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若旦那様としあわせ子育て恋愛

wakadannasama to shiawase kosodate renai

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表題作若旦那様としあわせ子育て恋愛

加納基親,30歳,本家の若旦那
柳田彗,22歳,高卒で工場で働く青年

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

すでに両親も亡く、子供の頃から苦労人だった彗。社員寮での生活も落ち着いてきたと思ったら、姉が意識不明で入院。旦那と離婚協議中のため一人息子の雅裕を一時的に引き取ることになる。独身寮を出て守銭奴の親戚と暮らすことになるが、ある日地元の名士でもある本家の跡取り、基親から彗と雅裕を引き取りたいと申し出が。そこから犬神家的な豪奢な旧家で生活費も食事も心配することのない生活へと一変。そんな幸福が信じられない彗なのに、若旦那様の基親から「話し相手に」だの「もっと甘えてほしい」だのますます幸せがインフレしていってーー!?

作品情報

作品名
若旦那様としあわせ子育て恋愛
著者
松幸かほ 
イラスト
榊空也 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784344848795
3.5

(17)

(2)

萌々

(6)

(9)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
61
評価数
17
平均
3.5 / 5
神率
11.8%

レビュー投稿数7

恋愛へ進むまでに疲れてしまった

若旦那様呼び新鮮でした。本家のすごさにびっくりです。土地柄によるのかな?

トーンのあまあまを目当てに買ったのですが、読めども読めどもやってこず。
7割くらい読んでやっとこ若旦那様からアプローチが。

まーくんは良い子で可愛くて和みました。
それ以外は淡々と日々が過ぎてく描写が続いて、これBLだよね?と心配になりました。

彗の追い詰められ悲観的なところが萌えより、読んでてこちらまでいたたまれなくなり。基親は彗視点なので、良い人だとはわかるのですが、どうしてそうなった?で。
30歳とのことですが、頼れる大人な感じも特になく。

なんなら二人のエッチも恋愛も別に期待しなくなっちゃって。逆に始まりそうになったら、なんか違う…と思ってそれ以上読み進められませんでした。

やっぱり最後まで読みました。
うーん、土屋がお約束どおりな行動に出て、元親が予想通りな感じで。
エッチもあんまり甘々という感じでもなく、彗は本当に元親のこと好きなの?エッチしちゃっていいの?な感じでした。

0

欠けていた家庭の温もり

 表紙買いです。松幸かほ先生の作品は本作が初めてでした。
 前情報なしで買ったので、タイトルだけで任侠ものと勘違いして読み始めましたが、違っていたけどあながち間違ってもないかなと思わせる場面もあり、ほのぼのと不穏な空気のバランスが良かったです。
 表紙買いしただけあって、榊空也先生の挿絵はどれも素敵でした。

 彗はいい思い出がない親戚夫婦の家を出るために高卒で寮付きの職場へ就職してそれなりに自由を謳歌していましたが、伯父からの電話で半ば騙されるような形で呼び戻され、甥の雅裕の面倒を見るためだけに親戚宅暮らしを再開してしまいます。
 とまあ冒頭から彗が不憫なんですが、自分がどんなに辛い目にあおうと雅裕の安心安全を一番に考えたりと人が良すぎるので、後々基親が彗に頼られたがったり甘やかしたくなるのもただただ納得です。
 でも彗にそこまでのことができるのも、姉の朋美の存在が大きかったからでしょうね。
 親戚夫婦の世話になっていた頃は、いつか二人で暮らせることを支えにして生きていたし、朋美が土屋に見初められてしまった時も、愛はないけど裕福な土屋家に嫁げば彗が大学へ進学できるのではと考えていました。早くに両親を亡くしているからか、姉弟ともに自己犠牲の精神があって胸が痛みます。
 彗にとって朋美が家族愛を与え合える唯一の存在だったからこそ、朋美の子供である雅裕にも無償の愛を与えられたのでしょう。
 だから、これからのことを憂いていた彗が暮らす親戚宅のもとへ、彗と雅裕を迎えに来た基親が王子様のように見えました。まるでシンデレラストーリーのようです。

