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野白ぐり先生の既刊作品は拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。
個人的、各項目5段階で
しんみり 3
健気 3
エロ 2
強引 2
な感じだと思います。
狛さん×伊月さんのカプです。
受けの伊月さんは、都会での生活や人間関係に疲れて、田舎の山に引っ越してきました。山の中で、朽ちてしまった神社と片割れが崩れてしまった狛犬を見つける。そしてそこで出会った犬の耳が生えた狛さんと出会います。
攻めの狛さんは、神社の神様も片割れの吽形も居なくなってしまい、ずっと独りだったからこそ、見付けてくれた伊月さんに、私の主になれ、と言い出します。少し強引さがありますが、寂しそうな姿や意外と素直な言動が放っておけなくて、徐々に伊月さんも絆されていきます。
ちょっと不遜な態度もある狛さんですが、伊月さんが出してくれてココアを見て「泥水…?」と涙目になった後、ココアを飲んで、うまい、甘い!と尻尾を振っている姿が攻めながらめちゃくちゃ可愛くてほっこりしました。
本編以外に番外編などの描き下ろしが収録されていないので、余韻が断ち切られることがなく、本編最後の切なさと尊さと愛しさに感極まって思わず泣きました。
いつか妖になってしまうかもしれない狛さん。伊月さんへの想いから、傷付けない為に、離れようとしますが、また独りぼっちになってしまう。しかしそれを許さない伊月さん。もう独りではない、一緒に居よう、と誓い合う2人。それだけでも泣けるのに、最後の2人の行く末にまた感涙するので、是非とも読んでほしいです。
田舎暮らし、寂れた神社を舞台に描かれる切なく一心な愛情がとても素敵だったので、もう少し長く楽しみたかったなぁと思い、この評価に落ち着きました。主である神様にも、対となる存在の吽形にも去られ、1人孤独に妖となりかけていた狛の痛々しい独白には胸を打たれました。人間ではありませんから、気が遠くなるほど長い時間を共に過ごせる存在は、私たちの考えが及ばないくらい大切なものでしょう。そういう意味では普通の人間の伊月では、神様や吽形のように狛と同じ長さを生きて満たしてあげることはできません。けれど、お互い相手に対して悔いなく生きられた時、どちらかが遺されても相手の思い出と心穏やかに過ごすこともできるのでしょう。短いページ数で清々しいほど綺麗にまとめられていた物語でした。
初読み野白ぐり先生。
大好きな人外もの、
ふわっとしつつ透明感のある絵に惹かれて。
よくある神様がお相手ではなく、狛犬です。
打ち捨てられた神社でひっそりと暮らす狛(ハク)と、都会暮らしがうまくいかず、狛の暮らす山に引っ越してきた伊月と。
お互いの隙間を埋めるように距離を縮めていく様が
とても良かったです。
ココアが好きなとこもかわいい。
このままおだやかにハピエンかと思いきや!
最後、年老いた伊月を看取った後のエピソードが
出てきて不意打ちにびっくりしました涙!
そうだよね、人間だもの…
久しぶりに再読したらこんなに胸にしっとりと切なさが残る素敵なお話だったんだ…と再確認できました。
人に合わせる事に疲れてしまった伊月はおじさんの紹介で山奥の家を守る事を頼まれます。電波の悪いその家からさらに山に登ると朽ち果てた社と狛犬が1匹。自分と同じくひとりぼっちの狛犬を撫でる伊月。やがて道に迷ってしまった伊月を助けたのは他でもなあ先程の狛犬が人型になったものでした。狛犬はいきなり伊月を襲い、主人になれ……と言ってきて!?
あれよあれよという間に事に及んでしまって何が起きた?!状態でストーリーが進んで行きますが、読み進めていくと次第に伊月のコマへの想いが変化していき、一緒に住もうという決心を見れます。
最初読んだ時はどうしてコマがこんなに必死になっているのか理解出来ませんでしたが、彼の過去を知るとそうなってしまうのも仕方ないのかな…とようやく理解できました。
二人が一緒に暮らしていく、と決めてからのシーン描写がとてもエモくて切ないです。最後はネタバレになるので言及しませんが、ジーンと胸に残るラストでした。
電子白塗り
先にHUMAN LOSTを読んで、これは本編を読まねば!と手に取りました
伊月が狛と一緒にいると決めてから、伊月が狛と添い遂げて生涯を終え、狛も妖となることなく消えるまで最高の終わり方だったのですが、伊月と狛がくっついてからのラブラブな部分は少なめだったので、ぜひHUMAN LOSTを手に入れていただいてセットで読んでいただきたいです
儚げなストーリーにぐり先生の描く世界観はぴったりですが、HUMAN LOSTは18禁ということもあり、本編とは違うぐり先生を楽しめます
