• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作深潭回廊 6

山田(柳田先生)
島に移住
尾崎渚
中学3年生

その他の収録作品

  • 描き下ろし「わりとフツーなタローとかーちゃんの初対面まんが。」

あらすじ

哀しいバケモノ。

▼あらすじ
なんだコイツ意思あんのか。

渚(なぎさ)の父は生まれつき足に障がいを持っていた。
仲間にはつねに置いていかれ、高校へは進学せず、漁師になることも諦めた。
自分はかわいそうだから仕方ない、それが人生の全てだった。
渚の母と一緒になったのは、彼女も同じように無気力だったから。
似たもの同士が心地良かった。
でもそれは、「幸せ」じゃなかった。

作品情報

作品名
深潭回廊 6
著者
永井三郎 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS ~ポーバックス~【非BL】
シリーズ
スメルズライクグリーンスピリット
発売日
電子発売日
4.9

(19)

(18)

萌々

(1)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
94
評価数
19
平均
4.9 / 5
神率
94.7%

レビュー投稿数6

深譚の際(キワ)の際(キワ)に立っている傍観者として、形容しがたい感覚に何度も襲われる

6巻は、、、痛々しくもあり、必要悪のような…跳躍の前の助走でもあるようであり、、、総じてこのシリーズならではの決して明るくはない人生の裏側ルートを主戦場としている人たちのお話しが続きます

この巻で終わりではなく、まだ続きます

以下、かなり濁しつつもネタバレあると思うのでご注意ください

       ーーー渚と渚の父親ーーー
渚の父親の身勝手さと哀しさが最悪のカタチとなって渚に降り注ぎます
何と言っていいのか分からないし、軽々しく否定も肯定も出来ない感情になってしまう。。。

多分まともな判断なら「アリエナイ」と一刀両断で糾弾し非難する選択しかない、というのも分かっていながらも、、、
一瞬でも「劣等感や虚無」という得体が知れないのに最も近く自分の皮膚に触れて来る「魔物」の存在を感じた事がある身からすると、救われない「哀しさ」を無視出来ない、、、という情けにも近い感情も無視できない。。。

だからと言ってそれを肯定すべき、とも当然思わない、、、
ただ、「強くない人間」の存在もまた人間な事は否定したくない、、、
そんな一言では言い表せないような形容しがたい感覚に包まれます

それでもハッキリと言葉にしたい位確かに芽生えた感情はあります

環境と向き合えず流された父
環境に抗い足掻き続けた渚

”渚が救われない世の中であって欲しくない”
この気持ちは迷わず思えた確かなもの

きっと私のこの感情は作中の渚の友人達(真理や智)や近所のおばちゃん(村上さん)が抱く、あくまでも”コチラ側”からの感情と一緒かも知れない

そういう意味ではきっと真理ちゃん達とは”同士”であるとは思う

でも一方、渚にとっての”同士”になれるのか?
となると、、、
多分違うんだろう、、、と、、、
あくまでも傍観者な気がするような、、、

それは当然山田(柳田)とも相容れず、、、
きっと渚には山田(柳田)の存在が最も自分を認識できる存在なのだろうと思う
他方、山田(柳田)はどうなんだろう、、、
渚が自分を呼んでいる、求めていると知った時の薄気味の悪い彼の口元が背筋を凍らせます( º言º)

同時に悲しいかな…ココにこそ私が読みたい‼と思っている興味も詰まっている事も感じてしまう。。。
相容れないとは思いながらも”知りたい”と思う、、、
やはり傍観者なのかも知れない。。。
が距離がある傍観者では最早なく、その境界線はもぉすぐソコにあるのを感じる、、、
線の際を感じつつ
”コチラ側”でも”アチラ側”でもある感情に揺り動かされ、、、
読む手が一切緩まらない。。。

そしてその境界線の先なのか後なのかを知れるのはどうやら7巻になりそうだ、、、。

渚との再会
そこで渚は山田(柳田)に何を求めるのだろうか、、、

何となく山田(柳田)からは求める事はなく、あくまでも主導権は渚に握らせるように仕向けるのが彼の本質な気がしてならない。。。
それが善意なのか自己保身なのか、、、

それでも共に在る道を選ぶなら、きっと共依存という深譚に身を投じていくのだろう、、、と。。。

早く続きが読みたくて堪らない…!

