俺はお前が欲しいだけの、ただのずるい男だ

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表題作少年しのび花嫁御寮

虎目,26歳,甲賀忍者の頭領
晶,19歳,伊賀忍者,秘術を持つ抜け忍

あらすじ

大正浪漫あふれる東京市。
伊賀の少年は甲賀忍者の花嫁になったーー


「妻らしく、旦那さまと呼べ」華やかな大正時代の片隅で、甦りの秘術を持つ伊賀忍者の晶は、忍者犬のシンシャとひっそりと暮らしてきた。
ある日突然攫われ、甲賀忍者の棟梁・虎目の花嫁にされてしまう。
どうやら狙いは晶の秘術で、心身から交わることで術は虎目に転写されるらしい。
はじめは反発しかなかったが、与えられる不器用な優しさに孤独がほぐされ、虎目の傍こそが自分の居場所だと思えるように。
ところが、虎目が甦らせたいのは彼の想い人だと知り!?

作品情報

作品名
少年しのび花嫁御寮
著者
沙野風結子 
イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576210766
4.3

(57)

(30)

萌々

(19)

(5)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
15
得点
244
評価数
57
平均
4.3 / 5
神率
52.6%

レビュー投稿数15

異能だらけの忍法バトルBL、開幕

正に〝沙野風『甲⚫︎忍法帖』〟最高に面白かったです!
山風『忍法帖シリーズ』が大好きな自分にとっては胸熱すぎる〝甲賀vs伊賀〟の設定。
それでいて、大好きな【俺様攻め×健気受け】ときたもんだ。はぁーーーー堪らん。

今回のテーマは「少年」、裏テーマは「触手」らしいですが、真のテーマは【調教】だったに違いない。
精通すらしていない未成熟な少年が、虎目と言う悪い男に捕まり、あれよあれよと身体を開発されていく…
もう、ピュアな晶をこれ以上汚さないで!!!!と憤慨しつつ、もっと虐めてください虎目さま…と大興奮で二人の新婚生活をじっくり堪能しました。

抜け忍の祖父により、大切に純粋培養されてきたピュアっ子少年の主人公・晶。
彼の直向きで、裏表のない無垢な優しさに癒されます*
傲慢で俺様な虎目に反発しつつも、その男振りに惹かれていく様子が可愛かったのですが、恋心を自覚してからの晶の心情がめちゃくちゃ切ない……
自分は虎目の想い人を蘇らせるためだけの存在で、虎目の側にいられない人間なんだ…と泣く姿に思わず貰い泣き。

そんな晶の直向きさに、次第に惹かれていく虎目。
晶への想いが大きくなる一方で「想い人を裏切る」と、素直に気持ちを認められない虎目も焦れったくてしんどい……!

辛い、辛すぎるよ…けど、この切なすぎるすれ違いと両片思いを経て、無事に結ばれた2人に幸福感もひとしおです(合掌)

欲を言えば、晶を失いかけて狼狽える虎目をもっと見たかったのが正直なところ。
辛いターンに比べると甘さが若干足りないので、晶にデレデレな虎目の続編を是非ともお願いします……!

0

少年✕しのび✕花嫁=王道エンタメBL

タイトル通り、少年モノ✕花嫁Bモノかつ忍者モノで最後まで面白く読めました。
萌え的には王道なカップリングで目新しさはないものの、俺様系攻めと健気受けがお好きな方にはドンピシャだと思われます。

おおまかなストーリーは、特殊能力を持った受けがその能力を狙われ、敵対勢力のリーダーの花嫁に…というドラマチックなお話。
カラダをモノにされるとその力も転写される、ということで、精通すら未経験なウブでおぼこい受けが、無体なことを色々されちゃうのでワクワク…いえ痛ましいです。敵に捕らえられた受けが触手的なモノで陵辱されるシーンも読み応えがあり、大変ウハウハ…いや、かわいそうでした。

攻めは一見傲慢俺様系かと思いきや、話が進むにつれて、なんかデモクラシー的なアレコレを色々と考えている案外硬派な人なんだということがわかり、受けが好きになるのも理解できる。アホな私にはこういうデモクラシー的な何かはピンと来なかったが、来ないながらも、最後には攻めいいヤツじゃんと思えた。

奈良先生の表紙も挿絵もすべて美しく、話の雰囲気にベストマッチ。スマホのちっこい画面を拡大してじっくり凝視しまう。買える方は紙本で見た方がより楽しめそう。

0

詰め込みすぎ?

