純情な年下ワンコ大学生×愛人なのに“ハジメテ”な健気美人

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表題作暑い夏、ぼくらは。

榊丈一郎,20歳,大学生
菜月冬真,22歳,海堂の愛人

同時収録作品暑い夏、ぼくらは。

海堂,元高校の美術教師
菜月冬真,海堂の元教え子

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • カバー下漫画(あとがき)

あらすじ

純情な年下ワンコ大学生×愛人なのに“ハジメテ”な健気美人。
恋煩シビト先生が描く、背徳と純情が交じり合う真夏の夜の夢BL!

「僕の愛人を抱いてほしいんだ」

推しアイドルへ貢ぐため、怪しい高額バイトをすることになった大学生の榊 丈一郎。
その内容は“先生”と呼ばれる男性の目の前で、彼の愛人を抱くこと。
しかもその愛人・菜月 冬真は“ハジメテ”らしい。
戸惑いつつも、妖艶な冬真に魅せられて肌を重ねる丈一郎だったが、
冬真のことを知れば知るほど、彼を好きになってしまって…
背徳感あふれる、ほろ甘い真夏の初恋物語。
いちゃラブ後日談の描き下ろしも収録。

作品情報

作品名
暑い夏、ぼくらは。
著者
恋煩シビト 
媒体
漫画(コミック)
出版社
双葉社
レーベル
comic marginal &h
発売日
電子発売日
ISBN
9784575380927
3.8

(38)

(14)

萌々

(10)

(8)

中立

(5)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
139
評価数
38
平均
3.8 / 5
神率
36.8%

レビュー投稿数8

すごく温かい愛の話

まず正直に言います。
当方シビトファンなんですが、本作は攻めの丈太郎があんまりかっこ良くないな・・・と思ってたので(下瞼は描いてほしい派)、元々買おうとは思ってませんでした。
でもあまりにも海堂先生がくっそイケメンで半額だったので迷わずポチリ。

結果、いやぁ~えがった!
海堂先生めちゃくちゃカッコええやん・・・も~それだけで元取れた。

「あの素晴らしい愛をもういちど」ではそれまでのダークな作風(闇シビトと勝手に呼んでる)とはガラッと変わり、昔のトレンディドラマのような、温かい気持ちになるような作品(白シビトと勝手に呼んでる)を描かれるようになったシビトさん。
本作にもその路線が反映されていますが、3Pでも三角関係でもないという(←海堂先生の感情は慈愛、受けの先生への感情は憧憬だったのではと個人的には感じたので)ザ・シビトワールドは健在。
でも闇シビト作品みたいなドロッドロはありません。
3人とも好感の持てるキャラで、(えろえろ要素も含みますが)すごく温かい愛の話でした。

それに攻めがかっこよく見える瞬間がちゃんと要所要所にある。
受けは常に美しい。可愛い。体格もちゃんと男でよい。

最初は「海堂センセこんなに金持ちなのおかしいやろ・・・」とも思ったけど、佐伯かよのさん著作「あき姫」を履修済みの私は「売れっ子画家はそれぐらい持っとる」ときちんと理解しますた。
でもでっかいお屋敷がバリバリの洋館なのに館内裸足で歩き回れるのはちょっとどうかと思うw

海堂先生でぜひスピンオフを!シビトせんせおねしゃす!

0

清涼感のある三角関係

 こういう三角関係は大好物なので、シビト先生の画で読めるということでテンションが上がりました。恋人ではなく飽くまで愛人関係だという海堂と冬真。いかにも長年爛れた関係を築いてきたように見えるのに、その実2人の関係はとてもプラトニックで。海堂がもっと悪どい人なのかなと予想していましたが、彼は教師時代も最後まで冬真に手を出しておらず、本当に誠実な人なんですよね。

 見た目に反して真っ新な冬真を抱くことになった丈一郎。彼もまだ20歳の学生で経験豊富ではないでしょうから、体の関係を持ってしまったら惹かれずにはいられないでしょうね。もちろん、冬真を外に連れ出した時の心から楽しそうな笑顔にも惹かれたのだろうけど。正直、最後は綺麗にまとまり過ぎたような気もしなくはないんです。海堂がもっと冬真に執着を見せたり、丈一郎が海堂をまったく気遣わずに冬真を攫ったり、という展開も想像していました。けれど、海堂も丈一郎も本当に他人に対して誠実で思いやりのある人だったんですね。最初は暗めの話を期待してしまいましたが、読み終わったらこの3人にはこの結末がやはり相応しかったのだと納得しました。

2

第4話の扉絵が好き

感動はいつも遅れてやってくるんですよ、なぜか。

恋煩シビト先生の作品って、読んだ直後はへーと思うんだけれど、しばらく経ってから突然天啓のようにズガーン!と降りてくるものがあるんですよね。なんでだろ笑?

