堅物ノンケ萌え(∩´///`∩)

初読み作家さんです。
出だしをちょっと見たら文章がスルスルっと入ってきて
小説読みヒヨッコでも読みやすく楽しめました(﹡´◡`﹡ )

又、高久さんのイラストがピッタリなんです。
特に堅物ノンケの攻めが文章から感じるイメージ通り♪
スーツ姿はカッコよく・私服はちょっとダサい部分も、on/offの差があるイラストが良いッ!
私服がダサいからこそスーツ萌えが増しでした(^//^)


奥さんに裏切られた男と、彼氏に裏切られた男。
同じ傷を持つ者同士だけど傷の舐め合いではない展開が良いです。
舐め合いどころか、育ちの違いや物事に対する考え方の違いが顕著で。

攻めの歩んだ道をさして語られるシーンは無くとも
セリフの一つ一つでごく普通の家庭で愛情をかけられ道外れる事なく進んできたのがよくわかり。
対して受けは、アウトロー寄りな社会で生きてきて。

凹凸さのあるコンビで行方をくらました男を探し、その過程で恋が芽生えてくのが楽しめました。

攻めが表紙の印象通りで!!!
無骨で、不器用で、雑で、下手な小細工より真っ正面からぶつかる人。
しかし、真っ当な道を歩くにはそれが正しくても、社会の裏側となると通用せず。
裏側慣れしてる受けが飄々と歩いてくのを、後ろから付いてく姿がなんだか可愛かったですv

今まで知らなかった世界に足を踏み入れ仰天してるけれど、
風貌のせいかボディーガードのような威圧感があって、後ろ付いて歩くだけでもカッコいい!

最初は元嫁の件で裏切った男を殴ると怒っていたのに、
最終的に殴った理由が受けへの侮辱に対してだったのはすごく萌えました(∩´///`∩)

受けは可愛い顔してギャップが多かった。
金銭への嗅覚と価値観、裏側で飄々としてる姿、意外と行動力があって大胆。
なのに人一倍の寂しがりやで、愛情に飢えてて、ちょっと健気な一面もあって。
攻めがノンケながらも受けを愛おしく思う気持ちがわかる。

頼り甲斐があるほどしっかりしてるのに、ポキっと折れちゃいそうな弱さもあって。
ほっとけなさにキュンキュンしました!

育ちの違いが凹凸(デコボコ)だった2人は、一緒になってみると凹凸(おうとつ)がピッタリ。
女にはウケない攻めの雑な性格も受けにとっては愛おしく、
受けと一緒にいると自然と性格が柔らかくなる攻めの変化もあって。
ノンケ×ゲイが自然と惹かれ合うのにグッときた作品でした。

3

恋の傷には新しい恋

未知也(受け)は同棲していた恋人の脇坂が、不倫したあげく相手の女性を妊娠させて失踪していることを怒鳴り込んできた女性の元夫、橋口によって知らされます。
家の中を確認し、出ていったことに今更ながら気づき呆然とするのですが、その後脇坂は橋口の元妻名義で借金をしていたことも判明。橋口が脇坂を探すというので未知也も一緒に探すことにします。
二人で脇坂が行きそうなところを訪ね歩くのですが、次から次へと脇坂の悪行が判明し、あまりのクズっぷりに暗澹とした気持ちになります。

ストーリーはテンポがあって読みやすく一気に読み進めていきました。
二人で訪ね歩くたびに増えていく被害者と脇坂の悪行の数々。元々、遊び人で浮気くらいしているだろうと思っていたけどこれほどのクズだったとは気づかなかった未知也は落ち込む暇もありません。

未知也はあまり治安の良くない歓楽街で育ち、あまり両親に構ってもらえなかった為、一人でいるのが苦手です。その為、顔が好みで側にいてくれる人なら誰でもいいという交際をしてきました。
反対に、橋口は未知也の言うところのまっとうな家庭に育ったため、未知也とは全く価値観が違います。ゲイ・バーで、道端で青姦で、アダルトショップと行く先々で驚いて声が出てしまう姿は未知也に自分たちが底辺の人間だということを再認識させてしまうことになります。
橋口は普通の会社に就職し普通に結婚するのですが、人の機微に疎く妻が寂しく思っていることを思いやってやることができませんでした。そのため、寂しい心につけ込むのがうまい脇坂に走られてしまうのです。

脇坂がその筋の人に探されていることがわかり、同棲していた未知也も身辺が危ないということでしばらく橋口の家に居候させてもらういます。
全く価値観の違う二人ですが、意外と同居生活はうまくいきます。世話になっているお礼にと苦手ながら家事全般を引き受けると、未知也がたまたま当たった景品をお土産としてもらって喜んでからは、橋口が毎日ちょっとしたお土産を買ってくれるようになります。
いままで、金を無心するだけのろくでなしとしか付き合ったことのない未知也はそれがとてもうれしいのです。こんなちょっとしたことに喜びを感じてしまう未知也は可愛いしかわいそうだと思いました。傷つくのが怖くて本気の恋をすることに臆病になった結果がこれだと思うとすごく切ないです。

