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こんな別れの為にキミと、恋をした訳じゃないのに――
久しぶりにこんな泣いたかも、というくらい泣きました。まさに泣きBL。
甘くて切なくて、疲れた時に読みたくなる作品だと思います。
ちなみに前半は甘々。後半はシリアス展開になります。あめちゃんが記憶喪失になって、先生がぐるぐる考える話がメインになるので。
ただ、記憶喪失モノってどうしても「どうやって記憶を戻すか」がテーマになってしまって、記憶を取り戻した先にしか本当のハッピーエンドが見えなくなってしまうのですが、今作は記憶云々より「恋愛のあり方」を描いていてよかったなと思いました。後半はもっとラブラブしてほしいという欲望がありましたが、お互いがお互いを大切に思えることこそが至高であるというきれいなラストになっています。エッチなシーンも少ないので、心がザワザワしている時に読むと落ち着くと思いました。
高評価につられて読んだのですが、ごめんなさい!苦手でした。
先生×生徒ものが少女漫画でも根強い人気があるのは知っているし、私も「雪よ林檎の香のごとく」など、好きなBL作品はあります。
でもこの作品は苦手!!
どこが苦手だったかというと、成人して久しいプロの先生が、未成年の生徒を授業時間に指導もせずに、なんの躊躇も配慮もなく口説いているんです。
この段階でまずドン引きです。
職務放棄して未成年の生徒に手を出すことに少しは問題意識を持とうよ!
しかもそういう行いを不器用だけどピュアで善良なものとして肯定的に描いている。
これがなによりも気持ち悪い。
しかもその他の言動も悉く幼稚で、その幼稚さに耐えられず。
それでも生徒の判断能力がしっかりしていて、生徒が主体的に関係をすすめたのなら、まだ気にならなかったと思います。
けどこの作品、生徒の方もピュアというか、高校生とはとても思えない幼い言動なのです。
その幼稚さに耐えられなかったし、また受の精神年齢が低く感じられるせいで、そんな幼稚な子に手を出す先生がますます気持ち悪く感じられてしまうという。
先生×生徒ものって、立場によっても受け入れ度合が違う(学生の頃は読めたけど、子供を持ったらキモくなったと言っている人がいた)と思うし、時代によっても捉え方が変わっているように思います。
だからこの作品も、ピュアな純愛!って思う人もいれば、私みたいに犯罪!気持ち悪い!ってなる人もいるのだと思います。
とりあえず、令和に読んだ成人済みの私の感想は、「お巡りさん、こいつです!」でした。
買ったはいいけど読んでいなかった本作。
読み始めて、その理由を思い出しました。
そうだ、記憶喪失もの……苦手です。
だけど、読んでみればとてもいいお話で、何度も涙してしまいました。
先生とあめちゃん、2人が結ばれた後のあめちゃんの記憶喪失。
ですが、再会後からあめちゃんが先生を求めていることは明らか。
そこに希望を見出すことが出来たので、そんなにズーンとなる事なく読了できました。
先生は大人としてはダメダメだけど、恋人としては最高ですね。
こんなに想われたら忘れられないし、先生の優しさや強い気持ちがあめちゃんの中に残っていたからこそ、また先生を好きになったんだと思います。
この2人は、何度別れても何度忘れても、絶対また恋に落ちるんだろうなあ。
かなりボリューミーなのに一気読みでした。
優しくて温かい気持ちになれる作品で、今は胸の中がポカポカしています。
人間らしくなった先生にも、生まれ変わったあめちゃんにも感動でした。
諦めずに最後まで読んでみて良かったです。
初読み作家さんなので、一番評価が高い作品から読んでみようとこの作品を手にしたけど、文章がポエミーなところが読んでてむず痒いのと、なによりも攻めが30歳とは思えない男なので、前半で撃沈しそうになりました。
大人の分別というものが皆無だし、予備校講師としてどうよ…と。
とどめは、三十路男のちゅうちゅう発言。
うわ……無理…と思いました。
「答えてくれないと授業いけない!」と駄々をこねる30歳。
「待ってるから行きなさい!」と尻を叩くあめちゃん(高校生)
途中からこのあめちゃんが、まるで調教師か犬のトレーナーのように見えたんですね。
攻めは30歳だけど……先生だけど……己を叱ってくれる運命のご主人様に巡り会えた喜びで、頭のネジが10本くらい吹っ飛んじゃったただのアホワンコなのかも……?と思ったら、なんか生暖かい気持ちで読む事ができた。
アホワンコじゃ、「(ご主人様に)ちゅうちゅうしたいよ〜」も、しゃーねーな!みたいな。
そして後半。
確かに切なかったけど、思ったより泣けなかった。
TPOをわきまえず好き好き垂れ流しのバカワンコだった先生が、まともな大人になったのは、あめちゃんのおかげ。
ちいさんには、恋人だった過去を明かさずに、新しい人生を精一杯過ごしなさい、男の俺とはあげられなかった未来を見出してほしい、とあえて突き放す姿は、かつて授業中にもかかわらず「昨日あめちゃんで、ひとりえっちをしたよ。」と話しかけてきて勉強の邪魔をした同一人物とは思えない。
先生流に言うと、石ころだった自分を人間にしてくれたのは、あめちゃんなんだなと。
あめちゃんの破片が確かに残っていて、それが見え隠れするところが切なかった。
なんだけど、かつての「あめちゃん」との思い出が、これでもか!と登場(しかも会話など結構長い)するのに、ちょっと好みと違うなぁ…と。
記憶喪失になった相手と再会というお話は結構読んでるはずだけど、在りし日の思い出ってここぞという時に、スッと差し出されるからこそ、あぁ…あの時のあれよね、わかる!!なんて切ないの……!!と読者も思わず泣いてしまうと思うんだけど、かなり頻繁に登場するのでかえって有り難みがないというか、段々涙が引いていくというか……。
なんというか作家さんが作品にどっぷり浸かって自己陶酔してるように感じられてしまって、読んでて冷めてしまったというのが近いかも。
こういう作品が大好き!という方の気持ちもとてもわかるし、素直に泣けない自分に嫌気がさすのだけど、好みの違いとしか言えません……。
温かくて、優しくて、悲しくて、読みながら何度涙が出ただろう。。。
先生が千歳を好きになり、直球で想いを伝え続け、千歳も先生と過ごす時間や空間の心地よさを実感する過程が、現実にある様な設定なのに凄くファンタジーで、読んでいてずっと幸せでした。
2人が結ばれてからは、甘々過ぎて(悪い意味じゃなく)会話一つ一つにキュンキュン。
まだまだページ数があるのに、こんなに甘くていいの?!と不安になっていたら。。。
もう、悲しくて、実は読むのも辛くなりました。私なら!って思う行動も、先生は全く違うので、どうして?!と感じることも。
それでも読み進めると、先生の望んでいることが理解でき、だからこその辛さで涙がでました。
記憶喪失になる作品は色々ありますが、あっさり戻ったり、最終的に戻ったりすることが多いように思っていたので、何もかも忘れている状態が続くこちらの作品は、先が読めません。
でも、幸せな作品。やっぱり朝丘先生の書く物語は、心が温かくなります。大好きです!