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表題作覇王の愛する歌い鳥

ハイダル
オルニス国国王,32歳
アルエット
フウル族の鳥人,18歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

気持ちがいいと お前は声も甘くなる

美しい歌声と容姿で人々を魅了する鳥人のアルエットは、故郷を滅ぼしたハイダル王の暗殺を企てる。
歌娼として王宮に入り、夜伽の最中にハイダルの命を狙おうとするが、事情を知った彼に止められ、真の仇は別にいたことを知らされるアルエット。
後宮で過ごす中、ハイダルの威厳のある王としての一面とは別に、自分を抱くときの優しさに触れ、しだいに心惹かれはじめて――。

作品情報

作品名
覇王の愛する歌い鳥
著者
葵居ゆゆ 
イラスト
羽純ハナ 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784866577135
3.4

(24)

(6)

萌々

(5)

(9)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
10
得点
79
評価数
24
平均
3.4 / 5
神率
25%

レビュー投稿数10

鳥人良かったー

たった今読み終えて、激萌えだったのに。
他の方のレビューの厳しさに…泣。

ちるちるさんのレビューを見るたびに、人の性癖はそれぞれね、と思い知らされる。。

私は初めての鳥人。良かった。
表紙見て、顔の横の羽根は飾りなのかと思っていたけど、体毛だったのね。
羽耳と尾羽ってのが、個人的に萌えた。

途中は確かに、かなり苦しかった。
けど。葵居ゆゆ先生だから。受けは不憫でなんぼ。そして、攻めはいつも酷い。

でも、ちゃんとハッピーエンドだから。それを信じて。苦しければ苦しいほど、幸せは大きいのですよ。

口絵のシーン、かなーり萌えました。
(ここ、まだ幸せ期です)

で、セッッで最奥まで攻めていただけるのも、好きなところです。。

6

苦く苦しい展開を乗り越えたその先に、甘さが。

受けの故郷を滅ぼした仇であるハイダル王 × 健気不憫な鳥人受け、アルエット。
実際には故郷を滅ぼしたのはハイダル(攻め)ではないと後に判明するのですが。

意外と歳の差のある二人(攻め32歳、受け18歳)の、受け→攻めへの暗殺未遂から始まるお話です。

や〜、鳥人アルエットに萌え!可愛い…
ぴこっと動く羽耳や桃色の尾羽、想像して萌えました◎

そして鳥人、鳥の一族には気に入ったものを大事にとっておくという習慣があるのです。
子供の頃に大切にしていた人形や、初恋の人との思い出の品など…素敵。そして可愛い!

食べ物の場合は「貯食」といって、出された食料を一気に食べず、貯めておくんですね。
王宮で出されたパンや葡萄を部屋の片隅に貯めようととっておくアルエットの姿が可愛くて、萌えました。
で、そのせっせと貯めたパンや葡萄が、時間が経って乾いてしなびちゃってるんですね。

それを見つけたハイダルが「こんなに乾いたものは食べられないから、かわりに貯めておけるものを用意しよう」と言いながら耳キス。
そこから始まる夜伽に、も、も、萌えが広がる・:*+.

このハイダルという攻めがね、ちょっとこう、いまいち分かりにくいから…甘さが足りないかなあと思うところはあります。
優しさを見せたり、厳しく冷たいと感じる言葉で突き放す素振りを見せたりですね。(ちゃんと理由あり)
自分の気持ちにも鈍感で…

アルエットの気持ちが完全にハイダルに傾いていて、こちらも応援する気持ちになってしまっているだけに、二人のすれ違いがもどかしく感じるというか。
溺愛甘々ストーリーが読みたい!という方にはちょっとうーんと思えてしまうかも。

でもでも、ミルクチョコではなくともビターチョコレートにはビターの良さがあって…苦いからこそ、甘さ際立つというかですね。

ハイダルもハイダルならアルエットはアルエットで、事情があるとはいえ世間知らずでちょっと空回りしちゃう抜けてる子で、ちょっとずつ足りない二人が最後の最後には…!!というところに、個人的に萌えが広がりました。

あと、国と国の間の諍い、陰謀が細かく練られていて、ラブ以外の面でも、ストーリーとして面白かった!

