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表題作社史編纂室で恋をする

稲葉教明,35歳,社史編纂室の室長補佐
大町志月,26歳,営業から社史編纂室に異動になった社員

その他の収録作品

  • 終業の、その後で(書き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

社内で「流刑地」と呼ばれる部署に異動させられた志月。
新しい上司は、数日前2丁目のバーで会った男で……?
二面性攻×体育会系受の恋♡

作品情報

作品名
社史編纂室で恋をする
著者
栗城偲 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
社史編纂室で恋をする
発売日
電子発売日
ISBN
9784403524936
4

(102)

(36)

萌々

(46)

(11)

中立

(4)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
8
得点
401
評価数
102
平均
4 / 5
神率
35.3%

レビュー投稿数8

受け守られ展開が好きならハマれたかも?

物語の軸となるのが、主人公である受けの志月が冤罪をかけられるということなので、序盤からずっとモヤモヤが続く。

志月のキャラ設定的に前向きで明るく読めるところもあるが、中堅社員なのに仕事になるときゃんきゃんうるさい新人のようなふるまいで、恋愛になると女子中学生のようなモノローグを発する。
志月は性別を女にすれば何の違和感もなく読めてしまう残念仕様だった。まあBLあるあるなんだけど。
周囲の評価は脳筋だったり、文章から受ける印象は小さな女の子という感じ、それで実は社内の闇を探っていたなんてことを後出しされても、ちょっと突拍子がなさすぎる。論理的思考力が足りていないようで、こっそり動けるキャラには見えなかった。
何も主張できない言い訳を何度もぐだぐだ述べるが、言いたいことも言えずにぐっと耐え忍ぶ昭和のヒロイン感には不快感を覚える。

事件の解決も結局志月は蚊帳の外で、攻めの稲葉が全てやってしまった。これだと志月はただただ嵌められ辛い思いをし、王子様に助けてもらった悲劇のヒロインでしかないし、男である必要皆無のピエロ。
私が苦手なだけで、自分への好意に鈍かったり、攻めの色気にあわあわしたり、憧れの上司にぽぉっとしたりと、BL受けキャラとしては共感度が高く好感をもたれるタイプだとは思う。

攻めの稲葉は、スピンオフの「塚森専務~」の話の中ではとても魅力的で好きなキャラだったが、メインになるとキャラ立ちが薄れた気がした。本気になってぐいぐい迫る強引な面を出してきたところは好き。
塚森はスピンオフ作品とは印象が違うので、別人として読んだ方が良かったかも。

ストーリーはきれいにまとめてあるのでスッキリ。
ピンチに攻めが颯爽と現れて解決する、受け守られ展開が好きならハマるのかな。
私はもう少し受けに事件における存在意義が欲しい。

3

萌えとときめきが詰まったオフィスもの

栗城先生買い。
なぜ私は購入後にしばらく寝かせておいたのだろうか…と思うほど、ものすごーーく面白かった!
いやあ、こちらの作品好きですね…!
面白かったし、何より萌え転がってしまった。

少々耳慣れないタイトルで、読む前にちょっと難しいお話なのかな?なんて思ってしまったのですけれど、決して難しいお話ではありません。
いわゆるオフィスラブものです。
2人の出会いから始まり、まさかの再会からのじれじれもだもだあり、社内事件や事件の裏あり…と、盛り沢山なのですが、どれもが無理なく繋がっていて読みやすい。
犯人や事件の裏が想像とは違ったもので、こちらも読んでいて面白かった。
しっかりとお仕事描写もありつつ小難しすぎないですし、何より主人公である志月が仕事を楽しんでやっているので、お仕事描写も読まされている感がないのです。
何もかもがちょうど良いというか、個人的に痒いところ全てに手が届いて無性に萌えたと言いますか、こういうのが読みたかった!と思える作品でした。

今作の魅力はなんと言っても、真っ直ぐで明るくポジティブな性格のちょっと鈍感な受けに翻弄される、出来る男前で口は悪くもなんだかんだで甘い攻め、でしょうか。
一見すると志月が稲葉に翻弄されているようで、実は志月が無自覚に稲葉を翻弄しているんですね。
自身が年下のお日様のようなカラッとした子に翻弄されている自覚がありながら「しょうがねえなあ」「可愛いなあ」なんて受け入れてしまっている稲葉の様子が見て取れて物凄く良い。
年上攻め×年下受けの良いところときゅんとする部分が沢山詰まっている…
大人の恋愛なのにすごくじれったくて可愛いんですよ。

