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表題作タッチ・ミー・アゲイン

遠田、10年来のくされ縁
押切、7年前が忘れられないへたれ

同時収録作品息をとめて、

芥 且己(あくたまさき)、デザイナー
佐方 巧(さかたたくみ)、紙会社社員

同時収録作品ヘヴィ・シュガーの嫌がらせ

(名前無し)黒髪短髪
(名前無し)ケンスケと別れたばかりの男

同時収録作品Candied Lemon Peel

英介、女装でバーに勤務、高校の同級生
井堂 檸檬

同時収録作品nuotatore nel cantero!

岸本、翻訳家
久世、岸本の13年来の友人

同時収録作品スターズ☆スピカ☆スペクトル

木路(きじ)
尾坂、同じゼミ所属、事故死している

同時収録作品うしめし

(名前無し)ヘタレ男
(名前無し)メガネ男

その他の収録作品

  • touch IT again,again,again & again
  • I cannot breathe without U
  • lemon crush, bitter & sour
  • ☆スピカのスはスジョウユのス☆
  • postscript

あらすじ

7年前、お前は俺を抱いた。でもそれっきり俺たちは、あの夜を忘れた『親友』の振りをし続けている…。近くにいるからこそ相手の本心がわからない迷路。でも触って、見て、ぶつけてほしい。あらゆる欲望が混在するその想いは、言葉にしたら「愛」なんだろう?特別な想いを込めた短編集。

作品情報

作品名
タッチ・ミー・アゲイン
著者
ヤマシタトモコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックス~BE×BOYCOMICS~
発売日
ISBN
9784862633316
3.9

(69)

(30)

萌々

(17)

(14)

中立

(6)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
23
得点
266
評価数
69
平均
3.9 / 5
神率
43.5%

レビュー投稿数23

表題作をずっと読みたい短編集

表題作が中編、その他に短編が5つ収録されていました。
中編と言っても1話ずつが短いので、短編と言ってもいいかも。
巻末にそれぞれの描き下ろしがついてます。

「タッチ・ミー・アゲイン」(4話)萌2
10年来の友人。7年前に一度だけ…。
何かと小説家の遠田の世話を焼く、フォトスタジオに勤務する押切。
お互いに7年前のことを忘れたフリをしながら、相手が本当に忘れているのか、忘れられないのは自分だけなのか、自問自答しつつ表には出さない、絶妙な駆け引き!
計算し尽くされた構成に酔いしれていたら、あとがきに「何も考えずに描き始めてしまって…」と書いてありました。びっくりです。
「登場人物が勝手に動き出す」という話を耳にしますが、ヤマシタさんの登場人物も生み出された瞬間から自由に動き出して、ヤマシタさんを困らせてそうなイメージが浮かびました。
言葉選びがすごくカッコイイ。モノローグ、最高です。

「息を止めて」萌
デザイナーの芥と紙販売をしている佐方。
真っ直ぐにぶつけられる思いをするりと躱しつつも、別の人間への執着を見せつけるずるいひとの話でした。
佐方が小さい頃から弟のように思って来た恒夫の存在がキーになっています。
自分を慕ってくれる恒夫に嫌われたくないという思いは、「嫌われたくない」という言葉を使うと「恋愛?」と思ってしまうけれど、がっかりされたくないと同意なのかな。家族に見放されたくないみたいな。
そこと恋愛感情の線引きを絶妙に曖昧にする戦法がさすがです。
芥の告白シーンは、説得するような真摯な言葉がガンガン胸にも頭にも刺さって、まるで自分が告白されているかのような臨場感を味わえます。

「ヘヴィシュガーの嫌がらせ」萌
ずっと好きな相手が「男」と別れたと知ったら…。
結構重い問題だと思うんです、これ。
自分は男だからって理由で気持ちを伝えずに来たのに、サクッと男と付き合ってんじゃねーか!!って八つ当たりしたい気持ちと、「何で自分じゃないんだ!」っていう悔しい気持ちと、いろいろごちゃ混ぜになるんだろうな、と。
そこを重さを出さずに、ライトにクールに描き上げた作品でした。

「Candied lemon peel」萌
梶井基次郎ファンの父親に名付けられた名前が大嫌いな主人公と、高1のときの自己紹介で唯一笑わなかったことからずっと親友の英介(女装家のゲイ)。
他の人から見たら「些細なこと」も本人には死活問題。
ずっと信じてた相手まで…、となったら、悲しいどころの話じゃないのになあと思って読み進めると、怒涛の展開が待ってます。

「nuotatore del cantero!」萌
13年来の友人に告白して4日。
返事を待つ時間の長さ、止まらない不安と期待と後悔。
ラストでは、こういうときって全然違う相手だったりするんだよなあって思いつつ、真相は藪の中…。

「スターズスピカスペクトル」萌
死んだ知人の霊が部屋に居座って4日、という話。
伝えられなかった思いとか、もう届かない気持ちとか、そういう努力しても二度とどうしようもできないことを読むのはつらくてなあ…、と思っていたら、想像よりもずっと難解な方向へ進んで行きました。
何が難解かを説明しよいとすると完全ネタバレになってしまうので、気になる方は読んで難解さを実感してみてください。
難解、ですよね?

