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三角関係、ついに完結!
1巻はレビュー済。今回は残り4冊の感想です。
1巻を読んだ時は2ヶ月に1冊ペースで買って読めたらいいなと思っていたのですが、結局なんか続きを知るのが怖くて長らく積んでしまいました。
どんどん悪くなる状況。むしろ手詰まりなのは最初から。絶対メインの三人のうちの最低一人は非業の死を遂げそうだなぁーと思っていました。
そんな最悪なストーリーが進むうちに元凶のような奴だった須藤が新谷に寄せる恋心が、思いがけずに純粋で幼いことに驚きました。
それ以降は何となく須藤の幸せを願いつつもここまであくどい事をしてたら無理かなぁーと半ば諦めていました。
が、終盤の急展開から思いがけず全員更生し日なたの世界に戻れたとは。正直意外過ぎてびっくりしました。なんて力技……。
ともあれ、新谷の側には居られなくなったけどそれなりに穏やかな日々を過ごせている須藤にほんとよかったねと安堵しました。
あと、菊池が最後までひねくれなくてよかったというか、ひねくれていたのは最初だけでずっとピュア可愛くてよかったです。
ここまでシリアス、壮絶な人生を背負うキャラが何人も登場する漫画、作者さんも描くのにものすごく気合いがいるのでは、と勝手に想像してみたり。
この巻は、須藤編といってもよい内容でした。須藤は、ヤク中でヤクザの親分の愛人。新谷の妹を監禁したりととんでもない人物ですが、その生い立ち、よしつぐとの出会い、関係がここで明らかになります。
三人の人生が交錯し、お互いに惹かれあう。どの脇キャラにしてもしっかりとした設定が有り、しかしそれぞれに個性があって骨太なストーリーでした。
菊池にはかなわなかったけど、ちゃんと好きだったよ。。
あれほどひどいことをした須藤でも、芯にこんな弱くて純粋なものをかかえていたことがわかる、切ないセリフでした。
須藤が好きです。さらに言うと新谷×須藤が好きです。でもこの終わり方が好きです。いや推しカプは一緒にいて欲しいですよ?でも…個人的な意見ですが、新谷が死ぬ間際誰の顔を思い浮かべるかって聞かれたら答えは須藤だと思うんですよ。もうそれで十分なんです。逆に須藤が死ぬ間際思い浮かべるのは?って聞かれたら多分それは新谷ではないんじゃないかなって思います。(完全に私の解釈ですが…)色々な解釈があると思いますが、私の新谷×須藤カプに対する解釈は最終的にこうなりました…そしてさらに好きになりました。ここまで色々な解釈が生まれる作品は中々ないと思います、私は答えが出されないことをぐるぐる考えるのが好きなので、この作品のことが大好きです…ありがとうございました…
清々しい終わり方でした。
佐治ちゃんの泣くとこ見たいよ〜と叫んでいたら、泣くところを見る隙すらなかった。さらば佐治ちゃん。
黒髪の菊池ちゃんどちゃかわ。このベビーフェイスにもんもんが入っているというギャップ。そしてやっぱり結構でかいモノをお持ちながら使うアテのない春真くん。
それにしても田舎の実家があるって、まともな親戚がいるって大事なことだなと。子ども須藤にもまともな親戚がいれば…亜矢子の両親はどんな人だったのか。
なんだか新谷さんはまた変なの拾ってきそうだなって気がします。せいぜい動物どまりにしていただきたい。
じっくり拝読しようとあたためていました。(遅ればせながら完結おめでとうございます!)
ご自分の描きたいもの、世界観が確立していて、それらをストーリーに載せながら存分に表現できる。求められているものがわかっていらっしゃるんだなぁと作品ごとに訴えてくる。凄い作家様ですよね…。(on BLUE好き)
読み終えて、長いこと余韻と妄想に浸っていました。
なんとなくわたしは新谷の言動に注目して読んでいたみたいなので、本作に見られる他の魅力満載な部分は割愛させてもらって、新谷メインの感想で参ります笑
ストーリーの軸は三角関係といっていいのかと思いますが、はじめのうちはひとえに新谷の優柔不断——彼の中に潜む抗えない性癖——が露呈して引き摺り込まれているだけなのかと思いながら読み進めていました。
菊池も須藤も、新谷が発する情の深さ、父性のにおいに引き寄せられていき、さあ、どっちをとるの?な展開に焦らされます。
新谷は可哀想な人を放っておけない男。これって大概厄介な性癖です。同情や憐れみの落とし所が難しいのは、同情を寄せる側が可哀想な人を慰められる自分に快感を覚えている場合。新谷もそのタイプなのかと疑っていましたが…。
菊池は自分の気持ちを新谷に伝えてきており、ここにきて二人の間には感情面の取り引きが成立しているのが見て取れます。新谷にとって菊池の存在は、彼が欲しがっているものを自分があげられると実感できる相手だったのではないでしょうか。
他方の須藤は一方的に新谷を翻弄していきますが、その生き様に触れてしまった新谷は、自分の手には負えないほどの深い闇を須藤が背負っていると悟ってしまうのです。だから、自分から手を離してしまった須藤の方が菊池よりも新谷の魂に深く刻まれる存在になるのかもしれない…そこが一番罪深いところですよね。
前巻で須藤に寄り添い、彼の身になって共感し、同じ思いを共有した新谷は、おそらくそれで自分ができるかぎりのことを全うしたのだと思います。菊池を信頼していたからこそ、新谷は須藤を追いました。自分の思いのままにさせてくれる人だから菊池のもとへ戻ってこられたし、自分を信じてくれる彼とともに生きようと決意したのでしょう。心のどこかに須藤をチラつかせながら。
前巻〜最終巻で、新谷は須藤との関係性において読者視点も担ってくれていたのかなと、うっすらと感じました。須藤に肩入れしたくなってしまうドラマチックな描写・見せ場は作者様の手腕でしょう…!BL読みとしてチョロ甘なわたしはもちろん須藤派です笑
そして、本当に素晴らしく鮮やかなラストでした。切ないのに、じんわりと温かい気持ちになれるだなんて…。
序盤は新谷にあまり好感が持てなかったのですが、最終的にその新谷のダメダメで狡い部分が自分にもの凄く刺さってきて、不覚にも癒されまくってしまいました。善人ぶって散々振り回されて、体を張って、自分の力量に気付かされて…、、だけれど、それでいい、それでよかったんだよ、と。少なくとも新谷なりの優しさに触れてしまった菊池と須藤は、まさに彼のその優しさに救われたのだろうと感じられたから。
のばら先生、天才…。