最初は古典的な設定だなと思って読んでいました。二人の男の間でよろめく美青年(冬真)の心の動きとか、男を抱く無謀なバイトに応募するノンケ大学生(丈一郎)の軽薄さ、みたいなキャラ付けに目が行きがちでしたけど、これ、海堂先生のお話なのかも…って思ったら急に泣けてきた。

これまでのシビト的トライアングルだと、誰かが犠牲を負うような、どうにも出口が見えない曖昧エンドになりがちでした。だけど今作では、海堂先生が冬真を愛しているからこそ、丈一郎に託すんだ…って思ったら、、、じーん。

家庭でも学校生活でも孤独だった冬真は、海堂先生と出会って救われたのに、その海堂を事故に遭わせてしまった(と思い込んでいる)自責の念に駆られています。海堂は彼をモデルにして絵を描くことで擬似的に「愛し合って」いたけれど、きっと早い段階から、いつかは冬真を思い込みや罪悪感から解放してあげなければと葛藤していたような気がする。

海堂が冬真に抱いていた愛は、二人が出会ってしまった時から恋人同士のものとはちょっと次元が違ったのではないかなと感じています。もしあの事故がなかったら…。4年が経った今ではもう、過去の負い目やわだかまりが二人を結び付けている時間はすでに臨界状態にきていました。海堂は教師の立場で冬真に恋をしてしまった彼自身の罪悪感、そして冬真の望みを叶えられない自分の無力感からも解放されたかったんじゃないかと思う。

それまで海堂が冬真に抱いてきた思いは、まるで子供が独り立ちできるまで見守る親の愛情のようにも見えます。もちろん、出会った頃の恋の名残りを伴ってもいるのだけれど、、終始彼はネガティブな感情を見せないので、全て妄想ですが笑

冬真が丈一郎に惹かれていくのをしっかりと見届けた後の、海堂先生の心中はわかりません。彼が夕暮れ空を見上げた時の表情から読み取ることでしか。

丈一郎が三枚目路線を貫いてくれたお陰で、冬真だけじゃなく海堂も解放された二人の関係性はとてもポジティブで晴れやかです。そう受けとめられるのは、海堂先生の大きな愛っていう視点があってこその新境地でしょうか。『三色混ざれば黒になる』からここに辿り着いたかと思うと、じんわりと込み上げてくるものがありますね…。

お気に入りは線香花火のシーンと、射的の景品です。

ちなみにわたしの中では幸せになった丈一郎はもうどうでもよくて笑、海堂先生推しなので、シビト先生どうか彼のことをよろしくお願いします!

3

夏の終わりとともに、彼らは。

個人的に三角関係の話を読む時、愛されているひとりが、残りのふたりの間で揺れ動く心の描かれ方に焦点をあてますが、今作については海堂先生が何を考えているか、どう選択するかばかりが気になっていました。

■榊丈一郎
ドルヲタ大学生。何事にも勉強熱心。
垢抜けない地味顔だけど、閉鎖的な地元民のオバチャンすら笑顔にさせてしまう人懐っこさと明るい素直さ。

■冬真
海堂の絵のモデル兼愛人(処女)
高校時代、内向的な自分に居場所をつくってくれた海堂に心を開く。
儚げな美しさと無邪気な子どもらしさをあわせ持つ天然系美人。

■海堂
元高校の美術教師、画家。
「月収300万」のバイト立案者。
男としての想いと教師の立場の狭間で揺れている時に災難に見舞われ脚が不自由に。

自由に歩くこと、仕事をすること、愛し愛されることが、どれほど得難いものだったかを静かに実感しながら選択した結末は寂しさを伴いながらも溌剌としていて大人で素敵な人だなぁ…と思いました。
どうか、歩き出した先で唯一無二の人が見つかりますように。

■あらすじ
推し活のために応募した妖しげな高額バイトは脚の不自由な海堂から「自分の愛人(男)を抱いてほしい。
」というもので…。
裏表紙のあらすじを読んだ時は「フェチ!NTRフェチ!爛れたフェチ!」とふんすふんす(o´д`o)-3しましたが違いました←

ベッドの上だけでなく、一緒に過ごすうちにお互いに好意を抱くようかななった丈一郎と冬真は、海堂の視線のないところでも愛を交わしあいます。
屈託のない笑顔を見せるようになった冬真。
そんなふたりの様子を察した海堂が選択した答えは…

自分だけが取り残されるような寂しさを感じていた海堂先生も、翳りのない丈一郎に出会ったことでパワーをもらえていたんですよね。
一歩踏み出すことを決意する横顔の清々しさ!

変わっていく(自分が引き出しきれなかった)冬真の笑顔を絵として残すって画家ならではの愛情表現ですよね。
いろんな顔を見せて欲しいという願いは叶えられたんだなぁ。

明るい丈一郎が海堂を優先する冬真をみて表情を曇らせる場面もあり、物事の二面性が引き立てられていました!

夏祭りの楽しさを夕立が洗い流して次の新しい季節を連れてくるようなお話でした。

秋でも冬でも春でもいいので海堂先生に寄り添う季節のスピンオフが読みたい~!!

5

ハピエンかもしれないけど…

始まりは刺激的な期待を煽る感じで、ついポチってしまいました。でもどこまで読み進めてもメイン三人の誰にも共感できず、なんだかよく分かりません。
高額バイトに応募したドルオタ主人公の丈一郎は、雇い主である先生の愛人(男)を抱くことになります。で、ヤリまくって爛れた日々の中で冬真に惚れちゃうわけですが、冬真は当然ずっと先生を気にかけています。
それでも冬真が丈一郎に惹かれていくのはよく分かるんですが、これが下手な不倫なんかよりよっぽど嫌な気持ちになってしまいました。冬真の先生への気持ちの中に、先生の足を動かなくした責任感が混じってるのも一因かもしれません。
冬真と丈一郎がくっつくのは先生の思惑通りではあるんですけど、冬真の心変わりが何か軽いというか…。先生が恋人にしてくれないから優しくしてくれた丈一郎に乗り換えたように見えなくもないんですよね。丈一郎は純朴な善人だけど、鈍臭くて男としての魅力ゼロだったので、余計にそっちを選ぶんだ!?と思いました。
身を引いた先生の愛の形は辛すぎだし、ダサ男丈一郎はただのイイとこ取りだし、冬真にはもう少し先生への愛を貫いて欲しかったです。ハピエンなのに読後感の悪い作品でした。

8

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