血と暴力の世界に生きる男たちのハード・ラブ!!

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表題作義を継ぐ者

大間組総本部長 矢島濤士朗・31歳
桂組組長養子で№2 浅黄慶仁・33歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

全国に分家を従え、構成員数千名を擁する桂組。その頂点に君臨する組長の懐刀で、実質NO.2の慶仁。けれど分家の総本部長・矢島は、身分や年齢差をわきまえず強引に近づいてくる。「分の違いを知れ」。苛立つ慶仁の言葉も、傍若無人で型破りな矢島には通じない。そんな折、組長がまさかの急死! 二人は過酷な跡目争いに巻き込まれ!?
(出版社より)

作品情報

作品名
義を継ぐ者
著者
水原とほる 
イラスト
高階佑 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199005763
3.6

(34)

(6)

萌々

(11)

(16)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
8
得点
123
評価数
34
平均
3.6 / 5
神率
17.6%

レビュー投稿数8

ハードLOVE。ヤクザBL

2010年作品。
ヤクザもの。
かなり終盤まで甘さは無くハードな展開。
…で。私こういうの大好物です。

主人公は美貌の組員、浅黄慶仁。
組員といっても、完全に本部内でカネの動きを操作している経済担当。
組長の慶次郎の寝室にまで出入りしているので、周囲からは「男妾」という目で見られている。だが実は…
…という慶仁の出生の秘密的な背景があり、そこに組長の急な死、そこからの跡目問題、反乱を疑われている慶仁の処遇が絡み合う。
慶仁は慶次郎の死後、心も抜け殻、ただ慶次郎の遺した組が正しく遺志を継いで欲しい一心で残務処理をする気持ちでいたが、その身は大間組の本部長・矢島に預けられる…

矢島の、激しい独占欲と執着心。
立場が下になった慶仁への凌辱、下剋上。
終盤に真実が語られるまで、思い込みと誤解しかない2人の関係性は痛々しい。
矢島との毎夜の無理矢理な性行為に苦しみ、殺してくれとまで懇願した日もあった慶仁だが、全てを知って安心したかのように慶仁を求めてくる矢島に対して、埋まらなかった心と体の哀しみが癒されていく。

慶仁の隠された半生。
何を言われても慶次郎の恩義に応えていた慶仁。
その慶仁の新しい人生のはじまり。矢島はこれまでと真逆にデロ甘の尽くし型、尻敷かれ男になる?絶対なりそう。

1

男は大切な人のためなら耐えることが出来る

主人公の生い立ちがキーポイントで、その背景があるからこそ慶仁の行動や想いに揺ぎがないことが理解できます。ストーリー的には跡目争いが絡む展開で定番とも言えますが、なかなかエッジが効いています。

慶仁は若くして桂組若頭補佐の職に就いており、そのせいで組長の男妾か隠し子かと噂を立てられていた。そんな慶仁に分家の総本部長矢島は立場もわきまえず遠慮のない物言いで、慶仁を不快にさせる。
組長が急死し矢島の組の組長が選ばれると慶仁は矢島の下につくことになり、今までの立場が逆転してしまう。
その立場を利用して矢島は慶仁をいいようにする。

慶仁には前組長に対して誰にも語ることの出来ないたいへんな恩義がありその想いは強いが、それを誤解している矢島は嫉妬しそして執着し慶仁を激しく責め立てます。

矢島に凌辱される日々に慶仁は耐えられなくなり、矢島に「殺してくれ」と言うくらい追い詰められるが…
そんな中、現組長が襲撃され慶仁に疑いがかかり矢島は疑いを晴らすために一緒に犯人を捜し出す。

疑いが晴れたその時、慶仁は自分の生い立ちを矢島に話す。 また矢島もヤクザになった経緯を話しお互いにそれぞれの想いを知ります。

凌辱でスタートした関係も実は慶仁の方がとても嫉妬深い性格で矢島を困らせるラストが楽しいです。
矢島だけが知る「名」で慶仁を執務室から誘い出し嫉妬で怒っているのをなだめるところはかなり萌えます♪

2

絵が…!!素敵ですー(((o(*゚▽゚*)o)))

