ボタンを押すと即立ち読みできます!
名作「言ノ葉ノ花」スピンオフ登場!!
私は「言ノ葉ノ花」より「世界」の方が好きです!
主人公の仮原の素行が悪く、「好きになれない」という意見があっても当然と思ってしまうところがあります。
でも、それが「自分を愛してくれる人なんていない」という主人公の絶望と重なって見え、そのどうしようもなさが人間臭く、私は大好きです。
本作の主人公の仮原は決して善人とは言えません。
心が読める能力を他人を利用する事に使うし、他人を嘲笑います。
しかし、本心はそんなことをしても「楽しくない」と思っており、自分がより悪い人間になるだけだと理解しています。
彼にはこの能力によって家族が崩壊してしまった過去があり、自分はバケモノのようだと思っていて「こんな自分を好きになる人はいない」と諦観しています。
ある意味バケモノらしく振舞う事で「誰にも愛されなくても大丈夫だ」と、本心に嘘をつこうとしているのかもしれません。
受けの藤野も善人すぎて他人に利用されやすく、本当の恋を求めながらも自己肯定感の低さから「自分を愛してくれる人なんていない」と、半ば諦めてしまっています。
(素直すぎて浮いてしまうほどピュアな藤野は本当にかわいいです)
仮原は多くの人を傷つけてしまいますが「愛して欲しい」と願う本心は幼い子供のようで、
多くの人を信じ、裏切られても人を恨まない藤野の善性はママ味がすごいです。
まるで正反対だけど、愛される事を渇望している二人が困難の先に繋がっていくのがとても萌えました!
心が読めたとしても「相手を信じる事」はとても難しい。
「心を読まれているのではないか」という不安が、さらなる疑念と「やっぱり信じてもらえない」という不のループ、二人とも「愛されたい、この恋は本物であってほしい」と願っているのは一緒のはずなのに…。
これが切なくてたまりませんでした。
「たとえ相手の心が読めたとしても、信じ合わなくては心は繋がらない」というメッセージを感じるドラマチックな作品でした。
言ノ葉シリーズの2作品めですね。
前作では受様が心の声が聞こえてましたが、今作では攻様がその立場。
受様は大学准教授、藤野。
攻様は心の声が聞こえる事で、上手いことお年寄りに取り入って遺産を貰っちゃおう、なんて考えてる仮原。
藤野は心の声と口から発する言葉が輪唱のように聞こえる、素直で純粋なおひと。
真面目で優しくて、ひっそりと誰かとの絆を求めてた淋しい人。
そんな真面目さ寂しさにつけ入るように、するりと懐に入る仮原。
で、遊びのつもりが本気になってる、攻様ざまぁですよ(°⊿°`)ケッ
藤野は本当にいい人で、本当に仮原にはもったいないって。
本当に仮原がいいの!?
仮原の奥底にある優しさをすくいとれる藤野は、本当に出来たお人だわ。
藤野に縋り付く仮原に溜飲を下げたのも束の間、書き下ろしでも、コイツ…となり(#゚Д゚)
特に占い師さんの携帯を投げ捨てたところね。
相手がどんなに大切にしてたか、心の声を聞かなくても分かるだろうよ。
それを電話ぐらい、とか代わりの、なんて言ってしまう、その傲慢さ幼稚さに、私は怒り心頭でして。
何あなたがキレてるのよ(#゚Д゚)
と、2人がハピエンを迎えても、イマイチきゅんに浸りきれませんでした。
最後のあとがきを見てビックリ!
え……全然気づかなかった!!!
パラレルワールドなんだもんね!?
あのふたりじゃないよね!?って
仮原と藤野の話がぶっとぶくらいビックリした
今作も携帯と信じる心がキーワード。
藤野の「心の声が聞かれるのは便利」って言葉が印象的だった。
いつ名前呼びに変わるかな、って待ってたのにぃ!
まだしばらくかかるのかな♡
シリーズ3作のなかでは一番好きでした。
”言ノ葉ノ花”を読んだとき、残念ながらこの世界観にハマれなかったんですよね…でも名作と名高くコミカライズもされている有名作、しかも2,3作は世界観は同じで登場人物が違うということだったんで、正月休みにリベンジしてみました。
んでもって、結論・やはり世界観が個人的にはあんまし…。
”心の声”って聞こえちゃうのよくないですよねw ”わからない”というところを探る駆け引きとかモダモダが生まれないんですよね、わかっちゃうから(だからこそ、何が大切なのか〜っていうメッセージ性の高い作品だと思いますが)。。あと、やはり聞こえるサイドの人の善良さが他の2作についてちょっとモヤッとというか、ホワッとしてる印象を受けてしまったのでした。
というわけで、”〜世界”は聞こえることを利用してきた屈折男が主役だったのがよかったんですよねwんでもって、”心の声が聞こえるとは”について、生物学的(?)な解釈をする理系の受けの説明が面白かったんです。さらに、本作の攻め受けに際立った魅力がないことが魅力wなのです。平凡な二人の非凡なラブストーリーという印象でした。シリーズ全体がクロスオーバーする構成が素晴らしいと思います。
やられた、エピローグに全部持っていかれた( ˃̣̣̥ω˂̣̣̥ )
本作の攻めは悪い奴でしたねー
ラストまであまり好きになれなかった。
ただ、心の『声』が聞こえるということは、人を孤独にさせるんでしょうね。
心の声と実際の声に差がない藤野。
仮原は藤野の『声』を輪唱みたいだと表現したけど、気持ちと言葉に齟齬がない人間て奇跡だと思う。
とても素直で正直だということ。
だからこそ仮原は惹かれたのでしょう。
お年寄りに擦り寄って騙し、人を見下し、何も期待しない男。
そんな仮原が初めての恋を知り、藤野に必死に追いすがる。
突き放しては追いかけて、また突き放しては縋り……この繰り返し。
もどかしくて苛つくし、馬鹿な男だとも思いました。
それでも憎みきれないのは、生まれた時から『声』が聞こえる仮原が孤独で寂しいから。
心のどこかで幸せになってほしいと思ってしまうから。
このシリーズで砂原先生が言いたいことは、『声』が聞こえる人の苦しみじゃなく、『言葉』で伝えることの大切さなんだと思うのです。
言葉を以て、信じる気持ちを以って、人は心を通じ合わせるのですよね。
とても素敵なメッセージだなと思いました。
そして何より私の心を揺さぶったのが、アキムラとシュウ。
二人の再会に涙が止まらなかった。
仮原ありがとう。藤野(の学生さん)ありがとう。
二人を会わせてくれてありがとう。