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蓉一が藤本と共同制作したり、桜井と蓉一がすれ違ったりする4巻でした。
作中でホモという単語がよく出てきますが、2013年に出版なので昔だから許された表現だと思います。
桜井が3年も大阪にいることが分かり、蓉一と喧嘩になってすれ違うところが切なかったです。
藤本がすかさず蓉一に告白しますが、蓉一は桜井を選ぶのでキュンときました!
桜井と蓉一が仲直りして抜き合いもして一気に距離が縮まり嬉しいです!
桜井から蓉一への「好き」も聞けて大満足でした!
しかし、蓉一の不穏な台詞で終わってしまったので次巻が気になります!
修正の必要がないように描かれています。
流し目の蓉一が美しい表紙の4巻。
3巻までジワジワとではあるけれども、まずまず順調だった桜井と蓉一の関係が前半は停滞します。
仕事が忙しくなり会えない時間が増えて、転勤の話もできないまま。
桜井からではなく、別のルートから転勤の話を知ることとなってしまいました。
拗れちゃうパターンだコレ。
藤本に真剣な告白をされ、やっぱり桜井じゃないとダメだと再認識する蓉一が向かった桜井のマンションで初のお泊まりとなりました!
最後まではまだですが、ピュアな蓉一が遂に…反応がとても初心で萌えました。
事後に恥ずかしくなっちゃって不機嫌になるのとか、可愛すぎるよ、蓉ちゃん。
ピロートークで蓉一から明かされた驚きの疑惑!…という所でto be continuedでした。
2人のこれからや、菖太の進学問題、蓉介夫妻の死の真相…気になることが山積みに出てきた巻でした。
桜井(38歳 広告代理店勤務ワーカーホリック気味)×蓉一(美大生)
4巻、毎度藤本から始まるな笑
この作品、桜井と蓉一が主役のようで、藤本がかなり重要な人物です。ど真ん中に添えられていないだけで、必要不可欠かつ彼の成長物語でもあり、相当なページ数が彼に使われている。
あの蓉一が、藤本のこと「嫌いじゃない 好き」とまで思えるようになったの感動。溺愛攻めが好きなので、藤本のこと贔屓してましたが、いい奴だよなぁ藤本。でも蓉一が恋愛の意味で好きにならないのもわかるし、恋愛としてより友達としての方が2人は長く付き合えそう。
この作品はテキトーに人生考えているいい加減な奴がいないですね。みんな生きるのに必死だ。
中盤で蓉一が、まずは自分が変わらなければ桜井にも変わってもらえないと気付くところがすごいなぁと思いました。私からすると1巻の最初の頃と比べて、今の蓉一に至るまでの変化ってものすごく大きいと感じていたんですが、本人にはその自覚がないんでしょうかね。他人を変えることって本当に難しくて、自分の変わった姿を見せることで相手にも自分から変わろうと思ってもらわなきゃ、なかなかできることではないんですよね。このことに気付ける蓉一はできた人間だと思います。
一方の桜井については、私はやっぱり狡い部分が多いなぁと感じました。藤本が蓉一に急接近しているにも関わらず、忙しさを言い訳に蓉一を放任。転勤の話も後回しにして、蓉一は本人以外の口から聞く羽目になってしまう。桜井の心情もまったく理解できないわけではないんです。大人だからこそ全部綺麗に整理して、1つダメになった時の予備の道も用意してから駒を進めたいという気持ち、誰しも持つと思います。
でも、自分が手を出した年下の経験値もない相手が自分のことを真剣に想ってくれていて、その子の周りを複雑な家庭環境や恋敵が取り巻いているという状況で、しばらく何も行動を起こさないことへの言い訳にはならないんじゃないかな。まだまだ蓉一の好意に甘えているところがあるように思います。最終巻で桜井の印象が変わることを期待したいです。
いつの間にか、蓉一は桜井さんからマンションの鍵を渡されていて、部屋で待つようになっている。うっかり恋人同士の様になってはいるが、桜井さんは転勤が決まったのもあって、殺人的に忙しく、マンションに帰れる事はあまり無い。蓉一と会う事も無くなっていた。桜井さんがグズグズと転勤のことを言えなくなっていくうちに、柏木さんと吉富さんがその話をしているのを聞いてしまった蓉一は、たぶんショックのあまり苛立ちを桜井さんにぶつけてしまう。けれど、蓉一も後になって思うのだ。自分はこれまで父を慕う大人たちに甘やかされて、気を遣われて来たけれど、自分から先に変わらないと、桜井さんも変わってくれないのかも、と。
