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◆ショクドー・ディナーショー(表題作)
うーん、何だろう。食堂の空気感や2人で一緒にご飯を食べる描写なんかは好きだったのですが。やはりノンケ同士がこれだけ短い期間、何の変哲もない交流をしただけで、お互い好きになるという展開の説得力がないんですよね。どちらにとっても、たまたまアパートが同じで、喋る相手、気が向いたら一緒に食事できる相手ができてラッキーくらいの感覚で止まるのが自然なように思えて。せめてどちらかがゲイなら、そこから恋愛に発展してもおかしくないとは思うんですが。
◆真夜中コーヒ、やがて夜明け
こちらもキャラクター設定や、掴みは面白かったのですが、あとがきでも仰っているように、創り上げたキャラを先生自身あまり掴みきれないまま描かれたんじゃないかな、と思うような内容でした。展開が先走っていて、キャラが追いついていないように感じ。萌える萌えない以前に、キャラの心情変化の描写が乏しくて、共感できないんです。そこがもう少し丁寧に掘り下げられているといいかなと思いました。
食が繋いだ可愛いラブストーリー。
振られたばかりの市太郎と食べっぷりのいい涼が出会い、
惹かれあっていくノンケ同士のお話です。
食堂で出会った二人ですが、実は同じアパートだったとい
うところはご都合主義を感じました^^;
無事にくっついた後はHについての悩みが生じますが、
正直、涼が受けだと思ってなかったので驚きました!
筋肉質で身体も大きい涼が受けということもそうですが、
あんなに無表情で感情が読めなかったのに、
恋人になってからは市太郎にペッタリくっついてきて可愛かったです( ´∀`)
購入時は全くおもしろいと思えなくて、多分購入ぶりに読んだのですが、割とよく見る感じのBL漫画、ぐらいの気持ちになりました。
エッチシーンも少ないので、超初心者向けにはいいかもしれない。
ノンケ×ノンケでBLにもっていくのは、相当きちんとしたストーリーがないと納得できなくて、表題ハマりませんでした。
表題より同時収録の「真夜中コーヒー、やがて夜明け」は結構好きです。コメディ色をもっと強めてギャグショートショートにしたらもっと好きだった。
※電子書籍 カバー下有り
梅松さんの新刊「オールドショコラ」が粒揃いの短編ばかりでとても良かったので、既刊を読み返し中です。
表題作が全三話&描き下ろしと、その他のお話が一つ、全部で二カプの作品が収録されています。
【ショクドー・ディナーショー】
ノンケ同士の恋。食堂で働く学生・イチとそこの常連リーマン・涼のお話。
食いっぷりが良い常連さんが実は自分のアパートの階下に住んでることを知り、お互いの部屋を行き来する仲になります。
このリーマン・涼が、表情が乏しいというか捉えどころのないキャラでなんか印象が薄いんだけど(と思ったら、あとがきでも2話くらいまで涼のキャラがつかめずとあった)イチは「とにかくいちいち男らしいというか漢!って感じ」で「変に色気があって」とドキマギ&ウットリしちゃうんだけど、そうかぁ?とちょっと同意しかねるところがある。
涼を見て色気があるとは私には思えないし、そもそもノンケが漢っぷりのある漢の色気に惹かれるもんなのかなぁと。イチがゲイだったら全然問題ないんだけど。
その後、イチは勘違いして暴走して勝手に距離を置いて‥と一人プレイが激しいんだけど、そんなイチに対して怒りを露わにする涼。
その怒り顔を見て、感情表現の乏しい人の怒った顔の原因が自分だという事にイチが妙な嬉しさを覚えているところが好きでした。
【真夜中のコーヒー、やがて夜明け】【バラいろアオ写真】
小説家・北村とゲイのリーマン・和史という恋人同士のお話。
「真夜中のコーヒー、やがて夜明け」はカフェで和史が別れを突きつけるという不穏な出だしからスタートするお話で、「バラいろアオ写真」はそんな二人のなれそめエピです。
小説家の北村があまりにも人の話を聞かない感がすごくて、こんな男とやっていけている和史ってすごいなと思いつつも、不器用ながらも真っ直ぐに和史を愛しているところや和史に好かれたいと思ってるところが可愛いなと思った作品。
表題作よりもこっちのほうが好き。
この本は5回以上は読んでるはずなんだけど、良い意味でも悪い意味でもアクの強さがないので(そういう作家さんなのは判ってるけど)表紙を見ただけですんなりと内容を思い出せる作品ではないので、今回レビューを書いたからもう絶対に忘れない!と言い切れる自信は‥ないです。
笑いながら楽しめる作品が好きな方にはぜひともおすすめしたい作品です。
食べ物が出てくる作品が好きなので買ったこちらの作品のおかげで、梅松町江さんという素晴らしい作家さんに出会えた喜び。食べ物大好きで良かった!
