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小説
半グレとして元の世界で死んだはずの礼夜は、自分と同じ顔をした王子フレイに召喚されて別世界へ。ヴィダールをはじめとした仲間たちとの信頼関係を築きつつ、フレイの遺志を継いで王位を盗る、成り上がりストーリーの面白さにページをめくる手が止まりませんでした。
生い立ちのせいで他人を信じられなかった礼夜は、はじめこそ険悪だったものの、次第にヴィダールに心を開くようになっていきます。穏やかに愛を深めるふたりのやり取りに癒されました。また、奇策とカリスマを活かしてどんどんと礼夜たちが領地を広げていく様子に、戦記ものを読んでいる気分になってわくわくしました。
はらはらしつつも夢中になれるストーリーものをお探しの方に、とてもおすすめです!
今回は王子の護衛騎士と王子に召喚された日本人のお話です。
王子の身代わりとして召喚された受様が
己と託された命のために最善を探し求めて辿り着くまで。
攻様は子供時代、
金と男にだらしない母との貧乏暮らしで
環境的に正直さや真面目さは報われません。
中卒で働き始めると
母譲りの美貌も喧嘩で磨いた腕っぷしよりも
まずは金さえあれば強者になれると考えます。
合法と非合法の狭間で稼ぎ続けますが
半グレと呼ばれて暴力団とも繋がりができますが
上手くやり過ぎて古株の部下に致命傷を負わされ
ドブ川に身を投げることになります。
しかしながら息苦しさから水中でもがいていると
手を細い腕に捕まれ水面の向こう側に
受様に瓜二つの少年を見つけます。
次に伸びてきた別の手によって
受様は引き上げられる事となりますが
そこは中世ヨーロッパのような異世界でした。
受様にそっくりな少年はアルヴの国の王子で
受様を引き上げた男が攻様となる王子の護衛騎士です♪
今から12年前に時の大臣親子が王位を簒奪
受様の母に懸想していた元大臣は受様以外の王族を弑し
反対派の貴族を大粛清しました。
しかし近年元大臣の健康状態が悪化
元大臣が亡くなれば王子が殺されるだろうと
数少ない味方の手助けで王子の伯母の嫁いだ国への
亡命を目指していると言いますが
王子の逃亡に手を貸した者達は
王家再興を願う者もいて一枚岩ではない状況だと
言われた受様は王子の健康状態も気になります。
そして受様の懸念は現実のものとなり
王子は自分についてきてくれた者達の今後を
受様に託して儚くなってしまうのです。
果たして受様達を待ち受ける未来とは!?
亡き王子に忠実な攻様と亡き王子の身代わりとなる受様の
異世界転生ファンタジーになります♪
受様は自分の死期を悟った王子によって
王子の世界に召喚されますが
自分を支えとしている家臣達が命を捨てないように
彼らを護ってくれる存在を求めての事でした。
とてもできた王子様だとは思いますが
受様にはたまったものではなかったと思います。
それでも受様は王子の想いを捨てることなく
王子という支えを失った者達を死なすことなく
多くの者達が生き延びる選択をしていく事になります。
そもそも受様はイヤイヤ身代わりになるし
天邪鬼な策略家なので(笑)
口にする言葉は必ずしも本音ではありません。
それでも生きる事に執着する受様と行動する事で
攻様や臣下たちが徐々に落ちていく様子が
とても小気味良かったです。
攻様が恋に落ちた瞬間がイマイチわからなかったけど
攻様が甘くなっていく展開にニマニマさせて頂きました。
厚みの分、敵の最後はちょっと物足りない感じがしましたが
新たな命を見出す幕引きで読了感は良かったです。
初めは名前の伸ばし方の印象が似ていて登場人物を混同した…
受けの勘の鋭さ、頭の回転の早さが序盤から好きになった。
抜け目なく相手を観察して状況を打破しようと強かに生きる姿が私には賢く強く見えて痺れた。
異世界召喚って本当はとても理不尽なことだと思うので、人情に負けたり、すぐ「難局みたいなので協力しますね!」って姿勢になる方が本来は不自然だよな〜
それをはっぱかけて誘導したり、生きるために露悪的な様が読者の私としては本当に眩しい!相手と同じ土俵に立たないことをするのは私には結構難しいことなのでその振る舞い方が純粋に凄いと思ったし描き方が鮮やか。
「おぬし、余の顔を見忘れたか…」ってフレーズ出すところ好きw
「快楽のためだけに抱きたくない」って心が通じ合いたいですってことじゃん!と思って萌え滾った♡