二人は脇坂を探しながら交流を深め、未知也は橋口が好きにならないようブレーキをかけ、ちゃんと恋をしようとしなかった自分に後悔するのでした。

脇坂の居場所が唐突にわかり、話は大きく動きます。
脇坂と再会した結果、脇坂には脇坂の事情があることがわかります。
今の脇坂には憐憫しか残っていなかった未知也は脇坂に対して妙に甘い対応をします。

ただ、未知也と橋口にとってはすっきりとしたかもしれませんが、無罪放免にしてしまう二人にちょっとどうかと思いました。
脇坂を追いかけていたその筋の人はどうでもいいのですが、それ以外の脇坂被害者の人たちのことは何も解決しておらず、逃げて終わりというのは納得できません。
未知也からは盗むということはしないということで線引していたようですが、他の人には平気でしています。友人の男を寝取り、その男を含む知り合いからは大なり小なりお金を盗み、人妻を妊娠させておいてトンズラとは(妊娠には申し訳なかったと思っているようでしたが)。いくら事情があったとしても許されることではないと思うのです。今はできなくても、謝罪の一つでもして、せめてこれから少しでも返していくとかの決意表明でもあればよかったのですが、うまく逃げられたと知らせてくるだけなんて。
自分たちさえよければそれでいいのかと思ってしまって、すっきりせず後味悪いと感じました。
前半部分が面白っただけにちょっと残念な気がします。

ただ、怖がってできなかった本気の恋を未知也がやっとすることができたことは良かったと思うし、これから幸せになって欲しいです。

0

二人が惹かれあっていく自然な流れに萌え!!

安西先生の「恋みたいな、愛みたいな」を読んで、その勢いで作家買いしました。

元ヤンで決して裕福とは言えない環境で育った、ゲイの未知也と、恋愛結婚をしてごく平凡な夫婦生活を送っていたはずのノンケの橋口が、傍から見ると最低極まりない未知也の元恋人の失踪をきっかけにして知り合い、協力しながら彼を探してく過程で少しずつ二人の距離を縮めていきます。

出てくる登場人物が、皆どこか足らないところがあって、でもそこも含めて自然と感情移入できる、というところがこの作品の一番のお勧めポイントです。
ハイスペックな見かけに反して鈍感で恋愛下手な攻めと、パッと見チャらそうな見かけに反して寂しがりやで尽くし好きな受けの、ちょっともどかしい恋愛模様に心を擽られます。二人がぶつかりつつも心惹かれあっていく過程を、ごく自然に読者に受け入れさせる話の流れが秀逸でした。

1

映画館で観たくなるそんなお話

作家さん買いしておきながらなかなか読めずにいた1冊。
表紙からして雰囲気があり、どういう場面なんだろう?と想像しながら読み始め、気付いてみれば一気に読み終わっていたほど作品の世界観にどっぷり嵌っていました。

受けさんの未知也は、育った環境に影響された元ヤンという過去をもちつつも金策に長けているという、変わった設定にまず惹かれました。
そんな未知也は一見サバサバしてそうにも未練たらしくもないように見えるのですが、人一倍寂しがり屋というのは萌えポイントで。
そんな未知也を支えていく攻めさんの橋口さんは、不器用で鈍感で恋愛に不向きな仕事人間で。
未知也との出会いも、元奥さんを妊娠させ、あげく元奥さんの名義で借金したうえに逃げた未知也の元彼を訪ねに来たという、実際に遭遇したら恐ろしい設定で笑。
でもこんな事も現実的にありそうだな…と思わされるリアルさもあったので、情景などを想像しながら読んでいました。
本当に邦画1本観終えた気分です。

受け・攻め共に好感の持てるというか、どちらともいい所も悪い所も垣間見えるので人間臭さが出ていて、いい人過ぎなかったり、身も心も綺麗過ぎるという不自然設定でもなかったりで、共感出来る好きな2人でした。

大人な内容で現実感のあるお話で、私としては仕事から帰って寝るまでの1冊にぴったりなそんな1冊でした( *´︶`*)

7

前半はロードムービーのよう

恋人・恭平が失踪して呆然とする未知也のもとに、恭平の不倫相手だった女性の(元)夫を名乗る橋口が現れるところから物語は始まります。貞操観念、金銭感覚など何もかもが違う未知也と橋口が、すったもんだしながら恭平の足取りを追って行動するくだりはロードムービーのようで面白かったです。このまま恭平は現れず、二人の長い付き合いが続いていく――みたいな流れを勝手に想像していたので、後半の急展開はちょっと意外でした。

うーん…悪くないんだけど、橋口の元妻さんが気の毒なのが気になって評価は「萌」です。なんだか彼女だけ割を食っているような気がして…。

橋口は元来の性指向がバイってことなのかな。真のストレートにしては、(未知也に乗っかられたとはいえ)肉体関係になった挙句ソノ気になるまでがあっさりすぎると感じました。これからは淋しがり屋の未知也をちゃんと甘やかして幸せにしてあげてほしいなと思います。

0

エピソードが秀逸!