というわけで本棚整理をしつつ、手元にある好きな作家さんの作品のレビューを書かせていただいているのですが、読み返してもやっぱり好きだなあ。同時収録までいとおしい。
表題作+後日談と同一カップルの短編が2つ収録されています。
【ショクドー・ディナーショー/ショクドー・カーテンコール】
大学生のイチがバイトする平田食堂の常連で、必ず生姜焼き定食を注文する涼。食べっぷりの良さに好感を持っていたものの、あるとき食い逃げした客を涼が捕まえてくれて…、という始まり。
ノンケ同士の恋です。
登場人物がみんなすごく良くて。
イチは完全に恋する乙女で可愛らしく、涼は一緒にごはんを食べたくなる豪快な食べっぷりが魅力。食堂のおじちゃんは食い逃げ客を捕まえてきれた涼に「暗い顔して肉体派だね」なんてさらっと失礼なことを言ってしまうし、おばちゃんはかかあ天下。イチの大学の友達でバンドメンバーでもある3人組は辛辣ながらも優しい子たち。
そんな人たちが交わす会話がいい。小さい文字まで落とさずに楽しんでほしいです。
「嫁に来てほしくなる香り」という言葉を聞いて、「その会話、気になる!」と思った方はこのノリを楽しめるはずです。
イチの気持ちが「カッコいい」から「ときめき」に変わっていく流れの作り方もうまいです。基本的にBL作品を読むときは「主人公のしあわせを願う親友」スタンスなので、主人公の気持ちや目線に共感できたらもう完全にハマってしまいます。ハマりました、まんまと。段階を追っていくうちに、どんどん涼がカッコよく見えてきました。
ちょっとした出来事でイチが落ち込んだり暴走したり、また落ち込んだりするのですが、この出来事というのが、分かってしまえば何てことないことだけど、恋する乙女にはそう見えるだろうし、恋していなくても腐った目で見たらそう思えるという内容なのです。それがまたおかしくて。
ちらほら出てくる食べ物を楽しみつつ、ほのぼのと読みながら胸きゅんも味わえる素晴らしい作品です。
わたしの好みや読み方に「わたしもそう!」と感じた方は読んでみてください。
全然関係ないけれど、イチはどうもギターがそんなに上手くないようなのですが、7弦ギター弾きです。スゲー。7弦というと思い浮かぶのはKORNとかヘヴィメタばかり。メンバーに女子もいるので、どんなバンドなのか気になります。
【真夜中コーヒー、やがて夜明け/バラいろアオ写真】
作家の北村とリーマンの和史の話です。
1つ目は北村の自分勝手さに疲れた和史が呼び出されたコーヒーショップで別れを告げるところから始まって、予想外な着地点へ辿り着く短編映画のような味わいのある作品。
2つ目は一緒に住む家引越してきた日に北村が「玄関で写真を撮る!」と言い出すところから、和史が出会った頃を思い出すという回想がメインです。
北村が破天荒すぎて、どんな枠にも嵌らないタイプです。自分の直感だけで突き進む、周りの見えないタイプを「面白い!」と思える方はきっと好きになる人物です!
振り回される和史も可愛くて、ツッコミ笑いながらほのぼのできる。そういう作品がツボな方には読んでいただきたいです、ぜひ。