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表題作STAYGOLD それから。 2

中山コウ,イベント会社勤務
日高仁,塾の講師

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • カバー下(あとがき/イラストラフ)

あらすじ

吉田さんから告白されて日高は思う。
恋人と過ごす花火大会、クリスマス、誕生日...
そんな当たり前みたいな「恋愛」をできる日が自分にも来るのだろうかと。

二人で過ごす時間がふえてきた頃、
吉田さんから祖母の見舞いにと島に誘われる。
そして同時にコウからも、イベントに来ないかとの連絡が...。
日高が選んだのは果たして...?

そして、日高との繋がりを断てずにいた
コウが出した答えとは――。

「でも本当に
お前のことが 好きだったよ」

作品情報

作品名
STAYGOLD それから。 2
著者
秀良子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
シリーズ
STAYGOLD
発売日
電子発売日
ISBN
9784396785697
4.5

(191)

(137)

萌々

(34)

(10)

中立

(9)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
31
得点
860
評価数
191
平均
4.5 / 5
神率
71.7%

レビュー投稿数31

過去に囚われる男。未来に向けて進む男。

コウと日高を応援してる身としては、あまり楽しくない内容でした。
…前半部までは。

コウは相変わらず女性関係がふわふわしてて何やってんだーって感じ。
日高の方は、吉田さんとのことを前向きに考えてみようと動き出し始めました。


それぞれの時間軸で物語が動いていて、コウと日高の接点は終盤までありません。コウはコウの生活を、日高は日高の生活を送る中で、たまに過去のことを思い出してはお互いがそれぞれの日々を過ごしています。


ここで何に気付くのかと言うと、コウの時計の針は止まっていて、日高のそれは動いているということです。コウは過去に、日高は未来に意識が向いています。


日高は吉田さんとの未来を考え始めるようになっていきました。
吉田さんの日高へのアプローチが熱烈ですごい。彼は日高の反応に一喜一憂したり、無邪気で感情豊かな人。コウと対照的な人物像を当ててきたのは作者さんの敢えての意図なんでしょうか。なかなか面白いです。

吉田さんは積極的ではあるけど、日高への恋心や本気度は未知数。ゲイじゃないけど、でも日高を好きというのは確かで、男同士のことも色々と調べたり向き合っています。日高が吉田さんとのことを真剣に考えられたのは、彼のそうした熱い気持ちを感じられたところが大きいと思います。

でも、吉田さんの背景に見え隠れする大事な家族、仕事、島での生活が、吉田さんの思いと同じ方向を向いてくれるとは限りません。
男同士の恋愛が抱えるリスクを知っている日高だからこそ、吉田さんと共に進む未来に慎重にもなるし真剣にもなる。日高の苦悩がすごく伝わってきました。


一方で、コウは日高との過去に思いを馳せていて何が正解だったのかを探し回っているように見受けられました。
コウの恋愛ってサラッとしてるというか、執着しない引きずらないイメージがあるんですけど、こうして日高とのことはずっと考え続けているのって、日高がコウにとって特別な存在だからなんですよね。

コウは色々と考えている段階です。これまでの異性との恋愛と比べたり、自分の中での日高の存在を確認したり。
コウの中のパズルのピースがなかなかハマらなくて、違和感だらけの日高への感情の原因と模索をずっとしてきた彼が、行き着いたその答えはなんだったのでしょう。

わざわざ日高を追って島にまで会いに来てその思いを伝えたというのに、日高にはうまく伝わっていないのが何とも残念…(苦笑)ですが、ここから物語が大きく動いていきそうでめっちゃドキドキしました。

日高に会えてコウの表情が明るくなったように感じました。コウの止まっていた時間もやっと動き始めたみたいで良かったです。


日高は今までたくさんの恋愛を諦めてきたと思います。いや、諦めざるをえなかったって言うのが正しいかな。
もうこれ以上日高の涙を見たくはありません。次に流すのは嬉し涙であって欲しい。心から幸せに包まれた日高の笑顔が早く見たいです。


次巻は、吉田さんのことにしてもコウとのことにしても大事な局面に入っていきそう。読み終わった瞬間から続きが気になって仕方ありません。

24

最高。

あー。
読後感、まずこの一言に尽きる。

先生、大好きですー!

何なの、これ。
もう「最高」しか出てこない。
どれだけ言葉を重ねてレビューを書いても、この作品の素晴らしさは書ききれない気がする。

ずっとコウのことが好きで。
身体を重ねて、でもその恋心が成就することはなくて。
そして赴いた先で自分を好いてくれる吉田さんと出会って。

という、前巻からの続きから。
吉田さんからの熱烈な求愛に戸惑いながらも、それでも自分にまっすぐ愛を伝えてくれる吉田さんに絆されていく。でも、今までの経験からその次の一歩が踏み出せない。ゲイではない吉田さんを、信じ切ることができないから。

感情をあらわにすることのない日高くんが見せる、葛藤と切なさが胸に迫ってくる。

そしてコウも。
仕事上の先輩(女性)と良い感じになっていく、その過程が実にリアルです。
仕事上のトラブルを共に切り抜け、共に過ごす長い時間の中で抱いていく、上司への信頼とほのかな下心。

