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表題作臆病な大人の口説き方

長月,37歳,日高が苦手とする技師長
日高圭二,27歳,地図コンサルタント会社海外営業部員

その他の収録作品

  • クロノグラフと万年筆
  • あとがき
  • おまけ

あらすじ

海外営業部のマスコット系社員・日高が唯一苦手なのが、無愛想で厳しい年上の技術者・長月。しかし海外出張先で共同生活を送ることになった彼は、日本での態度が嘘のように面倒見がいい。さらには優しいキスや抱擁を与えられ、戸惑いながらも惹かれていく日高だったが、長月に想いを寄せる現地通訳・ボリスの画策で、彼から距離を置かれて……!?

作品情報

作品名
臆病な大人の口説き方
著者
月東湊 
イラスト
花小蒔朔衣 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344830585
3

(46)

(13)

萌々

(9)

(7)

中立

(2)

趣味じゃない

(15)

レビュー数
8
得点
124
評価数
46
平均
3 / 5
神率
28.3%

レビュー投稿数8

攻めざまあな展開になってほしかった

ボリスの画策で2人の関係が離されてしまったのですが、それは仕方ないにしても長月が必要以上に日高に冷たく当たるのが腹立たしかったですね。
受けも散々冷たくされておいて、帰国前日に自分から抱かれにいくなんて、イラッとして全然萌えずそこを読み飛ばしてしまいました。(笑)
ありがちかもしれませんが、やはりそこは攻めざまあにしてほしかったです。
腐女子は受けに自分を投影するものと思ってますので(少なくとも自分は)、何か懲らしめたかったです。
過去に色々あったにしても、こんなに受けに甘やかされて、本当に攻めのためになってるのかとやや心配になりました。

でもストーリーは大変面白くて、いつもはもう少しゆっくり読み進めるのですが、夜更かしして一気に読んでしまいました。
時計の話はとてもよかったです。
長月を嫌いなままでいたかったのに、最後はこちらも絆されて何だか悔しい気持ちが残っています(笑)。

1

しごできBL

賛否両論のレビューに溢れてますが、私はスゴくハマりました。

最初は受けの日高が、スゴいトラウマ級に苦手としている攻めの長月にどう心を開くのかなと思って懐疑的だったんです。
だって私なら、一生その仕打ちを忘れないし、いくらいきなり態度が変わっても許すことはないし、ずっとその時のことが燻り続けるからです。

懐疑的だったのに途中からすっかり絆され、オメガの時計のエピソードの時には、もうすっかり二人の幸せを思っていました!

何でしょうね、キルギスという国の描き方がスゴい素敵で、私は行ったこともないのに現地に旅行に行ってる気分になったからですかね。
挨拶の仕方とか凄い興味深くて、現地の人たちが温かくて。長月に突き放されても、現地の人が優しくて、温かく接してくれて、何かこちらまで癒されるようでした。

日本では、長月が酷くても営業部の皆がいい人で温かくて、甲斐さんという他部署の先輩も優しくていい人で。

おまけに日高が肉体的にも精神的にもたくましくて、おまけに仕事も出来ない未熟と本人が思っているけどスゴい粘り強くて努力家で素晴らしいのです。

そんな日高が好きになった人と幸せにならずにどうするという感じですよ!

とにかく仕事の詳細描写も素晴らしいし、キルギスの描写も素晴らしいし、挿し絵は本文にピッタリで、本当に満足です。

甲斐さんのネタ、あるらしいのですがまだ続編がないのですよね。
本当にもったいない!
また私を脳内旅行に連れて行ってほしいです!

1

私も攻めが理解できないー

お仕事もの。今まで知らなかった職種だったので、そこは評価高!
そりゃ脚色色々あるだろうけど、でも面白かった!

ただ攻めの気持ちがなかなか理解できず、評価↓。
キルギス行く前から、人格破綻してんじゃん!というしかない根性悪なところが、今ひとつピンとこず。
会社なんて人間関係が八割だと私は思うわけ。
だから何にもしてないのに、あの嫌味な態度は理解に苦しむ…
まあ最後は癒されて、かなり人間ぽくなったようで一安心。

そもそも買ったのは、花小蒔先生の挿絵が見たかったから。
おまけに出てたサブキャラの方のお話を楽しみにしよっと。

7

どうしても攻めが理解できなかった

10歳差の歳の差ラブストーリー。
どうしてもどうしても読んでいて楽しい気分になれず、攻めの恋愛感も受けの一途さも納得がいきませんでした。
ここまでもやもやして納得がいかず、読んでいて辛い気分になった本は久々です。
読んでいてずっと攻めの長月の性格の酷さが腹ただしくて悔しくて読んでいて辛かった。