1

ずるくてもけっして嫌いにはなれない

◆タッチ・ミー・アゲイン(表題作)
 冒頭からがっつり心を掴んでくれた表題作でした。最初、遠田が突然押切を叩くシーンがあったので、暴力を振るうクズ系の攻めか?と若干構えましたが、読み進めていくとちょっと過剰な愛情表現として受け入れられる程度のものでした。互いに7年前の勢い余った一夜を忘れた振りをして振舞っている2人。どちらが先に音を上げるのかなと思っていたら、意外にも遠田の方からで。普段は強気でも、やはりそこは惚れた弱みですかね。7年前と同様拒もうとするも、気持ちを見透かされ遠田に逃げ道を塞がれる押切に萌えました。

◆息をとめて、
 好きな人以外に清々しいほど素っ気ない芥のキャラクター性が面白かったです。ビジュアルは可愛い系で、自分でもその自覚はあり。でも、どんな場面でも動揺せず図太く行動できる人かと思いきや、佐方の言動には結構気持ちを振り回されていて、ずっと淡々としているわけでもないんです。佐方がどんなに狡くても嫌いにはなれない芥。これも惚れた弱みですよね。自分の欲求を堂々と口にできるところには笑っちゃいました。

◆Candied Lemon Peel
 自分の名前に激しくコンプレックスを抱いている檸檬と、女装も様になっているゲイの英介。檸檬ががっつり男の容姿をしているのに、それに似つかない名前1つでいろんな悩みを抱えているのが可哀想だけど、愛おしくて。唯一その悩みを打ち明けられている英介は、檸檬にとって既に相当特別な存在ですよね。最後は英介の方から気持ちを明かしてくれて、やはり檸檬が抱かれる側になったのにすごく萌えました。

1

珠玉の短編集

最近は非BL作品が多いヤマシタトモコ先生。もちろん好きです。モノローグで進行する作風で、ハマる人は全作品外さないと思う。

◾︎表題作
遠田(作家)×押切(カメラマンアシスタント)
ストーリー:高校から10年来の友人の2人は、7年前に一度だけセックスをした。2人とも何食わぬ顔で友人を続けているが…
10年てあっという間ですね。この本が出たのもう10年以上前ですからね。題字からビシバシ時代を感じる。こう、ゆるゆると時間が経ってしまったのだということに説得力が増す10年。作品の中であっという間に4週間経ったりするし。
高校の時の2人の髪型が全然違うのもまたいい。

同時収録作もどれも好きです。ほんと、久々に読み返したらどれもこれも好きで感動してる。
ヤマシタトモコ先生の、自分が大好きで自分が1番で、でも何かを求めてて自信がなかったりするキャラクター達が好きです。

1

力みのないエッジィさ

短編集。

「タッチ・ミー・アゲイン」
7年前一線を越えたことのある腐れ縁の友人と、再びの。
7年間の付かず離れずが、4週間の不在であっけなく均衡を崩す。回り道したね。
もー早く告白すればよかったのに!ってのは外野の戯言。

「息をとめて、」
ゲイの好意をそらしたりかわしたり、ずるいノンケ。しかも罪悪感まで抱いて。
ヤマシタ作品のゲイxノンケってすごく独特な推移でくっつくと思う。くっつくっていう言い方が正しいかわからないけど、ノンケがほだされるでもなく、あきらめるのでもなく、怖がりながらちゃんと相手を好きになって恋に進んでいく感じが独特。

「ヘヴィ・シュガーの嫌がらせ」
友人が狩りに転じる瞬間なのだと思う。サディストが優しいんだというのはなんかわかる気がする。
この2人、これから砂糖もミルクもいっぱいの恋に進むんだ。

「Candied Lemon Peel」
キラキラネームがコンプレックスの「檸檬」くん。
唯一自然に捉えてくれたオネエの友人に陰で笑われたと思って傷つくが、実は彼の恋心を知ってて受け流していることでずっと傷つけていた…その均衡が破られるお話。

「nuotatore nel cantero!」
13年来の友人に衝動的に告白してしまった男の、絶望と希望の時間。誰からなのかわからないメールと着信に、爆発しそうな心臓。

「スターズ☆スピカ☆スペクトル」
これねー…読んだ時びっくりしました。はじめは意味がわからなくて。次に、この発想なんなの?と思って。よく思いつくなあ…
冒頭は幽霊話。部屋に事故死した大して親しくもなかった男の幽霊が「いる」。話はできないが、なぜ自分の部屋に出たのか思い当たる事があって…
まず姿、そして遅れて声、思念は時間と空間を裂いて、遠い星の彼方に飛び去る。

「うしめし」
2人の初夜は、攻め攻め攻防でちょっとモメ。だけど朝は来る。恥ずかしくて嬉しくてハラも減るのだ。

巻末は、「タッチ・ミー〜」「息をとめて、」「Candied〜」「スターズ☆〜」の描き下ろしと、あとがき的に作者様ご自身の作品解説です。


どの話もかなり好きです。特に好きなのは何と言っても「スターズ☆スピカ☆スペクトル」ですね。
宇宙の暗い空間に、死んだ尾坂の姿が漂いかすれた声が遠く響く…そんな風景が見えて、怖いような淋しいような。地球からいくら呼んでももう遅い。そんな後悔。

