電子特典付き
生まれ育った家、一人で暮らした家、大切な人とこれから住む家。
若さと勢いとみずみずしさのある美青年2人がメインがじゃないところが魅力のひとつ、という作品だと思ってます。
実写化されると、違和感でもぞもぞしてしまってほとんど見ることがなく、今作も見ることができませんでしたが、公式SNSのショート動画は楽しく拝見していました。
秋の落ち葉の後の森のような、しっとりとした落ち着きを2人から感じられて、いい雰囲気だと感じていました。
さて、新刊について。
2人の状況、関係が、おとぎ話のふたりのように一気に盛り上がって、末長く幸せに暮らしました、めでたし、とはならず、じわじわゆっくりと変化を続けています。
家のこと、ペンキひとつをとっても、時間をかけて話しながら進めていく様子が楽しいです。
以前は久慈の家族のことが描かれていましたが、9巻は朔太郎の母親のこと、姉のこと、が多めに描かれています。きれいごとだけではないいろんなことに、たくさん心が震えました。
大きな感動がどーん、ではなく、いろんな人のちょっとした言葉に小さく、何度も感動しました。
いい意味で起承転結のない、でも日常のドラマのたくさんある、心が揺れる作品だと思います。
9巻も堪能しました。
今回は新居を二人で造り上げていく話がメイン。
ペンキ塗り、いいなー。何色にしたんだろう。はじめは1・2巻の表紙みたいなブルーをイメージしたけど、表紙といえば、今巻のブラウンでも素敵かも。
今まではタイトルの「雨」や「晴れ」を思わせるブルー系〜グレー系だったから、急にブラウン系の表紙で意外だったけど……陽だまりの縁側を思わせるあたたかい色で、好きです。
「源ちゃんち」が「久慈んち」に、そして「俺らの家」になる流れも、パーフェクトな美しさ。
幸せ溢れる新生活スタートで、もう“日常系”路線まっしぐらかなーと思っていたら、これと並行して朔太郎母の施設入居の話を描いてくる……やっぱりこういうところが神がかってます、スモブル。
親が施設へ。
大きな安心感と、つきまとう罪悪感。そして寂寥感。
苦労したのに恨み言も言わず、感謝とご縁を大切に、ごく普通の人生を歩み続けるお母さんの偉大さ。その手の温かさ。
単純に“お母さんの問題が解決したから静の家に引っ越せてラッキー”じゃなくて、この何ともいえない割り切れなさを朔太郎はずっと抱えていく。けど、だからこそ静が隣に居ることの幸せがなおさら沁みる。
こういう“Life”と“Love”の描き方が、この作品の本当に大好きなところです。
さらにお姉ちゃんへのカムアウトで、完全に泣かされました。
前にお母さんが「久慈さんに良いお相手が」と言い出したときにサッと話を逸らしてくれたから、お姉ちゃんわかってくれてるなと思ったら、あとで何故か悲しげな表情。
どういう意味だろう?と少し不安もよぎったけど、でもやっぱり芙美子さんは芙美子さんだった。家族想いで、明るくて、頼りになるお姉ちゃん。
さりげなく自然に「大切な人」と言ってくれたけど、朔が事前に練習しちゃったようにお姉ちゃんだっていろいろ考えたんだろうな。
以前のあの表情は……露骨に話を逸らしたりして朔太郎が傷つかなかったかという自省とか? お母さんを蚊帳の外にしてしまった罪悪感とか? 朔太郎にも“良い相手”ができると期待してそうなお母さんへの複雑な思いとか?
いずれにしても、家族想いのお姉ちゃんだからこそ、いろんな気遣いがある。それを表に出さず、明るく祝福してくれる芙美子さん、素敵な女性です。環があんなに良くできた子なのも頷ける。
今回は朔太郎の翻訳家への道がかなり進展したのも嬉しいです。
40歳を過ぎてから正社員を辞めて夢を目指すって、かなり勇気がいる。
「明るいか 暗いか その中間か」と思える朔太郎、何と頼もしくなったことか。
進展はしてるけど、まだまだ自分の未熟さにこてんぱんなところもまた良し。相変わらず、翻訳という仕事の奥深さを教えてくれます。
塾を退職するのは寂しいな。生計のための仕事だったけど、ほんの数年の間にいろんな思い出ができてる。
嶋田さんも素敵な女性だったし(歴史ラップってもしかして、2巻で墾田永年私財法!ってやってたやつだろうか……気になってた)。
最後はまた多治見さんで泣きました。
静と小学生兄妹の話も可愛かった!