そうそう、王宮の使奴、狐獣人のオームも個人的にお気に入りキャラでした〜

ハイダル自身も気付いていなかった恋心に気付き、アルエットに「応援しますよ」と声をかけてくれる、優しく頼もしい存在でしたね〜グッジョブ◎

葵居ゆゆ先生の作品は溺愛甘々の獣人Dom/Subが初めてでこちらがまだ2作目なので、他の作品もこれから色々読んでみようと思います。他作品にも期待☺︎

2

これぞ葵居先生の世界観!

葵居先生の表現による、砂漠の世界、不遇の受けちゃん、強い立場の攻め様…
嫌いなわけがない設定!これぞ葵居先生!という世界観です。
BL(特にファンタジー系)の作品にはある程度お決まりの流れがあって、それが猛烈に欲しくなるとき、いくつか同じような世界観の作品読ませていただくということがあるのですが…少し読み始めて「止まらない!」「これ好き!」ってなる作品は実は少ないです。「読みたかったのこれだ!」と思う作品との出会いって、本当に貴重ですが、今回はまさに当たり!の作品。葵居先生もあとがきで書いていらっしゃいましたが、砂漠の設定、そして受けであるアルエットちゃんの鳥人設定〜♡これが本当に素晴らしくて、表現の美しさ、優美さ、情景の書き込み方など、うっとりする設定が次々と登場して、寝るのも惜しんで拝読しました(本当に止められなかったです)。
BL読みさんには、1つや2つ(もっとかな)好きな設定ってあると思うのですが、そういった中でも葵居先生の描く世界観はいつもとても素敵で感激します。また私にとってBLは肉体の快楽だけが中心ではないので(詳細はなくても大丈夫な読者です)そこに至る設定、ストーリー、登場人物の魅力、状況などの表現がお上手な先生の作品には本当に引き込まれてしまいます。今回の作品は鳥人という設定であったので、羽耳の表現や尾の表現は特に楽しめました!
少し気になった点があるならば、アルエットの弟のユーエは人として掴みきれない部分があって、読んでいて気になりました(あまり好きな設定ではなかったのかもしれません)もう少しすっきりと愛される設定であっても良かった気がします。少し不穏な感じがする人物設定は次作への布石なのでしょうか。気になるところです。
それとイラストが大好きな羽純ハナ先生でしたが、表紙はあまり感じなかったのですが挿絵のハイダルが若く見えすぎて(童顔?)30すぎという設定のわりには少年のように見えてしまっていたので、次作(きっとあるって信じてます)では大人の男性の魅力を感じたい!と思っています。
止められない素敵なお話をありがとうございました!次はジャダーロの恋のお話でしょうか…また是非拝読したいです。

1

優しい鳥人と覇王の出会い

今回は周辺国を次々と併合する覇王と
攻様に滅ぼされたフラウ国の鳥人のお話です。

故郷を滅ぼされて不遇な生き方を強いられた受様が
攻様の傍らに幸せを見出すまで。

この世界では人間の他に様々な獣人が暮らしています。
大国に挟まれた小国フウルの鳥人である受様は
7年前に大国オルニスよって国を滅ぼされます。

受様と弟は旅商の親方に拾われ命は長らえますが
受様は体で奉仕する歌娼として生きる事となります。

受様は弟のたるに必死に働きますが
親方からオルニス国王への貢ものとして王宮入りし
王の暗殺を命じられるのです。

受様は暗殺が成功しても失敗しても死しかありませんが
受様はたった一人の弟だけには生きて欲しいと
国王を弑することに同意します。

この国王こそが今回の攻様です♪
攻様は受様には落ち着きある威厳を感じさせ
噂のような苛烈で恐ろしい人には見えません。

果たして受様に攻様を殺める事などできるのか!?

