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遺作撮ってよ 俺の
緒川千世先生、カーストヘブンぶりでございます。
優しい雰囲気の美しい表紙。
あらすじを読むと大好きな再会もののようなのでとびつきました。
以下ネタバレ含みます
藍のモノローグから始まります。撮影者特有の感性で見る視点。
藍は現在「夢やぶれた」と言われる塾講師。
そこに俳優として大成した柊平が現れます。
二人は学生時代共同で作った作品が賞をとった間柄。
なにかを一緒に生み出す作業って恋愛以上のものありますよね..。
仕事に消耗している柊平を諫める藍。
遺作を撮りにと二人で逃避行に出ます。
宮城県の震災跡地、再生とかけているのですね。
二人の新しい物語がはじまり
カラッポになってしまった柊平を埋めていく過程が、美しい情景と共に描かれています。
藍の必死な告白で逆に柊平は目が覚める。覚悟を決めて別れを告げる柊平、切なすぎました。
二人で作ったシナリオを二人で演じるシーンは涙。
柊平は藍に撮ることを諦めてほしくなかった・・・。
魅せるもの、撮るもの、認めあう関係性が素敵です。
ラスト藍が再び撮り続けていること、
柊平も仕事に意気込んでいることで相互救済を感じます。
何度見送っても、藍が拠り所となって笑顔でもどるだろうと思えるエンディングでした。
先生のあとがきにジーンとしました
優しい物語をありがとう御座います
また先生の作品お待ちしております。
透明感のある表紙に惹かれ、
そして笑顔の藍の涙の美しさに一目惚れしての購入でした。
不穏な空気あふれる帯の言葉にぎょっとして
遺作って…もしかして…??と、身構えてしまったけれどそれはなんとも切ない比喩表現で。
かつての思い出をなぞり、輝きを取り戻したいと願いながら終わりへ向かう。
そんな柳の役者としての最後の炎を撮りながら
藍自身に再び情熱が戻っていくその姿に胸を打たれました。
時間をかけながら妥協無しで"遺作"を撮影していく様子に引き込まれつつ。
でも『すっかり燃え尽きてしまうため』だった
柳の気持ちは少しずつ変化していって、やがてふたりの日々には終わりが訪れるわけです。
藍はそうなるとはじめからわかっていた上で
柳のことを撮り続けていたのがなんとも切なかったけれど
でもそれ以上に強い想いが伝わってきたので、
どんな結末を迎えてもしっかり受け止めようと思わせてくれる展開だったなと思います。
そして。
ふたりで作り上げた作品が柳の背中を押して
藍とも役者としての自分とも向き合えるようになり、最終的には幸せなところに着地してくれたことにものすごく救われたのでした。
世間では「失踪中」となっていた柳だけれど、
ふたりを迎えてくれた人たちがそこには触れずにいてくれた温かさもめちゃくちゃ沁みました。
そういうところ含めて、映像として観てみたい作品だったなと思いました。
春から冬、季節の移りと共にワンシーンごと切り取ってひとつの映画を作っていく。
今作は超人気俳優でありながら映画の撮影から逃げてきたSHU(柊平)と、大学の映画研究で一緒だった藍のお話。
1冊丸ごと使って、まるで映画の撮影シーンを傍で見せてもらっているような感覚になりました。
俳優という仕事で外側だけを見られる事に疲れて逃げてきた柊平は、藍の前に現れ自分の『遺作』を作って欲しいと頼みます。
誰も知らない東北で老夫婦が営む宿で住み込みで働くようになった2人。
時には身体を重ねるその様子は、穏やかなようでいて限られた時間の中での逃避行のように見え、切なさも感じます。
ラストシーンだけが2人の意見が合わないまま、マネージャーにも居場所が見つかり、最後のラストチャンスでの撮影。
舞台が東北、という事もあり藍が話す言葉の重さを感じます。
冒頭、振り返らない柊平に胸が苦しくなり、果たして2人がとる映画、そして2人の結末はどうなってしまうのか…とハラハラしましたが「ここからがスタート」と思わせてくれる明るい読後感で読んでいてほっとしました。いやぁ、こういうじんわりするお話好きだなぁ!!