1

ヤマシタさんのBLモノ

ヤマシタさんのBLモノの中で一番好きな本です。
短編集の表題作良いです。
元同級生ノンケ同士熟成7年モノです。最高か。
日常的な暴力(文字にすると酷い!)とか窓から出入りとかコミュニケーションが雑なのが男友だち感あってグッときます。
作中の時間が遷移するとともに髪が伸びるのも趣ある。
収録作の「うらめし」も好きでした。
ガラ悪い、目つき悪い受け愛おしいです。

8ページでかるーいのにしっかりBLしてて短編の中の短編って感じのが多いので、空いた時間にサクッとBL堪能できる素晴らしい本です!

3

短編の素晴らしさよ!

どれも素晴らしい短編ばかりですが、特に好きなものの感想を…

「タッチ・ミー・アゲイン」
8ページとは思えないほど物語として美しくまとまった表題作です。
暴力男の遠田と優しい押切。
DVとかSMとかでなく、つい手が出てしまう、の延長みたいな男と慣れてるけど傷つく、という構図が友情と恋愛の境目があやふやなままきてしまった二人の関係性みたいだな、と思いました。
CDがだめ、ということではなく、漫画であるから成立するバランスみたいなものがあると思います。

「息をとめて、」
繊細で下品で可愛い天才の芥さんと、ずるい男の佐方さんの話。
応えない佐方さんずるいな〜!と思うのですが、その態度もわからなくもないといいますか。厚意を示されたからってきっぱり関係性を決められるわけ無いよな、と思います。
芥さんは一途で一途でずるいずるいと言いながらも佐方さんを思い続ける姿勢に、下品だとかいう感想も吹き飛びます…いや、でもちょっと露骨…。報われてほしい人です。
おまけで恒夫を交えてぎゃんぎゃんやってる三人が可愛いです。要約するとこんな感じの話、っていう。
この話がたまらなく好きです。

「スターズ・スピカ・スペクトル」
過去を悔いたままの木路と声のでない?幽霊の尾阪の話です。
もう戻れないからこその切なさが詰まってます。
漫画はモノクロなのですが、特にこの話はモノトーンな雰囲気で、ただ、ラストに声が通じるところはきらきらして見えました。
木路は沢山後悔して反省して、良い人に出会うなりなんなりしてほしいです。

ヤマシタ先生は何かのインタビューで決まったフレーズがあると作りやすい、という趣旨の話をなさってましたが、この本は特に印象深いフレーズがいっぱいあったな、と思います。

3

2ミリの距離

私はこの頃のヤマシタ作品がとても好きです。じゃあ今はダメなのかって、そういうわけではなく、良い意味で厨二感漂う雰囲気がたまらなく好きなんです。
彗星のごとくシュルーッと現れ、私の心にヤマシタトモコ旋風を巻き起こした感覚が今なお強く残っております。やる気のなさそうな目、だいたいのキャラが気だるそうで、どこにも恋愛が始まる要素が薄そうな…体もひょろひょろだし、ちゃんと抱けるのか!?と疑問になったり。でもそのあたりをくるっとひっくるめて、この一冊は好きなんです。

[タッチ・ミー・アゲイン]
もう一度触られればわかってしまう、もう一度触られてしまえばこの曖昧な関係は終わってしまう、もう一度触られれば変わってしまう、それでももう一度触られたい触りたい変えたい変えたくないでも変わりたい。
7年もの間、腐れ縁のように続けてきた薄い皮一枚に包まれた微妙な友人関係の終止符を打つお話です。目を見開いて、「今日まで なんのために」と戦慄いた押切がとても良い。
なにごともなかったかのように過ごしていたかったわけではなく、それぞれの心にくすぶるものがあるからこそ過ごせることができた7年間を、無にしなくて良かったと思います。こういうギリギリのラインで立つボーイズラブの話はとても好きです。

[息をとめて、]
(個人的に)ヤマシタ作品の醍醐味であるひょろっとして薄らヒゲのあるキャラのお話は美味しいですね。
これまた攻めが可愛らしい顔であるのもまた良いんです。ギャップですね。粘着質な要素が隠し切れないのも好き。
佐方さんは要はズルい部類だと思います。誰しも、魅力ある人に好かれるのは嫌な気はしません。そして嫌われるよりも好かれる方がよっぽど良い。芥が言った「好かれている安心感」はとてもよくわかります。ホッとします。誰かしらに必要とされている事実が、心を落ち着かせるひとつの要素になりますから。
だからこそ、恒夫の怒りもまた然り。なにより芥を敬愛しているからこその怒りであり、佐方を知るからこその憤怒ですもの。
初エッチが玄関口という雰囲気のない勢い任せなスタートも、芥の焦りと喜びを感じられて好きです。佐方だって、芥の素晴らしさを知っているから戸惑いもあったろうに、受け止めることを決意するのも好意ゆえでしょう。
息が止まるほどのね!

