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表題作遥か遠き家

ヘイデン・スチュワート,放浪癖の青年
アラン・サヴェリオ,狂信的カトリックの親を持つ少年

その他の収録作品

  • E.P 4.5(描き下ろし)

あらすじ

90年代、アメリカ。
過保護すぎる親の箱庭で、死んだように生きていた少年・アラン。
旅人・ヘイデンと出会い、強烈に惹かれ合うも、
彼には一か所にとどまれない放浪癖があると知る。

共にいるためには、家出するしかない。
それはヘイデンが、誘拐犯になるということ。
それでも彼は、何もかも投げ捨て、アランを地獄から連れ出してくれる――。

その轍は、逃走経路。
しかし彼らにとっては――「二人だけの家」への、帰り道。

作品情報

作品名
遥か遠き家
著者
八田てき 
媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Cannaコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784829686485
4.5

(356)

(271)

萌々

(37)

(23)

中立

(12)

趣味じゃない

(13)

レビュー数
67
得点
1584
評価数
356
平均
4.5 / 5
神率
76.1%

レビュー投稿数67

No Title

八田てき先生の作品のため、普段よりじっくりと時間をかけて読みました。ラストに近づくにつれ涙が出そうな感覚になりながら、改めて思ったことがあります。やっぱり先生の作品って難しい…… 一本の映画のような世界観ですごく好きなのですが、私の理解力のせいで全てを理解しきることはできませんでした。もう一度時間があるときに読み直そうと思います。

0

結末が美しすぎる

前評判でどんな読み味の話かは知っていたので、
先にラストシーンをチラっと見てから読み始めました。

一体どんな罪を犯してあんなことに…と思いましたが、あれ?意外と大したことはしていないんじゃ…?

土地柄とか時代背景とか宗教観とか、色々あるのでしょうけど、天国にいかないと幸せになれないほどだったのかはちょっとよくわからなかったです。

あの瞬間の二人にとっては、あの結末はこの上ないハピエンなのだろうな~とは思うのですが、
うっかり生き残ったとしてもそれで絶対に幸せになれないってことはないと思うので、逃げてんじゃねぇよ悪あがきしろよって思います。

あとは…アランは死ぬほど絶望してたのは分かるのですが、ヘイデンは…?
彼はどうもアランに出会ったせいで巻き込まれて転がり落ちていったように思えてしまいます。

絵もとても綺麗だし、一冊でよくまとまっているとは思いますが、結末が美しすぎて作者の影を感じてしまうのであまり心は動かされませんでした。

(「アラン」という存在をあらゆる不幸の元凶として読むと、色々としっくり来るし読み方として面白いと思うのですが、そうなるともはやBLではなくなるので作者の意図とはズレるんだろうな…)

0

もう英語の授業で「 」と言えない

「I know」
この言葉がこれほど重く、深く、そして優しい意味を持つとは思いもしませんでした。


これさえ無ければ、と思わざるを得ない出来事が多すぎて……読み終えて非常に日が経ちましたが、未だに涙を流してしまう程です。
特にあの父親との電話のシーンでは、あの刑事さんと同じように頭を抱えてしまいました。どうしてアランの両親はああなってしまったのか。
子供の為に神を信じ、願うのは良いと思います。
けれど、神の為に子供を「こうあるべき」「こうあるだろう」と抑圧・期待して信じるということがあってしまうのは、本当に悲しく思います。

言い過ぎかも知れませんが、子供にとっては、親は本当にすべてなのです。
親がどう接してくれるか、何を教えてくれるか、それらが本当に大切なことなのです。
アランが電話口で、一体どれだけの勇気を振り絞ってあの出来事があったことを伝えたか。
求められているのはこんな自分ではないんだ、と直接、はっきりと言われた時の悲しみが一体どれだけであったか。


マリアのことは、誰も責めてはいけないと思います。
読者としてアランとヘイデンに感情移入してしまっているのもあるかとは思いますが、それでも、マリアのことも、アランとヘイデンのことも、誰も責めることは出来ないと思ってしまいます。


もし神様がいるとしたら、きっと二人の選んだ道に涙を流しているだろうと思います。たとえ神様が、ユダの裏切りを予見したように、未来予知が出来たとしても、人の思考や行動を完全に制限することは不可能でしょう。
キリスト教系学校に通った程度の浅識ではありますが、唯一確実と思って言えるのは、神様は人を尊重し、どんな人でも愛してくれる存在だということです。

聖書から、一節だけ引用します。
「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである」
by 日本聖書協会『新共同訳 中型聖書』マルコによる福音書 10章14節


彼らが、彼ら二人の家に帰ることが出来ていますように。



※このレビューは、引用箇所以外すべて私個人の意見によるものです。

2

私の記憶の中でずっと生き続ける

まるで映画。私はこの漫画を読み終えた後、脳内にエンドロールが流れた。
私の人生のBL観を変えた最高の一冊。
大好きで大好きすぎて大好きだからこそ辛すぎて1週間くらい引きずった。
圧倒的な画力と映画の様な怒涛の展開や言葉遣いで一冊のボリュームが凄い。ここまで一冊で満足感を得られる漫画は早々ないと思う。

2人のそれぞれの過去と現在を取り巻く全てから逃げる様に海を目指して旅を始めた2人。まだ大人じゃない2人には限界があって……。帯の「世界中敵に回して、愛した。」が似合うそんな崖っぷちに追い込まれた2人の逃避行に涙が止まらない。理解者がお互いしかいない、この狭い世界で「2人だけの家」を探し大人達に最後まで争い続けた2人。本当に最後が辛くて辛くて思わず漫画を抱きしめて声を出して泣いた。

2人の姿を沢山の人に見守って欲しい。そして沢山の人の記憶の中でずっと生き続けて欲しい。
BL好き以外にも薦めたい最高傑作。
いつの世も2人がずっと幸せでいられます様に。

1

正直、よく分からない

うぅ~ん、ワシにはちょっと難しかったかも (^^;)

あっ、エンディングが不満ってことじゃないっス。
メリバは別に嫌いじゃないし、アレはアレで良かったと思います。 (←何様)

でもキャラがね…
ヘイデンはなんとなく掴めたけど、アランがずっと謎でした。
行動がいつもズレてるっていうか― 会ったばかりの人につらつらと我が家の状況を明かしたり、名前が「マリア」というだけで知らない女性に執着するし…

あんな辛い過去があったのに、警戒心ないの、この子⁇って思いましたね。
実の親の愛情すらも感じた事がないっと言いつつ、どうしてそうやすやすと他人を信用するの?そこの感情の変化をもう少し現実的にして欲しかったです。

あと、せっかくの漫画なのに、なんか小説を読んでいる感じがしました。
表情とか細かい描写でキャラの心情を受け取りたいのに、ぜ~んぶ言葉で説明されてて楽しくなかったです。

ずっと辛口ですみません。
絵 (特に瞳と海の景色) は非常に美しかったです。

3

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