緒川先生の描くエロシーン、接合部が見えるわけではないのですが表情ですごくえちえちに感じます!!
ほとんど見えませんが白塗り
さすが先生
唯一無二の世界観をお持ちで…
まず印象に残ったセリフが
「俺の形を変えてくれ」
これ、攻めに言わせるのズルくないですか……
しかもエッッの最中に言うんですよ…???
セリフだけみたら受けに言わせてると思うのが普通の(???)腐女子だと思うんですけど、これは自分自身を見失った攻めの心の叫びなんですよ…
ここがあまりにも良くて、もうこの時点で先生最高ってなりました
世間の評価と裏腹に空っぽになってしまった攻めと、過去に置いてきた映像の世界にまた引きずり込まれた受け
互いの過去の精算の行方は…
何ともどっちもドッチで生き辛そうなタイプの攻め受けさん達です
ドラマや映画などになりそうな空気感のある作品という印象です
個人的な感想だとキャラに好感度を覚えたり萌えを感じる、と言うよりも「作品としてエモさを感じる」という、ストーリー萌えをする1冊でした(ღ˘͈︶˘͈ღ)
千世先生は長編でも短編でもやっぱり「読ませる空気感」を創り出すのがお上手だな~と実感しました♡
お話し的には、、、大学時代の友人と大人になって再会する再会モノが大枠
要素としては芸能エッセンス、逃避行、再生などのドラマ性を含んでいます
攻めは柳、俳優としてはSHUとして名が知れていますが今は失踪中、、、(゚Д゚;)⁉
受けは藍、かつて大学時代に柳を撮った作品で賞を取った事もあるけれど、今は塾講師で人と深く関わるのが苦手(。・_・。)
そんな2人が仙台で再会し、再生していくお話し
仙台という場所を敢えて選んで描かれている事が、よりこの作品のテーマに合っているように思えて来ます
「再生」して行く姿を見守る気持ちで読むのにグッと来るものがありました
恋愛面で言うと、、、2人それぞれのセクシャリティへの言及はされてません
でも、作画で魅せる・分からせる!という面を「カメラを通すと隠せない」という設定を活かして伝えて来てる部分は十分受け取れると思います
しっとりした感じとエモ切なさを味わえる「夜明けのお話し」だと思いますので、ゆっくりじんわり作品を味わいたい読者さまにおススメです(ღˇ◡ˇ*)
評価は、、、すっごい悩み所ではあったのですが、、、2人の性格が私の読解力では少し掴み切れず、しっかり理解し切れなかったかな…という点を反映しましたので、主観多めの評価となっています(。-人-。)
一応引っかかった所は、、、
>柳の性格はキライではないけれど、、、天才肌気質なのか?それとも自信家なのか?そこがもう少し特徴がハッキリ読み取れたら良かった。。。
>藍の性格と言うか、周囲との距離感や対応に関して何だかちょっと気になりました、、、
始まりの塾講師の時や大学時代の感じでは人と関わるのが苦手、億劫という感じが強く、それ故に”映画を撮る”という夢を諦める一因になったのかな?と思ったのですが、、、
撮影の為に旅館で過ごしてる時の感じでは全くその片鱗がなく、、、
何だかやっぱり彼も掴み切れなかった、、、柳と居る時だけが自分らしく居られたって事なのかな~?と解釈はしてるので、勿論キライとか苦手ってキャラではなかったです♪
レビュータイトルはストーリに合わせてとなっております٩(♡ε♡ )۶.。:*✧
修正|描きこみ自体がぼかし感はあるけれど、所々修正を感じさせない描き込みになってました!大洋図書さまの改悪にビビりながら読んだので、ライトセーバーが無くてすごく安心しました、、、( ;∀;)まだ大洋図書さまの良心を信じてます…!!!