あの、なんかもう、最初のベッドシーンからめちゃめちゃ良くてですね。
決してシーン的には多くはないのですけれど、稲葉の年下の志月に対してのベッドでの甘やかし方が絶妙で、アーーこういうの好きだな〜!となりました。
口調的には少し荒っぽさ感じるのですが、その中に溢れ出る「受けが可愛くてたまんねえ感」というのですかね。
優しい抱き方も含めてそういうものがにじみ出ていて、なんだかこちらまでたまらなく悶えました。
可愛くて仕方がないんでしょうね。溺愛です。

お話はもちろん、メイン2人のキャラクターがとても良くて、受けも攻めも好感度が高かったのです。
志月が社内で理不尽な目に遭っていても逆境に負けず、めげずにポジティブに頑張る子なので、お話全体の雰囲気が明るいものだったのが良かったのかな。
ストレスが溜まったりスッキリしたい時にはすぐに走りに行く…
「ここで?!」というところで、稲葉を何度か放っぽり出して走りに行く姿には思わず笑ってしまいました。
爽やかで脳筋の受けって良いですね。
系統的には体育会系でありながら、暑苦しすぎないので読んでいてスカッとする。
しかし、あんな出来事があっても元部署に戻ろうと決断するメンタルが強くて驚きます。
今後何かあったとしても、稲葉がそっと頭を撫でてくれるだけでこの子は頑張れるんだろうな。

攻めの稲葉はとにかくギャップがずるい人。
年上の大人の魅力もたっぷりと醸し出しつつ、普段はだらしなかったり、かと思えばいざという時には頼りになったり。
初めての出会いは偶然ではないもので、素性を明かせないもどかしさと志月に惹かれる気持ちでもだもだとしながら、社内でこっそりちょっかいを出したりして。
繰り返しになりますが、志月をリードしたいのに出来ていないところが好きです。
稲葉視点の短編がまた良くて、可愛らしさもあるとても良い溺愛過保護攻めでした。
年下の可愛い恋人にどんどん翻弄されながらいちゃいちゃして欲しい。
この2人の後日談がもっと読みたいなあ。
きっとすごく可愛いカップルになっていくんじゃないかななんて。

あとがきで、稲葉の友人で志月の憧れの人・塚森常務のスピンオフも執筆されたとの事で、一癖も二癖もありそうな彼のお話も1冊にまとまって読めるのかなと楽しみ。
今作2人と塚森常務のやり取りも読んでみたい。

4

キャラがみんないい!特に主人公!

いやあ、練られてますね!
最初から事件が起きて、いきなりエッチもして、この後どう展開するの?事件の解決は?稲葉の正体は?
と引き込まれるのですが、横領の犯人にされた主人公志月への仕打ちが気の毒でなかなか読み始めはページが進みませんでした。

社史編纂室に異動になった志月。なんとそこには件のエッチの相手稲葉が!

そして社史編纂室の仕事に精力的に打ち込む志月にこちらも救われます。
もしかしてこのまま横領の事件はうやむやで二人の恋愛話になるのかな?と思いきや!

事件解決からの一気に明かされる事実と現実についていくのが必死でした。
そして稲葉から明かされる二人の出会いからこれまでのこと。常務や調査のこと。

でもやっと稲葉が教明さんに戻って再びエッチか?と思いきや、志月が「俺走ってきます!」って飛び出して行っちゃって。

教明と志月が恋人になれて良かったです。
事件の内幕もびっくりな内容で。まさかあの女子社員が!何のために志月に護衛を頼んだの?
解決後があっさりで、こちらも志月と同じように何と言えばいいのか…。
ですが、稲葉が守ってくれた、助けてくれた。恋人になった。満足です。

短編は教明視点で。いかに志月が可愛くて愛しいか、色っぽくてそそるか。なのに志月はランニングを欠かさず後朝も教明を一人残して。ランニングに嫉妬する教明、志月をいじめる教明、いいですね。すっかりベタ惚れ骨抜き溺愛攻めです。