[ヘヴィー・シュガーの嫌がらせ]
佐々木のルックスがたいへん好みです。(断言)
言わせたいけど、言わせない♪ という様子がもう、きっと夜は言葉攻めなんだろうなと片鱗を感じさせます。そこを妄想するのがとても楽しい。

[Candied Lemon Peel]
レモン汁のワードを出したかったがためと伺い、もう妙な想像しかできません。
自らのコンプレックスを受け止めてもらえると、その相手のことをとても信頼できますよね。ああ、この人は笑わないんだ、この人は気にしないんだ。そう思ったときに、友情も愛情も生まれると感じます。
れっちゃんにとっては英介がそれで、英介はれっちゃんに一目ぼれで。いいふたりです。
描き下ろしの内容で、はじめてにしてはえらくハードな情事のようだとわかりましたが(笑)これから変態英介に赤玉出るまで抱いてもらえる頃にはきっと、自分の名前も悪いもんじゃないなとれっちゃんは思うんじゃないかな。

[ヌオタトーレ・ネル・カンテロ]
追いつめられて追いつめて。ほんとうは怖かったけれど、期待もしたくて。
あの電話が久世からのものでありますように。そして返事は岸本にとって幸せなものでありますように。

[スターズ スピカ スペクトル]
このお話がいっとう好きです。ヤマシタ作品の奥底に漂う侘しさともの悲しさを集約したようなこの雰囲気!
もう取り戻せない時間と、叶えられない思いが混ざり合っているのに、ただ寂しいだけでなくキラキラとした想い出に変えられそうな予感がします。きっと、尾坂が消えたときに描かれている星屑のような効果も、そう思わせるひとつの要因なのでしょう。
声が合わさらず気が付かれていないのだと、四日間うつむいてポツポツと語っていた尾坂を思うと悲しいのですが、それでも最期に伝えられたことでついに成仏してしまったのかなと考えます。木路にとって、残酷にさえ思えるほど鮮烈な記憶になるでしょう。
木路がしでかした悪ふざけはおふざけの範疇を超えたもので、同時に尾坂を傷つけたことに違いはないと思います。でも、彼はそれをも受け止めたうえで、木路のことが好きだったんだなぁ……
来世では共に在りますように。

[うしめし]
うし、飯でも食うか ってことでしょうか?
突然の好意で行為でしたのに順応性が高くて!(笑)なるほど、愛!

短編集ですので、お話の余韻を味わうほどではありませんがヤマシタ先生らしさ(時折のどろどろ感、そして虚しさ、味のあるコミカルなコマ)を感じられる一冊だと思います。

8

台詞のセンスのよさに脱帽!


――「殴るよりもっとひどいことがしたいんだ」

表題作でのある一場面にて。
殴るよりもっとひどいこと?
殴るよりもっとひどいことってなに?
なになに?
…と思わずにやけてしまいました(笑)
その他にも些細な一言にきゅんきゅん、萌え萌え、あるいは切なく、心がぶんぶんと振り回される作品です。

そして【息をとめて、】。
ヤマシタトモコ先生の作品は、受けっこがどうしようもなく可愛いと(わたしの中で)評判なのですが、この作品は攻めもかわいい!かわいい!!
天才デザイナーの童顔攻めくん、ストレートに卑猥な言葉を吐くわ、ストレートに告白するわ…「だって好きだもん!!」の破壊力は抜群です。
必死な二人にがんばれ、がんばれ、と心の中で応援できるこの作品が、息がとまるほど好きです!

その他にも個性があ…りすぎる(笑)作品がつまった一冊。
一話一話の内容がとっても濃ゆいので、読了後はふう…と一息吐いて再び反芻したくなります。
ううん…さすがヤマシタトモコ先生!

4

気が付きゃ頻繁に読み返してるwww

『タッチ・ミー・アゲイン』
お互い思い合っているはずなのに、関係が壊れてしまうのが怖くて踏み出せない2人がもどかしくてせつない!
押切と遠田それぞれの目線で物語が進んでいくのが、より2人の感情が分かって切なさが増しました。
ヤマシタさんの作品はモノローグがすごく素敵だけど、特にこの作品のモノローグは心に響くものが多かったです。

『息をとめて、』
時々ヤマシタ作品に登場する変態攻め(笑)
でもその変態も佐方さんを好きが故のもの。
だから佐方さんも受け入れてるんだろうなぁ……
グイグイいきながらも、実際耳真っ赤にして照れてる芥さんが可愛かったです。

『へヴィ・シュガーの嫌がらせ』
いやー短い!(笑)
しかしヤマシタさんの本当の意味で短い短編大好きです。
短かすぎて受けの名前すら出てこなかったけど(笑)
さあのサディスティック発言に慌ててる受け可愛かったです。
この短いのによくこんなキャラとストーリー立つよなぁ……
さすがです(脱帽)

『Candied Lemon Peel』
この話めっちゃ好きだわー!
オカマの英介めちゃかっこいいー。
いつも冗談みたいに「愛してる」を言う英介の切なそうな顔にきゅんときました。
オカマの「赤玉出るまで抱いてやる」発言にここまで威力があるとは思いませんでしたよ。悶え死ぬかと思いました。
ちなみに出しすぎて赤玉出るっていうのに医学的根拠はないとテレビで見ました(笑)

