特典付き
ちょっと厳しすぎたかもしれないけど、よかったところ、きになったところどっちもあったのでこの評価。。
ゲイの一途な子、至と、ノンケのふらふらした年上男、理の話。
二人は幼なじみ。至は理のことが好きだが、高校生の頃告白して一度ふられている。
理は最近、結婚一年目で離婚したと噂を聞き、のみに駆けつける至。。
まだ至が自分のことを好きだと知って、おそらく軽い気持ちでつきあってみることにした理。
なんだかんだ至に執着するようになって、ハッピーエンドなのですが。
至が不安になるのも分かるくらい、理が適当っぽい。そしてなぜ至を好きになったのかもよく分からず、今結構幸せそうなのに、いつまでこのままなのかな?とちょっと不安になってしまう。
ところどころ体のバランスがおかしいかな?という絵がある。
でも、至のバイトさきがゲイバーで、ママやお客さんがいい感じ。もう一息、何か愛っぽいきらめきがあったら萌えたかも~、という気がしました。
軽いノリから始まった理と至のお付き合い。それが思いのほか理の人生観を変えるモノになっていくのが面白かったです。
すごくチャラいわけではないのにイマイチ真剣さが足りなくみえる理。結婚生活が1年続かなかった理由もそんなところにあったのかもしれません。
至との破局危機をきっかけに言葉にして伝える大切さを知り、彼自身が変わることでふたりの関係も変化して。
至にとっては叶うと思っていなかった初恋がこんなにも幸せに成就するなんて…人生って何が起きるかわからないものですね。
シンプルだけどほんわかした絵柄がふたりの関係性にぴったりでした。初読みの作家さんでしたので、他の作品も読んでみたいなと思いました。
どうしようもない奴の男前発言の威力!
サクッと振られた初恋相手が離婚、再会から軽いノリで付き合うことに。
嬉しいけど不安、繋ぎ止めたいけど…って受けが思い悩むとこから、言葉にしないとと実行する攻めの甘潔さ!ちょっと方言の入った言葉での2人の掛け合いが楽しく、2人の可愛さに悶えました。
『あれよ、あれよ』と『ミーのキラー』が良かったので、作家買い。
「男性」というものを描くのがすごく巧い作家さんだなあと思います。
手抜きしているわけじゃないけど、基本的に気が利かない。
行動で伝わっている「つもり」だから、あえて言葉にしない。
自分が空気を読むのは苦手だけど、「流れ」で理解してもらおうとする。
そんな「よくいる男性」像を具現化したようなまこちゃん(29)。
彼女の回転が早い、付き合っても最長5ヶ月、結婚しても1年経たずに離婚のバツイチです。
そんなまこちゃんを好きで、14才のときに告白して玉砕したのが、6つ年下の幼馴染み・至(24)。
叶わなかった初恋を引きずりつつ、適度に遊んではいる、ゲイバーというわけではないけどゲイばかり集うバーで働いている青年です。
まこちゃんの離婚をきっかけに付き合うことになった2人ですが、うまくいかない。
それはなぜか。
至が怖がりすぎているからです。
自分は付き合うこと自体が初めてだし、今までのまこちゃんの短い恋愛遍歴がデータとして頭に入っているせいで、「飽きられたら終わり」という不安が常に頭の中にある。
だから繋ぎ止めようとして誘う。とにかく誘う。誘いまくる。
一方のまこちゃんは豊富な交際経験も結婚歴もあるけど、この人、別れても自分の何が悪かったか気付けないタイプなんです。
気付かない、分からない、でも次が出来るからいいやって感じで顧みない。
至に違和感があっても聞かないし、自分の考えも言わない。
「会えてる」=「うまく行ってる」という表面しか見えない人なんですよ。
決定的な出来事の予兆のところで、読者はもうみんな分かってましたね、拗れるぞと。
そこからの心理描写と会話、展開がすごかった。
読みながら無意識に頷いてしまう説得力。
無頓着すぎて分からなかったことを知る。
初めてで不安ばかりだった気持ちを相手にぶつける。
からだを重ねるんじゃなくて、ちゃんと話をする。
そうやって土台をきちんと作り直した2人が迎えたラストが、もう!!
男性特有の空気の読めなさを発揮するまこちゃん、最高です。無双状態。
そこで改めて読者も気付く。
そうだ、マイノリティだからって壁を作ったり、身構えたり、過剰に反応するのは、マイノリティ側の人こそ意識しすぎている面もあるよね、と。
いろいろな気付きがありました。
良い台詞もたくさんあって、そこから切なさをもらえたり、ジリジリ感もありました。
ちょっと目の表現が爬虫類っぽいときがあるけれど、爬虫類苦手なわたしが作家買いするくらいなので、きっとみなさま、大丈夫なはず。
これは買いです。
◾︎まこちゃん(お隣の6歳年上のお兄ちゃん,離婚したばかり)×至(ゲイ,まこちゃんは初恋)
まこちゃんが河原さん(まこちゃんの同僚)と相性がよく見えるから、至もモヤモヤするよなーと思う。まこちゃんは河原さんとなら長く付き合えそうだけど、河原さんはまこちゃんが好みじゃないかも笑
まこちゃんの感情を色々推察しないで、言ってる通り全部信じた方がうまくいきそう。そうは言っても至はなんせ初恋だから、相手が気になってしょうがない。
デートのときのまこちゃんは新鮮!年上攻めでこういう失敗の仕方して、でも強がるわけでもない感じ。童貞攻め設定なら分かるけれど女性経験も豊富(しかし上手くいった例が少なそうではある笑)でこの流れは珍しいのでは。
そういえば20歳の時に14歳に告白されて懐深い対応だったと思うと、彼の良さはこの素直なところなのかもしれない。このデートを見せられてヘタレと思わせず、魅力を伝えてくるまこちゃんはすごい。のきようこ先生もすごい。ラストのバーの伝説のスーパー彼氏ムーブに良さが詰まってる。でもどうしようもない男ってのも分かる笑
のきようこ先生の作品は「あれよ、あれよ」だけ既読でしたが、エッチをこういう風に描かれる方とは!たしかに「あれよ〜」でもいい表情だなと思うシーンはあったのですが、至のパンツを脱がすところ大変好きです。