他国の併合で自国を大国にした攻様と
攻様に故郷を滅ぼされて歌娼に落ちた受様の
もふもふファンタジーになります♪

鳥人の獣人設定に惹かれて読み始めましたが
あらすじがほぼあっていないかったです。

私はもふもふ系が好きなので
どちらの設定でも美味しく頂けますが
あらすじ購入は危険ですのでご注意ください。

攻様は他国を征服して強大になった武国の覇王であり
そんな攻様にいっかいの歌娼が勝てるはずがないのは
火を見るよりも明らかなのですが

攻様に一矢も報いる事ができずに受様はそのまま尋問され
攻様は受様の事情と背後の黒幕を悟られ
受様はそのまま王宮に留め置かれることになります。

受様は攻様の真意がわからず
かなりグルグルすることになりますが

年の離れた弟を大切にし、民をも思い、
自分に刃を向けた者の未来すら守ろうとする
攻様に惹かれていくのを止められません。

攻様を弑そうとした受様をよく思わない王宮の使用人の義憤
オルニスの繁栄を妬むバラーキートの王子の浅慮
大国同士の争乱を画策する旅商の親方の策略

国同士の争乱に巻き込まれていく受様には
王である攻様のの望む姿は見えず、自らの死で周りの人々を
救おうとする姿は痛々しく自己犠牲が過ぎ!! と思いましたが

それはもう不憫受の鉄板展開ですので
受様が攻様の手を取って幸せが確約される幕引きまで
とても楽しく読ませて頂きました ヾ(≧▽≦)ノ

羽澄先生の鳥人のイラストが美麗で麗しく
とても良かったです。

3

不憫で健気な主人公が頑張るお話が好きな方は、ご一読あれ

ふぅーー…読んでて苦しかった…
不憫受けが好みの方にはハマる作品かなと思います。

故郷を焼かれ、両親を失い、弟と共に奴隷のような生活を余儀なくされ、夜は男たちの相手をさせられる…っていう美しい鳥人が主人公。健気で不器用で、そして大事な人たちを身一つで守ろうとする姿が涙をそそるお話です。


鳥人フウル族のアルエットが、大国オルニスの王・ハイダルを暗殺する目的で王宮にやってきたことからストーリーが始まります。
アルエットを保護する商人に騙されての暗殺計画が未遂に終わると、事情を汲み取ったハイダルからの提案で後宮で生活する流れへGO。ささやかでほんのり甘い日々を送ることになります。


ハイダルは国民のため善政を行う王で、共に過ごすうちにアルエットは惹かれていく…っていうのは、まあ予想通りの流れ。中盤くらいまでは甘い雰囲気が流れ、このまま恋愛モードへと一気に加速するかと思われましたが、事は簡単には運びません。期待させておいて一気に下げるこの作品のアメとムチは、本当に心臓に悪い…

故郷を失ったアルエットの強いられてきた境遇に胸を痛め、ハイダルと出会ってこれから幸せになりそうだぜ(ムフフ)…って思ったら変な方向に向かうわ、敵に拐われてピンチになるわで、感情のアップダウンが激しいことこの上なし。
中盤以降は2人の言葉と想いが噛み合わず、ムズムズイライラしちゃって、ずっとスッキリしませんでした。

ハイダルは自分の気持ちに気付けっての!
アルエットは当てつけみたいなことを言うなっての!

以上、現場からの感想です。


アルエットがね、頑張り屋さんで弟思いなんですけど、行動が報われないっていうか、空回りしちゃうタイプで安心して見てらんないんですよ。(弟を心配する割に、弟の方が考え方も行動もしっかりしています)
事態をややこしくしてるのはアルエット自身のような気がしなくもないです。
素直で真っ直ぐで優しく健気で他者思い。そんな性格なのに、どっか抜けててハラハラします。

ハイダルもハイダルで、王の立場で思うところは多々あるのでしょう。期待させる行動をとっておきながら突き放すとか、こっちも別の意味でハラハラ。どちらにも感情移入出来なくてスンッとなりました。
(かえって冷静になって読めたのは良かったかも)


物語の全体的なまとまりとしては面白いと思いました。面白いけど、自分の好きな話かって言うと…そこはハーフハーフ。最後は大円団に終わったものの、アルエットの悲惨さを軸に話が成立しているストーリーは、アルエットに掛けられたドッキリみたいな感じでした。
そして最後はハイダルによる"ネタバラシ"。随分と駆け足で、しかも長尺のセリフをペラペラと話すから言い訳っぽく見えたのがちょっと残念でした。

アルエットの幸せを期待していた私としては、ハイダルをちょっと懲らしめてやって良いくらいです。でも簡単に許しちゃうんだよねー…良い子だから。


トータルでいうと、シンデレラストーリーな話で、フィナーレの読後感は最高です。ただ、ハイダルとアルエットの恋愛物語ってよりは、アルエットの物語って印象でした。
ハイダル視点からも、特にアルエットを突き放した後の心情などが丁寧に描かれていたらまた違った風に見えたのかも知れません。

5

この作品が収納されている本棚

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