『nuotatore nel cantero!』
これまた超絶短い短編でした。
これこそその後が気になるのに描き下ろしがない……だと……
しかし期待を持たせて終わるところが、我らも大いに妄想を掻き立てられますね。
全然違う相手からの着信だったらおもろいなwとか一瞬思った私を今すぐ殺して下さい。

『スターズスピカスペクトル』
この話もせつなくてすごく好きです。
タイミングって大切だよなぁ……
2人の関係もそうだし、会話が成立しなかったこともそうだし……
描き下ろしのおちゃめな尾坂くんが可愛すぎました。
シリアスの描き下ろしにギャグ持ってきても本編が死なないところがヤマシタさんのすごいところだと思います(笑)

『うしめし』
ただただ可愛いだけのカップルだなぁ……とほのぼのします。
どんな作品でも”事後”の何でもない会話とか好きなので、これは俺得でしかなかった。
2人が自分の言ってる意味に気付いて同時に顔を真っ赤にするところが可愛すぎました。
ごちそうさまです。


『うしめし』以外の描き下ろしの感想は本編何作品かのその後のお話なので割愛します。




2

息がとまりそう

特別物凄く前に感じる画風だなぁと思ったら、表題作は2006年!
6年前の作品となったらやはり違いますよね。

この頃のヤマシタトモコさんの雰囲気や男性の表情が大好きです。
こう、カゲのあるような、絶対的暗さがある感じがして、救いようのない何かを抱えているような空気すら感じます。

表題作の他、【息をとめて、】【へヴィ・シュガーの嫌がらせ】【Candied Lemon Peel】【nuotatore nel cantero!】【スターズ☆スピカ☆スペクトル】【うしめし】。
描き下ろしとして、【touch IT again,again,again&again】【I cannot breath without U】【lemon crush,bitter&sour】【スピカのスはスジョウユのス】【postscript】が収録されています。
こうして見ると物凄くボリューム満点なのですが、サラリと読めてしまう為か、いい意味でも悪い意味でも厚みを感じません。

その中でも、特に好きな4作を。


――【タッチ・ミー・アゲイン】【touch IT again,again,again&again】――
遠田はいつだって押切に甘えているのだと思う。
だからこそ声より表情より先に手が出て殴れる。文句を言っても押切は抗わない。
だって押切は自分を好きだから。俺から離れるなんてしない。
そう高を括っているのだと思う。
けれど、二人でツルみだしてから初めて、4週間もの間連絡が取れなくなる。
押切は俺を捨てるのか。いよいよ捨てるのか。捨てないで。
いつだって押切に甘えていたのに、この不安の中でも尚彼に甘えたくなる。

きっと押切は器用じゃない。
遠田とあれ以来何も無かったかのように接してはいたけれど、彼に触れられた肌も熱も、重ねられた口のネンマクも指で触られたネンマクも、何もかも忘れられなくて、気持ちだけをずっと押し殺してきた。
器用じゃない故に溢れだしてしまう感情。
それを器用に掬い取っていたのが遠田で、ぶつけられて、拒否する理由が無くて。

触りたくて触れない、短いようで長い7年の時間は、あの一瞬にして埋められたんじゃないかと思う。


――【息をとめて、】――
「あんたがずるくなかったことなんてないじゃない」。
芥の心の叫びがとてつもなく印象的に残っています。
芥が恋い焦がれる佐方は、これみよがしに選択権を芥に委ねる。
どれだけ好きだと言っても自ら拒否してきた癖に、幼馴染の恒夫に核心を突かれ、自分の本心を芥にぶちまけ、そして、その言葉。
心底好きだから優しく佐方を抱きたい。そう思っても、触りたくて抱きたくて願っても叶わないと思って居た事が目の前で起きている芥の心臓は今にも壊れそうで。
ひゅっと息を吸い込んで、少し黙ってようやく吐き出せる。
二人の緊張感に、自分も息を飲んでしまいました。


――【ヘヴィ・シュガーの嫌がらせ】――
仲の良かった男が実は男と付き合っていて、しかも別れた事を聞いた主人公。
静かでクールに喋っているけれど、心底燃え滾るような思いを抱えているんだろうなと思う位の嫌がらせ。
きっとその友達も、ずっと主人公の男を好きだったのだろうと思う。
ぶつける事の出来ない思いを燻らせながら他の男に流される。
そして今、ようやく2人の気持ちが重なり合わさりそうで――という所で、おわり♪
うん、コーヒーはトコトン甘目でお願いします!