作家買いです。
デビューから全ての本を読んでますが、毎回外れがなくとても安定している作家さんだと思います(^^)

今回も受けがすれてるクールな感じかと思いきや、実は妙に素直だったり寂しがり屋だったりと、このギャップにやられてキュンキュン来ます!
攻が融通が利かない堅物な感じで、この二人でどうやって恋愛に発展するのかドキドキしましたが、本当に自然な感じでお互いが惹かれていくのが分かります。
毎日、ちょっとしたお土産を買って来るエピソードにもやられました。
これを彼氏がやってくれたら嬉しいだろうなあ(*^^*)

5

テンポ良く、そして受けの思いにキュンとする。

今や作家買いになっている安西さんの新作で、挿絵が高石尚子さんとくれば
勿論即買い。

いつもいつも顔のいいダメ男とばかりつきあう未知也は、
当てにならない両親と劣悪な環境の中で、自分の力だけで生きてきたゲイ。

ある日彼の元に真面目そうなスーツ姿の橋口が現れる。
なんと、目下同棲中の男が橋本の妻を妊娠させて失踪したとのこと!
最初は強く反目しあっていたのだが、男を一緒に捜すうちに
徐々に関係が変わっていく……。

                 *

安西さんの持ち味の切なさはあまりないが、
行方不明になった元彼を一緒に探す展開は、テンポ良く惹きつけられ面白く読了。

探していくうちに、男のとんでもない所行がどんどん明らかになり、
未知也は、今まで自分の世界にはいなかった
自分の好みと全然違うはずの、堅物の橋口に惹かれていく。
寂しがり屋の未知也が、不器用で優しい橋口に絆される課程はキュンとする。

一方、ノンケの橋口が未知也に友情以上の気持ちを持つ課程は
今ひとつ弱いかなと思わなくはないが、
惚れちゃった後の彼らしい甘さはなかなかいいので、まぁよしかな。

元彼、元妻の落としどころに納得のいかないところがなくもないのだけれど、
まぁ、主人公達がそれでいいようなので、不問に付します。

8

高久先生の絵も美しいよ!

高久先生の絵に惹かれて購入しました。あと、帯の「一度だけでいい、この人が抱いてくれるならなんでもする。」というのを見て、これは大好物の健気受けちゃんかペロペロ〜と思って購入しました。笑 安西先生の本は実は初読みになります。
蓋を開けてみれば、この受け様未知也は、ろくでもない男に引っかかる寂しがりやの健気受けさんでした。そんな彼は、幼少期の親からのネグレクトを通して、自分で生き抜く力を身につけ、金の稼ぎ方を知っている金持ちでした。付き合っていた男に逃げられてもケロっとしてみせる未知也が切なかったです。
攻め様はノンケの素朴なサラリーマンの橋口。未知也の元彼に妻を寝取られたり、これまた可哀想な方。
お話は、2人が未知也の元彼、恭平の居場所を探しながら進んでいきますが、ぶっちゃけ2人ともどんどん恭平のことなんてどうでもよくなってきます。読者もしかり。笑
話の軸はあくまで2人の関係にあるので、決して追跡ミステリーではありません。
個人的には未知也がかなり恋愛達者で、エロいシーンが本当にびっくりするくらいエッチで....最高でした。笑 橋口が骨抜きになるのも仕方ないです。

4

ノンケ堅物×寂しがり屋のゲイ

同棲していた男に逃げられたゲイの受けと、その男に妻を寝取られた夫攻めという、ある意味残りものなカップルの話です。

受けはろくでなしの男に貢ぐタイプの人。そばにいてくれれば誰でもいい、目の保養になるからどっちかといえば優男なイケメンがいいかなーくらいの在宅フリープログラマー。貧乏な家庭で育ったけれど、現在はいいマンションに住み、不労所得で食べていけるくらいの金持ちです。
片や攻めは、仕事人間で妻にもそれほど愛はなかった人。でも妻を孕ませて逃げた男には激怒しています。すでに離婚しているのですが、寝取られたことにではなく女を孕ませて逃げたということに怒っている、強面ながらもちょっとお人好しな感じの研究職リーマン。
年齢は攻めが30代、受けが29歳です。