しかも神聖視の所在がどちらなのかの問答は…そうか、意識している方なのか、と妙に納得した。更に警戒心がどういう意味で働いているかについての説明が嬉しかった。簡単に肉体を繋げず真逆の所からじりじりと心の距離を近付けていく過程を読むのが楽しくて仕方なかった。それがこの2人の恋愛の醍醐味として心理戦の駆け引きの緊張と緩和が絶妙だったから。
攻めの愛の語り方が重くて熱くて真摯で、これは受けは射抜かれてしまうよな、
そして自分をわかって欲しい、相手を解りたいと言った言葉通り攻めは受けのことを正しく理解して分析が正しいことを証明しているのもいいし、恋人という関係性を認める流れが、ここまでの軌跡をじっくりと辿ってきたからこそ盛り上がった。
後半の展開もハラハラしつつ、目的意識を見失わない、折れそうで持ち直す精神力や決意が痛くて、でも凛々しくてそんな人だからこそ最後までお供したくて皆着いてきたし、私も見届けたくなった。
ただ、BLに重点があるからか後半の闘いが割とあっさり終わる所と後継者問題についてはもっと深堀りして欲しかった気がするけど、代わりに駆け抜けた!という読了感がある。
駆け足なのは1冊にまとめるなら仕方ないのかな?上下巻で読みたいくらい内容が濃縮されていた。
ラストは希望の光として物語的に凄く良いのはわかるんだけど、個人的にはWヒロインなどの興味の分散が得意じゃないため、それに近い感情が湧いてしまい意識が散るなぁと思った。
彼の死がトリガーでそれを受け止め乗り越えてきたのは全て受けと周りなのに、解決したと思ったらいいとこ取りに近いのが苦しかった。この苦しさは彼にも身体の弱さなどのその他の苦労はあれど、あくまで全てを押し付けた側なのに彼の性格も悪い訳ではなく優しく高潔なためただ悪様に言うのがはばかられるから。ここで責任を肩代わりさせたから導きによってイーブンになると思えど、彼の存在に良くも悪くも苦しんだのに『また』というのがモヤモヤした。何故なら彼の喪失の余波を全て受け止めてきて、周りの愛を獲得するために尽力したのは受けなのにそれが無かったかのようになる気がして。(勿論なりはしないが)彼は存在により初めから周りの愛を獲得しうる存在なので。受けは神聖視に関してなど全てを乗り越えてきたのは承知だがやはり存在の喪失だからこその折り合いのつけ方だと思っていた。顕現したら私は意識が散りそうだなと浅慮なところを、現代と異世界で色々経験して喜べる受けだからこそ全てを成し遂げて愛されるのかも。
私がモヤモヤするだけで、受けは受け入れていて展開的に血筋と家族の昇華、回収に納得はあり綺麗なまとめ方なので、好きな作品の1つになった。
好きな作家先生と、絵師様の麗しい絵に乾杯!素敵な作品を世に出してくれてありがとうございました!
ラブコメからシリアスまで、いろんなお話を読ませて下さる小中先生。
異世界転生モノかぁ…でもまぁ小中先生だしなぁ、と手に取りましたが、そりゃもう面白かったです!
物語の中にグイグイ惹き込まれ、続きが気になってページを巡るのが止まらない。
受け様は、題名の通り、現世界では半グレと章される生き方をしていた礼夜。
川に落ちたと思ったのに、中世のヨーロッパのような異世界に引き上げられ、目の前には自分と瓜二つの顔をした王子のフレイと、フレイを守りながら逃げている一行が。
この一行の中の、護衛騎士ヴィダールがこの度の攻め様。
レイヤにあとを託し、亡くなってしまうフレイ王子。
唯一無二の存在だったフレイを亡くし、虚無感に打ちひしがれている一行をどやしつけ、生きる為に奮闘するレイヤ。
最初に喝を入れる言動は、確かに!と拍手もの。
チート能力とかはなく、ただ己の才覚とハッタリで生き抜こうとするレイヤが、とても小気味よくてかっこいい。
ヴィダールの方は、色事なんて、な潔癖なタイプかと思いきや、とんだ色悪ぶりを見せてもらいましたよ。
惚れたら一途な溺愛タイプなのもステキ。
「愛してる」の告白シーンでは、その情熱的で優しさと愛しさに溢れていて、めっちゃ好き(,,>᎑<,,)♡
そろそろ残りページが少なくなった頃に危機が訪れた時は、えぇ――――っ!!
どうなるのこれ!?とハラハラドキドキがたまらない事に。
ラスト、最初の一行とフレイを弔った泉へ行った時の、なるほどそうきたか、な奇跡。
大団円なラストに、心からよかったね、でした( ノД`)
BLとしても面白いんだけど、王子が背負うものが悲しくてもう冒頭から大号泣
なので、どんなにご都合主義でも最後に救いがあってよかった…。
国を取った後のイチャイチャとか子育て話とかも読みたかったな。