攻めの長月の性格がかなり悪いのですが、わざとそうしてる、という設定です。

海外営業の日高は海外出張中、紛争に巻き込まれ日本に帰れなくなってしまったところを、現地に派遣されている社員の長月のもとで世話になります。
長月は性格がきつくて社内でも有名で、日高も嫌な気分になったことが何度もあり苦手としていた人ですが、久々に海外で会う長月は別人のようなよい人に…

そんな長月を日高は尊敬し、慕うようになり、長月とキスを交わす中になります。

キスが重要なとなる作品で、それ以上の行為よりもむしろキスシーンがよいです。
「またキスしてくれないかな」とか、「どうしたらキスしてくれるかな」と毎日考えるようになる日高は可愛いです。
しかし二人の仲を怪しまれてからは長月はよそよそしくなり、日高はやりきれない思いを抱え長月に必死になったまま日本に帰国します。

ここから先はかなりネタバレになりますが…
日本に帰って再会した長月はもとのひどい性格に戻っているのですが、長月を好きなままの日高に対し、長月がする酷い行為の数々がもうどうしても受け入れられませんでした。

日高に対する仕事上での意地悪、馬鹿よばわり、完全無視、あげくは暴力…。

長月は同性愛者ということで辛い目にあってきた過去があり、「何も知らない日高は自分の過去を見ているようでイライラする」と何度も言います。
何にせよ、私情がからんで仕事上の人間関係が円滑まわせていないという部分が(それが理由で誰かを傷つけまくる性格になっているということは)果たして40も近い大人のとしてどうなのか。
昔自分が傷ついたからといって、あなたは誰かを攻撃し、傷つける権利はあるのか?と問いたくなります。大人気ない、なんて台詞では片付かず、一個人として嫌な人間としか思えませんでした。

もう自分が傷つきたくない、相手も傷つかせたくないという理由からくる酷い行為の数々は臆病というよりは弱虫で身勝手で卑怯に思えました。全く、一つも、日高がこの人のどこがいいのかわからず…。

この酷い行為の数々は日高を自分から離したいというよりは、読んでいて、自分がもう何にも関わりたくないというようにどうしても捉えてしまいました。
「お前は馬鹿だ」とか「いらいらする」とか暴言や意地悪、無視はまだしも、暴力は許せなかった。
自分の過去の臆病さからくる暴力なんて…。それなら最初から日高にキスなんてするべきじゃなかったです。
手を出してきたのは長月のほうなのに??その矛盾が一切説明されておらず…

長月のしていることはただの意地悪です。どんなに理由をならべたてても、これは意地悪であり嫌がらせだと感じました。
たとえ同性愛という道に日高を引きずりこみたくないという理由があっても、日高を傷つけて詰り、馬鹿呼ばわりして暴言を吐くことを肯定できませんでした。日高が何故怒らずに長月を追いつづけるのかも全く理解できませんでした。

最後に、日高が、絶対ばれないようにするからもう一度恋に踏み弾してほしいと説得されて、ここまで日高が後押ししないとダメなのか、というのも、ちょっともやもや。
果たしてそこまでして見守りたい恋には思えません。やはり私には長月がそこまで魅力的に書かれていないと思ってしまったからだと思います。

なので結果的に日高の必死の健気さも納得できないままでした。日高というキャラは前向きで健気で努力家でとても好きです。

お仕事ものとしては下調べをとてもしているなぁと感じたことと、舞台が2005年前後のキルギスということで、BLとしては仕事内容も珍しく感心しました。

否定的なことばかり書いて申し訳ないですが、私にとっては好みじゃない作品でした。

11

好みの一冊だった!

月東さん初読み……と思ったら、嘘でした。
ちょっと面白いと思ったアラブ物
「砂宮夜話~王子は御曹司に愛される~」を読んでいました。
そして本作、すごく面白かった!


いきなり舞台はキルギス。
(作者さん、何かあっち方面に縁がある方なのかな?)
しかも業種は地図コンサルタントという、興味をそそられる分野。

この馴染みの薄い土地での
これまた馴染みの薄い分野の仕事振りが、なんとも面白く興味深い。
それと恋愛との塩梅も、リアリティがあって、
仕事はできるのに恋愛では臆病な攻めや
振り回されたり悩んだりする受けの人間味が心に響く。

後日談のSSはとても甘い。
本編が一筋縄ではいかなかっただけに、この甘さはとても満たされる。


仕事ぶりも描写も読み応えがあり、
攻めは厄介な性格とも言えるが、絵空事じゃあない感じがあって
恋愛面でのヘタレぶりも含めて、大人の恋愛譚として
読み応えと心動かされるものがある一冊だった。
受けの男らしさや可愛らしさもよくて、
個人的にはかなりキュンとしながら読んだ。

この臆病というかある種ずるいと言える攻めを好きかどうかで
評価は分かれそうな気がするが、
それが大丈夫そうならば、お仕事BLとしても読み応えがあって
オススメの一作です。

7

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