――【Candied Lemon Peel】【lemon crush,bitter&sour】――
いかつい顔付の男・井堂 檸檬(イドウ・レモン)と、高校の同級生で今も仲良しなゲイでオカマで女装が似合う英介のお話。
いやー、檸檬くんなんて可愛くて萌える。しかもいかついと来たもんだ。ギャップ萌え。
しかも、英介が「れっちゃん」って呼ぶのにも悶えました。可愛過ぎ。
……その、「可愛い」が地雷なんですよね。
絶対的なトラウマを自身の名前のせいで抱えているけれど、英介だけは笑わなかった。
そして居心地が良くてずっと一緒に居る――英介は自分を好きだけれど、それをも無視して、というのがれっちゃん。
それよりずっと上手なのが英介。
れっちゃんの気持ちの機微をちゃんと捉えられてるんだろうなと思える程、好感度の高い人です。
と。でも。
実はものっそいドS!!!何ですかあの路地裏の鬼畜顔はっ!!
ヤバイ、英介に惚れた(笑)
そしてその後の【lemon crush,bitter&sour】で、英介のド変態ドSっぷりが見れます。
ダメだ、あの描き下ろしは笑えたw


全てにおいて、密やかで熱く、呼吸をするのも難しいような恋心が表現されています。
あの繊細な気持ちは、何度も味わえるものではないのだろうと実感しました。

2

好きだ 息がとまるほど


息をとめて について書きたくてレビュー。

ほんと息が止まるかと思った。
夢中でかわいい。好きで好きで。
ヤマシタ先生のモノローグ豊富な、詩的な言葉選びがすごくすきです。
合わないひとも多いでしょうが・・・
好みだから仕方ないですよね。

好き嫌いが別れる1冊であるのは間違いないw

1

実は萌評価は・・・

ドラマCDを聴きたくて前作の漫画を読んでみた、という状況なんですが、この本で一番キュンとしたのが「スターズ☆スピカ☆スペクトル」でした。
こういう切なさ、私大好きです。^-^
萌評価にしたのは、実はこの作品への評価が大きい。表題作や「Candied Lemon Peel」は楽しめたのですが、他の作品は中立評価といったところかな。

攻めと受けが私が思っていたのとは違った方だったりしたのが、不意打ちを食らったみたいでよかった。

1

良くも悪くも詩的な感じ

すごく雰囲気と空気感のある作品ばかりなんだけれど、なぜか入り込みにくさを感じるのはなぜだろう。
全体的に説明をとっぱらっていっそ詩的な感じの表現が多いからだろうか。

ほとんどの作品で予想した受攻が逆でいっそおもしろかった。ごつい受は嫌いじゃないよ。

「キャンディ・レモン・ピール」のごついロンゲオカマ攻めはうっかりちょっと萌えた。書き下ろしのど変態っぷりが楽しいです。がんばれれっちゃん。

0

コメント


明楽を中井さんにつられて、ドラマCDを通して原作を読んでしまったので、
いまいちテンポがしっくりこず、面白さが感じられなかったので
CD化されていない(当時)このタイトルをよみました。

まず全体的にすごいポエミーだな!とびっくりしたのですが、
受け攻めがなんやかんやとツボで、突っ込みどころは多々あれど、
やっぱり受けと攻めがツボなこともあり、
スピカのお話には涙したこともあり、
次も買うかおう!と思いながら作品解説を読むと、

だめだ。
完全に気持ちがなえました。

ところどころにBLをバカにしている感じが多数。
かっこつけちゃってる感が何とも痛々しく。
読後感が最悪でした。

檸檬ちゃんが可愛いだけに残念でならない、さーがカッコいいだけにざn(ry

作品に好感が持てていたし好みのCPが多かっただけにホント残念。
BGMがより痛々しさを増しています。

読むなら作品コメントは読まないことをオススメします。

0

あえて上げるなら2つ目のお話


レビューなどで結構評判がいいので読んでみました。が、私には合わない絵柄で、内容も…うーん微妙…って感じでした。
受けが、あるときを境にあっさり落ちすぎです。
今まで散々嫌がったり、ホモじゃないからと否定してたのにあっさり落ちすぎな気がします。

それから何より絵が綺麗とはとても言えなくて、私には苦手でした。
内容もいまいちでした。
…って、いいとこなし…?汗

…表題作が一番面白くなかったなと思ってしまいました。
あえて言うなら2つ目の作品がちょっとおもしろかったです。
攻めが少し自分勝手で、イラッときたりしたけど…。

あと、おかまちゃんが出てくる話や、死ネタ(!?)もありました。
死ネタ(ってよくわからないのだけど)は、読んだあと、少しだけ怖くなりました。幽霊とか苦手な方は読まないほうがいいかもしれません。
基本的に一度っ切り読むのならまぁまぁ楽しいと思います。
でも何回も繰り返し読みたくはなりません。

エロ度は中くらいです。それ目的では読めないと思います。絵も崩れ気味ですしね。

2

買って失敗したな、と思った。

いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのヤマシタトモコの第二作です。

ストーリーはわるくないけど、絵は苦手、セリフはもっと苦手。
基本がポエムなんですよね。どうも相性が悪い。文学的といえば聞こえはいいですが、どことなく、かっこよく決めてやろうという陶酔感が透けて見えて、気分が悪くなりました。あとがきも、話ごとに解説とBGM紹介をしているのですが、コメントがなぁ……つくづく相性が悪い。

ヤマシタはレディースコミック誌の YOU(集英社)に男女物を載せるなど、追い風にのっているところです。別に BL でなくてもいいんだな、と思います。もっとも、YOU は「ごくせん」と「夫が男に恋をした」を同時に掲載するような雑誌ですが。