渚の父に慄き、描き下ろしの三島のかーちゃんに光を感じる…!
感情の振り幅がエゲツ無いですが…w
それでもやっぱり「スメルズ~」の青臭さに心が癒されます(ღ˘͈︶˘͈ღ)

修正|必要なし

4

渚と父親

5巻では渚、そして6巻の表紙は渚の父親、帯には哀しいバケモノ。
ツライッ。早く2巻の時のような表紙が見たいです。

予想通りではありますが、渚が島を出ようとしている事、母親の事等で父親に首を絞められ意識不明に…その後柳田によって助けられました。
父親はおそらく渚は死んだと思っています。
劣等感まみれの父親はその後水死体で発見されました。

渚は柳田の応急処置後、集中治療室へ6巻の終わり頃には目を覚まし、高度治療室、一般病院へと体力的には回復しているのですが、心の方はどうなっているのか。
柳田との面会を求めていた渚が、実際に柳田と向かい合った時に目を合わせてくれるのか。
虚な渚の横顔で続く…。

母親や真理ちゃん、柳田自身の事も今後どうなっていくのか気になります。
次の巻も楽しみに待っています。 

最後4ページは夢野と三島家のハートフルコメディ。
あとがきはいつも笑わせていただいてます。

1

哀しいバケモノになるしかなかった父の生涯に身につまされる…

大好きな作品『スメルズライクグリーンスピリット』のスピンオフ。元作とはまた違った、もはやBLを超える重い作品…。
ずっと読み続けていますが初めてレビューします。約1年振りの新刊。数巻を読み返して拝読しました。電子で136ページ。以下ネタバレありますのでご注意ください。

渚から壮絶な過去の全てを聞いた柳田。ずっと一緒にいたいという渚に、どうしたら一緒にいられるか考えていこう、と前向きに話し渚は帰宅する。しかし帰りの遅い渚の部屋を荒らし、溜め込んだ金を見つけ激怒する父に詰問された渚は、全てを告白し島から男と出ていくと訴える。父は渚の首に手をかけ…。というのが5巻の内容でした。父が鬼のようになり恐ろしかった…。

冒頭、幼い頃から不自由な足のために劣等感が育ち陰気な性格となっていった、父の過去が語られる。妻と子を持ち自分は幸せを感じていたが、妻は違っていた、男の哀しみがつらい…。「哀しいバケモノ」と化し、妻と同じように渚の首も締める…。

柳田によって渚はなんとか一命を取り留める。それをきっかけに柳田は渚の友達の真理達と友人のような関係になる。
真理が一人で柳田の家に来るので、柳田にその気はないけどドキドキしてしまった。JCが一人で男性の家に行っちゃいかん。変な噂が立つかとハラハラした(汗)

渚の父が首の長いバケモノとなって、泣きながら渚の首を絞めるシーン。これは渚の夢だろうか。彼なりに愛情を持ったこともあったであろう妻と子を手にかけて死ぬ…。哀しいバケモノになるしかなかった男の生涯に身につまされました…。

一方の柳田、だいぶ毒気が抜けてきた感じでしたが、目を覚ました渚が自分を求めていると聞き薄暗い笑みを浮かべるあたり、やはり闇を感じます。これが共依存でしょうか。

目は覚ましたが、誰とも目を合わせず虚ろだという渚。ラストは柳田が渚の病室を訪れたところで終わり。
父がいなくなり、今後の二人の関係はどうなっていくのか…。母についての秘密はどうするのか…。この後の展開も気になります。
今後の二人も見守り続けたいと思いました。

(ここ数巻はラストに『スメルズ〜』の三島夢野CPのほっこり小話が収録されているので、最後に癒されますね☆)

1

父親と対峙

シリーズずっと苦しい展開が多いのですが、永井先生のストーリーは目が離せません。
渚の父親はずっと渚のこと束縛していて何とかして父親から逃げようとするけれど、計画はうまくいかず、父親に今まで貯めたお金とか家出の準備などすべてバレてしまった前巻。
母親と同じだと罵られ父親に殺されそうになるところから、始まります。
父親は足が悪いせいで子供の頃虐められていて劣等感を抱えながら生きてきた。それで同じような空気感の女性と結婚したけど裏切られてその恨みを抱えて生きてきて、母親同様自分から逃げようとする渚の首を絞めます。
そこに渚に救われた柳田が気になって家を訪ねてきてという展開で、渚も柳田に出会ったことで希望を持ったのに、父親に見つかるなんて。
今まで渚と父親が本音で語り合ったことなかったけど、結局相容れなかった。
渚の周りに今までまともな大人がいなかったのが可哀想でした。
柳田も欠けた部分があって完璧じゃないけど渚にとっては救いだったんですよね。
今後父親がいなくなった渚と柳田がどうなっていくのか楽しみです。

0

まだまだ浮上出来ず…

6巻では渚の父の辛い過去と屈折した心がこれでもかと言うくらいに描かれていく。父が渚に対してどんどん心を吐露するうちに人間の形を成さないものとして表現されていく。圧巻の表現方法だった。まるでかつての柳田のように…。今回も水底に辿り着けない深さのある展開でした。読んでるコチラ側が全く救われないんですが、読む事をやめられない。
描きおろしでスメルズ〜のカプが出て来てくれるので、少しだけ読者は気持ちの浮上が出来るかなぁ(苦笑)

0

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP