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かつて、honto×ちるちる不朽の名作 BL小説でスリリングな恋部門で入賞した作品の1つ。
上だけで600ページ越えの超大作。
まだ上しか読んでないので全体像を語れないのですが、ひとりの893の死によって始まるお話。
主役は捜査一課のバツイチの男、麻生。
そして容疑をかけられた美しい男娼あがりの企業舎弟の山内は、実は十年前、主役の男が刑務所に送り込んだ男だったという…
いや、これ、まだ下を読んでないから結末分からないのですが、それまでの人生が語られた山内の話を読むとなかなかに切なくて、辛いね、、、
最初の事件のあとの麻生への気持ちとか。
運命のいたずらが山内の人生を壊してしまったのだろうけど、一般書籍だから甘さなんてどこにもなくて、とにかく不憫すぎる結末で終わったし、で、真相はどうなの?? というお預け状態で終わってしまった…
時代を感じさせますが、スリリングでハードで甘くはないお話が読みたい人にはぜひ挑戦していただきたい1冊です。
各所の情報から図書館で借りられるBLと聞いて読みました。
上下巻ともかなりの分量(厚さ)なのに、面白くてスラスラ読めます。内容は重い&暗いので苦手な方もいるかもしれませんが、登場人物が魅力的でBLファンにも刺さるのではないかと思っています。特に山内練の聡明さ・美しさ・強さに惹かれました。冷酷な部分もあるけど、根底には純粋な気持ちが見えるんですよね。サイド・ストーリーの「歩道」を読むと、彼の本質的な部分が想像できて苦しくなりました。
ちなみに、レビューサイトをみると及川ファンもかなり多いですね。本作は及川派、山内派に分かれるのかも?
ついに、見つけてしまった感が強い名作。
非BLに区切られているけど BL要素は濃い。
会話主体の進捗構成だから、読みやすい。
『RIKO』シリーズのスピンオフだけど、この作品のほうが人気があるし、
内容的にも先に読んで支障ない・・ように思う。
【この作品は、追記の短編が入っている「文庫版がお薦め」です。
但し、サイドストーリーは、本編を読み終えてから読まないと、面白みが削がれますので、ご留意ください】
・・と某ファンブログに書いてあった。
このシリーズはいまだに人気で、何度も読み返す読者が多い。
その人気の秘密は、「錬の 人格の壊れた二面性の危うさ・美貌と才能」に所以するみたい。
女性だけじゃなく、男性ファンもしっかりついているのは、
心理描写が綿密なミステリーで、意外性を持つしっかりした構成だからだと思う。
姉が語る昔の錬は、「内気で優しいいじめられっこ」だった。
それが、大学院在学中に、強姦未遂、暴行傷害容疑で逮捕される。
冤罪で収監され、兄が自殺。誰も無実を信じない。そこから錬の人生が狂いだす。
刑務所で毎晩強姦される恐怖で錬は夜恐怖症になり、薬物等に依存するようになる。
やくざの韮崎の愛人になり、「復讐すること」を教えられ、生き直す。
錬は、徐々に狡猾で残忍冷酷な悪魔に変わっていく。
そして10年後、錬は冤罪の無実を信じなかったあの麻生と、韮崎殺人事件で再会。
韮崎と錬との関わりの記載はあっさり目で、著者にとってはそんなに重要ではないみたい。
再会した後の麻生との会話のほうが多い。
山内錬と麻生の憎しみが愛に変わる奇妙な物語。
錬を救ったのに殺されてアッサリ消える韮崎が気の毒でした。
山内錬が登場するRIKOシリーズ、花咲シリーズも追って読んでみるつもり。
名作というのは何度読み直しても何度も萌えられるものなのですね。聖黒ヒロインは魔性の美青年、でも本質は天使のような受けの山内練で間違いないのですが、攻め・麻生の元彼である及川純も相当な魅力的キャラです。何てったって私の大好きな刑事受けだ。麻生との関係では逆だったけど芯は受け体質。抱くより抱かれる方が絶対合ってる人。
麻生って誰に対しても優しく残酷な人なので及川は10年位付き合った末、手酷く振られているのに愛することを未だやめられない人。及川純、名前の通り純粋な人だ。そんな状態なのに同じ職場なので何事もなかったような顔で一緒に仕事をしなければいけない、BLなら相当辛い立場です。
及川は背が高いけど細くて華奢な体型で剣道世界2位の実力者(相手の失格による繰上げで後に1位になった)。しかし芯は女でそれを隠すために周りを男で固めている人。健気!切ない。萌えキャラすぎる。しかし練は麻生と両思い後も色々苦労してるから及川さんは同棲中の若いイラストレーターと幸せになってほしい。きっと麻生よりはいい奴のはずだ。
麻生は読めば読むほどなぜこんないい男2人から愛されるのかわからん。ダメンズだから?彼は自分を愛してくれる男2人の事は裏切り、自分が愛した女達からは裏切られる、そんな人です。確かに推理は冴えているんだろうけども!時系列的に後の作品でもちょっといい女に誘われると簡単に寝ちゃうしね。この流され侍があ!と言いたくなります。
1995年は高村薫さんの「レディ・ジョーカー」では合田が加納に名ラブレターを書いた年、今作では麻生と練が8年ぶりに運命の再会を果たした年。エモすぎます。この2作品のファンがすごく被ってるのわかる気がする。時代と警察という職場が被ってるから。彼らがどこかですれ違っていたらいいのに…警察BL好きの腐女子なら誰もが妄想してしまうと思います。
追記…今回、麻生の部下で同期の山背と練の刑務所の時の友人、田村もいいなあと思いました。洞察力があって聡い人は脇役でも素敵。改めてこの物語は麻生と練のどうしようもなくやりきれない激しい愛憎の話だけど、麻生と及川の関係も愛憎。麻生と女達とも愛憎。誰と恋愛しても同じ位憎まれてしまう麻生さんてやはり独特で業の深い人なのかも。
上下巻合わせてレビューさせていただきます。
図書館で手に取った分厚い本。普段読書の嫌いな私が寝る間も惜しんで読み尽くすほど、引き込まれる作品でした!
もちろん非BL作品なのですが、男同士の愛がが物語の本筋となりすぎていて、BL作品のつもりで読んでも何の違和感もありません。上質な刑事・ヤクザモノを浴びるように摂取できます!
ここからは読んだことのある方に語りたいことなのですが、及川さん……!切なすぎませんか?及川さんに最大限感情移入しながら読むと、また違った愛物語を味わえます。