SS付き電子限定版
記憶喪失の夜山と、夜山に片想いをしている後輩日暮のお話。
全体的にゆったりとした雰囲気。
夜山も日暮も可愛かったです。
基本は日暮の片想いとしてお話が進むのですが、二人の距離感がとにかく絶妙でした。
かなり序盤、日暮がソファーで居眠りをしている所に、夜山の方から寄ってきて隣に座ります。普段の様子を知っている友人たちは、隣同士で座る二人を見て日暮が夜山に付き纏っていると勘違いするのですが、この時は逆という。めちゃくちゃ萌えました。
この時点で日暮の一方的な好意ではないことが伝わって来て良かったです。
主人公の周辺人物も良かったです。
ちょっと無神経な友人、八つ当たりしてくる女、合コンに誘ってくる男、みんな自然な存在感でした。
そのおかげで記憶喪失というなかなか現実味を感じにくい設定でもファンタジー過ぎずリアルさを感じることが出来たと思います。
陸上の記録会で声をかけてきた男だけ唐突にヤリモクのゲイでちょっとびっくりしました(笑)
このヤリモク男の存在だけ作品の中で浮いており残念でしたが、全体的にはとても良かったです。
大学に入学した日暮が高校の先輩だった夜山と再会したところから始まります。
夜山が忘れてしまった記憶を持っている日暮が夜山に何を思い出してほしくて、何を忘れたままでいてほしいのかを知るまではミステリーを読んでいるようで面白かったです。
全てを思い出した夜山が日暮に記憶の答え合わせを頼むところは切なく、日暮が夜山に幻滅なんかしないと宣言したところが格好良かったです!
シーモアはホタル修正でしたが、修正箇所は1コマだけです。
同好会倉庫の中でどこまで触ったのか気になりますし、もっと二人のイチャイチャが見たかったです!
切なくて優しくてキュンキュンするお話。黒井先生のテッパンです
事故で高校時代の記憶を無くした陸上部のセンパイと、彼に憧れるコウハイ。大学で再会し、センパイが記憶を取り戻せるよう、一緒に過ごすことになる
はじめは定食屋の名前、そして、徐々に核心へと近づいていく。二人はどんな関係だったのか、なぜ、事故にあったのか
カミングアウトのシーンが劇的でないのがいい。あれくらいスルッと言える世の中であってほしい
「長い付き合いになる」とお互いに、当たり前のように言い合うところが素敵
攻めの日暮に感情移入してしまい、終盤に差し掛かるまではずっと辛かったです。
夜山に対する気持ちが読者にはわかっているので、受けの反応がもどかしくて仕方ない。
日常、普通に接しているときは、ただただほのぼのな幸せな時間です。
日暮の夜山に対する感情が溢れているので、その部分は萌えてにやけます。
記憶を失うって激重な現象だと思うのですが、夜山の雰囲気を見るとあまり深刻には見えずあっさりと読めました。
記憶のことも日暮のことも、すんなりの受け入れられる懐の深さが、夜山の魅力だと思います。
黒井つむじ先生特有の空気感と、かけあいが素敵でした。
「ボクたちはまだ青く」がとても好みだったので、既刊も読んでみることにしました。
高校の時好きだった先輩が、高校時代の記憶をほぼ全部失ってしまって…という年下攻め目線のお話でした。
大学に入り再会したが、自分のことなどすっかり忘れていて、普通なら同じ高校であったことや部活も一緒だったと話してなんとか思い出してもらいたいだろうと思うんですが、日暮は何故か遠回しに何か覚えている事はあるのか問う。
思い出して欲しい気持ちと、忘れていて欲しい気持ちのせめぎ合いがモノローグから伝わってきてなんとも切ない。
記憶を取り戻すのを手伝うという名目で近づいていく2人の距離感がもどかしい。
先輩も日暮を気にしてる様子なのに、お互いにピュアで鈍感なのでね。
そもそも卒業式の日のアノ受け答えで、何故振られる想定しちゃうんだーって話からなんだけどね。
そういう控えめでヘタレな部分も含めて、魅力的な年下健気攻めでした。
先輩が記憶を失ったと知った直後も、ただ悲しんだり後悔するんじゃなくて、自分がすべき事をしようっていう強さも持っていて素敵だと思った。
先輩も日暮のためにもっともっと思い出したいって…泣かせるぅ。