う~ん、ごめんなさい!
ストーリーとしては色々盛りだくさんだったんですけど、どうにも…晶と虎目の間に、いつ愛が芽生えたの?という感じで、お互いに惹かれ合うタイミングがよく分かりませんでした。
そもそも、虎目の体液を取り込めば好きになっちゃうという設定ですし、延々と陵辱されてて、それは本心からの気持ちなの?と頭の中が疑問符だらけで…

沙野先生の作品ですから陵辱展開はよくあるのですけど、それでも他作品はお互いに惹かれ合うのが判るんです。でもこれはページ数が足りないのかイマイチわからなくて…
虎目の体液の効果で好きになってるだけのようにしか見えなくて、虎目の晶に対する気持ちもかなり後の方になってからじゃないと出てこないし、今更晶に惹かれてたとか言われても、取ってつけたような感じがしてしまいました。

事件が起こってから少し展開が早すぎた感じもありますし、甦りの忍術が、亡骸はそのまま残るのに紙から出てくるということは、亡くなった者の遺体があるのに同じ人物がもう1人居る状態というのも微妙に本人という気がしなくて…
わざわざ亡骸を残す設定にする必要は無かったのでは…

受けがいたぶられる展開は沙野先生あるあるですが、晶の純真無垢すぎる設定と、虎目の体液効果で本人の意に反して好きになっていっただけのようで、なんか今回は只々晶がかわいそうでした。触手も仕掛けたのが気色悪い最悪な敵キャラのせいか気の毒感しかなく…(他作品の触手三部作は好きです)

奈良先生のイラストは素晴らしかったです。

2

よく言えばテンポの良い小説

ざっくり言うと、健気な受けにほだされる攻めというお話。起承転結テンポよくサクサク読めて、とても面白い。
この手のシュチュエーションが大好物であっさり読み終わってしまった。

以下私ごと
テンポは良かったのだが、大好物なシュチュエーションだったので、承転がもう少し細かく書かれた少し濃いめの話が読みたかった。受けと攻めが恋に堕ちるまでの経緯をもっと細かく知りたいと感じ、若干即落ち2コマ感で物足りなかった。
それさえなければ文句なしで神作品だと思う。

3

奈良画伯!

話はそれますが、江戸時代までの人は小さな歩幅で小走りをしていたんだそうです。だから普通、足袋の裏側なんて見えないのね。
で、何が言いたいのかと言えば、この本の口絵の話なんですよ。
あたしは度肝を抜かれたね、この口絵を見て。
『綿帽子姿の花嫁御料の白足袋の裏』がこんなにエロティックなものだとは!
どんな肌色よりも破壊力満載!
まだご覧になっていない方に強くお勧めします。
この口絵は是非観るべきだ。
ページを開いて、一旦びっくりして閉じてからもう一度、そーっと開いて、舐めるように観ると、寿命が延びるような気がします。
奈良画伯、素晴らしい!
私は沙野さんのファンでございますが、今作は奈良画伯の口絵に『神』評価です。

たくさんの方がレビューされておりますので、中身は感想だけを。
沙野さんも、今のご時世なので「エンタメを!」と思われたんではなかろうか、と思っております。
その心配りに感謝!
私は沙野さんが以前書かれた『つる草の封淫』が好きなのですけれども、あちらにある一種の『暗さ(私は沙野さんの持ち味のひとつだと思っております)』がなくて楽しく読めるので、沙野さんのお話をまだ読んだことの無い方が手が出しやすいと思います。
前述のように口絵がとんでもないので、未読の方は是非。

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