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社長……っ、せ、正常位がいいです……!
すごく楽しめました。キャラクターが立ってるのも良いのですが、伏線の張り方と回収の仕方が好きでしたね。あと、すれ違いというか、勘違いの重ね方も上手いんですが、キャラクターの立て方が上手いからここに繋がっているのかな?
しかし正直、帯が足を引っ張ってると言いたい…!!
「社長…っ、せ、正常位がいいです…!」
この帯が無ければもっとずーっと早く読んでいたはず。だって海野幸さんですし。表紙の篠崎マイさんもとても良い感じですし。こんな切ないキュン物だって伝わりませんよ!どっちかというと、攻めの「嫁にしたいぐらいだな」のセリフの方がこの作品を如実に表していると思うんですー!
…確かに目を引くのはどっちかと言われれば、そりゃそうなんですけど…。でも!
篠崎マイさんには挿絵1枚目でギュンとやられました!他の作品もチェックしてみます!
生真面目で純真培養な受け様がめっちゃかわいい(≧∇≦)
受け様の桐ヶ谷は、遮二無二に就活していてやっと採用してもらい、どんな仕事の会社なのかと確認してみればゲイビの制作会社だったのか!と驚きつつ、気を取り直して頑張る気満々の真面目な頑張り屋さん。
攻め様は、ゲイビ制作会社の社長である新開。
いいとこの坊ちゃん坊ちゃんした風の天然ながら、真面目に仕事と向き合おうとする桐ヶ谷が、とても好印象(*^^*)
新開の「嫁にしたい」発言に動揺する桐ヶ谷。
「冗談だ!真に受けるな」と新開に言われ、「すみません!間に受けました」の返しには、正直で素直で天然で、可愛くって笑っちゃました(*´艸`)
もうね~一生懸命で健気でいじらしくて(*ˊ▿ˋ*)
でも、真摯に仕事に取り組み、自分の仕事に誇りをもっていて、本当にいい子。
また、新開も社員思いで大事にしていて、信頼出来るいい男でした。
すれ違ったままお話が進み、最後の最後でやーーっと気持ちが通じて、心からほっとしましたよ(*´∀`*)
イラストは篠崎マイ先生。
桐ヶ谷は可愛いし、新開はオスの魅力にあふれてました(*^^*)
ゲイビデオ制作会社が舞台のラブコメディです。笑えて、両片思いのジレジレ感やキュンキュン来る切なさを堪能出来るバランスのいい作品です。
受けの譲の視点で進みます。
譲が就職活動中で、そのゲイビデオ制作会社の面接を受けている所から始まります。攻めの新開がそこの社長です。ちなみにこの時点では、譲はただのイベント企画会社だと思っています。
この最初からとばしてくれます。天然で純粋培養な受けが、面接でトンチンカンな受け答えをやらかしてくれるんですね。プッと笑えるような面接が続きますが、おっとりしていて要領が悪いながらも真面目で一生懸命な受けに、最初からやられちゃいます。
その後、働き始めた譲が、その純粋さや天然ぶりで突飛な事をやらかしながらも、真摯に仕事に取り組んで行きます。そこで新開の仕事に対する姿勢や、自分をしっかり見守り、導いてくれる所に惹かれていくんですね。
譲の視点なので分かりにくいですが、新開もそんな譲に惹かれていってるのが、行動の端々に出ています。
そんなお互い惹かれ合っている二人が誤解や勘違いからすれ違い、素直に思いを告げる事が出来ない…という展開です。
とにかく、それぞれのキャラクターが魅力的です。譲はもちろんのこと、ゲイビデオ制作会社の社員達!
それぞれが、やたらと団地だったりSMだったり、近親相姦にこだわりを持っていて、企画会議は読んでいてかなり笑えます。そして落ち目のAV男優の昴流も、当て馬としていい仕事をしてくれます。
周りのアクがかなり強いので、地味になりがちでかわいそうな新開も包容力のある男前です。
気持ちが通じ合ってからの初エッチですが、天然の受けが無意識にやってしまったり、言ってしまった事で攻めを煽ってしまうという、個人的にかなり好きなパターンです。ここで攻めが余裕をなくしちゃうと、更に萌えます!! 今回は大人な攻めのため余裕で受け止めるというパターンでしたが、それもまた素敵でした。「箍を外したのはお前だからな?」の台詞には身悶えちゃいました( ´艸`)
お仕事物としても楽しめるお薦めの作品です!
あらすじ:
ゲイビデオ制作会社に就職した譲(受け)は、恋愛経験なしの童貞。
社長の新開(攻め)の下、良いゲイビを作るため勉強の日々を送るが…
海野さんと言えば、カチッとしたお仕事モノを書かれる作家さんというイメージでしたが、その舞台がゲイビ制作会社というだけでここまで面白くなるとは!
企画から撮影までの仕事描写が大変詳細で、大真面目に仕事に取り組む男たちの姿がコミカルかつカッコよく描かれています。
譲は、勉強はできるけど自分を売り込むのは苦手なお坊っちゃんタイプで、就活もなかなかうまくいかず。
そんなとき、ゲイビ制作会社の採用面接を受けることに。
自分の話を真摯に聞いてくれ、その場で採用を出してくれた新開に感銘を受け、この会社で働くことを決意。
生まれて初めてゲイビデオを見て失神したり、企画として純文学顔負けのストーリーを練ってきたり…と天然なりに一生懸命仕事に向き合う姿が可愛いです。
大人しそうに見えて意外と押しが強く、ゲイビ男優が未成年と勘違いして新開に食って掛かったり、過労気味の新開を叱って無理やり休ませたりと、先の読めない行動が面白く、新開がハマるのも納得でした。
新開はワイルドな男前で、中身はわりと常識人でツッコミポジション的なキャラクター。
最初は譲に男同士のセックスのことを実地指導する立場だったのに、いつの間にか譲にハマり、彼の天然な言動に振り回されているのが可笑しかったです。
こんな二人の初Hはラストまでお預けですが、ゲイビ関連のお話なので全体としてエロい雰囲気は楽しめます。
初Hでは「正常位がいいです」との譲の直球発言を大人の余裕で受け止める新開がカッコよく、年上攻めの魅力たっぷりでした。
海野さんの作品はいつも手堅く面白いイメージですが、本書はその中でも舞台設定やキャラクターが魅力的で、いつもより楽しく読めた一冊でした。