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いつかお前を飼い馴らしたい
スモーキーネクターのスピンオフ作品、悪戯で人を死なせ、反省することなく、さらなる事件を起こしたことで本家から放逐されることになったバイターの蔵持桜次郎がメインのお話です。
スモーキーネクターの2人と、ドメスティックビーストの2人、どちらも片方がバイター、ですが、正反対、裏と表、でした。
同じ地域の同じ社会に属するバイターである2人、同じような特殊性を持っており、同じように名家の子息でありつつ、本人の性格や特性、家族や周囲の人、育て方でまるで違ってしまった2人の差異が非常にはっきり、残酷なまでに明確に表されていました。
桜次郎は育ち方も関係していますが、元からの性質が歪んでいたと思います。
育ち方、周囲の人たちの接し方、いろんな要因があったと思いますが、それでも、その歪んだ性格、言動を助長させていったのは紛れもなく、桜次郎本人のはずです。
そこがアンナとは大きく異なるところでした。
本家から放逐されることになった桜次郎の管理、監督をすることになったのは蔵持家の分家長男の大庭壱真。
四角四面という印象の青年でしたが、傍若無人にふるまい、命をも狙いかねない桜次郎の前で、彼だけに別の顔を見せるようになります。
壱真の鍛え抜かれた体と社会的にも信頼を得ている正しい人、という印象の裏、底、奥に蓄え続けたどろどろとした情熱と執着心を恐ろしく感じました。
壱真の過去、目的、そして覚悟・・・
まっすぐで四角四面のようで、桜次郎以上に歪んでいるのは壱真なのかもしれません。
ただ2人の歪み方はまるで違って、お互いをがっつり見はっているけれど、その目的も温度も違います。
家から名前を消され、存在しないことにされながら、共生する、運命を共にすることを決めた2人。
2人だけの閉ざされた世界に暮らしているのに、2人とも制御装置をつけたままお互いを求めて体を交わらせている様子が、なんとも苦しく切なく感じました。
両想いだけれど、ハッピーエンドではない、そんなラストでした。
共生契約は事実上の究極共依存。
スモーキーの2人は前向き、開かれているのに対し、本作お2人はお互いだけを見て他を見ていない、閉ざされているし、閉ざしています。
繁殖期の時の2組の過ごし方のあまりの差に鳥肌が立つほどの寒気を覚えました。
同時に、今シリーズの世界の広さと深さに、改めて感銘を受けました。
バイターの数が少ないこの社会で、2人のバイターが男性を選び子孫を残さないことになった、その後のお話をもっともっと読みたくなりました。
吸血鬼BL「スモーキーネクター」のスピンオフなので、そちらと続編を読んだ直後に読破。
タイトルの beast はあくまで「獣」。
beasts だと「獣類」と言う意味で、これだけでは「猛獣」という意味にはなりませんから、この作品にも合っていると思いました。
(domestic:家庭(内)の)
幼馴染同士でもある、「受けの監督者、壱真(いっしん)x前作で問題を起こした吸血鬼、桜(よう)次郎」。
スピンオフ元とは内容・雰囲気がガラリと変わって、まるで猛獣のような受けを飼いならす黒髪のスパダリ。
前作で身勝手な理由で○人も犯した受けには正直不快感しかなく、法の裁きも受けずにのうのうと大邸宅で暮らしていたのはかなりモヤりました。
でも本作では罰としていろいろと制限を設けられてたので、一応読者としても納得できました。
ちゃんと「猛」の部分は取れるんだ、と。
攻めの執着、それは果たして愛なの?と疑問もあったけど、ここまでの問題児を受けにしてスピンオフを作るにはやはりこのくらいのアクの強いキャラが必要かぁと実感しましたし、読み終わると
「愛がなきゃ執着だけであんな覚悟はお互いできないよな」
と腑に落ちました。
前作も良かったけど、本作もこれはこれで。
キュン2キャッキャいちゃラブをお求めの方には不向きですが、たまにはこういうのもいいなぁと思いました。
作画は相変わらず全ページ美麗で言うことないです。大満足。
てかやっぱり私が利用してる電書サイト、修正激甘いな?!(意訳:ありがとう)
最終話の「看取るまで~」のシーン、二人の穏やかな表情を多くの人に見ていただきたいです。
それに おふろえいち が!短いシーンだけど!イイ!(うるさい
最強に面白くて個人的大ヒットだった『スモーキーネクター』『スモーキーネクター Renew』のスピンオフ作品がこちら、『ドメスティックビースト』です。
『スモーキーネクター Renew』がパーフェクトな続編だとすれば、『ドメスティックビースト』はパーフェクトなスピンオフだと言って間違いありません。
まずタイトルからしてお洒落すぎます。
domestic という語が含む “家庭内” の意味。
そこからは、蔵持家と分家に関わるバイターの処遇、また兄弟間の関係性などを含んだ今作のテーマがよく伺えます。
かつ “飼い慣らされた” という意味も持つ domestic。このダブルミーニングにしてやられました。
『スモーキーネクター』でも問題児として登場した桜次郎を躾け飼い慣らすことができるとしたら、それは一体どんな人間なのでしょうか。
それはもう、期待に胸を膨らませつつ読み始めました。
そして登場してくださった大庭家の壱真くん。
攻めが「はい、攻めです!」という顔で登場してくださることの尊さに思わず拝んでしまいそうになります。
p38ではもういきなりクライマックス来るじゃん…!!とテンションが爆上がりしました。
優越感と征服欲をはらんだ表情で受けを見下ろすこの角度!攻めの本性が出現した瞬間はまさにスタンディングオベーションでした。
ミナヅキ先生も壱真くんも読者を裏切らない。観客の湧かせ方をよくご存知です。
そこから何がどうなって互いに情が動くに至るのか?その途上で起こる展開が面白すぎるのは言うまでもありません。
ヤバい男にはヤバい男を。
ヤバい男達の行き着く先をこんなにも楽しめる日が来るとは。
最高に最高な作品でした。
まずスモーキーネクターを読んだ当初このヒールっぽいサブキャラの子かわいいな……と思っていたらまさかのスピンオフで登場してることを知り動転しました。
絵が綺麗なことはさながら、ストーリーもハラハラドキドキ他にない展開で進んでいきめちゃくちゃ面白かったです。新しい扉を開けました笑
個人的には本編では掴みどころがなく不穏に見えたお兄ちゃんが掘り下げられていたのが嬉しかったです。3人の関係が尊い………。
本編が大前提ですが、こちらの作品の方が個人的には好みでした。続編なさそうな終わり方でしたがまた是非二人を見させてください……!!!
スモーキーネクターを先に読んだ方が作品の内容がより分かって楽しめたかも?という感じは否めませんが、バイターという稀有な存在でありながら問題行動を起こした桜次郎を持て余していた蔵持家に管理を申し出た壱真は初めて見た時から桜次郎を飼い慣らしたいと虎視眈々と狙っていた‥。
始めは静かに威厳を持って接する壱真ですが桜次郎の荒ぶれっぷりは抑制器で何とかなっているだけ。さらに規定を逸した抑制器の設定で桜次郎の不満は爆発。
そんな2人の関係に桜次郎が発情期を迎え変化が起こる。
いや、コレどんな結末で収まるのって思ったけどいいハピエンでした。
管理され腫れ物を扱うように大人に囲まれて育った桜次郎が、過去も含めてありのままの自分を丸ごと認めて生涯を看取る覚悟だと抱きしめられて、やっと求めていたものを手にした桜次郎。
ミナヅキアキラ先生のストーリーの結末は読んだ後、優しい余韻に浸れるので好きです。