とにかく主人公志月と稲葉や同僚の加藤などみんなとってもいいキャラでした。
脳筋超ポジティブ受けとデキる攻め。
途中で何度か稲葉が真実を言えず志月を心配したり嫉妬したりしてるところも良かったです。

5

溜まったらランニング

濡れ衣を着せられて閑職に追われた営業マンの疑いが晴れるまで。

あらすじはすでにたくさん書かれているので感想だけ。

ストーリーは面白かったと思います。
初めはセクハラ現場を見て横領の罪をなすりつけられた営業マン・志月(受け)が無実を証明する話だと思っていたのですが、実は志月はそれ以外にも疑っていることがありその二つの事件が解決するまでが志月視点で描かれていました。
平行して、やけになって一晩寝た相手・稲葉(攻め)が実は移動先の上司であったことから恋の悩みも追加され、志月にとってはなんとも悩み多い話でした。

ただ、志月はランニングをしてすっきりするというある種の脳筋で、ポジティブに考えようとする明るいタイプだったので、うじうじすることはあまりなく、読んでいてそれほどしんどいと思いませんでいた。
それでも、志月が横領犯だと思っている元同僚たちに嫌味を言われたりしているのはとても気の毒に思いました。
だから、最終的に二つの事件が解決しめでたしめでたしという感じで終わったとはどうにも思えなくてもやもやしました。
志月も言っていた通り会社の考え方は理解はできるけど納得できない。
結局会社という大きい組織のなかでは、トップレベルの成績を誇る営業マンでも切り捨ててもかまわないということなのでしょう。
うまくいったから営業に戻ってきてほしいなんて都合よすぎ。
今回志月は耐えきりましたが、耐えられなくて辞めてしまう人だっているでしょうし、たとえ冤罪が晴れたとしても一度出た話はずっと誰かの記憶に残るでしょう。
志月は人がいいので謝られたら、すぐ許してしまうタイプのようで結局誰も責めはしなかったけど、それだけに腹が立ちました。

二人の恋に関しては、志月が振り回されていたようで、実際は稲葉も結構振り回されていて、恋人になってからはどちらかというと稲葉ばかりが振り回されていて面白かったです。
特に、いい雰囲気になって普通ならそのまま雪崩れ込んでしまうところでも、考えたいから走ってきますといってランニングに行ってしまう志月には笑えました。
後に残された稲葉の姿を想像するとかわいそうでいい気味と思ってしまいした。

ただ、事件に関しては志月は何ができるわけでもなく、他人任せだったのがちょっと残念でした。
メインは二人の恋愛だからかもしれませんが、ただ待っているだけだから、仕事をしながら元同僚に嫌味を言われ、横領を擦り付けた相手に嫌がらせをされ、稲葉への恋心にわたわたするという面白くないことが続く展開が話が進まないように感じてはよ決着してほしいと思ってしまいました。

攻めが無自覚受けに振り回される話が大好きなので、もっと振り回してくれてもよかったな。

会社の対応にモヤモヤしたので萌で。

4

えっ、めちゃくちゃ面白かったんですが…

栗城先生初読みです。

表紙に惹かれて「ん?社史…編…なに?」とタイトルに引っかかり、なんとな〜くレジへ。
そうしたら大正解!めっちゃ面白かったです!!!なんで今まで栗城先生の御本を読んでこなかったんだ!ばか!ばかばか自分!

新しい作家さんにトライするも、半分もいかずに撃沈ということも多々あるのですが、これは面白すぎて一気読みしてしまいました。うまいですね、すっごく。最後まで息つく間もなく面白いです。
あらすじなどは他の方が書かれているので割愛させていただいて…
もだもだキュンキュン、じれった〜い!が大好きな方にはたまらないと思います。お互いに好きなのに、すれ違ったり誤解したりで中々うまくいかない。攻め様が前半はわかりにくいんですが、キチンと要所要所を押さえてくるのでわたしはめちゃくちゃトキメキましたね…。後半はかなりわかりやすく嫉妬しちゃってたりするのでそれも本当に最高でした。
キャラも可愛い!
これから栗城先生推させていただきます…!!

4

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