受けと攻めはタッグを組んで、逃げた男の行方を探すことになります。で、同じ男を追う別の一派がタチの悪い団体のようなので、安全のために攻めの家でしばらく同居することに。
堅物ノンケの攻めと、ダメダメな優男がタイプの受けなので、通常は恋愛感情が芽生えるはずもないのですが、同居して寝食をともにするうちに少しずつ関係が変化していきます。

コンビニでオマケにもらったお菓子を何気なく「土産だ」と受けにくれた攻め。それまで土産なんてもらったことがなかったから、不意を突かれてキュンと喜ぶ受け。以来、帰宅時に攻めがちょっとした土産を買ってくるのが暗黙の決まりごとになる、というエピソードにすごく萌えました。攻めが帰ってきたらソワソワして、プリンとかブラウニーを「お土産」って差し出されたらニッコニコの受けが超可愛い。それっぽい会話もないのに、こんな出来事で距離が近づいていくのがいいな、と思いました。
エッチも、最初はきっと受けが乗っかるとかかなーと思ったら、まさかの攻めもノリノリでなし崩し、というパターン。意外でしたが、思いの外純情な受けがとても可愛かった。
あと、受けに「セックスが下手そう」と言われてた攻めが、だんだん情熱的に、愛情持って受けとイタすようになるのが微笑ましかった。神寄りの萌×2です。

21

傷あとに効く特効薬あります。

とても爽やかな読後感の一冊でした。物語の内容と高久さんのイラストがマッチしていて凄くいい。
自分の欲望に忠実な人物が割と多く出てくるので、そこは好みが分かれるかもしれません。

黙って行方をくらました、同棲していた恋人(恭平)の不貞と諸々の悪事が原因で未知也(男運の悪いゲイ)と橋口さん(堅物のリーマン)は一緒に恭平の行方を探すことになるのですが・・・
行動を共にするなか、橋口さんと自分は「住んでいる世界が違うのだ」と突きつけられる事実に未知也は こっそり傷ついていたり、正真正銘ノンケであるが故に 橋口さんがとった行動が人知れず未知也をキュンとさせてしまったりと「住んでいる世界が違う」という対比が効果的に書かれています。

相手のことを想えば想うほどの、思い通りにならない焦りや気持ちを伝えることへの ためらい。そんな心情の描写はそこまで詳細ではありません。見方によっては、二人が体を繋げるまでが少し早急かな・・・と思えるかも。
でも不思議と橋口さんには「自分が本当に好きになったなら相手が男だろうと女だろうと関係ないわ」と言い切ってくれそうな度量の大きさを感じてしまうのです。
そんな男らしいけど無骨な橋口さんの感情の高ぶりが見られた体を繋げるシーンに私はドキドキしてしまった。
そして、橋口さんに出会うまでは育った環境を言い訳に、どこか投げやりな生活をしていた未知也が自然と、自分を肯定して大切な人と丁寧に日常を積み重ねることが出来ていて、とても心地よかった。

本編のあとに橋口さん視点の短いエピソードが載っています。短いけど「キュン」多めです!

12

スピード感が面白い!

面白くって夢中になってあっ!という間に読んでしまった。未知也の同棲していたはずの恋人・恭平が何日も外泊して、逃げられたと気づいた時、橋口という男が恭平に会いに乗り込んできた、恭平は橋口の元妻を妊娠させて行方不明になってしまったらしい‥未知也は橋口と共に恭平を探し始めるが‥
未知也はゲイで幼い頃から寂しがり屋、誰でもいいから側にいてほしくて、少し優しくされるとコロッとなってしまい財布代わりにされてしまうタイプ。橋口は強面だがかっこよく、真面目な堅物で職種は研究職の会社員。
そんな2人が恭平を探すのだが、探し当たるところ全部空振り‥未知也の友達の花咲が経営する喫茶店(ここは未知也1人)→花咲の彼氏の弓原の店(ここから2人)→恭平の友達の飯塚の店→飯塚の元彼の峰岸の家 《 小休止》 恭平とたまにつるんでいた男達が開いたパーティー→恭平の地元 となるのですが、小休止までスピード感があって思わず読むスピードも早くなってしまった(笑)元彼の恭平は最低なクズで橋口の元妻の名義で借金したり、友達の飯塚の元彼の峰岸を寝取ったり、峰岸宅に転がり込んで峰岸が留守に女連れ込んだり、オマケにお金と時計も取って逃げたらしい‥こんな勝手がいい奴でも本当に好きな相手の為には一所懸命になってました。未知也可哀想‥最後に一発殴ってもいいのに何で許しちゃうかなぁ〜 まぁ未知也も橋口と両想いになれたから良かったね(はじめは趣味じゃ無いって言ってたのにね)
その後も載っていて幸せそうでした。橋口の元妻とも仲良くなってましたよ

12

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