2人の心情がめちゃくちゃリアルで、この「平凡な日常」を上手に切り取るその手腕はさすが秀良子さんならではか。友達からいきなり恋人にはなれないし、ノンケさんが男に恋しろと言われても…、という、昨今の出逢ってすぐに恋してエッチして、という展開の速いBL作品とは一線を画す作品です。

正直に言ってしまうと、吉田さん、モブ感がすごくて。
いやいや、日高くんの恋人にはなれないんじゃない?
と思っていてごめんなさい。

日高くんに会うために服を何着も買っちゃったり、喜ぶことをしてあげたいと思ったり、彼のすべては日高くんのためにある。そんな彼に、少しずつ絆されていく日高くんの感情も手に取るようにわかる。

からの、急展開。
しかも、誰にも悪気がないだけにしんどい。
そこに、相手を想う愛情があるからとわかるだけに、日高くんの哀しみはどれほどだったのかと思うと胸が痛い。

コウなんか捨てちゃえ、と、私は思うわけですよ。
コウなんかよりいい男はいっぱいいるよと日高くんに言いたい。

が、それが恋なんだろうなあ…。
最後の終わり方がまた良い。こんなん、続きが気になるにきまってる。はよ続きを…!

正直日高くんと吉田さんがあれほどいい感じになるとは思ってなかったんですよね。コウとは正反対の(見た目も中身も)男性なので。

コウへの想いは恋に「堕ちちゃった」。
吉田さんには「ほだされた」。
のかな?と思ったりしました。だからコウとのことを振り切るまでには時間がかかったし、吉田さんは自分の意志で彼のもとから去ることを決意できたのではないかと。

いままで日高くんはそれなりの付き合いをしてきたのだろうと。
身体だけの、それだけと割り切っただけの。
そんな中で、コウへの愛情は明らかに一線を画しているわけで、二人が再会した今、これからどんな展開を見せるのか気になる。

でもなー、コウには何かしらの天罰が下ってほしいよね。
日高くんをあれだけ振り回したからね。
と思いつつ、でも願うのは日高くんの幸せだけなんだよな。悔しいことに、日高くんを幸せにできるのもまた、コウしかいない気もするし。

2巻完結だった(予定)とのことなので、次巻で完結なのかな。
早く続きが読みたいです。

16

3巻への布石

何でこんなにも色々な立場の人の気持ちを描けるのか。
登場人物たちの心理がどれも分かり過ぎて苦しい。

きっと、ゲイの日高はコウが男だから好きになったのだと思う。
けれど女の子としか恋愛してこなかったコウが、性別関係なく日高が大事だと言った。
だからこその、「俺のほうがよっぽどお前のこと好きじゃね?」なのだと思う。

揺れ動く心が切なくも愛おしく、ここから始まるかもしれない恋を期待せずにはいられない。
今回も吉田さんは痛々しく、ごめんだけど半退場でホッとした。

(それから。を読む前に、絶対に『STAY GOLD』を読んで欲しいです。)

15

まだ続きます

読みましたよ。読みました。
こんなにカバー下に同意しながらもそんな自分を否定したい漫画あるかいなと。これでさ、BL漫画らしく吉田もとい吉田さんがキラッキラのビジュアルしてたらどうよ?吉田×日高に揺らぐ人ももう何割かは増えたんじゃなかろうか。それがね、少なくとも自分は花火大会のあたりで「え?いやいやまさかね…でも…え?」と、期待しているものの供給がないことに怯えたりしたもんです。そんな自分の感覚が恐ろしくなったりもしたもんです。でも娯楽として読んでんだからそれでもいいじゃんとも思う。げに恐ろしや。嫌いと言い切れる方がよほど清々しい。1巻のカバー下の先生のご意見とおり、失恋で終わる話でも全然構わないはずだったのに、こうなれば貪欲。
コウがいる場所に留まらない日高を2巻連続で見せつけられている。文字通り飛んできたコウすら置いていける日高に成長を見る。成長だよな?モノローグから、投げやりではないと信じたい。
吉田さんは日高の友達で、吉田さんの気持ちに応えたい日高は、吉田さんのことが…まぁ好きだったよなぁ。
相変わらず秀良子先生は生きてる人間を描いてくれますね。

追記:コウという存在がいなくなった日高って恐ろしいほど冷静というか、人生においての冒険しなさが出てる。いや、一度心折られた人間が石橋を叩いている様子なのか。
吉田さんの「俺 まだ結婚とか考えてない」もな…まだか…「しない」とか「日高といたい」とかじゃなくて、まだ…か…

15

わかるようで分からない二人の形にどうして良いか

さすが、さすが、派手じゃないのにドラマチック。神作品だ。

白黒つかないコウの感情がわかるような分からないような…苦しんでいるのは日高だけじゃないんだよねって気付かされる気がしました。ただ、今後この二人がどう転ぶかが分からない、コウの言っていることもわかるようでやっぱり分からない。日高が求めている関係とコウが求めている(求めている?模索している?)関係に折り合いがつくのかが分からない。

吉田さんは吉田さんは…うん。こんな芋兄ちゃんの手をとらざるをえない(言い方ごめん)日高の気持ちが正直可哀想というか。
ヤキモキの後のこの展開も神が勝っていたなあ。
これが真のBL漫画だと思います。

12

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