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この作品を読ませていただきました
講談社文庫から来ましたが、ノベルス版の夏休みを読まないと私は心の整理が出来ませんでした
ここから感想です!
夏休みの内容は切ないけれども、安心して読めました それでも、やっぱり号泣ものです
2人はゲイのカップルでどう頑張っても子供は出来ないし どうしてもそういう社会の何かがあるけれど、2人で愛し合っていくことは幸せで何かが必ず残るんだなあと思いました。
ここからはネタバレなのですが、
堂野のラストシーン「一緒に死にたかった」というシーンが辛かったです。尚が父さんが可哀想だと言って、堂野に2週間寄り添ってあげたのがなんというか言葉に言い表せないほどジーンときました
初めてBL本で泣きました。
読み終わったあとはああこの2人を見届けられた幸せに包まれました。けれど、1日おくともうこの2人は見れないんだなと思うと切なすぎました。
喜多川と堂野が幸せに暮らしたことだけでも満足です(泣
もうこの話が新しく世の中に出ないだろうと思うともったいない気持ちでいっぱいです。
いつか美しいことも含めて、木原音瀬先生の番外編をまとめてくださいと深く思いました。
木原音瀬先生ありがとうございました
堂野の娘が死んだのがショック過ぎて、それ以降もう読み進められないです。なので読んでません。
登場人物の死は話を深くする上では好きな展開ですが、作者が邪魔だから殺した感が透けて見えるような退散の仕方は好きではないです。
最後に収録された「なつやすみ」まで読んで、漸く不朽の名作と言われている事に納得しました。
それぐらい「なつやすみ」が素晴らしく、もともと創作物で涙するタイプの人間ですが、この作品には泣きに泣かされました。。。
表題作の「檻の外」も冒頭を読んでいた時には、予想もつかなかった終盤展開が待っていました。怒涛の展開でありますが、わざとらしくなく、淡々と話が進みます。話的には堂野家族の話が中心なので、BL小説で敢えて取り扱わなくてもいい内容かなーと思う所もありました。BL小説として手に取ってるので、そういう面では、意図しているものと違う物が見せられた、そういう側面は正直ありました。
それでも喜多川が泣かせる性格をしているので、話に引き込まれました。喜多川と穂花との心温まるエピソードとかも泣けましたね〜。喜多川の魅力で読み終えました。
「なつやすみ」もBL小説という括りの中心からは外れるけれども、いい読み物を読んだ…という感想です。尚少年を通して見た或る風変わりな二組の家族の歴史がユーモアを交えて描かれています。年齢を積み重ねて、いい形になっている堂野と喜多川の関係を見れて嬉しかったです。二人の日常のイチャイチャを見るよりも、地味だけれど、着実に人生を積み重ねている二人の姿を推測できて、とても嬉しくなりました。
子孫は残せないけれども、着実に尚少年の人生やその子孫へ受け継がれる魂にも確実に影響を与えた二人。何も遺さない、生み出さない人間はいないなーと。生きている限り、誰かに何らしかの影響を与えるものだと感じました。LGBTに世間の理解がもっと深まって欲しいです。この作品が出て10年過ぎて、漸く少しずつ世の中も動き始めている兆しも見えるかな。色々な家族の形態があっていいじゃないかなー、そう強く思える作品でした。これからの時代に益々そぐいそう。
個人的には、上巻にあたる「箱の中」も表題作よりも「脆弱な詐欺師」の方が秀逸した作品に感じました。下巻でも表題作「檻の外」よりも「なつやすみ」の方を素晴らしく感じました。第三者視点から紡がれる主要人物の物語を描くのが上手い作家さんの様に感じました。今更ですが、日常の観察力の鋭い感性に優れた作家さんですね〜。とにかく喜多川という男の懐の深さや味が伝わる一冊でした。
BLが主題でなく、たまたま愛した人が、同性であり、それも人生の一部分に過ぎない、そういう小説も良いかな、と思えました。本人達にとっては自然な事であり、凄く特別な事ではないんですよね。例え周りの価値観と違っていても…。草間先生の挿絵が絶妙で、ここぞというシーンが心に強く刻まれました。とても温かい気持ちになる挿絵でした。
ところで他のレビューアーの人の話により、別出版社から出ている文庫版では「なつやすみ」が収録されていないと知り、驚きました。この話があるから、二人の愛や人生が昇華された作品になるのに。。これを外した出版社の作品愛に疑問を感じてしまいます。「美しいこと」もホーリーノベル版を頑張って入手して正解だと思えました。やはりオリジナル(元祖)版は偉大だ…。
喜多川と再会した堂野は、情を断ち切りがたく、喜多川を家庭に招き入れます。娘・穂花が喜多川に懐き、穏やかな交流が続くかと思われた矢先、穂花が殺害され、堂野の妻の不倫が発覚。堂野の家庭は崩壊してしまいます。
喜多川の堂野への愛は、堂野に妻子がいても、娘の殺害で誤認逮捕されても変わりません。ただ傍に居たいと願い、寂しさをこらえ、堂野の娘を大切に思い、自分の命さえ惜しまず堂野を守ろうとします。その一途な愛に、深く胸を打たれました。愛を知らなかった喜多川が、堂野を愛し、作中の誰よりも深い愛を持つに至ったことに、愛の真理を見たような気がしました。求めなくても愛を与えられてきた者は、きっとその大切さを身にしみてわかることはないのでしょう。
ささやかな幸せで満足できなかった堂野の妻の身勝手さ。娘の死であらわになる周囲の心無さ。困難は、残酷なまでに人の本性を明らかにしてしまう。愛とは何だろうと悩む堂野が、喜多川が穂花を悼んで作る花輪に答えを見出す心の動きが、本当に素晴らしい。今、目の前にいる男が無性に愛しい、ただただ愛しいと。
堂野の服役中も、娘を失ったときも、苦しむ堂野を支えたのは喜多川。喜多川の一途な愛、深い優しさが、堂野に届いた瞬間に、心が震えて仕方がありませんでした。
書下ろしの「雨の日」は、喜多川と堂野の穏やかで幸せな日常が描かれます。浴衣や夏祭り、海外旅行など、喜多川がこれまで経験できなかったことを、堂野が一緒に楽しもうと提案する姿に、喜多川への愛情を感じました。心が温かくなる短編でした。
「なつやすみ」は、堂野の妻が不倫で身ごもった子ども・尚が、堂野と喜多川と毎夏過ごす話。血のつながりは無くても、堂野と喜多川から愛情を注がれて、尚が思いやりある青年に成長していくのが良かったです。そして、喜多川を病気で亡くした堂野の悲しみに尚が寄り添う描写に、涙が溢れました。
尚の中には、堂野の愛情と喜多川の生き方がしっかりと根付いており、尚は自分の息子にもそれを伝えていきます。堂野と喜多川が愛し合い幸せだったからこそ、尚に伝わったものがある。愛はつながっていくのだと、深い余韻に包まれました。
今更の神評価です。
とにかく、より沢山の人に知ってもらいたい。
何度読み返しても感動に震え涙する。
blのくくりの中で納めて欲しくない。
【なつやすみ】の尚は、‘博士の愛した数式’のルートだと思う。博士は喜多川。
できるだけ沢山の人に読んで欲しい。