私はこれを読んだだけですが、思うところあって、どちらかといえばアンチ・ヤマシタになりました。

「5月9日生まれだから、ゴ(5)ック(9)ンの日、とおぼえてください」、これは覚えやすいと思う。

3

萌えきれない

評判のよい作家さんみたいで、期待して読んだんですが、私的には「う~ん」
決してハズレではないんですが、受けちゃん以上に私が振り回されちゃったかな?
初めて読んだ方だったから、作風に慣れてないのかもしれませんが。


キャラとか設定とか、どのお話も違っているんですが、好きなんだけど素直に気持ちが言えず、ついつい攻めさまが気持ちを確認する前に暴走しちゃう?ってところは、共通していたような気がします。
しかも、ドSスイッチが入っちゃった!って攻めさまがたくさん。
あ~、わかった。
ジリジリさせる受けちゃんにキレそうになっちゃったわけだ、私が。
攻めさまだけに振り回されてたんじゃなくて、受けちゃんにも振り回されてたんだ。
だから気持ちが乗る前に、疲れちゃったのかもしれません。

3

ヤマシタさんの描く泣き顔が好き

実は、先にドラマCDの方を聴き始めたんですが
わりとモノローグが多めの淡々とした作りだったので
先に原作を読んだ方がいいかな、と思って
ドラマCDを中断して原作を読みました。

どの作品も、絶妙のサジ加減で
日常と非日常を織り交ぜてあって
しかも、ラストもみなまで言わない所はヤマシタさんらしいところ。

そんな中でも、表題作の「タッチ・ミー・アゲイン」(これだけはドラマCDを既に聴きました)
2人の7年間の想いがモノローグで語られてて
タイトルどおり、2人が再びお互いに触れたがってたのに触れられないのが
もどかしくて焦れました。
遠田がいつも窓を開けっぱなしにしてた理由。
最後に「嘘」って言ってたけど、あれが本当の理由なんだろうなぁ。。。

あと、印象深かったのが「ヌオタトーレ・ネル・カンテロ」。
かなり短いお話でしたが、終わり方が絶妙で
その後のお話を妄想させてくれましたw

そして「スターズ・スピーク・スペクトレ」。
完全にファンタジーなんですが、これが泣けた!
尾坂が木路から聞きたかった言葉が聞けて
彼は昇華していったんでしょうか。。。それとも心残りだったのかな。。。

どの作品をとっても、ある意味リアルでナマナマしい。
でもそこがヤマシタさんの魅力なんでしょうね。
そして、みんなよく泣くよね^^;
それもまた萌えるんですけどw

そんな宝物がギッシリ詰まった1冊でした^^

さあ、これでやっとドラマCDが聴ける~♪

1

ヤラれた感でいっぱい

【タッチミーアゲイン】
10年つきあってる友人同士。
7年前に交わすはずの言葉を交わさず身体を交わして
あとは、だんまり。
言えなかった言葉を言うべき言葉を百万回と百万一回繰り返すっていう話。
もっかい俺に触ってよ!っていう話。
もぉ、ゴツくてクールなイケメンが、ぐるぐると恋心を押し殺してる感じが
すげぇ萌えますvラストよかったなぁ。

【息をとめて、】
有名デザイナー×紙屋
ゲイで攻めがガツガツとノンケを口説くんだけども
この攻めが、また乙女でさー。
カラスグチで線とか引く瞬間、息止めるのが恋に落ちる瞬間に似てるとかv
もぉー、カラスグチ引っ張り出して100回くらい線引いてみようかと
マジで思いましたwww

【へヴィ・シュガーの嫌がらせ】
「サディストとゆーのは愛に積極的で優しいんだよ」←とかっ!
「いじめた後に慰めるのがいちばん楽しいんだから」←とかっ!
ちょっと目からうろこでした。

【Candied Lemon Peel】
檸檬というキュートな名前がキーワードのお話。
攻めが女装のゲイで、バリタチで、変態で、いろいろびっくり。
セックスシーンは、描き下ろしで巻末に入ってるんだけども
はじめての夜があれってどうよwww

【nuotatore nel cantero!】
ヤマシタさんて携帯の話多いですよね?
好きな人からの連絡が欲しいのに
待ってて来ないと嫌だし、そこに携帯があるのがもう耐えられないから
ぶっ壊す!という感情すごいよね。俺なんかフル充電で待ってるタイプだけど。
いや自分に自信があるというより、Mなんだと思うw

【スターズ☆スピカ☆スペクタル】
幽霊の話。
自分の部屋に4日前に死んだ友達の幽霊が立ってる。
口ぱくぱくするのに、声が聞こえないの。
ラスト声が遅れて届いて、最後追いつきます。
スピカっちゅー星が、どんだけ離れてるかってことだ!
音速<光速

【うしめし】
タイトルの意味はラストで。
はじめての朝、ベッドの中に好きな人がいる幸せとかぬくもりとか。
そしておなかも減るv

んー。どれも好きだけど【息をとめて、】かなv
乙女でエロエロな攻めが非常に良かったですv
ヤマシタさんの誕生日はゴ(5)ック(9)ンとか
もう一生忘れられないのかと思うとヤラれた感でいっぱいw

4

切ないものからオカマ攻めまで多種多様!