 基親は加納本家の次期当主というすごいお方なのに、その肩書きに胡座をかくこともなく、誠実で優しくて最初から好感が持てましたが、あまりにもできすぎた展開で、分家の血筋ですらない彗や雅裕の情報を把握していたり、二人を本家に引き取る理由も少々説得力に欠けていたのもあって、どんでん返しが起こるのではないかと心配にもなりました。
 しかし、読み進めるうちにそれらの疑問が解明されるので、序盤で読者に多少の引っ掛かりを感じさせる加減が絶妙だったなと思います。
 朋美が有利に離婚できることやDV夫の土屋への制裁のために、基親の姉の紘佳が主導で彗と雅裕を本家で保護していたのが真相だったわけですが、姉の大事な友人(朋美)のためとはいえ、妊婦の姉に代わってあそこまで全面的に協力する基親はめちゃくちゃいい弟ですよね。こちらも姉弟の仲がいいし姉思いの弟です。
 軽い認知症になっている祖母の操を混乱させないために、周囲に名前ではなくかつて伯父が呼ばれていた若旦那と呼ばせているところも優しくて、基親は人身御供と自虐していたけど、結果的には次期当主として本家暮らしになったのは正解だったと思います。 
 また、基親の振る舞いがこのお話をよりおもしろくさせていて、包容力のある言葉でドキッとさせられたかと思えば、彗に頼られないことにすねながらも逆に甘えるようなことをしたりと萌えさせられたりして、浮世離れというか天然というか、とにかく彼は父の遺伝子を強く受け継いだ魅力的な人間であることは間違いないです。年上の弟属性とか卑怯だと思います(大好きです)。
 晩酌の場面はどれもお気に入りで、基親の雑な話の振り方と彗の年相応の返しがおもしろかったです。特に彗の冗談で基親が純粋に恋愛感情だと認めてしまうところが、彗が焦って否定する反応と相まって本当に最高でした。
 脈ありと気付けばキスするし、キスしてから自分の気持ちに自覚できていない彗に手を出すつもりはないとか言うし、そんなことを言ったくせに隙あらばスキンシップをとるし、荒療治と称して彗に触ってイカせるし……。普通に手出しまくってますやん若旦那。
 そのせいで土屋からの実害があるまでは、基親を要注意人物認定していた彗がおもしろかったです。そりゃそうだ。
 でも彗の危機にはヒーローのごとく現れて、ヒールになりかねないほどに土屋をボコボコにしていました。最終的には紘佳においしいところを持っていかれた気もしますけどね。というよりも妊婦なのに危険な傷害事件現場へ出向かないでと心配になりましたが、とにかく無事で何よりです。
 その後、基親は彗から性的な意味を込めた告白をされるわけですが、両想いになったからといって満身創痍の彗を抱くことはしませんでした。しかもあの若旦那が三週間以上も我慢しましたよ。彗の怪我がほぼ治り、朋美の離婚も無事に成立したところでようやく二人は結ばれました。めでたしめでたし。

 そしてもう一人よくがんばったのが、まーくんこと雅裕です。
 この子、四歳なんですよね。わがままを言ったり甘えたりするのが当たり前の年齢なのに、ぐずりもせず、ただひたすらに聞き分けが良く、いっそのこと母を求めて泣きわめいてくれた方が彗たちは安心できるのではないかと思うほど意地らしかったです。
 あの順応性の高さは、家庭環境が悪かったせいで空気を読みすぎるようになったのでしょう。
 加納本家で無邪気にはしゃげるようになったところや、基親の祖母の操と絆を深めたり、基親や紘佳だけでなくお手伝いさんたちにもかわいがられているところは、微笑ましくなるとともに心から良かったねと思いました。
 本作はあくまでBL小説なので、蛇足だから省いたのだと思いますが、個人的には雅裕と朋美の再会シーンはあった方が良かったのではないかなと思います。母と離れても気丈に振る舞ってきた雅裕が四歳児らしくなるところが見たかったです。

 電子限定の後日談では、彗と基親と朋美と雅裕と紘佳と赤ちゃんが和気あいあいとしていました。
 その和やかな空気こそ、みんながずっと求めていた家庭の温もりなんだろうなと思います。
 今まで欠けていたものを、みんなで補い合い、幸せを感じ合える素敵な家族。これから先もずっとみんなで幸せでいてほしいです。