一人称「おじさん」の静、好きすぎる。
小学生男子特有の「オレ」……瑞穂くんの顔と話し方から、私もあのイントネーションで再生されてたから、超わかるよ静。あの「オレ」って全国共通なんだろうか?
スモブルも早くも9巻。毎度毎度泣かされます。朔ちゃんがこの歳になると・・って言ってたけど涙もろくなるんですよね。ほんとうに。
今回は2人が同居を決めてスタートするまた新たな生活の始まりになりましたね。言わずとも2人の関係を姉が気づいていてそっと見守ってくれているのありがたいよね。大切な人、だけで伝わる姉弟関係いいですなあ。
朔ちゃんのお母さんが施設への入居を決めて。
入居の日当日の朝かな?
朔ちゃんの背中に手をあてているシーンで泣いてしまった。親の愛情、些細なことだけど覚えているんだよね。
勤めた塾も退職。多治見さんのエピソードで
また涙。朔ちゃんのこと本当に可愛がっていていい先輩だったよね、多治見先輩。2人の間の友情は私の中ですごく心に残っていて大好きです。
1巻に比べると素直にお互いの心情を話すようになった2人。ペンキを2人で塗って自分たちの家にしていく過程も良かった!
まだまだ物語は続いていくのでしょうがこの先も楽しみだな。長く続いている物語なのにダレることなく素晴らしいなと思います。物語の核を恋愛だけでなく人生にフォーカスしているところがその秘訣なのかな。
いつか完結することもあると思うけどそのラストもきっと素敵なものになるだろうし、どうか2人の人生のラストまで描いていただきたいなと思っています。
つい先日1巻からの一気読みで追いつき、この味わい深い作品の読者の仲間入りをさせていただきました。
さて9巻。
2人の寄り添って進む道が、いよいよ糸が撚られていくようにひとつになっていく…その始まりの巻だったような気がする。
元は同僚だった2人が特に接点なく別れ、再会し、恋をしながらもお互いそれぞれの生活があり。
2人のライフステージの変化、心境の変化、環境の変化、それらを経る中でも関係を断つ事なく緩やかに継続して。
なんとなく「◯のう何食べた?」を思い出す。あちらは養子縁組の話題が出てきたけど、こちらの2人も色々整えた方がいいかもしれない。
そういえば伯父さんの家買う時、朔太郎は金銭負担したっけ?
マンション引き払っちゃって、単に久慈の居候だから。なんか手続きした方がいい。
だから「灰島さん」が出てきたのかな。
法律的には宙ぶらりんではあるけれど、2人の愛の巣、生活の拠点、心のよりどころが出来た!
2人の新章が始まる。そんなこの巻からリアルタイムで読めて嬉しい。2人を応援したいです。
息をするように神評価にしてしまっていました…
え!もう9巻なんですか!?っていうBL的にはロングランな作品と思いますが、飽きるどころかどんどん味わい深くなっていく気がします。彼らの日常を身近に感じられるような生活の臨場感、そして、ナチュラルにいちゃこら。40代のいちゃこら…さり気ない会話から、愛や人生や事情が読み取れるのもすごく好きポイントです。
DIY楽しそうでした。シリーズの最初から「家」のことが丁寧に描かれていて、ついに「彼らの家」が出来上がったわけです。最後の「ただいま」「おかえり」には感慨深いものがありすぎました。実家から賃貸を経て持ち家へ…。これから「彼らの家」でふたりがどういう日々を送っていくんだろう~って考えるだけでもワクワクします。
久慈の「おじさん」自己紹介もwよかったですね。ご近所キッズとの交流にも注目したいです。朔太郎の家族との関係、仕事の一区切り(多治見先生(涙))とか、出会いと別れという人生あるあるイベントに、変わるもの変わらないものっていう対比があって、色んなキャラが出入りしても情報過多にならない、いい塩梅に個性的な周辺として面白いんですよね。
そして恒例のロマンティスト・久慈♪おめーはよぅっ!今回もやってくれました。あのタイミングで鍵は…よすぎる!キーホルダーの交換からの甘い流れ、42歳って中年を自覚しているお年頃ゆえにちょっと照れもあるっていう雰囲気は悶えるものがありました。ごちそうさまでした。