収録作品全部が好き!
表題作「タッチミーアゲイン」は、7年前に1度だけ関係をも二人が、お互い恋心を抱きながらも何もなかった振りして友人関係を続けていく話。
お互い今の関係を壊したいと思いつつも、一歩を踏み出せずにいる。
もどかしいけど、その気持ちよくわかりますよね。
切ないけれど、キュンキュンしちゃいます。
「もう一度おれにふれて そうすれば これを最後の恋にするのに」は名台詞!!
キューーーーーーーン!!!!

「息をとめて、」もコレまた受けも攻めも可愛いんだー!
可愛い顔した年上・芥さんは受けに見とれつつ「あの顔にぶっかけたいわー」なんてつぶやく変態さんだし、
爽やかなヒゲの年下・坂田さんはそんな芥さんのことが(変態なとこも含めて)可愛いなんて思っちゃう心の広いお方。
30前後のいい大人が二人、顔を真っ赤にしてハァハァ息切らしてムラムラしてるのがたまらん!!
ごちそうさまっす!

そして実は一番お気に入りかもしれないオカマ攻めと、いかつい外見に対し「れもん」という可愛い名前をもった『れっちゃん』の話。
オカマの英介のドSスイッチが入った姿が…!!すごいな!!
「一秒でも早くおまえのことめちゃくちゃにしてぇ」って!!!オカマの姿で!!笑
れっちゃん可愛いよー哀れだなーまさか受けだとは!!
この話かなりお気に入り!!いいなぁオカマ攻め!!

スピカの話は切なすぎて泣けます。
一度だけ強引に関係をもった相手が、死んだあと自分の部屋に現れるという話。
ある意味ホラーだけど、すごい泣けます。
これは、うんホント、ぜひ読んでほしいです。

一冊にいろんなジャンルが入ってて、やーほんとヤマシタトモコさんは天才だなー
何描いても面白い!てんこもりな一冊です!

8

萌えは進化する。理由などない、そこに結果があるだけだ。

最近ヤマシタトモコさんの作品が妙に面白くて、BLにハマった初期に読んで合わなかった『くいもの処明楽』を読み返してみたんですが、改めて読むと、めちゃくちゃ面白かった…なんだこの変化は。
そこでこのタイトルです。

萌えは進化する。理由などない、そこに結果があるだけだ。

今でもじゅうぶん萌えたぎってるので、もうちょい退化してくれないと自分で自分が恐ろしいんですが…w

短編集です。
短い短編がいっぱい入ってます。
エスプリを感じさせるようなオシャレな会話やモノローグ。作中では語られない過去を色々と予想(妄想)してしまう、行間にニュアンスのあるストーリー。
まるで噛めば噛むほど味が出てくるスルメのような作品たちでした。
『スターズ☆スピカ☆スペクトル』なんて、ちょっと泣いてしまったyo
良短編集でした。

3

忘れられない夜

短編集。個人的な好みでは表題作が一番好きです。
一度だけ肌を合わせた7年前の夜を、ずっと忘れられないのに、
忘れたフリをして、友達関係を続ける二人。

相手への思いが胸の内には溢れているのに、それを伝えない。
決定的な言葉を伝えて二人の関係が変化するのを恐れているんですね。
ずっと長く側にいる為に、
あえて気持ちを言わない(本当はお互い、判っているのに)。
この不器用で臆病な男達はなんでしょうか?
切なくてもどかしくて、胸がキュンキュンしてしまいました。

2

伝えれないもどかしさ

ビーボーイコミックスよりヤマシタトモコさんの「タッチ・ミー・アゲイン」です。
「くいものどころ 明楽」がかなり評判良かったのでいろいろかって読んでみました、私は「くいものどころ 明楽」よりこっちのコミックのほうが断然好き。
やっぱり出版社のカラーって内容に影響するんですかね~?

いくつかの作品が集まっている短編集なので色々なカップルが登場しますが表題作にもなっている「タッチ・ミー・アゲイン」の二人の話が一番好きかな?
7年前に身体だけ繋げて、本当の気持ちはお互いの胸の内に秘めたまま。身体を繋げた事も忘れたフリをして親友と言う立場だけずっと維持しつつ付き合い続けてきた二人。

お互いに相手の肝心の気持ちを聞く事が出来ないもどかしく曖昧な関係なのに、全てを断ち切ってまではっきりとした気持ちを聞く事がなかなか出来ないのですよね~
そんな二人の関係がじれったくって、もどかしくて切なくて、それでいて妙に愛しい…。

そういう気持ちがもっとぎゅっと濃縮されたのがこの本に掲載されているお話の1つである「スターズ☆スピカ☆スペクトル」なのかなぁ
このお話は切ないです、ちょっと泣けちゃいます。
もう少し早くにお互いの気持ち言えていたらもっと良かったのにね…。

この方のお話は絵を見ただけではどっちが攻めなのか受けなのか判断がつきづらいところが高坂的には気に入ってます。
受け受けしい攻め、そのギャップ好きよ。

そんでもって若干S入ってるんですよね~どの攻め様も(笑)
愛あるいじめっ子…そういうのかなり好き♪

4

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