藤本といい感じに学校でも親しくなって来た蓉一は、藤本たちと共同研究のグループに入れて貰う。それは期間限定の店舗の内装を任せて貰えるというプランだった。スライドを使ったプレゼンで、教授の講評でボロクソだったというそれを実際に、視察してくれるというので、藤本と蓉一は店舗で教授から講評して貰う。あまり誉めてくれない、厳しい教授に褒められて、驚いていると、同行していた、彫刻科の教授に、声をかけられる。その柳原教授も蓉一の父、蓉介の友人だったという。彼は柏木さんから、蓉一に父、蓉介の陰が及ばない様に、蓉一に関わらない様にと注意されたという。そして、今、この一年の間に蓉一の絵を見て、気付いたのだと。「君はもう、蓉介の影を追っていないんだね。」ここ、感動しました! 蓉一も感激して礼を言います。この一年の間…、桜井さんと出会い、感情というものを知り。藤本ら、友人と呼べる人たちの間で、確かに蓉一は変化しているのです。蓉一の中に、蓉介の面影しか見ていないかの様な周りの大人たちの影響ばかりを受けて来た蓉一にとって。それは成長。何かが芽吹き始めた瞬間だったかと思います。
一方、藤本は教授に指摘されて気付きます。絵を描くよりも好きなこと、自分が本当にやってみたいこと、自分に向いていること。
蓉一といたから自分にも気付けたんだと、藤本は蓉一に何回めかの告白をするのですが、やっぱりフラれます。ここもちょっと切なくていい。桜井さんを好きな蓉一が好きだった、なんて言っちゃうんですよ。だからそんな蓉一が可愛いと思えた、なんて。うるさく付きまとっていた藤本ですが、ちょっと可愛いって思えて来ちゃいます。(そう言えば、この物語には嫌な人ってのは出て来ない。)
…そんなわけで、勢いで蓉一は桜井さんのマンションへ会いに行ってしまいます! 桜井さんは、大手の広告代理店を退社して独立するという柏木さんに、呼ばれている。三年後、その独立した会社に来ないかと、と誘われているのだ。柏木さんは業界での実力者にして、有名人でもあって。それは凄い事なのだと思う。しかも、関西支社での転勤を終えた三年後。そこで成果を上げて来い、という、これは桜井さんにとってもチャレンジで、新しい道なのだ。
一人、桜井さんは家路に向かいながら考えている。「蓉一に会わなくちゃ。」そして伝える決意をする。蓉一は蓉一のやりたい事を、俺に関係なく続けて欲しいこと。俺が頑張ればいい…。
マンションの前で待っていた蓉一と桜井さんは、その夜、ようやくキスより先に進みます。この時、最後まではしません。
そして、桜井さんは初めて、自分の両親の話し、父の話を蓉一に語ります。桜井さんの父も、桜井さんと同じく美大を出て、広告代理店に勤めていたこと。
父親というのはそんなにも子供の人生に影響を与え続けるものなのか。
ここで、蓉一は思いも寄らなかったことを口にします。蓉一の両親は自殺したのかもしれないと。
衝撃的なラストを残して、次巻へと続きます。
描き下ろしでは、竹生がまだ子供の頃、両親が蓉介叔父さんの遺品の形見分けを柏木さんに委託したという話を聞いている。急逝した蓉介は、遺書を残していたのだ。事故なのに⁈ 遺書⁈ という、蓉一の不穏な台詞を裏付ける様な。このことは本編にも描かれていて、それで蓉一の家は手入れをされ、土地もそれなりに管理されているのはこの遺言と蓉介を慕う柏木さんたち、友人のお陰なのだ。
それぞれの道、進路を丁寧に描いていて。皆んながバラバラの道を進むんだけど、それは明るい未来が見える様な気がして、とても清々しい。これから自分がどうして行くのか、特に大学生の頃って悩むと思うんだけど、それぞれが見つけていく兆しを感じていて。学生だけでなく、もういい大人の柏木さんや桜井さんも。そして、見えていない何かの中でうずくまっていた様な蓉一の中にも。