0

受けの姉が意識不明になってしまって……。

子育てってあるけど、途中からは大地主の若旦那様の元で暮らして、使用人達がお世話してくれるのであまり子育て感がなかったなー。

攻めである若旦那も、なんかとらえどころがないというか、あまり記憶に残りづらい……。
二人の恋愛模様よりも、受けの姉の意識は戻るのか、DV旦那とどうなるのか、離婚できるのかといったことが中心にあって、それが記憶に残っています。
あと、彼らを引き取った叔父夫婦の守銭奴ぶり。
それらについては読み終わった後も思い出せるけど、二人の恋愛で、きゃー萌える!とか、いい!!といったところがボンヤリしてて思い出せません……。

0

母は強し


早くに両親を亡くした姉弟が幸せになる道筋を見つけるまで



早くに両親を亡くした彗(受け)は現在寮暮らし。
ある日、唯一の肉親である姉が離婚を前提とした状況で事故に遭い意識不明の重体となり、甥っ子・雅裕を預かることになります。
姉のことは心配ですが、それ以上に父親に捨てられた雅裕のことを第一に考えなければなりません。
そんな彗に本家の若旦那・基親(攻め)が離れを提供してくれることになります。
まだ4歳の雅裕の面倒も皆で見てもらえる至れり尽くせりな状況に、ここを出た時のギャップを恐れるようになるくらいです。


姉は元気になるのか、姉の離婚はうまくいくのか、雅裕の事などが彗の心の大半を占めるめ、恋愛要素は薄いです。

そして、若旦那という言葉でなんとなく優秀でで包容力のある人を想像しましたが、実際には天然なのほほんとした人(優秀ではあると思われる)で、かと思ったら喧嘩が鬼強い人で、とつかみどころのない人でした。


子育てとなっていますが実際にはほとんど使用人がやってくれるので、出かける時寝る時など要所要所で面倒見るだけで、あまり子育て感はありません。
恋についてもいつのまにかって感じです。


一番存在感があったのが、基親の姉・紘佳でした。

初め本家といっても伯父夫婦の本家であって彗たちは関係がないのになぜ基親が出てきたのか不思議でした。
それも紘佳が出てきて謎が解けるのです。

すごい上品な美人で、それも身重なのに、「とう」と言いながら基親の膝裏に蹴りを入れたり、彗を傷つけられバーサーカーと化した基親を止めたりと将来の女傑といった感じです。
ただ、他の方も書いておられましたが、紘佳が最後に全部持っていったという感じがすごくて(元々裏でほぼ全て動いてくれていたため仕方ないですが)2人の印象がどうにもふんわりしていて、なんの話だったのかな問う感じになってしまったのはちょっと残念でした。

そして、守銭奴の伯父夫婦が最初しか出てこなくて、彼らが少しは反省した姿か思い通りに行かなくてがっかりする姿が見たかったです。
たしかに夫婦2人だけで人生設計していたなら、高校生と中学生というとお金がかるこどもを預かることに対しての歓迎できない伯父夫婦の気持ちも少しはわかるかなと思っていたのですが、結納金をピンハネしてるとか勝手に示談にしたり(恐らく金をもらっている)、ちょっと人道的にどうなのという人たちで気分が悪かったです。
彼らが今後彗姉弟に接触してこないと良いのですが。
もし来ても、基親姉弟が追い返すかな。特に紘佳が(笑)。

紘佳の子供が生まれたら雅裕もお兄ちゃんになっていくのでしょうね。
みんなで仲良く家族になって行けそうです。

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子育てものとは違うかな…

松幸先生の作品は「恋知らずのラプンツェル」以来でした。わたしはそちらの作品の方が好みでした。
たぶん私は執着攻めが好きなんだと思います。

なのでこちらの作品は面白かったんですが、いまいち攻めにも受けにもハマらなかったんです。彼等の互いに対する執着が見えて来なかったからかもしれません。

途中から受けの彗の姉のDV問題とかがメインになり、後半から登場した基親の姉に良いところを全て持って行かれた感じでした。でも最終的な問題解決にはスッキリしました。

攻めの基親の浮世離れした感じは良かったんですが、スパダリ感はあまりありませんでした。

彗の甥の雅裕の可愛らしさや基親の祖母との交流はホッコリしました。でも使用人がかなりいるので、タイトルの「子育て恋愛」はちょっと違うかなと思いました。

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