水原作品で893物なのでビクビクしながら読み始めましたが、想定していたよりもソフトな感じでした。
矢島の慶仁に対する“想い”が読んでいる側には察しがつく書き方だったので下克上後のアレコレも安心して読めたからかな?
寧ろ慶仁の注意を自分に向けたくて必死だな~wwwって。
ってか好きな子をいじめちゃうってどこの小学生男子かっ?!
苦しめたいわけではないと言いながらも、嫉妬に駆られてちぐはぐな態度を取ってしまう矢島がもどかしい!!
そして、うっかりいじめすぎたことに動揺しまくる姿にはニヤニヤさせられました。
いや慶仁としてはかなり追い詰められている状態なんですけどね。
組長と慶仁の関係は至ってピュアな関係だったから余計に慶仁にしてはわけわからんでしょうて。

最後の方で、五分の兄弟である大間と芳川に妄想が止まらなくなってどうしようかと思いました。

それにしても高階さんの絵が美麗でしたー…ご馳走様ですヾ(●´∇`●)ノ

0

最後で持って行かれた!

高階さんのイラストに惹かれて購入。
読んでみたい作家さんでもあったので。
でも、これはあまり痛くないお話ですね。

香港の貧しい農村で育った慶仁は桂組組長に乞われて援助を受けながら日本で暮らすことになる。
そんな組長に寄り添うべく慶仁が就いたのは実質No.2のポジションで誰もが一目置いていた。
その組長とのあまりにも濃い信頼関係にいろいろ疑われたりもするのだが、分家の総本部長である矢島は立場を弁えずに慶仁に近付いてきて…。

なかなか面白かったです。
ある意味、気持ちが読者にはダダ漏れの攻・矢島。
好きなのに、好きだから、慶仁が組長を大事にすれば大事にするほど、嫉妬でひどく扱ってしまい。
自分でも最初は気持ちをわかっていないままなので、その行為はひどく歪んで。
心まで欲しいと思いながらも、心が組長に囚われているのなら、せめて身体だけでも…というか。
一方の慶仁はとにかく組長一筋。
それが恋愛感情ではなく親愛とか敬愛であったとしても、その情は限りなく深く、なにものにも代えられないもので。
支え合いながら生きてきた2人だから、失った時の喪失感も非常に深くて。
それゆえに、その後も組長を思い出しては矢島に虐げられることになってしまったりもするんだけども。
それでも、組長を失った時、差しのべられた矢島の腕にたしかに縋ったのは慶仁で。
動いていた気持ちにようやく気付けても、なかなかその腕の中に飛び込んでいけない慶仁がせつなかった。
それから、最後のえちシーンで「俺はまたお前を苦しめてるのか?」的なことを言う矢島もなんかせつなかった。
これからはちゃんと向き合っていけたらいいなぁと思う。
案外、矢島がいろいろ構って甘やかすんじゃないだろうか。

それから、組長の跡目問題で争ったように見えていた2人。
最後のシーンで決して2人が反発しあっていなくて、むしろお互いにお互いの性質やなんかを理解しきっているようで、わかりあっているようなところに非常に萌えました。
もしかしたら、自ら乗り込んだのだって、それだけ大事な人を傷付けられたことに対する憤りがあったからかもしれないし…。
この2人の話とかも見てみたい。

0

カッコイイわ~

やーもう、カッコイイよ。
こういうBLのヤクザさんたちというのはある意味メルヘンよりもメルヘンなのかも知れませんが、腐女子のハートをワクテカさせる素材としては最高ですね。
主役ふたりだけでなく、彼らを取りまく親分さんたちの縦や横の繋がり含めてカッコいい。
「男が男に惚れる世界」って、実にロマンだなと思います。

今回の主役の二人は、体格が同じっていう点も良かったな。互いに服を貸し借りできるんですよ。
イラストもそれをきっちり生かしたもので、麗しいスーツ姿にヨダレが出そうでした。
きっちり根性の座った受けもいいし、自分に心を預けてこない受けを力でねじ伏せる攻めもいい。
身体を手に入れたあと、心が手に入らないことに苛立って、さらに力任せに心を手に入れようとするアホの子みたいな攻め。大好物です。

0

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